2018年4月29日日曜日

採用のハードルを上げる理由


今週は、2019年採用の会社説明会を行い、12名が参加してくれました。

大学への案内、合同説明会への参加、リクルート系の会社との契約など一切せず、ほぼSNSの発信だけで、我々の様な中小企業に、この時期これだけの学生が集まるのは珍しいらしく、採用支援をされる会社さんが見学に来られていました。

実はこの時期(一般的な採用活動時期)から会社説明会を行うというのは8年ぶりで、この間はやはりSNSだけで採用していたり、活動を行うにしても、あえて内定式以降から、本当に働くという意識を持った所から行なっていました。

流石に売り手市場過ぎて、今年は一般的なスケジュールに合わせて動く事にしたのですが、それでも、その様な形を取るのも、色々な面で“数を追わない”戦略や、人についても出身校はおろか、これまでの背景などよりも“価値観”に共鳴しているか?と“やる気”がポイントであるのと、それを見ていくには、広告的にお金を掛けたりして沢山来てもらうよりも、うちの展開に興味を持って“わざわざ来てくれる人”と、できるだけじっくり話をして、お互いが合うかどうか?を見極めた方が良いからです。

今や終身雇用という時代ではないとは言え、特に最初の就職先を決めるというのは、その人の人生においても大変重要な選択になるわけですから、沢山集めてふるいにかけていく様なスタイルでは、我々の訴えていきたい“働き方”や、広めていきたい“いい会社”にも繋がりませんので、頑なに“わざわざ”というハードルを設けています。

という事で、会社説明会の後には、希望者は残ってもらって面接を行なう様にしたのですが、殆どが希望してくれた為、本当はそこから、私と1対1の面接をするつもりが、グループ面談となってしまいました。

その分でもないですが、二次面接は私と1対1で一時間の面接を行ないますので、該当者でこれを見た人は、そのつもりでお越し下さい(笑)

先週には歓送迎会がありました。
これにはFBでもUPしましたが、ウエダ本社80周年の歴史で初となる、スタッフの息子さん、上場企業から来てくれた人、育休開けでの復帰者と、新に入ってもらった守衛さんが歓迎側で、送迎側は、定年後に来て頂いて9年務めて頂いた守衛さんと、40歳で新たな道へ転身するスタッフでした。

家庭のご都合もあって退職されることになった守衛さんからは、“第二の人生で定年後にウエダで納得するまで働く事ができて、これで本当に人生全う出来ました”と涙ながらに言って頂いたり、東京の会社へ転身する事になった、中途入社のスタッフは、前職では仕事に対して後ろ向きだったのが、ウエダに来てから考えが変わり、今回の決断も、以前の自分ではまず無かっただろうし、”ウエダに来たから挑戦しようとする気になった”と言ってくれていました。

会社を経営していて、やはり人が去っていくのは寂しいですが、一方で、この様に働く人達が納得できる経験と場を提供できる事、そしてそれを感じて喜んでもらえた時が、一番嬉しい様に感じます。

それだけに、表面的な時間だけの働き方改革には大きな問題を感じるのですが、仕事を時間や条件だけで判断する人は、ハッキリ言ってうちの会社には向きません。

ただ、誤解しないで欲しいのですが、長時間労働を是としているという事ではありません。

時間など関係ないというか、それぞれによって違うし、そのそれぞれは同じ人でも状況によっても違うので、単純に時間の話ではないという事なのです。

精神的に完全に集中している状態をフローと言いますが、一説では、日本の平均的なビジネスマンは1日に5%しかフロー状態になっていないそうです。

8時間でも30分しか集中していないという事になりますが、その人が長時間働く事よりも、このフロー状態の時間を上げていく様にする事、それが目指すべき働き方改革であり、そんな感覚が広がれば、子育て中の主婦でも、1時間集中した仕事をすれば、8時間労働の一般的なサラリーマン以上の働き手になるのです。

そんな事を考え、そんな働き方改革を目指していきたいと考えているのがウエダ本社ですので、何故、そんな採用スタイルをするか?というのもご理解頂けると思います。

しかし、我々も決して楽をしているわけではありません。

FBもブログも、面白い話は一切なく、馬鹿みたいに同じ様な話を発信し続けている事も、長年に渡るブランディングであり、リクルート活動でもあるのです。

あ、言い忘れてましたが、我々がこんな戦略を取る大きな理由の一つは、お金を掛けらないからです。

これを言わないとちょっと良い恰好し過ぎですね(笑)




2018年4月22日日曜日

枠外の人との共同作業

今週は、審査員として関わっている二件の仕事?がありました。

一つは、京都市の「これからの1000年を紡ぐ企業認定」で、第三回となる今年は三社が選ばれ、その認定式が行われていました。

1000年紡ぐという大きな構想の為、第一回~第三回で選定される企業の毛色が違ったり、審査員それぞれの想いも全く違うのですが、私はこちら認定では、ソーシャルマインドなどは当たり前で、意識せずともそういう精神が組み込まれた事業で、それが、いかに強いか、又、状況が変わっても対応していける柔軟性があるのか?というところを重要視しています。

もう一つの審査は、信頼資本財団の共感融資の審査会でしたが、こちらは逆に、まだ採算に乗らない事も含めて、資金面が厳しいながら、素晴らしい活動で、その団体が無くなると、そのソーシャル課題の解決に対して、大きな損失だと思える所が融資対象だと思っています。

私などが偉そうに審査員?とも思いますが、多くの、経済性のみを追求して来た企業さんに向けては、ソーシャルマインドというか、そもそもその事業と社会との関係性においての想い(繋がり)、企業はどうあるべきなのか?という点では、モノ申せると思っていますし、逆に想いの強いソーシャルビジネスやNPOなどには、継続性という観点から、経営、生き抜いていく力などを見ていく様にしています。

どちら側からアプローチするにしても、これからの日本では、この両側を兼ね備えて、ビジネスを創っていける“事業家“が重要になってくるので、そういう人や企業に光が当たればと思っています。

日本ではオペレーションがうまい人は沢山いますし、そういう人が大企業で出世してTOPなっていっています。

しかし、オペレーションができるのと、事業が創れるのとは別で、むしろオペレーションができる人は事業家にはなれないケースが多い様に思います。

大企業の社長、優良企業の社長だから、ビジネスを生み出し創り上げる事業家かと言えばそうではなく、大企業が何故オープンイノベーションの必要性が迫られているのか?と言えば、それは正に、オペレーションのうまい人達のマネジメントでは、これからの大変革の時代に残っていけないからです。

だからこそ、ソーシャルという世界に、強い想いで打って出ようとする人は重要なのですが、想い、構想力と、それを具現化していく構築力、その両方兼ね備えている人などは、なかなかいないので、そうなると、こちらのセクターでは、自分の足りない所をどの様に補完できるか?想いは強くあっても、それを客観視できるか?が、生き残っていくポイントだと思います。

と、それこそ私自身ができないのに、偉そうに言ってますが、両側を見れる役割を頂いているので、それらが交差していく様にしていきたいと思います。

そういう面でも、第一回、二回の認定企業も参加して交じり合わせる1000年紡ぐの認定式を見ていると、認定企業間の連携が生まれていたり、学びあったりされている様で、やはり同じ方向を向いていて、自分の”枠外の人”との共同作業が、イノベーションを生み出すポイントだなあ〜と改めて感じました。



2018年4月15日日曜日

こどもの視点から

今週は、前回好評を博したGOOD PLACEセミナーの第二弾として、こどもみらい探求社 共同代表の小竹めぐみさん、小笠原舞さんのお二人をお迎えし、”女性が輝く環境を考えるセミナー”を開催しました。



こども×〇〇 をコンセプトに、様々な領域に、こどもの視点を持ち込み、こどもの偉大さ、それぞれが世の中の唯一無二の存在であることへの気づきなどから、自分を大切にし、主語を自分に転換していくことへのサポートを行っておられるお二人ですが、女性が働いていく為に必要な要素ってどんなことがあるのか?
その辺りをディスカッションさせて頂きました。

保育園が足りないと、働く女性を増やしていく為に、企業業内託児所も、広がっていますが、国の援助が無くなっていけばどうなるのか?気になります。

本質的には、子供とも一緒に働ける場が広がっていくことが理想だと思いますし、我々としては、子供が来ても良い職場を、お二人と研究して広めていきたいと思います。

どんなことも、効率を求めたり、他人を気にして、標準化を求めていったり、リスクを恐れ、安全を求めて、"分ける"様になっています。

本来は分けないこと、そして分けない為には、違いを認識することが重要だと思うのですが、これまで日本で行われてきたことは逆で、皆同じ(標準、均一)が良いとして、違うことを悪いと捉えてきたのです。

ウエダ本社子会社のMEGAMIでは、今月から、お子さんと一緒に働けるサテライトオフィスを開設し、これを広めていくことにより、保育園に預けて会社で働くのか?在宅勤務か?ではなく、”預けない選択”という選択肢を提供して参ります。

こどもの偉大さに学んで、”こども達に良い影響を与える大人達を育てる”という目的もあって、こどもみらい探求社さんでは、”おやこ保育園”という活動も行っておられますが、
我々でも、こどもが来ても良い職場を考えていくことによって、全員がこどもの経験を持ちながら凝り固まってしまった大人達の頭を変え、男性社会で固められた枠組み、環境を変えていけないか?と思っています。

毎日繰り返される、我が国TOPの政治家、官僚の、改ざん、隠蔽、嘘、責任逃れのオンパレードを見ていると、この岩盤の様に凝り固まった方々が、自分達も持っていた筈のこどもの目線や感情を思い出してもらえないかと思いますね。

おやこ保育園でも見に来て頂けたらいいのですが。

2018年4月7日土曜日

今年度の採用活動は?

毎年、4月の第一週の金曜日は、某企業さんの素晴らしい本社のお庭や、ゲストルームなどを使ってのお花見会と、某上場企業さんのゲストハウスでのお花見会が二件重なり、はしごさせて頂くという大変贅沢な日なのですが、かれこれ10年近くになると思いますが、葉桜となった状態というのは初めてでした。

そんな新年度の第一週、今年は残念ながら新入社員はいませんでしたので、入社式はなかったのですが、某国立大卒で4年間上場企業に勤めていた人が中途入社してくれ、この4月からの勤務となりました。

大手企業では、狭い範囲で決められた業務の中での仕事の繰り返しで、もっと自分の可能性や、色々な事をやってみたいという事から、うちに入って来てくれたのですが、本当にそれが望みであれば、うちの会社で、特に私の下で働いてもらうと、まず、大手企業では絶対に経験できない様な、広範囲で、刺激的な経験をしてもらえると思います(笑)

ここ最近、採用については、経済界と教育界の、それぞれの都合での採用活動や、就職支援の在り方などへの反発と、本当にやりたい人がやりたい事に向かい、人物本位で選ばれるのが、理想の採用(就職)活動や働き方であるとの思いから、殆ど一般的な採用活動は取らず、厚かましくも、募集もしていないのに希望して来た人や、信頼する先生からご紹介頂いた人だけで採用をして来ました。

しかし、更なる売り手市場で今年は採れませんでしたので、来年に向けては、少しは一般に合わせて、採用活動を行っていこうと思っています。

普段は、人や不動産も沢山抱える大企業は、今後より一層大変だと言っているのですが、この時期だけは、フレッシュな人が沢山入社する大企業が羨ましく思えます。

やはり、多くの人が集まるというのは、沢山のエネルギーも集まり、より大きな可能性や、実際にできる事も広がるので、ウエダ本社という本体を大きくするつもりはないですが、グループとしてや、パートナーとして、人だけは沢山集まって欲しいと思っていますし、今後は、その様な連携をドンドン行っていくつもりです。

そんな事もあって、今年は今月24日から、毎月会社説明会(参照)も行っていきますが、有難いことにSNSだけの告知で、数は少ないながらも、明らかに以前のウエダ本社では、来てもらえていなかった層の学生さんからも申し込みが来ています。

自分で起業したい!、成長したい!、ワクワク、イキイキと仕事をしていきたい!という方は、来てみて下さい。

BtoBのビジネスから、企業の内部に入り込んで閉塞感一杯の日本の会社を変えていきましょう!

と言っても、何やってる会社?という方は、こちらをご覧ください。

新年度初めの今週は、ほぼ採用に関しての宣伝でしたが、今年一般的な採用活動も行っていこうとする意志表示として、ご容赦下さい。

2018年4月1日日曜日

清水の舞台から

今週は、ウエダ本社北ビルに入って頂いている、KMユナイテッドさんとその親会社である竹延さんの入社式が、弊社ビル5階で行われました。

正確に言うと、入社式は1200年の歴史で初めてという清水寺で行われ、その前の挨拶などがうちのビルで行われたということなのですが、有難いことにその歴史的な入社式に、来賓として参加させて頂きました。

KMユナイテッドさんは、塗装業である(株)竹延さんが、独自の人材育成プログラムで、従来の“職人”の世界の仕事ではなく、未経験の女性などが活躍できる様に、仕組み化された子会社で、伝統技術継承という問題に対して、大変注目されている会社ですが、実際その入社式でも15名の内の過半数が女性でした。


うちのビルで行われた挨拶、自己紹介の席でも、竹延社長から、細かい指示というより、しつけ的な注意も行われ、ピリッとした雰囲気もありましたが、決して管理締め付け型の厳しさではなく、そこは職人の世界に入って来た若い人たちと、その人生に責任を負った社長や、ベテラン職人さんの関係からか、“育てる”という思いのこもった愛情ある厳しさの様に感じました。




そして、清水寺で初めて行われた入社式では、通常は入ることができない本堂内で、森貫主がご祈祷されるという特別待遇でしたが、これなども、竹延さんの伝統の技術継承への理念、活動に、清水寺さんが呼応されたからこそ、実現できたものだと思います。


聞くところによれば、竹延さんが同時に設立される技術訓練校では、10名の募集の所30名の応募があったとのことで、一般的には人手不足で、大手、安定志向、打たれ弱いと言われる若い世代ですが、反面で、この様に、意義ある仕事や、生き方に共鳴する層は、我々の世代よりも多いのでは?と思いますし、確実に言えることは、能力ある人がそこに向かっています。


先日、ある大学に呼ばれて、現在の大学教育に向けて意見を求められた際にも言っていましたが、戦後これまでの、教育界と経済界の求める人材評価や教育方法などについての分断から、働く人、企業、双方にとって役に立たないものになってきています。

少なくとも物が行き渡り、右肩上がりの成長が終わって以降は、明らかに求める人材や、企業側の評価も変わらないといけない筈なのに、何かまだ、物が売れた時代の呪縛から、企業も学校も、そして個人までもが抜けられていない様に思います。

これまでの価値や評価基準で勝ることができなかった中小企業や、個人こそ、思い切って振り切って展開すれば、世の中変わっていくと思うのですが。

それこそ、清水の舞台から飛び降りたつもりで、変化に向かっていきませんか?

んーちょっと締めが見えてましたね。。
精進します!(笑)