2017年9月25日月曜日

リスクと取るかチャンスと取るか

今週は、経済同友会で色々と勉強させて頂きました。

水曜日には私が担当の例会がありましたが、ユーグレナの出雲社長にお越し頂き、これぞソーシャルビジネス!というか、ビジネスってこうあるべきというお話をお聞かせ頂きました。

グラミン銀行でインターンされた事から、バングラディシュの子供達の栄養失調の原因を知り、それを何とかしたいとの想いから、栄養面では万能とも言えるミドリムシに出会い、無理だとされていた大量培養を世界で初めて成功され、今や日本だけではなく、食料面、エネルギー面においての救世主的に期待される存在となられた経緯などについて、迫力満点でお話頂きました。

流行りとなってしまったソーシャルビジネスでは、格好や理屈が先行する人も多いですが、出雲社長の話を聞いて、バタ臭いくらいの強さを、一方、自社の利益のみを追求してきたビジネス側の人には、営利企業である前に、企業も社会の一部であり、生態系の中に存在する生命体である事を感じて欲しいと思いました。

500社に断られて資金も尽き果てた501社目に伊藤忠商事が支援したそうですが、それまでの500社は、こんな話は聞いた事が無いからリスクだと言い、伊藤忠商事は、こんな話は聞いた事が無いから、チャンスだと捉えたというお話にも学び一杯でした。

翌、木曜日からは交流部会の視察で福岡へ行っておりました。

こちらは、この部会の所属でもなく一般参加したのですが、2日目の福岡企業との対話の場を何とかならないか?と事務局から相談され、イマイチ主旨も分からないまま、冷泉荘というリノベーションでは有名な存在を作ってこられた吉原さんに、冷泉荘の見学と、吉原さんと共に町づくりに取り組んでおられる企業家もお連れ頂いてのセッションをする事になりました。

ジワジワと広がる町づくりの様子に、今後の日本のヒントが沢山あると思うのですが、これまでの開発型で成功して来られた企業の方々の反応を見ると、それぞれのスタンスや、新しいものへの考え方の違いが見れて、これもある意味大変勉強になりました。

500社になるか501社目になれるかの違いでしょうか?(笑)

事務局で組んで頂いていたスケジュールも、 一度行きたかった、大名小学校跡地をリノベーションして開設されたFukuoka DCとFukuoka Growth Next

の訪問や、知らずに行ったグルーヴノーツ社は、日経オフィス賞を取られたり、テクノロジーと遊ぶアフタースクールまで展開されていて、本業のクラウドプラットフォームのお話と共に、大変有意義なものでした。



 素晴らしい成功を収めている様に見えるFukuoka Growth Next も、来年9月には取り壊され、新たな開発が行われるとの事で、表面では分からない課題もあるのでしょうが、それでも福岡はイノベーションにおいて圧倒的に進んでいると改めて感じましたし、京都ではなかなか難しいだろうなと感じました。

それはやはり多様性と柔軟性の差で、それには県民性というのか、歴史にも絡んでの風土が大きく影響していると思います。

少なくとも新しい流れや、分からない事に対して、特に自社の専門領域であるほど、最初から否定的にならない様に心掛けたいと思います。

”こんな話は聞いた事が無いからチャンスだ”といつも言える様に。





2017年9月18日月曜日

働き方変革担当

台風直撃で、参加予定していたスリールhttp://sourire-heart.com/さんの報告会が延期になりました。

 ワークライフインターンという、学生が会社だけでなく共働きする家庭にも行って、実際に家事や育児も体験するというインターンなのですが、京都府の委託事業を受けたスリールさんと、この広報セミナーを一緒に開催していた事もあり、ウエダ本社としても社員にも協力してもらって、学生を受け入れていました。 

一見、学生向けのインターンではありますが、実際は受け入れ家庭で子育てしながら働くお母さん方にも大変良い効果があり、子育てに追われて忘れていた自身の 仕事に対する考えや、”働く”こと、生活していく(=生きていく)ことを見直す機会になる様です。

 今週も振り返ってみると、働くこと、生きることに関するミーティングと、信頼関係から未来を作っていく為に、一緒に仕事をしようとする相談ばかりで、有意義な時間を過ごせています。

最近よく取り上げている革靴を履いた猫、チームノーマライゼーションのメンバーが今週も来てくれていました。

 障がいを持ったメンバーと一緒に働く事によって、今まで障がい者とも縁の無かった学生が問題意識を持ち、働くことや生きることを考える様になって、起業にまで繋がったのですが、そんな学生もいる一方、就職活動がうまくいかず、悩んでいる学生も多いそうで、そんな学生向けに話をしてほしいとの事でした。

 勿論、こういう事になる根源は、我々が崩していきたい課題と同じですので、時間がある限り行きます!と約束しましたが、ちょっとした考え方、視野のひろげ方で大きく変わると思います。 

働き方変革で時間ばかりの問題にとらわれ、働くことが悪い様なイメージになっていることは、障がいを持ったメンバーが嬉々として働く姿を見ても、間違っていることは明らかで、そんな本質的なところを伝えたいと思います。

 週末は理事を勤めているリブオンhttp://www.live-on.me/about/index.htmlの理事会がありました。 

この団体は代表の尾角さんが、自らの体験から、自死遺族のグリーフケアサポートを中心に、誰にもある喪失感のサポートが当たり前にある社会をつくることを目指して設立したもので、グリーフケアを必要とする人が集える場を作ったり、そんな場を運営するファシリテーターを養成したり、素晴らしい取り組みを行なっているのですが、今後、ある宗派が、僧侶の教育プログラムに組み込んでいって頂けることになりました。

 素晴らしいことではありますが、僧侶がこういうことを学んでいかなくてはいけない時代、そんな日本というのは、ある意味、それだけの生きづらさを表しているのだと思います。

今週も北朝鮮がミサイルを発射し、一触即発の様相もある中、衆議院を解散するという様な話も出て来ています。 

国が危険にさらされている時に、自分達の都合でしか考えられない様な政治家が動かしていては、生きづらくもなると思いますし、そんな頭の方々に、本質的な働き方改革を期待していても無理だと思います。

良い芽は一杯出て来てるのに。

そんな芽を結びつけて、自分達それぞれで未来を創り出すしかないですね。

働き方変革は、我々ウエダ本社が担当します!





2017年9月10日日曜日

価値観の交差点

今週は、福井県の熊川宿という所に行っていました。

 鯖街道と言われる、日本海から京都に海産物を運ぶルートの宿場町として栄えた所が、きれいな形で残っているのですが、御多分に洩れず空き家となっており、綺麗な景観の危機だという事なのです。 

ウエダ本社では9月から新年度となっていますが、今年度私は地方も回って行こうとしています。 

今年京都流議定書も10周年を終え、一区切りをつけて今後は違う形で継続して行くと言っておりますが、京都流議定書で追いかけてきたのは、価値観の変革であり、数値化されない価値の見直しでした。 

講演などをさせて頂く際には言っていますが、規模(量)、効率、標準化(平準化)、偏差値、東京 という様な一方方向で流れてきた経済の行き詰まりに対して、大きさではない(質)、間、個性(多様性)、地方、が大事で、それを示していけるのが京都なので、一方方向で流れてきた価値観に迎合しない京都で、それでやっていけるという姿を見せる事により、個性のある人、企業、地域を見直し、生み出していこうとするものでした。 

それは今で言うとオープンイノベーションと言う事になり、大企業含めて猫も杓子もという感じになっていますが、既存の価値観のままで、外部との連携などを図っていても、それはオープンイノベーションというものには繋がらないと思います。

 逆流させるくらいの感覚でやらないと、本当のオープンイノベーションなど起こる筈などありません。

そういう意味で京都流議定書というのは、ある意味、それぞれの分野で逆流させる様な取り組みを行なっておられる人を集めていたというか、そもそも私自身が普段から、本業と関係の無い事ばかりに関わっている様に見えるのですが、逆流させる動きを行なっている人達と繋がっていたり、そんな人や組織に対して協力していたりするのです。 

京都流議定書を決してボランティアではなく、あくまで会社の為でもあると公言するのもこの点で、我々のオフィス領域も、効率化、均一化、そしてコスト追求という所 から脱して、人の可能性を尊重していくものにしていかないと落ちて行くばかりなのに対して、その価値観の逆流を目指しているのがウエダ本社という事なので、実は本業に思い切り重なっているのです。

 昨日は、鎌倉投信さんの受益者総会に参加していました。

 正に金融の世界で従来の価値観を逆流させる展開をして来られた会社で、大尊敬する会社ですが、鎌倉の会社が、年に一回の受益者総会、つまり投資家向けの決算報告会をわざわざ京都で行なっている所に、850名もの方が全国から集まっておられました。 

この会にも何度か参加していますが、今年は特に、ほとんど一般投資家の方と感じる位の雰囲気で、驚くのは、その方々が熱心に、出演されたそれぞれの社長の話を聴いておられる姿でした。 

それも、自分の投資したお金の利益を求めてという眼差しではなく、素晴らしい企業、活動に役立てて欲しいという、鎌倉投信さんの理念に沿ったものであり、正に価値観の逆流が起こっている光景でした。 

又今年嬉しかったのは、新井さんから依頼されて堀場社長に基調講演をお願いし、それが実現できた事です。 

このブログにも堀場製作所さんや、先代の最高顧問、そして現在の堀場厚会長兼社長の素晴らしさは何度も書いておりますが、排ガスの分析器などで圧倒的な世界シェアを誇る、言わばバリバリの日本の製造業の社長に、金融で価値観を逆流させて来た鎌倉投信さんの受益者総会で講演頂いたのは、私自身も価値観の交差点に遭遇できた感じで嬉しかったのです。

 堀場社長も1000人近い一般投資家の方だけの講演というのは、今までも無かったのではないか?との事でしたが、流石に、ユーモアタップリで会場を沸かし、そしてしっかりとひき込んでおられました。 

そこにはやはり、どんな精密機械の技術があっても、どんなグローバルな展開であっても、一番大事なのは、人であり、それぞれの人の尊厳を守る想いが溢れていました。

鎌倉投信さんの「結い」という商品名そのものだと思いますし、価値観の交差する所は、やはり「人」なんだと思います。

2017年9月3日日曜日

新年度、新たなステージへ

ウエダ本社は9月1日から新年度を迎えています。 

期末と新年度を迎えた今週は、盆明けにスタッフに出してもらった目標設定シートの各自との擦り合わせに多くの時間を割きました。 

在りたい姿を想像し、その中での仕事、自分の役割と、社会との繋がりを考え、そこから、今年度の目標、それに向かう為の具体的行動などを決めてもらうのですが、初めての事だけに、こちらも試行錯誤しながらですが、普段こんな事を考えていない人からすれば、なかなか大変な事だったと思います。 

そこに、まずもっての狙いがあって、このシートを通して、自分のやりたい事や、やらなければいけない事を考える、そしてそこに向かうためには、どうすれば良いかを考えるという癖、実行に向けて計画立てる癖、やり切る癖をつけてもらいたいという事だったのですが、それこそ、その様な思考回路になっていない人にすれば、一つ一つが繋がらず、雲を掴む様な話だったかも知れません。 

こちらも色々仕事もある中、一人一人と話し、提出して来たものを見ると、全く考えられていなかったり、具体化できていなかったりすると、「どうして自分の事が考えられない!」と、ついイラっとする瞬間もありましたが、やはり、何をおいても、個々の考え方、目標設定の仕方などを変えて行くことが最優先事項だと思って、我慢しながら(笑)話をすると、劇的に変わってくれる人もいたり、それぞれの繋がりを理解してくれたりする姿を見ると、やって良かったと思いますし、今までこういう事がしっかり出来ていなかった事も反省しました。

 9月1日、2日は、丹後の与謝野町へリーダー四人と一泊での合宿ミーティングに行っていました。



 9月から新年度であるウエダ本社では、本来は8月までに行なっておかないといけない事ですが、京都流議定書や、決算に向けての追い込みなどもあり、新年度が始まった初日から空ける事になってしまいました。

しかしこれも初めての試みで、まだまだナンバー2という存在を作れていない中、特にリーダーには、今後考えている事を共有してもらい、その中でのそれぞれの役割を明確にしてもらいたかった事もあり、新年度初日ではありましたが優先しました。

 又、与謝野町に行ったのも、私の方で進めて来ていた今後の展開の共有という意味もあったのですが、与謝野町の方々とのミーティングもそれぞれ大変濃い時間となり、こちらもリーダー達にも気づきがあったと思います。

 与謝野町の山添町長には、我々が行くという事で、大変お忙しい中、自ら町で取り組まれている施設をご案内頂き、今後の展開、やるべき所のお考えを聞かせて頂きました。

 他にも町でポイントとなる方々とのミーティングでも、やはり自分の利益を考えるのではなく、未来の為、地域の為など、大きな想いで動いておられる方との話は清々しい気持ちになれるのと、お互いが自分の利益を求めて対峙する関係ではなく、信頼がベースとなっているので、話も早いですが、その辺りの価値観の大切さも感じてくれたのではないかと思います。

 地域をどうする?会社をどうする?というのは同じで、想いを持った人が大きな視野で、その想いを共有する人と協力して、役割を分担しながらそこに向かっていかなくてはならないと思います。

 そんな想いを凝縮した期末、期初の一週間を終えて、この一年、ウエダ本社は新たなステージに入っていきたいと思います。