2017年6月25日日曜日

学習する組織を身近で学ぶ

今週は、『「学習する組織」入門』の出版記念イベントに参加していました。



著者の小田理一郎さんご本人がファシリテーターという貴重なセミナーでしたが、600ページにも及ぶ原作よりは、かなり平易に書いたと言われる入門編との事ですので、原作に向かえなかった私にも分かりやすく、今後、本でも勉強させて頂こうと思います。

そもそも「学習する組織」とは、目的に向けて効果的に行動するために、集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織と定義づけられたものですが、"社会の公器として企業価値を創り続けるとともに、その存在そのものを社員や地域コミュニティにとって価値あるものにしようと努力し続ける組織"との事ですので、正に、私にとってもドンズバの考えです。

しかし、学習とは本来、単に"わかる"だけではなく、繰り返しの練習を通じて"できる"様になることを指している、とある様に、組織としてできるようになるには?ということですので、これは長い道のりを紆余曲折を経ながら、向かって行くものだと思いますし、それこそ、学習する組織にならないと進められないと思うと、この題名は、本当に深いと思います。

ピーターセンゲ氏は、学習する組織の構造は、志を育成する力、複雑性を理解する力、共創的に対話するの三つの中核的な学習能力と、それぞれを構成する、自己マスタリー、共有ビジョン、システム思考、メンタル・モデル、チーム学習の五つのディシプリンという概念で体系化していますが、その最初の、自己マスタリー、皆で共有ビジョンを作る所から、できていないなあと感じました。

社長のビジションは個人ビジョンに過ぎないという、セミナーでの小田さんの言葉が刺さりましたが、皆に、どんな事が心が震えるか?という問いかけから考え、ビジョンを共有していきたいと思います。

今週は和えるgojo店のメンバー3人と会っていましたが、お店は休みの日でした。

月に2度は、休みの日に集まり、一日話したり、一緒に何かを見に行ったりして、価値観や、和えるのコンセプトの擦り合わせを図っているそうで、そんな事をサラっと言う、矢島里佳さんは、いつも思いますが、共有ビジョンを作って、外部の人を含めて巻き込んでいく力が素晴らしいと思います。

今や大活躍の彼女は、京都での展開は私が起点となったといつも言ってくれるのですが、そんな”'縁”を感じる様な事も有って、今後又、近い所で展開していけそうですので、その辺りも学ばせてもらいたいと思います。

猫も杓子も働き方改革と唱える時代ですが、本当に有効なものにするには、学習する組織になっていかないといけないと思います。
その、チーム学習する手法としてダイアログが重要ですが、その辺りも含めて、元々小田さんを紹介してくれたミラツクの西村さんがコーディネートしてくれる、今年の京都流議定書三日目に詰め込まれてますので、今年は、本質的な働き方変革、風土改革、を目指しておられる企業関係者には、三日目の8月6日にも是非お越し頂きたいと思います。







2017年6月18日日曜日

業界の常識と勝ち組って?

今週、富士ゼロックスの海外販売子会社の不適切な会計処理が大きなニュースとなっていました。

この件について、FBでもコピー機販売について書いていましたが、殆どの方には意味が分からなかっただろうと思います。

又、ウエダ本社は2009年まで、富士ゼロックス特約店の販売で、3年連続日本一となったその表彰式のスピーチで、”あまり嬉しくない”などと言って、殆どの方にはご理解頂けていなかったと思いますが、これも今回の事から、改めて説明したいと思います。

今回の原因は、私も新聞報道でしか知りませんが、売上至上主義であったと言われていますし、それはその通りであろうと思います。

コピー機ビジネスは、カウンターと呼ばれる、1枚当たりのコピー料金が収入源であり、機械を納入して、それを使ってもらって利益を上げていくという形になっています。

その為、機械を入れないと何も始まらないので、特に、攻めていく側(競合メーカーの機械が入っている所に)は安くても入れようとします。

一時期、”携帯電話本体無料”という事もありましたが、あれも、その後の通話料が収入源となる為、機械本体売った者?勝ちとなる、同様のビジネスモデルです。

という事から、どうしても案件ごとに売り手の論理で、条件などが決められるケースが多く、一般的なビジネスでいう顧客スタンスに立った論理とはなっていません。

又、売り方もキャンペーンを打ち、報奨金や旅行などをインセンティブとしたものとなるのですが、これはXEROXさんに限らず、程度差はあれど全てのメーカーがこのスタイルで動いています。

そんな業界の中で、ウエダ本社としては、本当の意味でのお客様スタンスに立ち、オフィス全体、企業全体から考えたパートナーとしての位置づけを目指していこうとしていましたので、一時的には販売が落ちる事も覚悟して、抜本的に販売スタイルを変えようと取り組んでいました。
ところがその間にそのままのスタイルで3年連続一位となったのは、その方向に転換できていないという証拠だという事で、”嬉しくない”という発言だったのです。

会場におられた殆どの方には意味が分からなかったと思いますし、ただ、不遜な奴だったと思いますが、我々の様な弱小の会社が存在価値を創っていく為の、至って真面目な話でした。

しかしそれ以降は、オフィスレイアウトなどの空間についての考え方には共鳴頂いて、全体をお任せ頂くケースも出てきたのに対して、コピー機ビジネスについては、そこに繋げる事ができず、目指す方向性と既存ビジネスモデルのギャップで、もがいていました。

私自身のメッセージの出し方も拙く、しっかり売る事や、数字を作っていくという事も弱めてしまった所もあり、
そこは逆にXEROXさんにもご協力頂き、現在体制を整えているところです。

今回の件でXEROXさんやコピー機業界がどの様に変わるのかは分かりませんが、どんな業界でも、そこにおいての既存モデルでの勝ち組はなかなか変われないものだと思います。

しかし一方では、アマゾンがホールフーズを買収するというニュースも飛び込んで来た様に、日本だけ、或いは、業界の常識だけを見ていても、アッという間に崩れ去る時代です。

我々の様な所では、やはり、業界常識ではなく、ビジネス、人と人との関係などでの本質から、実直に考えていきたいと思います。





2017年6月11日日曜日

五条通りをポートランド化?する

今週は、月曜日にはISLの野田さん、火曜日には鎌倉投信の新井さんがお越し頂き、近況の話や、先々の擦り合わせなどをさせて頂いていました。

こんな方々にレクチャー受けるとすると、どの位するのか?とも思いますが、そもそもお金では、個人レクチャーなど受けられたりしないでしょうから、そんな方々が擦り合わせと共に、アドバイスして頂いたり、又、提案などもして頂くのですから、有難い身分だと思います。

金曜日には、ウエダ本社南ビル(Jim Iki-no Ueda bldg.)1階カフェ punto puntoさんで、"食の力の生かし方"というトークセッションを、ルクロの黒岩さん、飯尾醸造の飯尾さんをゲストに招いて行いました。



こちらも私がコーディネーターでした
が、私自身聞きながらも勉強になる事も多く、又、進行についても、どの様にすれば皆さんに、それぞれの素晴らしさを伝える事ができるか?を考えながら聞いていく事も勉強になり、楽しませて頂きました。

と言うと、余裕のある様に聞こえますが、そうではなく、お二人とも理念、使命という想い、そして思っているだけではなく行動しておられる姿など、全てホンモノなので、どこからどう聞いても良い話になるので、コーディネーターとしても楽しめるのです。

そして、やっている本人が楽しんでいると、時間はアッと言う間に過ぎ、参加して頂いた方々にも伝わって、楽しんで頂けた様で、終わって早々から、継続して下さい!というリクエストも頂いており、まず継続していこうと思います。

そして、1階カフェが、新たにBOX&NEEDLE http://boxandneedle.com/ さんの運営となった事もあり、ご近所のMTRLさんとも連動して、飯尾さんの"宮津をサンセバスチャン化する!"という壮大な構想ではありませんが、五条通りを、デザイナーや、もの作りする人が集まるエリアとしていきたいと思います。

今週もこれだけの凄い方々にお越し頂いていましたが、その間に、京都府、京都市の関係の総会、理事会に出席したり、ソーシャルビジネス、NPOの相談を受けたりと、何の仕事?と自分でも思いますが、改めて、自分が素晴らしいと思う人同士が繋がってもらったり、紹介する事によって課題解決に向かったりする事に喜びを感じるのだと思います。

今受けている相談は全て、世の中を良くしていこうとする活動についてのものですから、それがいずれ、それに連動した、会社づくり、企業運営、オフィス環境、働き方などに関する事に繋がっていけば、ウエダ本社の本業とも繋がり、私も五条通りを"ポートランド化する!"などと言える様になるかも知れません。

このブログを書いている間にも、ある方から、又新たな相談メールが入ってきました。

今はこれについてはノーアイデアですが、お役に立てる様考えてみたいと思います。

これが、忙しくなる元凶なのですが、性なのかも知れません。



2017年6月3日土曜日

激変の時代に迎える10周年

6月に入り、今年10周年を迎える京都流議定書の参加申し込みも受付開始しました。

http://kyotostyle.jp/katsudo/kyotoryu/

初年度からハイアットリージェンシーさんには大変なご協力を頂いてのスタートでしたので、どうせなら年間で会場が空いている時に行いましょうと、祇園祭山鉾巡行の翌週の金土日に固定化して行なってきましたが、三年前から後祭が復活して状況も変わっていたので、今年は8月4日〜6日に変更しています。

同じく初年度から多大なご協力を頂いてきた門川市長が、ホスト役の国際会議などもあり、日程を変えたが為に参加できないという残念な事にもなってしまいましたが、改めて多くの方々のご協力を頂いて、ここまで続けて来られたと感じます。

その10年目の今年、猫も杓子も"働きかた変革"を唱える中、今更嫌だなと思う一方、ずっと追いかけてきた事を周りが騒ぐ中やらないのもおかしいのと、やはり、国が唱えている表面的な事だけでは?というのと、中小企業においては、そのままではうまくいかないという思いから、取り上げる事にしました。

今週東京では、総務省にも訪問させて頂いていましたが、働き方変革と言っても、厚生労働省からの流れ、経済産業省と、その中の中小企業庁、総務省、その中でも旧自治省と通信などを司る旧郵政省の流れと、それぞれで取り組んでいるのですが、立場が違いますし、目指しているものも違っています。

当然役割が違い、その役割の中での課題対策をしてもらって、それぞれがうまく作用すればいいのですが、課題対策だけではなく、その根本原因は何かを掘り下げて考え、それぞれの立場から、その根本原因を崩していく事に向けていければ、全く流れが変わって希望も持っていけるのですが。

残業時間にキャップを掛けるのが100時間で良いのか、ましてや、以下か未満か?という表記で論争しているなどという事が、いかに本質が分かってないかという事を表していますし、その本質を分かっていない人が対策だけを打っていくと、必ず、意図に反して、その問題で弱い人達がより困る事になるのです。

東京出張から直接、XEROXさんの西日本特約店のトップパートナーミーティングに出席しましたが、そこでの講演もまた、働き方改革でした。

こちらではICTからの内容ですが、テレワーク、育児、介護などの在宅勤務や、先進事例の紹介などがあり、そこではカルビーさんや松本会長の話も紹介されていました。

私は、懇親会スタートの乾杯挨拶の指名を受けていたのですが、あまりのドンズバの話に、考えていた話を変えて、今年の京都流議定書について触れさせて頂きましたが、京都の方々以外にも、広島や岡山の方までバスで募って行く!と盛り上がって頂く事となりました。

特に、コピー機販売という、キャンペーン張ってプッシュ型セールス一辺倒の様な業界ですから、京都の同業者の方々にも、今まで、うちの展開などご理解頂けないので、あまり話した事は無かったのですが、松本会長の講演という事はありますが、ほんの5分程の話で、こういう反応になるというのも、大きな変化を感じます。

京都流議定書は10周年ですが、実は今年は、京都議定書から20周年目となります。

そんな中、今週米国がパリ協定離脱を発表しました。

その間隙をついて、勿論、したたかな思惑からでしょうが、中国は世界への役割を果たすと言っていて、立場が真逆な様な話でした。

日本には本来、果たすべき役割と共に大きなポテンシャルがあるのですが、、どうしたものでしょうね。

京都流議定書も、三日間のこの形で行うのは、多分今年最後にすると思います。

来年以降どの様にしていくか?

激変の時代の中で新たな役割を考えていきたいと思います。