2017年1月22日日曜日

見えざる手に期待します

トランプ大統領が就任しました。

誰一人、予想がつかないという状況など、過去なかった事だと思いますし、我々経営者は、どんな状況になっても対応できる対応力が重要になってくるでしょうし、組織もその様な体制づくりが生命線になってくると思います。

毎年この時期に開催される経営実践塾がKYOCAでありましたが、塾長の鬼澤さんが、インターナショナルとグローバルの違いについて話されていました。

グローバルという言葉が使われる様になったのは、ソ連が崩壊して東西冷戦が終結してからとの事で、それまでは国と国の関係を表すインターナショナルであったのが、その後、世界全体、地球を意味するグローバルが使われる様になったとの事でした。

その意味からすると、トランプ大統領就任を切欠に、世界は保護主義で、自国中心のインターナショナルな考え方に逆戻りにしていく事になります。

グローバルというのは、地球儀もグローブである通り、立体イメージですが、インターナショナルというのは平面的な地図のイメージで、それこそ、大統領自らのツイッターが瞬時に世界を揺るがす時代に、この逆行感をどの様に理解していけば良いのかと思います。

トランプ大統領就任の二日前、ダボス会議で基調講演した習近平国家主席は、トランプ大統領の保護主義、反グローバル化を批判されたそうですが、共産主義国のTOPが米国の大統領に、グローバル化を訴えるという従来発想では理解できない事を見ても、ベルリンの壁が崩壊して以降の大きなインパクトで、次のステージに入る事だけは間違いないでしょう。

今回の経営実践塾のゲストは、卵の選別包装システムで世界の8割のシェアを誇るという(株)ナベルの南部会長でしたが、全共闘世代真っただ中であり、経営者は悪だ!という所から、稲盛さんの思想に出会い、こんな経営者がいるのか、と、盛和塾などでも学ばれて素晴らしい経営者になっていかれた姿を見て、左翼から右翼への転身という人もおられたらしいですが、行為は別として、気持ち的には、真にこの国をどうするか?、どうすれば良い国になるのか?を考えてきたという事においては、ずっと同じだと仰っていました。

この南部会長の仰る”自国の事”を考えてと、トランプ大統領の”米国ファースト”は、似て非なるものの様に感じます。

ホスピタリティーなどを学んでいても、よく、お客様に喜んで頂く事が重要であるが、それにはまず、自分が楽しんでいないといけないという事が言われますが、そういう相手や他を思っての自分か、自分さえ良ければの自分か、の違いを感じます。

次の時代はそれこそ、共産主義や資本主義、右や左やという時代ではなく、主義や、国籍、民族の前に、人であるのが共通項であり、もっと言えば地球上に存在する生物としての共通項で考えていかないといけないと思います。

そういう意味では、米国大統領にはグローバルから、ユニバーサルな視点で発想する人になって欲しかったものです。

トランプ大統領には、他を思っての自国という意味で言っておられる事を期待しますし、混迷を極めていく時代でも、アダムスミスが説いた様に、見えざる手が働いていく事を望みます。













0 件のコメント:

コメントを投稿