2017年12月30日土曜日

一年って、色々あります

一昨日(28日)ウエダ本社も今年最終日でした。

営業終了後の忘年会では、各リーダーからそれぞれスピーチもありましたが、何となく、それぞれが手応えを感じてくれている事が分かったり、若手の成長、ベテランの意識変化なども感じられ、大変嬉しい締めくくりとなりました。

昨年最後のブログでは、”弱音を吐きます”として、体制的に崩れかねない可能性もあった事を書いていたのですから、一年というのはアッという間でありながら、やはり、それだけの展開をするものなのだと痛感します。

振り返れば、その弱音を吐いたブログにある様に、今年はコピー機販売を中心とするチームの中堅メンバーが退職する事からスタートし、重苦しい幕開けでした。

そこの所は、メインの富士ゼロックスさんが、京都としては初めてで、全国的にもあまり例が無い、”ウエダ課”というものまでを作り、人を送り込んで穴埋めして頂きました。

又、もう一方のオフィス系中心のチームは、従来とは少し違う流れが起きていましたが、その流れを加速させる話がありました。

3月31日京都信用金庫様から直ぐ来てくれとのお電話を頂き、行ってみると、明日4月1日から組織を大幅に変えるが、その意志を形に表す様にできるか?というものでした。

京都信用金庫さんは、この以前から、営業の数字ノルマ廃止を宣言されたり、”ソーシャル”という分野では最も理解があり、実際に自らも様々な取り組みをされているのですが、それだけにウエダ本社の展開もご理解頂いており、大変光栄な事に、この組織変革の意志を表せるのはウエダ本社だろうと、役員会で数名の方が言って頂いてのお声がけだったそうです。

お話を聞くと、確かに、その改革の意志を心底理解できるのは、”うちしかない”とは自信を持って思いましたが、何せ多分、全国的にも例の無い様な、金融機関の中枢部をオープンでフラットなコンセプトで、しかも通常はセキュリティーの関係から、金融関係に強い業者さんで行っておられる所を、我々の様な所に任せて頂くという事には、正直不安もありましたが、結果的には、スタッフ達が見事に具体化し、ほぼ問題も無く仕上げてくれました。

そこには、京都信用金庫さんのご担当の方々の多大なご協力と、大幅に変わる事に対して、実際働いておられる方々のご理解があった事が大きな要因で、仕事をさせて頂きながらも良い組織の姿も学ばせて頂きました。

世の中の働き方改革の大合唱と、それに関連してのオフィス(職場)に対する考え方の変化の波もあり、この案件を境に、単にモノを購入して頂くのではなく、全体をコンセプトからお任せ頂くというケースがドンドン起こって来ています。

そんな経験や雰囲気から、皆が口々に、”来年は楽しみ”という話をしてくれたのだと思いますが、私の方はそんな皆の成長を見て、来年は、もっと長期に向けて、ずっと唱えている本質的な働き方改革に繋げていく動きをしていきたいと思います。

今年ほど、外部の方々の力に助けて頂いたり、集まって来て頂く方々との連携が生まれてきた年は無かったですが、このオープンソースと、何よりもそれを実現する共感、信頼、というものがベースとなった力を、来年以降、”働く”という中で、形に表していきたいと思います。

そんなウエダ本社を来年もよろしくお願い致します。

そして、共感して頂ける方、来年もドンドンご参集下さい!


2017年12月24日日曜日

宇宙へのattention

昨日は毎年恒例となった、12月23日のミラツクフォーラムに参加していました。


正直今年は休ませてもらおうかと思ったのですが、やっぱり行って良かったです。

朝から登壇者だけでなく参加者でも、それぞれで活躍されていたり、その筋では最も権威?という表現は合わないですが、第一人者や、注目されている方が沢山おられて、話をするだけで忙しい状態でした。

それが二会場に分かれて、ランチセッション合わせて9つのセッションをやるのですから、両会場とも聴きたいという事で行ったり来たり。
休憩時間には、知っている人の近況聞いたりで、息つく間もない8時間半でした。

こちらもこの数年恒例になってきた井上英之さんと大室悦賀さんの基調対談では、ソーシャルイノベーションの限界という所からスタートしました。

attention(注意)の容量は決まっているので、自分が何にattentionを向けているのか?に気づくawareness(意識)が大事で、それが起こるとchoice(選択)が増え、actionにつながって結果が出る、それが欲しい結果で無ければ、attentionの向け方を変えていくという事で、awarenessがないと同じ行動を繰り返すとの事でした。

NPOやソーシャルビジネス(イノベーション)はどうしても個別課題に閉じてしまうので、そこだけでは解決につながらないという話でしたが、それだけに、それぞれでattentionを向けて行動している人や繋ぐ人、研究する人などが一堂に集まる、こういう場が大変重要なのだと思います。

いくつかのセッションで共通するのは、”ゆらぎ”の重要性でしたが、やはり私のattention的には空間の話がドンズバで、日建設計の塩浦さんは、20世紀は自動化に向けて来たが21世紀は自在化がポイントで、都市のパブリックスペースにオーナーシップメントを持つという考え方になるとのお話でした。

働くの語源も、日本では傍(はた)を楽にする、という事が言われるが、はためく(ゆらめく)が語源だとの事で、本来はそれぞれが勝手に動いているのが理想なのではないか?とのことでした。

毎年恒例のミラツクフォーラムも"ゆらぎ"を持ちながら、進化しているのを感じましたが、それを一番感じたのは、最後の「テクノロジーの未来と社会デザイン」のセッションで、理化学研究所の方など理工系の研究者が多く参加されていた事です。

そのセッションでA.T.kearney プリンシパルで、宇宙ビジネスでの、つながりを創っておられる石田真康さんによると、宇宙の研究者のパターンの一つは、日本が〜とか、地域が〜という事に全く興味がなく、人類はどうなる、地球が〜、宇宙が〜という事に興味のある人達だと仰っていたのが印象的でした。

都民ファーストというのも有りましたが、米国第一や、世界の覇権を狙う北朝鮮なども、国家レベルでの事を考えるのではなく、全生物にとってとか、宇宙が〜という方向にattention を向けてもらえないかと思います。

核の開発よりも元素や素粒子の研究から宇宙に興味を持ってもらえると、世界も変えられないでしょうか?

ウエダ本社の社是は、「宇宙を想え人愛せ」だという事にattentionを向けていきたいと思います。



2017年12月17日日曜日

だからこその価値

今週は、先月分の土曜日出勤を振り替えて、サイレントボイスという団体に無言語コミュニケーションhttps://denshin.silentvoice.co.jp/ の研修を、まずはトライアルで社員向けに行なってもらいました。

サイレントボイスさんは、代表の尾中氏自身は健聴者でありながら、ご両親が聴覚障害者である当事者意識から、聴覚障害を持った方がイキイキと働ける社会を目指しておられる団体です。

これは面白そう!と直感的に思ってお願いしたのですが、それは尾中氏が、聴覚障害者の”就労支援”を行うのではなく、あくまで自立を目指すもので、聴覚障害があるからこそ、逆に持っておられる表現力や洞察力など、感じる力を生かしてのビジネス展開を行おうとされている事に共感したからでした。

我々は確かに、言葉があるからこそ、”何度言ったら分かるんだ”とか、”そんな事言ってないじゃないか”と思ったり、受ける側も、”言ってくれればいいのに”とか、逆に”キツイ言い方された”と傷ついたり、行き違いや誤解ばかりをして、かえってコミュニケーションを悪くしています。

そこで、言葉を使えなかったからこそ研ぎ澄まされてきた感性や、コミュニケーション力は、どんな組織でもコミュニケーションに問題を抱えている今、大変有効な力になるのではないか?と思ったのでした。

又これはサービス業などでは、お客様の様子から察するという、お店のサービス力にも直結する話でもあり、ミライロの垣内さんも仰る、”バリアをバリューに”というコンセプトに通ずるもので、聴覚障害者にしかできない、ファシリテーターやコミュケーターを生んでいけないかとも話しています。

実際に受けてみると、如何に言葉に頼っているか?に気づかされましたし、伝える為には、伝わる様な表現をしないといけない事が体感できました。

"評価するのは他人" これもよく言われる話ですが、言っているのに伝わらないとか、一所懸命やっているのに評価してくれない、というのは、受け手や評価する人からは、"その様に見えていない”だけなのかもしれない、まずは自分がそう考えてみるだけでも、他人からの見え方を変えていけるのではないでしょうか?

まずは私自身、明日の朝礼から変えてみたいと思います。

今回、聴覚障害と言われる方の長所を生かした展開でしたが、色々な"障害"と言われる方のそれぞれの長所を生かした展開をもっともっと生み出していけないか?と思います。

そもそも私も含めて、分けると健常者という事になるのですが、果たして、健常者と胸を張って言えるでしょうか?

障害者って何でしょうか?

それは何かに対して障害を持っているだけで、全体が障害な筈がなく、逆に言えば全てに障害の無い人など居るのでしょうか?

サイボウズさんが掲げられる、100人居いたら100通りの人事制度というのが理想だと思います。

女性は皆同じでしょうか?

障害者雇用って、何パーセントやれば良いってものでしょうか?

制度は必要ですが、それだけでは本質的な働き方改革には絶対に繋がらないと言っているのも、この根源的な考え方から来ています。

助けるという感覚よりも、それぞれの違いを理解する事、人間って素晴らしいという事を皆が理解して、その可能性を見出していく事、そしてそのサポートをしていく事、そんな世の中に向けていくと、組織のコミュニケーションの問題の多くは解消していくと思いますし、その様にしていく事が本質的な働き方改革にも繋がっていくと思います。

まずは組織風土にクサビを打っていく為にもサイレントボイスさんの研修、体験されませんか?







2017年12月10日日曜日

色々な人が行き交う会社

先ほどまで、地球未来シンポジウム2017 希望の探求と、引き続き行われたアミタさんの40周年パーティーに参加していました。

シンポジウムでは、とんでもない論客の出演者に混じっての登壇で、大変疲れましたが、内容が濃過ぎて消化できてませんので、内容については又改めて書きたいと思います。

そんな今週は、月曜日から仕事と介護の両立支援セミナー、ブロックスさんとの試写交流会でスタートし、木曜日は採用セミナーとダイバーシティセミナー、金曜日には同じ内容ですが、ワークプレイス勉強会を午前、午後に分けての二回開催と、二本立てでセミナー満載の週でした。

それ以外にも、おやこ保育園、子会社のMEGAMIのファミコレ、テラルネッサンスさんのテラカフェも行われて、これらセミナーだけで、今週は200名程の方々が出入りして頂いた事になります。

先月から一ヶ月お預かりしていた、京都信用金庫のインターン研修も今日のシンポジウムで終了しました。

一ヶ月というと、正直、受ける側からすれば負担がかかるだけですので、京信さんとの関係から"協力する"という意識しか無かったのですが、最終的には、その方の人間性や、仕事に対する姿勢などが素晴らしく、特に同世代や年下のスタッフ達にとっては、大変刺激的で良い勉強をさせて頂いたと思います。
元々は全く夢ややりたい事も持たず、たまたま受かった京信さんに入ったという、ごくごく一般的?な目先の事だけで動いていた若者だったそうですが、出会った先輩や上司の指導やアドバイスで、30歳とは思えぬ、人間的な幅と対応力を備える様になるのですから、やはり会社でできる事の大きさを再認識します。

又、そんな気づきを与えられる、その人に合わせて的確なアドバイスをできる先輩や上司がおられる京信さんは、やはり素晴らしい組織だと思いますし、そういう風土を作って来られたTOPの方々も素晴らしいと思います。

"計画外の共同作業"

スティーブジョブスが、イノベーションを生み出す為に必要とした言葉で、最近のオフィス動向についての講演でもよく使わせて頂いています。

イノベーションを生む為には、新しい事へのチャレンジは勿論ですが、異質なものに対しての理解や、計画外で起こる事を面白がる度量も必要です。

色々な人が出入りする会社にし、その中で我々に共感してもらう人に入ってもらったり、関わってもらって、そこから生まれる違和感を楽しんでいきたいと思います。

これからのウエダ本社は、もっともっと色々な立場の人、異質な背景の人に集まって来てもらう様にしたいと思いますし、色々な人が交差していく事を楽しんでいきたいと思います。

企業としても尊敬するアミタさんに習って、人間関係資本に資する事業を追求して参ります。





2017年12月3日日曜日

楽観論への転じ方

今週も社員面談の続きからスタートしました。

これは四半期(三か月)毎に行うもので、年度で決めた目標に対しての進捗、振り返りを行い、次の三か月はどうする?を話して考えてもらうものです。

一番馬鹿らしいのは、真面目にしっかりやっているのに、成果に結びつかない事でそうならない為には、目標を決めて、それに対しての計画を立て、振り返りを行うPDCAを行っていかなくてはなりませんが、特にこの振り返りと見直しが重要です。

今週の動きで特徴的だったのは、二つの大学の学生と、二つの業界誌からのインタビューと、龍谷大学大学院での授業もあった事です。

又、それに加えて、うちの会社に興味を持って頂いての来客も、同様に色々と聞いて頂けるので、私自身の振り返りの、良い時間となっていました。

講演や授業は、ウエダ本社の展開や、オフィスや最近は働き方についての考え方と展開についてですので、自分自身の整理になりますが、インタビューや質問は、考えてみると・・とか、そう言えば・・確かに今の根は以前から有ったとか、今と繋がっているなど、思わぬ気づきを得たり、そもそもを考え直す事にもなって良い振り返りの機会となっています。

大学生の頃から、”成功してある一定の資産を得た後は、世の中の様々なハンディキャップのある事に対して全て費やしたい”と、言っていたり、30歳の時に独立した理由の多くは、その先の人生を考えて、時間と場所に縛られず仕事しながら、年の内、半分くらいを海外で過ごしたいと思っての事で、そんな働き方ができる様にする為であったり、独立してから、その業界では売れなくなった物を視点を変えて、違う業界に展開したり、違う使い方で売ったりしていた事など、全部、今のウエダ本社で行っている事と繋がっていて、その源流は同じなのだと改めて感じます。

スタッフには変化を求める様な事を色々と言ってますが、やはり人は、そう簡単に変わらないのでしょうね(笑)

ただ実際は、スタッフ達に、”変われ”と言っているのではなく、自分の得意な事、やりたい事を見つけて、会社の方向性の中でそれを繋げていく様にしてほしいと言っているだけなのですが、うまく伝えられていないと思います。

ただ一つ変えないといけないのは、やろうとする意志だけだと思います。

アミタの熊野会長は、人間は成り行きに任していると悲観論になる。
楽観論には、意志が必要だと仰っていましたが、まさに、そうしよう!と自らが思わないと何も実現には向かいません。

そして、そうしようと思う方向を間違えば、とんでもない方向に行ったり、全く成果が出ないという事になってしまいます。

未来を想像してみて、そこに向かう目標を立て、それをやろうとする事、まずはそうしようと思う事から楽観論に転換したいものです。

コップに半分水が入っている状態は誰が見ても同じです。
それを、半分もあると思うのか、半分しか無いと思うのかで、繋がっていく人、集まってくる人は違ってくると思いますし、すると、人生までも全く違うものになっていくのではないでしょうか?




2017年11月27日月曜日

小田原の”自分ごと”

先週から、四半期が終わっての社員面談を行っています。

その合間?でもないですか、それ以外に先週は、火曜日にクオリア朝食会、水曜日には、富士通さんでのワークショップと、第四期を迎えた知恵の場京都の開催、金曜日には東京でLIVE ONの理事会と、新たな企てのミーティング、イベントへの顔出し、土日には、来月10日希望の探求というイベントで発表する、持続可能経済協会の提言を纏める為の小田原での一泊二日の合宿研修と、頭がぐちゃぐちゃになる一週間でした。

社員面談を行っての社内課題と、色々な方と話して、それぞれとの間で浮かぶ企て?、視察や、ディスカッションなどから感じる高揚感と、自分、自社との違いから感じる焦燥感など、、人工知能が無いととても処理しきれません。

今回の知恵の場のゲストは、TOPではなく、ヨリタ歯科クリニックの新谷さんの講演で、その立場からの”サブリーダーシップ”というお話が印象的でした。
実質NO2.というポジションから、TOPの意向を形にしていくところと、現場の意見をTOPに対して言うべきところ、そのバランスを取りながら組織の目指す方向に向かわせるという、この立場での”自分ごと”の意識を感じました。

土日の研修で、実は初めて小田原に行ったのですが、そのポテンシャルに驚かされました。

まずは研修の会場を提供頂いた鈴廣かまぼこさん、その敷地内にある、かまぼこの里は何と年間の来館者が180万人だそうで、一民間企業、しかも、かまぼこという商品で集客されている姿に度肝を抜かれました。

そのオフィスは、太陽光発電だけではなく、光ダクトを設置して自然光をとりこんだり、小田原ヒノキを積極的に使用された、地産地消を徹底的に考えたものでした。

又、ほうとくエネルギー(株)という、市民、地元企業から出資や寄付で地域の再生可能エネルギーの普及を、地域が主体となって取り組む会社、それを生み出す森林を保有される方、耕作放棄地でソーラーシェアリングを展開する農家の方など、様々な立場の民間が、それぞれの役割で絡み合って、実際に動いているという市レベルでの”自分ごと”を見せて頂きました。

土日の研修は、この視察がメインではなく、あくまで会議室でのワークショップディスカッションで、そもそもこの経済協会は、発起人のアミタホールディングスの熊野会長が、もういい加減事業家が本気で”自分ごと”で社会課題に向かっていかないといけないという想いで立ち上げられたもので、それに呼応したメンバーが缶詰でやるのですから、どれだけ脳が消耗したかは、ご理解頂けると思います。

最後に、ほうとくエネルギーという名前に引っかかった方もおられたかと思いますが、この地は、二宮尊徳翁生誕の地で、尊徳翁を祀った報徳二宮神社もあり、小田原が素晴らしいのは、こういう思想がベースにあるのだ!と結論付けたいところでしたが、地元の方曰く、この20年ようやく学校で尊徳翁の事を教える様になったとの事で、それ以前の人は、他の地域と同レベルでしか知らなったそうで、その思想がベースにあるという事でない様でした。


そんな背景がないのに、どうしてこれだけ”自分ごと”として捉えている人が多いのか?

今週も残りの社員面談がありますが、その辺りも、研究したいものです。


2017年11月19日日曜日

素晴らしい若者を見て、これからを考える

先週の土曜日から一ヶ月のインターンを受け入れています。

と言っても学生ではなく、京都信用金庫さんの主任クラスで、外の文化を学ばせるものだそうで、荷物運びでも何でも使って下さい!とは言われるものの、うちの様な営業会社で、一ヶ月では中途半端でどうしようもないと渋っていたのですが、ウエダ本社への期待は、ソーシャルビジネス、ソーシャルマインドを浴びるという事でしたので、それなら、と、お受けする事にしたものです。

そう決めると、私が理事でもある信頼資本財団の年に一度のイベント"信頼デイ"が11月11日に有り、12月10日には、京都議定書20周年の併設イベントで、これもアミタホールディングスの熊野会長が主催される"希望の探求"というイベントが国際会議場で開催される為、それを最終日とすると丁度一ヶ月となり、イキナリ濃いインターンが決まりました。

儲ける事を学んで来い!という事だととても受けられないですが、ソーシャルを学びたいという方であれば、こんな環境を提供できる企業は無いと、今や自信持って言えます。

ましてや、京都信用金庫さんは営業ノルマ廃止を宣言し、理事長、専務理事以下TOPの方々がそれを推進され、本当に顧客の立場に立つ事を目指しておられる異色の?金融機関ですので、その意図も、意味合いも、金庫の中におられるよりは確実に、分かってもらえる様にできると思っています。

そのインターン初日が、現地集合での信頼デイの参加で、夜の懇親会まで約8時間、熊野理事長始め、論客、実践者にまみれるものでしたが、週明けての今週は月曜日から、来年京都で開催されるワールドシフトの相談を、谷崎テトラさんから受けてのミーティング、大久保寛司さんのセミナー参加、火曜日以降は、龍谷大学や、テラルネッサンスさんのインターンへの、"働く"について私が話する場への同行、展示会への参加、インターン期間中にセミナーを開催してもらう為の打ち合わせなど、手前味噌ですが、意識ある人に取っては、どれだけ価値ある一週間だっただろうと思います。

全く知らない世界だったと思いますが、流石に京信さんで期待されている人だけに、大変吸収力に優れ、初日から、"理事長が仰っている事と繋がりました"との感想でした。
その後もドンドン吸収していこうと姿勢で取り組んでもらっていますが、そういう姿を見ると、こちらもできるだけ持って帰ってもらおうと思いますし、私も含めて我々自身、逆に学ばないといけないと思います。

うちの会社に色々な方、それもそれぞれ凄い方が相談に来て頂ける、ウエダ本社と連携しよう、或いは、この場で一緒にやろうとして下さる、そんな事が日々起こっているのに、我々自身がその価値をどれだけ分かっているのか?という事です。

目の前にチャンスは一杯通り過ぎているのに、気付かない人は全く気付かず、それでいて、自分は不幸だとか、周りと比べてねたんでいたり、何かのせいにして、できない理由ばかり並べていたりしています。

"働くを考える"という所に来てくれる学生さん、テラルネッサンスという国際支援を行うNPOにインターンで参加する学生さんなどは大変意識が高く素晴らしいです。

でも同時に悩んでるし、日本の未来に希望持てているかと言えば、決してそうではありません。

折角、学生の間に、あれほど高い目的や希望持っているのに、社会の受け皿、そして大きくは、そんな人を受け止めていける企業、働く場が圧倒的に少ないと思います。

そんな会社を広げていく事、働く場を広げていく事、我々が取り組む事は、今の日本である意味、最も大きく、深刻な、ソーシャル課題だと思います。

やっぱり、プレーヤーとしての50代半ばを迎えていく事になりそうです。






2017年11月12日日曜日

信頼のブロックチェーン

今週は、トピックスだらけで、完全に脳の許容をオーバーし、固まった状態になっています。

まずは、鎌倉で行われたコクリキャンプに初めて参加しました。

コクリキャンプというのは、地域、日本、世界の未来を見据えて“日本レベルのコ・クリエーション”を起こすという目的で、リクルートの三田さんの強い想いで始められたものですが、招待制で全国から120人の実践者が集まり、丸一日、ディスカッションなどを通して、仲間を創り、新たな種火を生み出すことを目指したものです。

三田さんや、このプロジェクトの事は聞いてはいましたが、三回目の今年、初めて参加させて頂いて、その構想力、巻き込み力、そして構想したことに対する細部にまで至る実行力に感服しました。

場を創る、人を繋ぐという事や、その想いにおいては、京都流議定書も同じ所があるだけに、いかに自分が大雑把で、頼っているのか、その違いを痛感してしまいました。

招待制でこれだけ、地方、都会、NPO、官庁、大企業、アントレプレナーなど、地域、立場を交差して集めておられる事に感服しましたが、それぞれの地域や分野で活躍される方々が、実際に繋がっていく大きな可能性を再確認しました。

翌日は幕張での展示会で、AI時代においての働き方の変化を考え、週末参加したトップフォーラムでは、東大の西成教授から渋滞学というものの科学的な見方を学び、土曜日午後は、京都に戻って理事を務める信頼資本財団の信頼デイに参加して、こちらでは現在その実践者でもある合同会社SARRの松田さんから、ブロックチェーンの考えるべきポイントを学びました。

そんな状況ですから、一つ一つで、長ーいブログネタにはなるのですが、ご興味ある方は個別に聞いてもらうとして、全く別々の事ではあるのですがその見えない底流の所では全て繋がっていて、時代は大きく変わっていっているのを感じました。

渋滞は何故起こるのか?については、高速道路などでは詰めすぎが原因で、きっちりと車間距離を取り、飛ばし過ぎずに走った方が、結果的にはスムーズに走れたり、出口が一か所しかない部屋から大勢の人が出る際に、出口の前に障害物があった方が、かえって早く全員が出られる例などを、実験動画を交えその理屈もお聞かせ頂きました。

短期的に早く行こうとすると、長期的には遅くなるという理屈は、正に経営で言えば、この勉強会でご一緒させて頂いている塚越会長が仰っている年輪経営、そして我々も目指している方向の経営スタイルが長い目で見れば正しいという事を、科学的にも証明して頂けた感じでした。

そんな研究をして来られた東大の西成教授も、塚越会長の事は最も尊敬されていたそうですが、今回初めて会われたそうで、知らないところ、しかも全く関係のない渋滞学という分野で研究されている伊那食品さんは、やっぱり凄い会社だと思います。

ブロックチェーンは、ビットコインなど、電子マネーのイメージが強いですが、大事なポイントは、個と個が自立して繋がっていくので、これまでの中央集権的な運営、管理などが必要無くなるという事で、今週、体感、勉強させて頂いた、コクリプロジェクトの様なうねり、渋滞学、信頼に、AI、人工知能というものが絡んで、間違いなく世の中を変えていくと思います。

第四次産業革命は、人、価値観、信頼のブロックチェーンがベースになっていくのでしょうね。

2017年11月6日月曜日

逆流させる人達

今週はKumiki Projectと、「DITサポーター&インストラクター説明会」を開催致しました。

Kimiki Project というのは、代表の桑原氏が、3・11で、東北の林業を何とかしないとと、会社を辞めて間伐材などの利用を拡げていく為に立ち上げたものですが、木材の使い手や、その利用を良いと思う人を増やしていかないといけないという問題意識から、自分達で家を作る、店やオフィスを作るという人を育てる為のスクールを展開していく事になり、京都ではそれを我々と一緒に展開して頂く事となっての説明会でした。

何故、我々が、このプロジェクトを一緒にやるのか?

自分達でDIYで家具を作り、ペンキを塗りオフィスを作る人達とは、ビジネスで言えば、関係ないどころか、むしろ困る存在かもしれません。

しかし実は、漸くこのスクールで連携できる事になったのですが、スクールを展開する以前からずっと、方向性は同じだと思って話もして来ました。

何故そんな考えになるのか?と言えば、我々はオフィスだけを見ていないからです。

今から言えば、もう10年近く前から、"オフィスなんて無くなるかも知れない" "我々はオフィスを対象にしているのではなく、仕事を対象としているので、そこを目指さなければいけない"と言い続けて来たのですが、それが世の中自体、そんな流れにもなって来たのです。

又、もっと言えば、30歳の時に、私自身が起業をしているのですが、その原点は、場所や時間に捉われず働けるのが理想だと思っての事で、当時はウエダ本社とは関係なく、あくまで自分の人生設計、自分の理想としての仕事の在り方、働き方を考えてのものだったのですが、その頃から、現在の働き方改革を追いかけていたのです。

という事から、世の中の仕組みを変えていかなくてはならず、これまでの日本を発展させて来た価値観や固定化された概念を逆流させないと駄目だと思っていて、それは、自分達の領域だけ考えていても変えていく事ができず、色々な分野、立場から変えていかないと崩れていかないと思っていました。

それだけに様々な人達と連携したりしていて、それが所謂ソーシャルと言われる人達が多いので、ウエダ本社、岡村は一体何をしているの?と思われたり、有難い事?で言えば、”ソーシャルと言えばウエダ本社”的に連想して頂ける様にもなった所なのですが、実はそんな理由で、ブランディングや、ましてやCSRなどでやって来たのではないのです。

その逆流を目指して来た中で、オフィスや働き方に関して取り組んでいる人や団体であれば、何をどう売るか?どちらがどう儲けるか?などは後回しでも一緒にやろう!とするのはある意味当然で、Kimiki Project との流れはその様な展開だったのです。

京都流議定書というのは、正にそれを結集させたものなのですが、最近面白いのは、それぞれで逆流させていこうとする人達と連携していたのが、そのそれぞれとビジネスとして考えられる様になって来た事で、それだけ世の中が変わり出して来たのだと思います。

今週、商工会議所のセミナーで元セブンイレブン会長の鈴木氏の講演を聴きました。

正に日本のコンビニを創り上げた方で、全員が反対した事を実行して、ことごとく成功して来られた方ですが、
100円のおにぎりを各社で価格競争していた時期に、セブンイレブンは200円おにぎりを出して大ヒットさせた話は特に有名です。

それは"おにぎりをどう売るか?"という考えではなく、消費者の心理に基づいて美味しい食を考えていったら、200円のおにぎりになったという事なのだと思います。

これは、逆流という話とは違いますが、少なくとも、おにぎりはどういう物という感覚ではなく、消費者の心理から考えると、大きな流れからの発想となり、結果的には安くしか売れない時代に価値観を逆流させたのです。

我々は到底こんな凄い事はできないですが、それだけに、今後も更に、逆流させて行こうとしている人達と連携していきたいと思います。

このDITスクールは、以前も話していた『五条通りモノづくりストリート』の一環でもありますが、そちらも少しづつ色々な方と連携させて頂いて進めていきたいと思います。






2017年10月29日日曜日

成功の循環モデル

選挙も終わりましたが、政局もスッキリしないなあ〜と思っている間に、先週のブログで神戸製鋼、日産、商工中金だけの問題ではないと言っていた通り、スバルも30年以上無資格検査を行なっていたという問題が明るみになっています。

何故、そうなるのか?は何となく想像がつきますね。

政局を見ていても、これら大企業の問題を見ていても、モヤモヤするのは、完全にこれまでの高度成長を担ってきたモデルが制度疲労を起こしていて、流れが逆流しているのに、それに蓋をしようとしていたり、特に政局がタチが悪いのは、 まだ力づくで押し通そうとしている所が勝っていたり、攻める側もその流れを分からず、同じ論理で動いて自滅していたりするからです。

資産を持たず、他人が所有する資産をマッチングするビジネスが、あっという間に既存ビジネスを脅かしていったり、身近な所で言えば、スマートフォン、SNSの普及によって大型店舗が苦境に陥ったり、一般の人が流れを逆流させていっているのですが、そんな事に気づいていないのでしょうか?

まだまだ大企業の不祥事は出てくるでしょうね。
何故なら、同じ体質の所は沢山あるからです。

最近、オフィスについての我々の考えを聞いて頂ける様になって来たのも、これらと無関係ではなく、使用者の立場、働く人の事を考えないと、片側で制度疲労を起こしている企業が崩れかねないからで、全く符号する流れなのです。

全て同じですが、ハコモノ行政で、利用者の声を聞かずに作ったり、TOPダウンで決めて、管理するマネジメントではなく、アクティベーションという考え方が重要と言われています。

これは有効化、活性化という意味で、その価値が分かっている人、利用者、受益者に任せていかなくてはならないという事で、それだけに通訳者の存在や、引き出していくファシリテーターが重要であり、ダイアログという対話が必要になるのです。

これと真逆に立つ大企業や、政治家や政党、行政は、本来は既に終わっているところで、力づくのチキンレースをしている様に思えます。

金曜日に出席した京都信用金庫の総代会で増田理事長は、MITのダニエルキム教授の、組織の成功循環モデルについて話されていました。

簡単に言えば、ビジネスにおいては結果の質を求めて、行動の質を見て、その為の思考の質を考えるという順番ですが、これは対立や疲弊を生んでいくのでバッドサイクルとなり、これをグッドサイクルにする為には、関係の質を良くする事から始めて、思考の質⇨行動の質を見ていくと、それが結果の質に繋がるという逆循環にしていかなくてはならないというお話でした。

不祥事が噴出する大企業などは正に結果の質を追いかけた末の問題だと思いますし、民進から希望の党も、関係の質から考えて進めると、結果が変わっていたのではないでしょうか?












2017年10月21日土曜日

キラキラ感とワクワク感

今週は月曜日から、DariKの吉野さんと、ルクロの黒岩さんをお迎えして、"食の力の生かし方"という、濃いセッションでスタートしました。

その際も話していましたが、テレビカメラでも入ってないのがおかしいくらいの顔合わせで、そんなお二人にコーディネート役で絡ませて頂く、楽しいひとときでした。

とは言え逆に、吉野ファン、黒岩ファンがおられるので、吉野ファンには黒岩さんの素晴らしさを、黒岩ファンには吉野さんの素晴らしさを伝えられる様に意識しましたが、それぞれが素晴らしく、話題が有りすぎるので、二時間があっという間で、どこまで、皆さんの聞きたい事を引き出せたでしょうか?

食の力を生かして黒岩さんは、障がい者福祉に展開されていますが、新たに、放課後デイサービスに乗り出され、吉野さんは、カカオでインドネシアの農家の人々の自立を進めておられますが、その成功を見た方からの依頼で、フィリピンでも新たな展開を進めておられます。

こんな所では話できない様な実際は、苦労、課題が沢山あると思うのですが、当の本人達は、使命に突き進んでいるので、キラキラとされているのだと思います。

翌朝からは、京都での朝食会を中座して東京での代理店会に向かい、その日はその仕入先さんとの懇親会まで出て一泊し、翌日の行程は失礼して名古屋へ移動して、全国紙管工業組合さんの研修会で講演させて頂き、その後の懇親会は失礼して、担当している京都経済同友会の例会に滑り込んで出席と、途中退席、遅刻で皆さんにご理解頂きながら、全てこなす事ができました。

全国紙管工業組合さんでの講演は、年に一回全国から集まられる研修会という場で、この日も166名の方が参加されてのものでしたが、大変活気のある会で、皆さんが真剣に聴いて頂いていて、気持ちよく話させて頂きました。

吉野さんや黒岩さんの様なキラキラ感はとても無いですし、どこまで皆さんに伝えられるか心配でしたが、翌日、事務局の方からお電話で、ワクワクして聴いてました!という感想の他、過分なご評価を頂戴し、少し安心しました。

ちなみに講演の内容は、働き方変革、オフィス、ワークプレイスの考え方の変遷や、今後についてで、よくご心配も頂くのですが、しっかりと仕事しております(笑)

出張から戻ってからの来客やミーティングも、うちの会社を目がけてきてもらったり、連携していく様な話ばかりで、本当に有難いですが、この感覚を何とか、社内に落とし込んで、スタッフにも体感してもらいたいと思います。

所謂ソーシャルビジネスというものを行っている人達や、うちの会社に共感して来て頂く方との話では、どうして、この様なキラキラ感、ワクワク感があるのだろうと考えると、共通するのは、そこには、批判や他責の姿勢が無いという事です。

一般のビジネスでは、常に競合と争っていて、レベルの低い人では、悪口でも言って相手を落とし込めて自分が勝ち取ろうとしたり、売り買いの場面でも、自社が儲けたい為に、相手にばかり負担を求める事を考えていて、とてもキラキラ、ワクワクとした話にはなりません。

東芝問題が漸くほとぼりが冷めて来たと思えば、今度は神戸製鋼、日産、商工中金などの不祥事が立て続けに出て来ていますが、これらは明らかに名前の上がった企業だけの特殊な問題ではありません。

相手を批判して競争に勝ったり、力にモノ言わして自社のだけの都合を通す様な会社は、構造的には同じで、問題発生していない、というより分かっていないだけか、明るみに出てないだけか、ギリギリの所が多い様に思います。

明日は衆議院選挙ですが、政治を見ていても、全くキラキラ感、ワクワク感がなく、いつもどっちもどっちという情けない思いになってしまうのは、常に相手批判ばかりだからだと思います。

ソーシャルマインドを持っている人は、キラキラ見えますし、そういう人の話はワクワクするものです。

全くワクワク感が沸かない政治家への投票、悩みますが、だからと言って棄権はせずに、意志は表していきましょう。




2017年10月14日土曜日

やる気と本気

今週は、第18回目となる日本を元気にするセミナーに参加しました。

今年は、やる気と本気をテーマに、ネッツトヨタ南国、徳武産業、かぶらやのスタッフの方々のパネルディスカッション、元新幹線のカリスマ販売員の茂木久美子さんの講演と、経営者ではなく、スタッフとして本気で働いている方々のお話という、今までとは違う内容でした。

又、元リッツカールトン日本支社長の高野さんが、その締めくくりと、別枠となっている午前の二回講演されるという、チャレンジングな企画でした。

高野さんのお話は、これまでも何度かお聴かせ頂いていますが、米国時代の高野さんの働き方や、本社共同経営者のシュルツ氏とのやり取りを通しての、シュルツ氏のリーダーシップ、存在意義、風土の作り上げ方、高野さんの、今後の人生についてのお考えなど、私自身、モヤモヤしていた事がパッと晴れたり、全然できていない事が分って胸に刺さったり、かなり揺さぶられた有意義な時間でした。

人を育てるのには、オリエンテーション、研修(知識、スキル)、教育(人間力)の3つが必要で、リッツでのオリエンテーションの定義は、夢だけを語るということでした。

シュルツ氏は夢とビジョンを徹底的に語り、それが浸透して、スタッフの人はワクワクし、常にシュルツだったらどう考えるか?どうするだろうか?を考え、自ら行動していたそうです。

夢は語っているつもりですが、とてもスタッフをワクワクさせる様にはできていない(ともすれば嫌がられている??)し、そこには熱意と伝え方が全然足らないと感じさせられました。

そして、リーダーの仕事は、部下の可能性を引き出す事であり、力を発揮できる舞台を用意する事との事ですが、そんな事を相対しているスタッフの方が感じていたというのですから、凄いリーダーですし、心底、人が付いていくリーダーとの違いが分かり、グサリと刺さっていたわけです。

”自分の組織が全員自分だったら、日本一になれるのだろうか?”

そんな問いを自分に向けて、それぞれの人が力を発揮できる舞台を作っていきたいと思います。

やる気と本気の違いについては、色々な所で出ていましたが、スタッフ側にとっても、リッツでは、決して甘い組織ではなく、ストレスはかけないがプレッシャーはかけるという事も言われていました。

若い時の仕事のやり方は、”来た球を全部打ってみる事”というお話は、全くその通りだと思いますし、他の人がやっていない事だから力がつき、一所懸命働く事で良い出会いに巡り合うのだというお話も、是非、スタッフとも共有したいですし、ともすれば、働く事を悪いものだという感覚で、甘い方だけに流れていまいかねない若い人達には、特にメッセージとして送りたいと思います。

アマチュアとプロについての話も高野さんは、モチベーションで左右されるのはアマチュアで、モチベーションが低い時でも本気になって働くのがプロ、プロは意志の力で働き、そしてそれが、やる気と本気の違いではないか?と仰っていました。

私自身グサリとくる事も多かったですが、ワクワクして改善していこうと思ったのですから、『人に伝える』高野さんのプロの仕事を見せて頂きましたし、この会を18年間続けて来られ、今年の参加者を見ても、一般?の大企業にまで拡げて来られた西川さん、ブロックスの皆さんの本気の仕事を学ばせて頂いた様に思います。





2017年10月8日日曜日

信頼のストックビジネス

今週も二年目の社員から、先日来提案していたオフィス案件が、うちで決めて頂けそうだという、嬉しい報告がありました。

先月も全国でも例が無い様な画期的な案件を手掛けさせて頂きましたが、ここ最近、うちのコンセプトを気に入って頂き、全面的にお任せ頂くケースが増えて来ました。

これまでも、オフィスを全面的に手掛けさせて頂くケースはありましたが、考え方や、提唱している事を気に入って頂いてお任せ頂いたり、大手メーカーと真向勝負で、提案で当社にお決め頂くという事も出て来た事が、圧倒的に違って来ています。

残念ながら我々の業界では、この企画料などがなかなか認められず、単に備品を納めただけの案件と数字面で大きくは変わらないので、まだうちのスタッフ自体が、この圧倒的差の体感がない様にも思いますが、この経験の積み重ねが、色々なスタンスを変えていく事になると思います。

企画料が認められないどころか、最初に出した図面を競合に出してそれで見積もりを取る、或いは、その図面を出して、それズバリで他社に安くさせるという様な事もまだまだあります。
理解できないのは、著作権の事など身に染みて分かっている筈のメーカーが、平気でそんな事を行う所ですが、世界で戦っている大手メーカーは、それでも生き残れるサプライヤーこそ力があるのだという理屈で、取引関係の優位性からその様な事を通しているのです。

流通で買う側が強いと考えている会社、力関係で言う事を聞かせている様な会社は、これからは一気に厳しくなっていくと思います。

値段でしか判断しないという事は、取引や関係性は常に点で、信頼、絆という様な、継続的な関係性は築けないですから。

シェアリングエコノミー、信頼資本、ボランタリー経済、この様な時代では信頼が積み重なっていく事が資産で、特に我々の様な中小企業は、値段や、利用だけして来る大手とは離れて、価値観で結ばれる企業と、信頼という資産を積み重ねていくストックビジネスに、転換していくべきだと思います。

ここ最近、面白い現象が起こっています。

ある大手の家具メーカーが、ショールームにうちの社員を入れてくれないと言うのです。

メインではないですが、そこの商品も仕入れるディーラーであるのに、提案で何度かそのメーカーと競合となり、連続でうちが”勝ってしまった”からですが、一方では、やはりメインではない別の家具メーカーから、そこの新たな展開のイベントで、私に登壇して欲しいという話がありました。

こちらも大変有難い話だったのですが、その日はたまたま別の大きな場で講演させて頂く予定になっており、残念ながら、お断りするしかなかったのですが、この両者の違いは、単に、メーカーさんの質?(考え)の差だけではないと思います。

前者は、WIN-LOSEの戦いの競合関係の発想で、後者は、戦っている部隊ではなく、うちの取り組みを面白いと思って頂いた方からのお声掛けで、価値観で繋がった関係性だからだと思います。

誤解されると困るのですが、前者の話は、悔しいという事で書いているのではなく、そんな桁違いのメーカーが、うちをそれだけ脅威に感じてくれているという事で喜んで書いてます(笑)

これからも益々、WIN-LOSEの感覚から抜けられない大手(大手ばかりとは限りませんが)ではなく、WIN-WIN、お互い様、シェアなど、信頼を積み重ねていくストックビジネスを進めていきたいと思いますし、そんなコンセプトを気に入って頂く企業さんのオフィスと、企業環境全体に責任を負えるパートナーとして、寄り添っていく会社にしていきたいと思います。

2017年10月2日月曜日

大人達の醜態

今週、衆議院が解散しました。

あまりにも短期間でことが運び、信を問う理由が後付けされた感じで、相手の準備が整わぬ内に、という意図であった様にしか思えません。

ところが、民進党が解党してまで、作られたばかりの希望の党に合流することとなり、結果的には、小池さんをより中心人物に押し立ててしまった事は計算外だったでしょう。

火中の栗を拾う形で、沈みゆく野党第一党の代表になった前原さんは、個人の想いを抑えて、自らへの批判は覚悟の上で、身を投じた決断をされたとは思います。


しかしそれも、主眼が安倍政権を止める事に向けられてのもので、国民感覚とはやはりズレがある様に思います。


又そんな中で、自分の保身ばかりで、右往左往する”先生”方、相手を責めて落とし込む事しかない大人の醜態を見ると情けない限りですし、まず、こういう悪い大人の例の様な”先生”方を、バッサリ落とせる選挙制度にする事から始められないかと思います。

政治の世界に限らず、ビジネスの世界や一般の世界でも、こんな大人の醜態を晒してないか?我が振りを見直したいと思います。

一般感覚からするとおかしな政治家の論理ですが、ビジネスの世界でも同様に、今までの枠組みでの勝ち組が、業界の常識として押し通していたり、相手の批判をして商売をしていたり、力に媚びへつらい、すり寄っていく格好悪い大人達が多い様に思います。

今の若者達がやる気がない様に言ったり、教育を問題視したりしがちですが、こんな大人達の醜態を見せていては、やる気も希望も持てなくなるのではないでしょうか?

今の若者が憧れて目指す様なロールモデルが無いのかもしれませんが、ビジネスではシェアエコノミーという概念が既存の価値観を一気に崩していってます。

政治でも、国際情勢でも、子供の喧嘩の様なレベルで、自分だけのことを考えて、相手を責めて落とす思考ではなく、シェアの概念で展開する様な勢力が生まれてこないものかと思いますが、そういう意味でも、ビジネスの領域や一般感覚から、シェア、信頼、繋がり、共創という感覚を、もっともっと繋げていきたいと思います。








2017年9月25日月曜日

リスクと取るかチャンスと取るか

今週は、経済同友会で色々と勉強させて頂きました。

水曜日には私が担当の例会がありましたが、ユーグレナの出雲社長にお越し頂き、これぞソーシャルビジネス!というか、ビジネスってこうあるべきというお話をお聞かせ頂きました。

グラミン銀行でインターンされた事から、バングラディシュの子供達の栄養失調の原因を知り、それを何とかしたいとの想いから、栄養面では万能とも言えるミドリムシに出会い、無理だとされていた大量培養を世界で初めて成功され、今や日本だけではなく、食料面、エネルギー面においての救世主的に期待される存在となられた経緯などについて、迫力満点でお話頂きました。

流行りとなってしまったソーシャルビジネスでは、格好や理屈が先行する人も多いですが、出雲社長の話を聞いて、バタ臭いくらいの強さを、一方、自社の利益のみを追求してきたビジネス側の人には、営利企業である前に、企業も社会の一部であり、生態系の中に存在する生命体である事を感じて欲しいと思いました。

500社に断られて資金も尽き果てた501社目に伊藤忠商事が支援したそうですが、それまでの500社は、こんな話は聞いた事が無いからリスクだと言い、伊藤忠商事は、こんな話は聞いた事が無いから、チャンスだと捉えたというお話にも学び一杯でした。

翌、木曜日からは交流部会の視察で福岡へ行っておりました。

こちらは、この部会の所属でもなく一般参加したのですが、2日目の福岡企業との対話の場を何とかならないか?と事務局から相談され、イマイチ主旨も分からないまま、冷泉荘というリノベーションでは有名な存在を作ってこられた吉原さんに、冷泉荘の見学と、吉原さんと共に町づくりに取り組んでおられる企業家もお連れ頂いてのセッションをする事になりました。

ジワジワと広がる町づくりの様子に、今後の日本のヒントが沢山あると思うのですが、これまでの開発型で成功して来られた企業の方々の反応を見ると、それぞれのスタンスや、新しいものへの考え方の違いが見れて、これもある意味大変勉強になりました。

500社になるか501社目になれるかの違いでしょうか?(笑)

事務局で組んで頂いていたスケジュールも、 一度行きたかった、大名小学校跡地をリノベーションして開設されたFukuoka DCとFukuoka Growth Next

の訪問や、知らずに行ったグルーヴノーツ社は、日経オフィス賞を取られたり、テクノロジーと遊ぶアフタースクールまで展開されていて、本業のクラウドプラットフォームのお話と共に、大変有意義なものでした。



 素晴らしい成功を収めている様に見えるFukuoka Growth Next も、来年9月には取り壊され、新たな開発が行われるとの事で、表面では分からない課題もあるのでしょうが、それでも福岡はイノベーションにおいて圧倒的に進んでいると改めて感じましたし、京都ではなかなか難しいだろうなと感じました。

それはやはり多様性と柔軟性の差で、それには県民性というのか、歴史にも絡んでの風土が大きく影響していると思います。

少なくとも新しい流れや、分からない事に対して、特に自社の専門領域であるほど、最初から否定的にならない様に心掛けたいと思います。

”こんな話は聞いた事が無いからチャンスだ”といつも言える様に。





2017年9月18日月曜日

働き方変革担当

台風直撃で、参加予定していたスリールhttp://sourire-heart.com/さんの報告会が延期になりました。

 ワークライフインターンという、学生が会社だけでなく共働きする家庭にも行って、実際に家事や育児も体験するというインターンなのですが、京都府の委託事業を受けたスリールさんと、この広報セミナーを一緒に開催していた事もあり、ウエダ本社としても社員にも協力してもらって、学生を受け入れていました。 

一見、学生向けのインターンではありますが、実際は受け入れ家庭で子育てしながら働くお母さん方にも大変良い効果があり、子育てに追われて忘れていた自身の 仕事に対する考えや、”働く”こと、生活していく(=生きていく)ことを見直す機会になる様です。

 今週も振り返ってみると、働くこと、生きることに関するミーティングと、信頼関係から未来を作っていく為に、一緒に仕事をしようとする相談ばかりで、有意義な時間を過ごせています。

最近よく取り上げている革靴を履いた猫、チームノーマライゼーションのメンバーが今週も来てくれていました。

 障がいを持ったメンバーと一緒に働く事によって、今まで障がい者とも縁の無かった学生が問題意識を持ち、働くことや生きることを考える様になって、起業にまで繋がったのですが、そんな学生もいる一方、就職活動がうまくいかず、悩んでいる学生も多いそうで、そんな学生向けに話をしてほしいとの事でした。

 勿論、こういう事になる根源は、我々が崩していきたい課題と同じですので、時間がある限り行きます!と約束しましたが、ちょっとした考え方、視野のひろげ方で大きく変わると思います。 

働き方変革で時間ばかりの問題にとらわれ、働くことが悪い様なイメージになっていることは、障がいを持ったメンバーが嬉々として働く姿を見ても、間違っていることは明らかで、そんな本質的なところを伝えたいと思います。

 週末は理事を勤めているリブオンhttp://www.live-on.me/about/index.htmlの理事会がありました。 

この団体は代表の尾角さんが、自らの体験から、自死遺族のグリーフケアサポートを中心に、誰にもある喪失感のサポートが当たり前にある社会をつくることを目指して設立したもので、グリーフケアを必要とする人が集える場を作ったり、そんな場を運営するファシリテーターを養成したり、素晴らしい取り組みを行なっているのですが、今後、ある宗派が、僧侶の教育プログラムに組み込んでいって頂けることになりました。

 素晴らしいことではありますが、僧侶がこういうことを学んでいかなくてはいけない時代、そんな日本というのは、ある意味、それだけの生きづらさを表しているのだと思います。

今週も北朝鮮がミサイルを発射し、一触即発の様相もある中、衆議院を解散するという様な話も出て来ています。 

国が危険にさらされている時に、自分達の都合でしか考えられない様な政治家が動かしていては、生きづらくもなると思いますし、そんな頭の方々に、本質的な働き方改革を期待していても無理だと思います。

良い芽は一杯出て来てるのに。

そんな芽を結びつけて、自分達それぞれで未来を創り出すしかないですね。

働き方変革は、我々ウエダ本社が担当します!





2017年9月10日日曜日

価値観の交差点

今週は、福井県の熊川宿という所に行っていました。

 鯖街道と言われる、日本海から京都に海産物を運ぶルートの宿場町として栄えた所が、きれいな形で残っているのですが、御多分に洩れず空き家となっており、綺麗な景観の危機だという事なのです。 

ウエダ本社では9月から新年度となっていますが、今年度私は地方も回って行こうとしています。 

今年京都流議定書も10周年を終え、一区切りをつけて今後は違う形で継続して行くと言っておりますが、京都流議定書で追いかけてきたのは、価値観の変革であり、数値化されない価値の見直しでした。 

講演などをさせて頂く際には言っていますが、規模(量)、効率、標準化(平準化)、偏差値、東京 という様な一方方向で流れてきた経済の行き詰まりに対して、大きさではない(質)、間、個性(多様性)、地方、が大事で、それを示していけるのが京都なので、一方方向で流れてきた価値観に迎合しない京都で、それでやっていけるという姿を見せる事により、個性のある人、企業、地域を見直し、生み出していこうとするものでした。 

それは今で言うとオープンイノベーションと言う事になり、大企業含めて猫も杓子もという感じになっていますが、既存の価値観のままで、外部との連携などを図っていても、それはオープンイノベーションというものには繋がらないと思います。

 逆流させるくらいの感覚でやらないと、本当のオープンイノベーションなど起こる筈などありません。

そういう意味で京都流議定書というのは、ある意味、それぞれの分野で逆流させる様な取り組みを行なっておられる人を集めていたというか、そもそも私自身が普段から、本業と関係の無い事ばかりに関わっている様に見えるのですが、逆流させる動きを行なっている人達と繋がっていたり、そんな人や組織に対して協力していたりするのです。 

京都流議定書を決してボランティアではなく、あくまで会社の為でもあると公言するのもこの点で、我々のオフィス領域も、効率化、均一化、そしてコスト追求という所 から脱して、人の可能性を尊重していくものにしていかないと落ちて行くばかりなのに対して、その価値観の逆流を目指しているのがウエダ本社という事なので、実は本業に思い切り重なっているのです。

 昨日は、鎌倉投信さんの受益者総会に参加していました。

 正に金融の世界で従来の価値観を逆流させる展開をして来られた会社で、大尊敬する会社ですが、鎌倉の会社が、年に一回の受益者総会、つまり投資家向けの決算報告会をわざわざ京都で行なっている所に、850名もの方が全国から集まっておられました。 

この会にも何度か参加していますが、今年は特に、ほとんど一般投資家の方と感じる位の雰囲気で、驚くのは、その方々が熱心に、出演されたそれぞれの社長の話を聴いておられる姿でした。 

それも、自分の投資したお金の利益を求めてという眼差しではなく、素晴らしい企業、活動に役立てて欲しいという、鎌倉投信さんの理念に沿ったものであり、正に価値観の逆流が起こっている光景でした。 

又今年嬉しかったのは、新井さんから依頼されて堀場社長に基調講演をお願いし、それが実現できた事です。 

このブログにも堀場製作所さんや、先代の最高顧問、そして現在の堀場厚会長兼社長の素晴らしさは何度も書いておりますが、排ガスの分析器などで圧倒的な世界シェアを誇る、言わばバリバリの日本の製造業の社長に、金融で価値観を逆流させて来た鎌倉投信さんの受益者総会で講演頂いたのは、私自身も価値観の交差点に遭遇できた感じで嬉しかったのです。

 堀場社長も1000人近い一般投資家の方だけの講演というのは、今までも無かったのではないか?との事でしたが、流石に、ユーモアタップリで会場を沸かし、そしてしっかりとひき込んでおられました。 

そこにはやはり、どんな精密機械の技術があっても、どんなグローバルな展開であっても、一番大事なのは、人であり、それぞれの人の尊厳を守る想いが溢れていました。

鎌倉投信さんの「結い」という商品名そのものだと思いますし、価値観の交差する所は、やはり「人」なんだと思います。

2017年9月3日日曜日

新年度、新たなステージへ

ウエダ本社は9月1日から新年度を迎えています。 

期末と新年度を迎えた今週は、盆明けにスタッフに出してもらった目標設定シートの各自との擦り合わせに多くの時間を割きました。 

在りたい姿を想像し、その中での仕事、自分の役割と、社会との繋がりを考え、そこから、今年度の目標、それに向かう為の具体的行動などを決めてもらうのですが、初めての事だけに、こちらも試行錯誤しながらですが、普段こんな事を考えていない人からすれば、なかなか大変な事だったと思います。 

そこに、まずもっての狙いがあって、このシートを通して、自分のやりたい事や、やらなければいけない事を考える、そしてそこに向かうためには、どうすれば良いかを考えるという癖、実行に向けて計画立てる癖、やり切る癖をつけてもらいたいという事だったのですが、それこそ、その様な思考回路になっていない人にすれば、一つ一つが繋がらず、雲を掴む様な話だったかも知れません。 

こちらも色々仕事もある中、一人一人と話し、提出して来たものを見ると、全く考えられていなかったり、具体化できていなかったりすると、「どうして自分の事が考えられない!」と、ついイラっとする瞬間もありましたが、やはり、何をおいても、個々の考え方、目標設定の仕方などを変えて行くことが最優先事項だと思って、我慢しながら(笑)話をすると、劇的に変わってくれる人もいたり、それぞれの繋がりを理解してくれたりする姿を見ると、やって良かったと思いますし、今までこういう事がしっかり出来ていなかった事も反省しました。

 9月1日、2日は、丹後の与謝野町へリーダー四人と一泊での合宿ミーティングに行っていました。



 9月から新年度であるウエダ本社では、本来は8月までに行なっておかないといけない事ですが、京都流議定書や、決算に向けての追い込みなどもあり、新年度が始まった初日から空ける事になってしまいました。

しかしこれも初めての試みで、まだまだナンバー2という存在を作れていない中、特にリーダーには、今後考えている事を共有してもらい、その中でのそれぞれの役割を明確にしてもらいたかった事もあり、新年度初日ではありましたが優先しました。

 又、与謝野町に行ったのも、私の方で進めて来ていた今後の展開の共有という意味もあったのですが、与謝野町の方々とのミーティングもそれぞれ大変濃い時間となり、こちらもリーダー達にも気づきがあったと思います。

 与謝野町の山添町長には、我々が行くという事で、大変お忙しい中、自ら町で取り組まれている施設をご案内頂き、今後の展開、やるべき所のお考えを聞かせて頂きました。

 他にも町でポイントとなる方々とのミーティングでも、やはり自分の利益を考えるのではなく、未来の為、地域の為など、大きな想いで動いておられる方との話は清々しい気持ちになれるのと、お互いが自分の利益を求めて対峙する関係ではなく、信頼がベースとなっているので、話も早いですが、その辺りの価値観の大切さも感じてくれたのではないかと思います。

 地域をどうする?会社をどうする?というのは同じで、想いを持った人が大きな視野で、その想いを共有する人と協力して、役割を分担しながらそこに向かっていかなくてはならないと思います。

 そんな想いを凝縮した期末、期初の一週間を終えて、この一年、ウエダ本社は新たなステージに入っていきたいと思います。

2017年8月27日日曜日

生きること、働くことの本質から

今週は、京都フォーラムの際に、会場で靴磨きを行なっておられた、”革靴を履いた猫”さん、就労移行施設トリムタブカレッジさん、龍谷大学のチームノーマライゼーションの学生さんが来られていました。

この活動は知らなかったのですが、素晴らしい連携で動かれているもので、その一環として、9月4日に龍谷大学でイベントを開催されるのですが、そこでのパネリスト登壇についての説明で来られたのでした。


そもそもは当社の事を知って頂いていた施設の方が依頼に来て頂いていたそうなのですが、京都フォーラムで靴磨きを依頼されて来ていた、革靴を履いた猫のメンバーと会場で会い、そこで初めて、ウエダ本社と京都フォーラム、京都流議定書が繋がったとの事で、これも、素晴らしい想いを持った方々が、京都流議定書で集って頂けているのが体感できて大変嬉しく思いました。

障がいを持った人や、引きこもり経験のある人が、大学内で学生達と一緒にカフェを運営しているそうですが、そこで活動していた卒業生が、障がいを持った人の特性を生かして、靴磨きというビジネスを選んで立ち上げたのが、革靴を履いた猫という会社なのです。

そんな想いで連携し、活動されておられる方々なので、生きること、働くことについての本質がそこにあり、私が考えていた事もお墨付きを得た様で、嬉しくなって時間超過で話し込んでしまいました。

今週は他にも、大変光栄で是非とも!という登壇依頼もあったのですが、その日は、そんな滅多に受けているわけではない講演を名古屋で行う事になっており、残念ながらお断りさせて頂いたのですが、そんなイベント出演という話ばかりではなく、ここ最近は本業でも、京都でかなりシンボルリックな企業さんのオフィスを、全面的にやらせて頂いたり、ご決定頂くケースも増えて来ております。

まだまだ全体では数字に表れる成果にまでは至っていないですが、明らかに、今までにはなかったステージで、新しい局面に入ってきたと言えます。

この一年どころではない、まだ数か月レベルですが、京都流議定書を開催して10年、今の展開に向けては10数年追いかけてきた事が、漸く、線で繋がり出してきた感じがします。

京都流議定書後にお越し頂いたり、ご登壇頂いたりした方からは、10年の継続や、内容評価もさることながら、スタッフの対応に感心してお褒め頂く事が多く、どの様に教育してるのか?という事もよく聞かれます。

まだまだと思いながら、実際まだまだな問題だらけですが、スタッフのホスピタリティーというもの自体は、大きな強みとしていける様に、日々成長してくれていると思います。

B to Bという企業相手、そして、利益を産まないから何とかお金をかけたくないと思われているオフィスの世界で、生きること、働くことの本質を追いかけて、人の特性を生かしてやっていく事が、ビジネス的にも正しいという事を、証明していきたいと思います。

9月から新年度に入りますが、漸く、お声がけ頂ける様になった価値を、本業に組み込んでいける様、デザインしていきたいと思います。



2017年8月20日日曜日

目標設定シートと未来イメージ

お盆明けの今週は、社員面談でした。

休み前に、今回作成した目標設定シートを書いて来てもらい、それに基づいての擦り合わせで、今月中にそれぞれの役割と目標をFIXし、来期に臨みたいと思っています。

シート自体は原田メソッドの形式で、中身は私が考えたものですから、その表の精度はどうかは分かりませんが、目的としては、自分の人生の在りたい姿を想像してもらい、その中で多大なウエイトを占める仕事について、自分の良い所、得意、やりたい事を生かして、どの様な役割を果たしていくのか?目指すのか?を考えてもらう事と、そこから考える今期目標と、そこに向けていく具体的行動を期日入りで上げてもらい、それを進めていく事で、考える事、計画立てる事、やり切る事を癖づけをしていこうとするものです。

先週のブログで、京都流議定書の大きな目的の一つが社員研修であったという事も書いていましたが、京都流議定書の10年間でほぼイメージ通りになった運営が、組織においての理想の運営スタイルでした。

京都流議定書は、我々が良い、或いはこれから必要だと思う価値観を訴えていく場ですが、そこに向けてお越し頂くお客様、それに賛同して頂いてご出演頂く方々、ご協力頂く団体、関係者の皆さんに、良かったと思って頂く、喜んで帰って頂く、そしてこの場から、何かそれぞれに有益な繋がりや気づきを持って帰って頂くという事を目的としていましたが、皆がその目的に向けて、それぞれの立場で考えて動いてくれる様になっていました。

私が行なっているのは、京都流議定書として貫くコンセプトと、そのコンセプトから毎年の流れ(テーマ)を考え、それに沿った素晴らしい方々をキャスティングする事だけであって、過去10年間、キャスティングが決まった後は全てスタッフが行なってくれていました。

会社経営で言えば、会社の理念を明確にして、今年の目標を立て、それに向けた組織や仕組みを作るという事が私の仕事で、その目的に沿っての日々のオペレーションなど現場の事は、皆が会社の目的に向けて、それぞれの立場、役割で、良いと思う事、良くしていける事を考えて、自ら行動していくという事です。

メンバーが変わりながらもきっちりできて、しかも、より良くなって来たという事は、10年間かけてチームの目的とそれぞれの役割が明確になってバランスして来たからだと思います。

この京都流議定書で得た体感を持って、会社もこの様な理想の形に向けていきたいという事で、盆休みの間に考えて来てもらったのでした。

日本は全般的に、特に若い人になるほど、未来発想する事が少なくなっている様に思います。

未来発想というと大袈裟で、成りたいものや、やりたい事が明確しないとダメな様に思うのかもしれませんが、全くの理想で良いのです。

実現できっこない様なとんでもない事でも、大事なのは、一度未来をイメージしてみる、未来から発想してみる事で、それをやってみると、見え方が変わり、見えなかった事に気づいたりする事があります。

昨日は未来構想研究会で、前回衝撃を受けてブログでも書いた安田登先生の講演がありましたが、安田先生のお話では、文字が誕生した頃には、「心」というもの自体が無く、生まれたばかりの「心」の意味は"時間を知る力"で、変えられないと思っていた未来を変え、過去から教訓を得る事ができる力だという事でした。

これは逆に言えば、時間を知らない(意識しない)から「心」が無く、未来を考えないから「心」を無くしていくのではないでしょうか?

未来構想研究会の呼びかけ人でもある、アミタホールディングスの熊野会長はよく、物質的豊かさを求めて来て、心が貧しくなった日本という事を仰いますが、近視眼的になっていっている日本人が、未来への期待や、「心」を無くしていっていると言い換えられる様にも感じます。

うちのメンバーには、未来をイメージする事から、「心」を知り、それぞれの未来を変えていってほしいと思います。

そんな人達が、会社の目的を共有して、自分の未来と重ね合わせ、それぞれの立場、役割を果たしてくれる会社にしたいと思いますし、それが成り立つ事を証明し、そんな会社が増えていっている世の中、それが私の目標設定シートでの未来イメージです。







2017年8月13日日曜日

京都流議定書の10年間を改めて③

多くの方から、「ボランティアでこんな事をやって偉いね!」と言って頂いていましたが、あくまで”会社の為”に行なっていました。

ただ、その”会社の為”という感覚が違う所で、我々の様な、物も技術も資金力も無い会社は、存在意義が無いと、それこそ存在する意味が無いと思いますので、まずは、会社の存在意義をしっかり持つこと、そしてそれをスタッフ、ステークホルダーに知ってもらう事、それに共鳴してもらう事を目指しており、それができると自ずとスタッフも誇りを持つ事ができ、スタッフ自体の生き方、働き方が変わり、そこが変わる事自体が成長であり、各自が成長していける場を作る事は、他では得られない大きな報酬になると思っていました。

又、うちの会社の強みは、設えを臨機応変に作れる現場力と、真面目で実直に仕事をする人の集まりである事で、逆に弱みは、仕事を個々で行なっていて連携ができていない事と、全体の目的よりも、個々に一所懸命という感じで、一つの目的に向かって自主的に考えて動く、フォローするという事ができていない事でした。

この様な事は、普段の業務や、ましてや座学で教えられるものではありませんので、京都流議定書というイベントを通して皆で体感するという、大掛かりな社員研修として考えていたのです。

一つの目的に向かって、それぞれの役割を持ち、それぞれが気づき、フォローする、そこにお客様などの要望で、変化する状況に対して臨機応変に対応していかなくてはならないというのは、イベントに限った話でなく、普段のビジネス、組織で運営をしていても全く同じで、自分達の強みを認識し、弱みをカバーし生かしていく実地研修、そんな裏?目的があったのです。

そう考えると、ハイアットリージェンシーという一流ホテルのスタッフの方々と、一緒に準備や当日の動き、配慮など、間近で色々学ばせて頂けるのですから、研修とすれば一体どれ位の費用が要るか?ですが、そもそもお金を積んでもやって頂けないですから、”会社の為”という意味もご理解頂けると思います。

更に、ご登壇頂く方は、それこそそれぞれの道で有名であり、成功もされている方々で、そんな方々の様子に触れる事ができる、舞台裏の様子を見る事ができる、こんな経験も願ってもできるものではありません。

そんな想いをうまく伝えられていなかったでしょうし、特に最初の頃は、スタッフにすれば、社長の想いに業務以外で余分にやらされるイベントでしかなかった様に思いますし、この10年の間に辞めていったスタッフなどは、イベントが直接ではなくとも、この辺りの想いや価値観が合わなかった面があると思います。

そんな中でも繰り返していく内に、お客様が喜んで頂いたり、これだけのイベントをほぼ社員だけで行なっている事に驚かれる反応を見て、我々の現場力や、これだけの事をやれてしまうという自分達の強みを体感する事ができて、何となく、これ位のイベントならこなせるという自信は持ってくれる様になったと思います。

今年の最後に、10年間一緒に見てきて頂いたハイアットのスタッフの方から、「ウエダ本社のスタッフの気づきやその対応力は素晴らしく、ハイアットヤバイ!と思わされましたし、団結力に至っては完全に負けていて逆に勉強させて頂きました」とコメント頂きましたが、これは、かなり本音だったと思います。

その位、スタッフはよくやってくれましたし、この間に人の入れ替わりもありながら、よくこなしてくれたと思います。

10年間の最後に、この間に辞めていったスタッフにも、その年のそれぞれの役割の積み重ねで10年を迎えられたのですから、改めて感謝したいと思います。

辞めたスタッフというと、何かマイナスイメージがありますが、それこそ、まずはそれぞれの人生が優先なので、会社が唱える価値観や方向性に合わなければ、違う所、合う所を探すべきだと思いますし、理想としては、ウエダ本社を辞めた人にも、ウエダ本社に居た事で、より立派な会社に進んでもらいたいと思っています。

決して良い格好言っているのではなく、そんな会社でありたいと思っている事と、そういう所から変えていかないと、やらされ感で嫌々の仕事をやっていても誰の為にもならないし、本質的な働き方変革など行えないと思っています。

話はそれましたが、そんな事で、今まで関わってもらった元スタッフと、勿論今年成功させてくれたスタッフ、特に変化しながらずっと関わってくれたスタッフには感謝しかありません。
このお返しは、皆が良い会社と認めてくれる様な会社にする事しかないと思いますので、京都流議定書の10年間で体験して来た事をベースに、その実現を目指していきたいと思います。

2017年8月9日水曜日

京都流議定書の10年間を改めて②

まだソーシャルビジネスのイベントなど無かった頃から、京都流議定書では素晴らしい若者を集め、そういう世界では登竜門的に言われた事もありましたが、その流れができたのも、ホームズビーの嘉村君が二年目に、京都未来市というセッションを行なってくれた事からです。

7つの学生団体がプレゼンし、来場者が仮想マネーを出資するというものでしたが、そこで、こんな素晴らしい活動をしている若者達がいるのかと感心した事が切欠でした。

その後、嘉村君から紹介されてダイアログバー京都を一緒に開催して来たミラツクの西村君が、6年目から引き継いでソーシャルの流れを加速してくれたと共に、ウエダ本社のビジネス領域に近づけて来てくれたと思います。

又、もう一つの大きな価値となる経営品質系は、京都でこの流れを作ったとも言える人見さんが、京都経営品質協議会主催の京都フォーラムというイベントを開催しており、三年目から、『一緒にやろう』となって、三日間の中で開催して頂く事になり、以来ずっと共同開催して頂いたお陰で沢山の貴重過ぎる繋がりを頂きました。
これによって、大久保寛司さん始め、伊那食品の塚越会長、元リッツ・カールトン日本支社長の高野さん、沖縄教育出版の川畑会長、今年もお越し頂いたバグジーの久保さん、四国管財の中澤さんなどという、日本中に追っかけも多数居る様な方々とお付き合いさせて頂ける様になり、そしてその方々が有名になった切欠を作られた、ブロックスの西川さんにも、4回目からずっとご一緒して頂く事となったのです。

もう一つ人見さんには感謝する事があるのですが、一緒にやって二年目だったか、協議会という団体とやっていると、やりづらい事が多く、我々本来の主旨を曲げないといけない事も出てきて、それなら別々にやろうと私が言ったのですが、人見さんから『元々、京都で良い事がバラバラに行われるのが良くないから京都流議定書をやったのじゃないのか?それが、岡村さんと自分との間で別々にやる様じゃ意味が無いんじゃないか?』と言われ、なるほどと思って、結局一緒にやらせてもらったのですが、これも、人見さんとの、お互いの見栄、体裁などではない大きな視野での話でなければ、その時点で終わっていたと思います。

その人見さんに経営品質の火を点けたのは、JCにその勉強を持ち込まれた鬼澤さんですが、その鬼澤さんが、良い経営の伝道者としてスタートされる際、学ばれたというのが大久保寛司さんという繋がりなのですから、この系譜においてはオールスターに関わって頂いた様な感じでした。

京都市の方々には毎年、市長に合わせて各部署でご協力頂いたり、京都府とも山田知事のタウンミーティングを共催したり、毎年、集客では経済同友会、商工会議所などの団体にもお世話になりました。
又重鎮と言えば、お亡くなりになった堀場最高顧問には、京都流議定書スタート時のウエダ本社70周年での基調講演含め、計三度もご出演頂いた他、クオリア研究会としても企画をご一緒して頂きました。

あげればキリが無いほど多くの方々にご協力頂きながら、数名の方しかお名前を上げられていませんが、10年の中での大きな流れで、ウエダ本社の社員にも知っておいてもらいたい事を纏めました。

10年間、多分、細かい不手際は多々あったかと思いますが、多くの方に良かったと言って頂いて終える事ができましたのも、多くの皆様のお陰です。

本当にありがとうございました。

特別編ブログはあと一話だけ続けます。




2017年8月8日火曜日

京都流議定書の10年間を改めて

先週の金曜から日曜日は、10周年を迎えた京都流議定書でした。

よくも10年も続けられたものですが、今となっては元々の事や、誰にどの様にお世話になったかなど、知らない人も多いので、改めて振り返りたいと思います。

以前、輝かしい頃のウエダ本社では、独自の販売会や、得意先を招待した旅行、芸能人を呼んでの大規模なイベントなど、地域、お得意先様、業界に向けて、先駆けた展開を行なっていました。

再建の為にウエダに入社し、少し落ち着いてきた頃、何人かの方から、”ウエダフェアを復活しないのですか?”、”70周年はどうされるのですか?”などと聞かれる様になりました。

今から40年前の40周年式典は、京都国際会議場で行なったり、50周年、60周年もホテルで盛大に行なっていました。

少し落ち着いたとは言え、同様に盛大にする余裕などないし、又、私が入って改革を進めて、従来通りのウエダフェアというものでも意味がないと思い、どうせなら、入社以来、再建を進めながら、一方では新規の展開を見つけるべく、色々な所に首を突っ込んでいたので、それら本業以外で私が関わっているものを全部集めたものができないか?と考え、関わりのあるものを洗い出し、環境、教育、伝統文化という3つにカテゴライズしてみました。

それを、ハイアットリージェンシー京都を立ち上げて来られた、横山総支配人に提案した所、未だに、これだけ外資系と日本の良さのそれぞれを理解し、双方を説いて進めていく能力を持ったホテルマンには会った事がないと思える横山氏が、即座に、”これは面白い!3つのカテゴリーがあるのなら、どうせなら三日間のイベントにしませんか?”と言って頂いたのですが、結果的には、それが10年間、三日間のイベントとなった全ての理由でした。

初年度は、環境系の団体の展示コーナー、聞香やサッカーの課外イベントなども開催、何と、ハイアットリージェンシーさんの一階と地下を全館使ってという、結果的にはとんでもない規模で行なう事になったのですが、横山氏始めハイアットの皆さんには、10年間多大なお世話になりました。

伝統文化のカテゴリーでは、老松の太田さんや、伝統文化プロデュース連の濱崎さんには、企画からプロデュースまでご尽力頂き、難しい伝統文化というテーマも形作れた事で、重みを作って頂きました。

そして、教育の所では当時の門川教育長に講演をお願いし、その際に教えて頂いた、ドイツのメルケル首相が世界でのスピーチで、DO YOU KYOTO?という、環境においての転換期となった京都議定書の開催地であるKYOTOを、環境に良い事をしてますか?という動詞として使われたという事を、日本の人はおろか京都の人も知らないという事を問題提起として、『DO YOU KYOTO?  DO YOU KYOTOSTYLE?』というテーマで開催する事にしたのです。

ところがその年、門川教育長が市長選に出られて見事当選され、講演はどうなるのか?と心配したのですが、京都市長としてそのままご登壇頂き、お陰で門川市長が初めて出られた外部イベントとなって、その後も市長には特別な思いを持って頂いて、毎年応援して頂く事になったのでした。

これだけのイベントですが、当初から貫き通した事があります。

それは自分達で手作りでやらないと意味がないとの事で、代理店なども入れず、企画、運営、会場準備、ネットワーク、看板、サインなど全て社員で行ないました。

又、集客も数を追って広告などを行うのではなく、自分達で呼び込むか、あくまでこの主旨に賛同して、ご協力頂けるものに限りました。

協力頂くと言えば、ご出演頂く方も基本的には無償協力という、厚かましいにも程がある事を通して来ましたが、本当に主旨に共感頂いてご参加頂いた皆様と、逆に共感はしていませんでしたが(笑)、これだけのイベントを作り上げてきてくれた社員達には、本当に感謝致します。

お金を掛けられなかった事はありますが、お金で買える物、呼べる人、頼める仕事を入れてしまうと、理念がブレてしまうので、そこは最初から拘ったのですが、特に最初の頃のこの踏ん張りが最も辛かった所でした。

それでも踏ん張って来られたのも、主旨を理解し、ご協力頂いた沢山の方々のお陰です。

ここまで振り返って、お世話になった方など、これだけではとても書き切れませんので、この後、分けて書く事にします。

つづく。












2017年7月30日日曜日

京都の雑草

今週には、防衛大臣と民進党党首の辞任が同日に発表されました。

辞めればいいのか?とも思う一方、辞めさせにかかっている社会もあり、どっちもどっちだなあと思います。

いつからか分らないですが、日本の色々な問題において、私は、どっちもどっちというモヤモヤ感で、発言すらできない状況が続いています。

加計問題しかり、森友問題しかり、又、それを取り巻くそれぞれの対応でも、今、世界情勢が緊迫した中で、あんな事に国会で膨大な時間を使っている事への批判もありますし、その通りだとは思います。

通常、何かで対立している人(組織)が、それ以上の敵が出て来た際に、協力する様になるものですが、北朝朝鮮の脅威を言いながら、こんな問題を延々行なっているという事は、殆どの政治家自体も、危機感が無いとしか思えません。

一方で、そんな下らない事に時間を費やして!という意見の方の属性を見ていると、現状、力を持っておられる側で、既存のシステム、仕組みで優位な立場の人が多い様に思います。

どっちもどっちの話でいけば、加計、森友問題は、そんな事より国防を、という事は思う所ですが、安倍首相の何が問題か?という点については、表面上の問題ではなく、これまでのシステムでは限界が来ているのに、そこで力を得て来た人達がそれを守ろうとしているか、もしくは、それこそ危機感の欠如から、問題の本質が分かっていないのか、要は、力づくて通してしまおうとしている姿勢、考え方が問題なのだと思います。

という事なので、既存システム上での右か左か、体制側か反体制側かという問題ではない中、そこで行われる論議や、それに対するマスコミ含めた社会の反応も、これまでのシステム、価値観上での話なので、モヤモヤ感が募るのだと思います。

又、自国主義、〜ファースト、言い方は別にして、自分中心がはびこる中、落ち度があると、皆で寄ってたかって、完膚なきまで痛めつけるという風潮も大変気になると言うか、力づくでのリーダーシップの反対側ではありますが、同じシステム(価値観)の中で動いている様に思います。

これらも東西冷戦時代、要は資本主義VS社会主義という構図の中、ある意味、その均衡状態で全体のシステムが守られていた時代の感覚での話に思えてなりません。

人口減少社会に向かう先進国では、力づくで、という”競争”では成り立たなくなりますし、かといって、社会主義ではない事は明白で、新たなシステムが必要なのです。

それはどんなものか?と問われても、当然、私などが確信を持って説明できるものではありませんが、自然の摂理に従う事が、シンプルに正しいのだと思います。

自然界は決して甘いものではないですし、弱肉強食の生存競争は行われます。

しかしそれは全てに循環があって、補完関係があって、完膚なきまでに叩き潰す様にはなっていないですし、仮に徹底的にやっつけるシステムが組み込まれていたとしても、そこにはそこから生まれる価値や役割が必ず組み込まれています。

何か又々、重い話をツラツラと書いてますが、そしたら、私は絶望しているのか?というと決してそうではありません。

今週は京都市ソーシャルイノベーション研究所が主催したソーシャルイノベーションサミットに、自治体の関係者中心に約300名の方が全国から集まっておられました。

これを含めて私自身、今週だけでもソーシャルと言われるイベントやミーティングが7件ありましたが、全国のあちこちで一つ一つは小さな動きですが、今の流れを逆流させようとする動きが起こっています。

よく聞かれる、何故、そんなに本業と関わりない様な事に関わるの?とか、何の為に行なっているの?いう問いに対しての答えがここにあり、ハコモノ行政、上から決められた形での運営、既存枠組みでの行き詰まりから脱却していくには、それこそ力づくではなく、自分ごとで始まった小さな動きを繋いでいって、流れを逆流させていくしかないので、関われる事においては参加しながら、補完できる事、繋いでいける事を行なっているのです。

完全無農薬で奇跡の農法とも言われる、北海道の佐々木ファームさんに以前聞いた事があります。

雑草というものは、間違いなくその近くにある植物の生育の為に足りない要素を補完する役割で生えているのだそうです。

ここに全ての本質があり、それぞれの役割がある様に思います。

私自身、丁度、京都の経済界の中では雑草の様な存在だと思いますし、"そんな雑草でありたい"と言うと格好つけ過ぎですが、抜きさられない様にしっかり根を張り、循環する生態系を繋いでいく役割を果たしたいと思います。






2017年7月23日日曜日

『人で勝つ経営』とオフィス環境

今週は予定が重なりまくりの出張でした。

水曜日に担当している経済同友会例会に出席後、最終近くで横浜入り、翌朝、盛和塾世界大会の二日目のみ出席でその日は東京泊、翌朝はトップフォーラムで軽井沢のホテルに直行してセミナーのみ出席して、京都へとんぼ返りという週でした。

それぞれが中途半端で、しっかり学べてないよなあ〜と反省も多いのですが、トップフォーラムでの、LIXIL前副社長八木さんの「人で勝つ!」という戦略人事のお話は、ウエダ本社として考えている所と重なる事も多く、勇気とヒントを頂きました。

企業の中で人事が抵抗勢力になっている事が多く、自ら人事のプロを自負され、日本で人事のプロを作っていかないと、日本企業の弱体化が止まらないという危機感をお持ちの八木さんは、戦略というからには、ゴールをしっかり持っているか?つまり勝ちの定義を持っているか?と投げかけられます。
そして、人事の勝ちとは、人と組織で最高のパフォーマンスを出す事、経営を差別化する為、自分の会社らしい人事をする事だとの仰っていました。

しかし、これだけの意識を持った"攻める人事部"というのが、日本の中で何社あるのか?
少なくとも私は、出会った事がありません。

八木さんは、LIXILの前にGEでも人事リーダーを務めておられたのですが、GEが競合他社と倍以上の生産性を上げていたのは、社員のやる気が高い事が大きな理由だと明言しておられました。

人がやる気になれば生産性が高まり、成績も上がる、こんな事は当たりだと思うのですが、何故か、日本の会社は、そういう事に目を向けていません。

ウエダ本社で考えている事と合致するというのは、単にオフィスを作るとか、ましてや備品を販売するという事ではなく、働く人がいかにやる気を起こす様な環境、制度、教育、風土、場というものをトータルでサポートするという事を目指しているのですが、残念ながら、それでどの様に、どの位効果が出るのか?というエビデンス、要は、そこにそれだけお金を掛けて、どの位利益が上がる?という数値的なものが無いとなかなか進まないの です。

お金を生まないオフィスはできるだけ安くして、社員のモチベーションなどを考えず、ただ管理するという、右肩上がりの時代の価値観のまま運営されている所が殆どです。

とは言え、最近漸く、オフィスの重要性の認識が高まり、我々にその企業さんの根幹やシンボリックになる所をお任せ頂いたり、ご相談頂いているケースが増えて来て、実はそういう事もあって、それぞれの会合に顔出ししている事もあるのですが、我々は、人の大切さ、人のやる気の重要性に理解ある経営者の会社から、『人で勝つ経営〜その為のオフィス環境』という考えを広めていき、日本の総務を変えていきたいと思います。







2017年7月16日日曜日

残念な結果にならない為に

週末三連休と京都では祇園祭が重なった今週は、毎年この時期に開催される公園遊具メーカーの代理店会で東京でした。

その中での講演会は、電通のビジネスクリエーションセンターのディレクターの方でしたが、意図的に講演会というスタイルではなく、スタッフの方と対談形式で事例中心でされたお話は、大変分かりやすいものでした。

設置者、運営者と利用者の意識のギャップという事においては、公園というものはある意味最も残念な場所となっており、日本の殆どの公園が、地域の役に立っていなかったり、むしろ危険な場所となっているケースも多い状況だという事でした。

何故そんな残念な事になるのでしょう?

ハコ、モノ行政と言われてきた様に、行政というのは、とかくお金を確保して、或いは借金して器を作ってきました。

しかし、世の中の状況、人の関係性、住民の意識なども大幅に変化し、公園やパブリックスペースの在り方も大きく変わっている筈なのです。

子供にとってノビノビと遊ぶスペースである筈が、ボール使用禁止、バーベキュー禁止、花火禁止など、駄目な事ばかり。

近所に保育園ができるのも迷惑だという世の中ですから、"地域住民の為"に仕事をする役所では、クレームを放置できず、結果的には、何もしない方向に動き、挙げ句の果てには、遊具も危ないと使用禁止になったりもしています。

これは決して行政だけのせいではありません。

何故そうなるか?を考えると、何でもそうですが、一方通行の話ではなく、国民、地域住民一人一人の意識も変えていかないといけない事に気づきます。

色々な事がそうですが、"管理型"というのが通用しなかったり、弊害の方が多くなっているのです。

企業の課題、そこからくるオフィスの課題も全く同じで、お金やモノを追い求めなくなった時代、そのマーケットに対する企業の閉塞感、そこで働く人の価値観の変化、リーダーシップの欠如、答え、マニュアルのある教育で育ってきた人への指導などなど、やはり管理型での限界は明白で、そこをどの様にするかで皆もがいているのです。

スタバを中心にカフェなどで仕事をする人が多い様に、仕事場=会社ではなく、家か会社か、プライベートか仕事かという垣根も変わっていっています。

という中では、公共スペースやオフィスでも、使う人の視点で考えていかないと、全くの本末転倒という"モノ"が出来上がり、従来型の頭で、良かれと思ってお金もかけて作ったモノが、誰も使わない、喜んでいないという事になってしまうのです。

ウエダ本社では昨年、約一年がかりで社員のワークショップを繰り返し、それを形にしてオフィスをリニューアルし、その見学者や勉強会も増えて来ていますが、そのリニューアルに"社長としての私の意見は一言も入っていません"と言ったりしているのは、物分かりの良いTOPを演じているのではなく、この様な時代背景というか、オフィスもそう変わっていかないといけないという事を表しているのです。

本当にその場所を使う人、その価値を分かっている人に任せていかないと、分かっていない人、価値の変化に気づいていない人が従来発想で管理をすると、とんでもない残念な事になっていくのです。

だからこそ今の時代、指示、命令、管理という系統ではなく、ダイアログが重要であり、ファシリテーターや、そのギャップを埋めていくインタプリター(通訳者)が重要になるのです。

そうそう!と思う方、なるほど!と思って頂いた方、半信半疑ながら今のままでは駄目だと思っておられる方、京都流議定書の三日目にお越し下さい。

管理者と使用者(利用者)とのギャップが見えてくると思います。

特に、"共創が生まれる空間のデザイン"というセッション3はそのものですし、アーバンピクニックというプロジェクトを行われている村上さんなどは、正に新しいパブリックスペースのあり方を示しておられる方です。

最後はいつも宣伝になってしまいますが、京都流議定書自体、そんな想いや展開が詰め込まれたものですので、ご容赦下さい。





2017年7月9日日曜日

持続可能経済協会で、四十にして惑わず

今週は、飯尾醸造さんのイタリアンのオープンに合わせて宮津に行ったり、土曜日には、アミタホールディングスの熊野会長が立ち上げられた、持続可能経済協会の第一回会合があったりで、書きたい事満載ですが、その会合で、あまりにも衝撃的だった能楽師の安田登氏の講演について、備忘録も兼ねて書きたいと思います。

「能と論語を脱色する」というテーマの講演は、能は650年、論語は2000年読まれているが、殆どの人がつまらないと思っているのに、何故続いているのか?
2045年に迎えると言われている人工知能が人類を凌駕するというシンギュラリティを、論語を通して、前のシンギュラリティを見てみるという事から始まったのですが、能楽師というだけでも話題は尽きないだろう中、漢文?の辞書を編纂されたとかというご経験もありながらの論語研究、又一方では、3DCGやゲームの攻略本を書かれたり、インターネットも、まだ日本で使われていない1991年に米国で出会い、伊藤穰一さんなどともその頃から交流があったという訳の分からなさで、何故、一番衝撃的であったか?という事も想像して頂けるのではないか?と思います。

冒頭の何故、能はつまらないのに、650年続いて来たか?については、世阿弥が如何に続けるか?という仕組みを組み込んだからで、伝統と初心がテーマとなっているとの事でした。

初心の初は、衣と刀で、衣を作る際に最初に太刀を入れる事であり、人は次のステージに進む際に、今までの経験や固定概念などを切り刻まなければならないというのが、初心に返るという意味で、能は豊臣秀吉、江戸時代初期、明治、戦後と四度の大きな変化を経験しながら残ってきたのは、能には初心が組み込まれているからとのお話でした。

不惑、天命の、四十にして惑わずという話も、孔子の時代には"惑"という字は無く、孔子は"或"と言った可能性が強い。
"或"は、囲む、区切るという意味で、四十にして区切らずと言った可能性が高く、つまりこれも、今だと五十五歳位との事でしたが、その位になると、それまでの凝り固まった概念を区切って、初心に返っていかなくてはならないという事でした。

温故知新も、少し意味合いが違い、"温"はぐつぐつ煮込んだイメージ、"故"は、元は"古"という字で、"古"は古いという意味ではなく、堅いというイメージで、自分の中で固定化した知識という事、"知"も孔子の時代には無い字で、矢を表す字が使われている事から、至るという意味であり、"新"は、新たな切断面という意味から、温故知新は、「古い知識をぐつぐつやっていると誰もやってなかった新たなものが生まれる」という意味なのだそうです。
脳の余裕で手に入れたものが"知"であるので、AIになっていく時代、脳が余裕を生み、誰も考えなかった"知"が生まれていくとのお話で、これからは正に産業革命、明治維新などよりも大きい、人類にとってどうなるか?という時代に突入していっているという事を感じてワクワクしました。

この持続可能経済協会というのは、初年度は勉強ですが、それが目的ではなく、あくまで活動していこうとするものですので、私もこういう時代に生まれて来た事に感謝して、今で言えば五十五歳位という事を腹に据えて、四十にして惑わずから、五十にして天命を知るに向かって行動していきたいと思います。




2017年7月2日日曜日

女性観察から働き方を考える

ここ最近は、唱えてきた事をご理解頂くケースが増えてきたり、社内でも理解がされて来たり、(恥ずかしながら、スタッフにもまだまだ浸透はできていません)、世の中が動き出している感じがします。

そんな中で土曜日は、働き方、オープンイノベーション、空間デザイン、都市のクリエイティビティをテーマとした、ミラツクフォーラムに参加していました。

今年の京都流議定書にも繋がる内容であり、又ご出演頂く村田製作所の牛尾さんや、ワークプレイスデザインで共同研究もさせて頂いている、仲先生もお話される事もあり、事前勉強の意味もありました。

千趣会で、前ベルメゾン生活スタイル研究員の和田さんが、"お仕事柄"女性を見るのが大好きで、数十年に渡って女性を見続けて来られたという視点での、これからの働き方や、社会の仕組みについてのお話を聞いていて、私自身の今の展開に至った経緯とも符合する事も有り、俯瞰してみる事ができました。

原宿などでカッコイイ女性を観測して、女性のライフスタイルを考えたと仰る和田さんと同じく、繊維商社でヤングレディースのアパレル向けにテキスタイル企画を行ない、会社として、入り込めていないブランドの開拓役をやっていた私は、休日に一人でそのブランドの売り場を定点観測して、どんな女性がどんな商品を手に取り、興味を持つか?から、その女性が一年後にはどの様な物を欲しがるか?を考えて、そのブランドに提案し、切り崩すという様な事をやっていました。

月曜日の朝一からオフィスで女性と遊びに行った話をしていても、”仕事”に繋がるのですから、楽しい仕事でした(笑)

それが一般的なオフィスに出入りするウエダ本社に来てみると、『日本のオフィスって、どうしてこんなに息苦しいの?』という印象でした。

人のモチベーションや自主性などを考えず、管理だけをし、仕事を作業的にしか考えていないので、時間で計るしかなく、管理しやすい、効率化、平準化を追求した、”人”を歯車に考えた様な光景に見えました。

その姿は正に、食べる為に働いているという感じで、効率化、平準化が生産性に直結すのですから、結婚や出産、又生理的なものから平準化しにくい女性は、その能力を発揮できる状況にはなっていないのです。

当たり前で企業や、組織というものは、成果を上げる為に活動しているのに、それを担う"人"の事を全く考えていないという事に気づき、そこを考えていけば、ウエダ本社としての存在価値が作れるのと、人口減少社会に向かう中で、”人”それぞれの個性、やる気、それが交差する場、というものを追いかけていく事は、今後の日本において大きな意味があると感じて、それを追求していこうと考えました。

メンタルヘルスの問題や、女性活躍の問題も十年以上前から取り組んできたのもそんな気づきからで、女性が活躍する環境づくりについては、MEGAMIという、それに特化した子会社を作るに至りました。

本当にこの一年、いや、我々自身では、そういう概念を自社のオフィスで表す事ができた、まだ十ヶ月足らずの間で、漸く繋がってきたのですが、ずっとそんな考えを追いかけて来られたのも、元々はアパレル業界や、その後海外に出た時に感じた、働き方や”仕事”に対するギャップがあったからだと、和田さんのお話を聞いて振り返っていました。

女性活躍推進が叫ばれる昨今、改めて、働く意志のある女性が、それぞれのシュチュエーションで、一年後、数年後、どんな物を求め、どんなライフスタイルを望むのか?そんな事を考えていきたいと思いますし、何らかの障害で、それこそ効率化や平準化という尺度で計られ、その能力や長所を生かせていない”人”達が、活躍できる社会、働く環境を広げていきたいと思います。

その為には、又、”仕事”で、女性の観察から始めないといけないかもしれません。(笑)

それはさておき、今年の京都流議定書は、そんな働き方変革を推進していく、”いい会社”にしていく為の、制度、風土、場を考えていく三日間です。

これからの働き方、企業経営を考えておられる方は、必ず気づきはあると思いますので、是非ご参加下さい!









2017年6月25日日曜日

学習する組織を身近で学ぶ

今週は、『「学習する組織」入門』の出版記念イベントに参加していました。



著者の小田理一郎さんご本人がファシリテーターという貴重なセミナーでしたが、600ページにも及ぶ原作よりは、かなり平易に書いたと言われる入門編との事ですので、原作に向かえなかった私にも分かりやすく、今後、本でも勉強させて頂こうと思います。

そもそも「学習する組織」とは、目的に向けて効果的に行動するために、集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織と定義づけられたものですが、"社会の公器として企業価値を創り続けるとともに、その存在そのものを社員や地域コミュニティにとって価値あるものにしようと努力し続ける組織"との事ですので、正に、私にとってもドンズバの考えです。

しかし、学習とは本来、単に"わかる"だけではなく、繰り返しの練習を通じて"できる"様になることを指している、とある様に、組織としてできるようになるには?ということですので、これは長い道のりを紆余曲折を経ながら、向かって行くものだと思いますし、それこそ、学習する組織にならないと進められないと思うと、この題名は、本当に深いと思います。

ピーターセンゲ氏は、学習する組織の構造は、志を育成する力、複雑性を理解する力、共創的に対話するの三つの中核的な学習能力と、それぞれを構成する、自己マスタリー、共有ビジョン、システム思考、メンタル・モデル、チーム学習の五つのディシプリンという概念で体系化していますが、その最初の、自己マスタリー、皆で共有ビジョンを作る所から、できていないなあと感じました。

社長のビジションは個人ビジョンに過ぎないという、セミナーでの小田さんの言葉が刺さりましたが、皆に、どんな事が心が震えるか?という問いかけから考え、ビジョンを共有していきたいと思います。

今週は和えるgojo店のメンバー3人と会っていましたが、お店は休みの日でした。

月に2度は、休みの日に集まり、一日話したり、一緒に何かを見に行ったりして、価値観や、和えるのコンセプトの擦り合わせを図っているそうで、そんな事をサラっと言う、矢島里佳さんは、いつも思いますが、共有ビジョンを作って、外部の人を含めて巻き込んでいく力が素晴らしいと思います。

今や大活躍の彼女は、京都での展開は私が起点となったといつも言ってくれるのですが、そんな”'縁”を感じる様な事も有って、今後又、近い所で展開していけそうですので、その辺りも学ばせてもらいたいと思います。

猫も杓子も働き方改革と唱える時代ですが、本当に有効なものにするには、学習する組織になっていかないといけないと思います。
その、チーム学習する手法としてダイアログが重要ですが、その辺りも含めて、元々小田さんを紹介してくれたミラツクの西村さんがコーディネートしてくれる、今年の京都流議定書三日目に詰め込まれてますので、今年は、本質的な働き方変革、風土改革、を目指しておられる企業関係者には、三日目の8月6日にも是非お越し頂きたいと思います。







2017年6月18日日曜日

業界の常識と勝ち組って?

今週、富士ゼロックスの海外販売子会社の不適切な会計処理が大きなニュースとなっていました。

この件について、FBでもコピー機販売について書いていましたが、殆どの方には意味が分からなかっただろうと思います。

又、ウエダ本社は2009年まで、富士ゼロックス特約店の販売で、3年連続日本一となったその表彰式のスピーチで、”あまり嬉しくない”などと言って、殆どの方にはご理解頂けていなかったと思いますが、これも今回の事から、改めて説明したいと思います。

今回の原因は、私も新聞報道でしか知りませんが、売上至上主義であったと言われていますし、それはその通りであろうと思います。

コピー機ビジネスは、カウンターと呼ばれる、1枚当たりのコピー料金が収入源であり、機械を納入して、それを使ってもらって利益を上げていくという形になっています。

その為、機械を入れないと何も始まらないので、特に、攻めていく側(競合メーカーの機械が入っている所に)は安くても入れようとします。

一時期、”携帯電話本体無料”という事もありましたが、あれも、その後の通話料が収入源となる為、機械本体売った者?勝ちとなる、同様のビジネスモデルです。

という事から、どうしても案件ごとに売り手の論理で、条件などが決められるケースが多く、一般的なビジネスでいう顧客スタンスに立った論理とはなっていません。

又、売り方もキャンペーンを打ち、報奨金や旅行などをインセンティブとしたものとなるのですが、これはXEROXさんに限らず、程度差はあれど全てのメーカーがこのスタイルで動いています。

そんな業界の中で、ウエダ本社としては、本当の意味でのお客様スタンスに立ち、オフィス全体、企業全体から考えたパートナーとしての位置づけを目指していこうとしていましたので、一時的には販売が落ちる事も覚悟して、抜本的に販売スタイルを変えようと取り組んでいました。
ところがその間にそのままのスタイルで3年連続一位となったのは、その方向に転換できていないという証拠だという事で、”嬉しくない”という発言だったのです。

会場におられた殆どの方には意味が分からなかったと思いますし、ただ、不遜な奴だったと思いますが、我々の様な弱小の会社が存在価値を創っていく為の、至って真面目な話でした。

しかしそれ以降は、オフィスレイアウトなどの空間についての考え方には共鳴頂いて、全体をお任せ頂くケースも出てきたのに対して、コピー機ビジネスについては、そこに繋げる事ができず、目指す方向性と既存ビジネスモデルのギャップで、もがいていました。

私自身のメッセージの出し方も拙く、しっかり売る事や、数字を作っていくという事も弱めてしまった所もあり、
そこは逆にXEROXさんにもご協力頂き、現在体制を整えているところです。

今回の件でXEROXさんやコピー機業界がどの様に変わるのかは分かりませんが、どんな業界でも、そこにおいての既存モデルでの勝ち組はなかなか変われないものだと思います。

しかし一方では、アマゾンがホールフーズを買収するというニュースも飛び込んで来た様に、日本だけ、或いは、業界の常識だけを見ていても、アッという間に崩れ去る時代です。

我々の様な所では、やはり、業界常識ではなく、ビジネス、人と人との関係などでの本質から、実直に考えていきたいと思います。





2017年6月11日日曜日

五条通りをポートランド化?する

今週は、月曜日にはISLの野田さん、火曜日には鎌倉投信の新井さんがお越し頂き、近況の話や、先々の擦り合わせなどをさせて頂いていました。

こんな方々にレクチャー受けるとすると、どの位するのか?とも思いますが、そもそもお金では、個人レクチャーなど受けられたりしないでしょうから、そんな方々が擦り合わせと共に、アドバイスして頂いたり、又、提案などもして頂くのですから、有難い身分だと思います。

金曜日には、ウエダ本社南ビル(Jim Iki-no Ueda bldg.)1階カフェ punto puntoさんで、"食の力の生かし方"というトークセッションを、ルクロの黒岩さん、飯尾醸造の飯尾さんをゲストに招いて行いました。



こちらも私がコーディネーターでした
が、私自身聞きながらも勉強になる事も多く、又、進行についても、どの様にすれば皆さんに、それぞれの素晴らしさを伝える事ができるか?を考えながら聞いていく事も勉強になり、楽しませて頂きました。

と言うと、余裕のある様に聞こえますが、そうではなく、お二人とも理念、使命という想い、そして思っているだけではなく行動しておられる姿など、全てホンモノなので、どこからどう聞いても良い話になるので、コーディネーターとしても楽しめるのです。

そして、やっている本人が楽しんでいると、時間はアッと言う間に過ぎ、参加して頂いた方々にも伝わって、楽しんで頂けた様で、終わって早々から、継続して下さい!というリクエストも頂いており、まず継続していこうと思います。

そして、1階カフェが、新たにBOX&NEEDLE http://boxandneedle.com/ さんの運営となった事もあり、ご近所のMTRLさんとも連動して、飯尾さんの"宮津をサンセバスチャン化する!"という壮大な構想ではありませんが、五条通りを、デザイナーや、もの作りする人が集まるエリアとしていきたいと思います。

今週もこれだけの凄い方々にお越し頂いていましたが、その間に、京都府、京都市の関係の総会、理事会に出席したり、ソーシャルビジネス、NPOの相談を受けたりと、何の仕事?と自分でも思いますが、改めて、自分が素晴らしいと思う人同士が繋がってもらったり、紹介する事によって課題解決に向かったりする事に喜びを感じるのだと思います。

今受けている相談は全て、世の中を良くしていこうとする活動についてのものですから、それがいずれ、それに連動した、会社づくり、企業運営、オフィス環境、働き方などに関する事に繋がっていけば、ウエダ本社の本業とも繋がり、私も五条通りを"ポートランド化する!"などと言える様になるかも知れません。

このブログを書いている間にも、ある方から、又新たな相談メールが入ってきました。

今はこれについてはノーアイデアですが、お役に立てる様考えてみたいと思います。

これが、忙しくなる元凶なのですが、性なのかも知れません。



2017年6月3日土曜日

激変の時代に迎える10周年

6月に入り、今年10周年を迎える京都流議定書の参加申し込みも受付開始しました。

http://kyotostyle.jp/katsudo/kyotoryu/

初年度からハイアットリージェンシーさんには大変なご協力を頂いてのスタートでしたので、どうせなら年間で会場が空いている時に行いましょうと、祇園祭山鉾巡行の翌週の金土日に固定化して行なってきましたが、三年前から後祭が復活して状況も変わっていたので、今年は8月4日〜6日に変更しています。

同じく初年度から多大なご協力を頂いてきた門川市長が、ホスト役の国際会議などもあり、日程を変えたが為に参加できないという残念な事にもなってしまいましたが、改めて多くの方々のご協力を頂いて、ここまで続けて来られたと感じます。

その10年目の今年、猫も杓子も"働きかた変革"を唱える中、今更嫌だなと思う一方、ずっと追いかけてきた事を周りが騒ぐ中やらないのもおかしいのと、やはり、国が唱えている表面的な事だけでは?というのと、中小企業においては、そのままではうまくいかないという思いから、取り上げる事にしました。

今週東京では、総務省にも訪問させて頂いていましたが、働き方変革と言っても、厚生労働省からの流れ、経済産業省と、その中の中小企業庁、総務省、その中でも旧自治省と通信などを司る旧郵政省の流れと、それぞれで取り組んでいるのですが、立場が違いますし、目指しているものも違っています。

当然役割が違い、その役割の中での課題対策をしてもらって、それぞれがうまく作用すればいいのですが、課題対策だけではなく、その根本原因は何かを掘り下げて考え、それぞれの立場から、その根本原因を崩していく事に向けていければ、全く流れが変わって希望も持っていけるのですが。

残業時間にキャップを掛けるのが100時間で良いのか、ましてや、以下か未満か?という表記で論争しているなどという事が、いかに本質が分かってないかという事を表していますし、その本質を分かっていない人が対策だけを打っていくと、必ず、意図に反して、その問題で弱い人達がより困る事になるのです。

東京出張から直接、XEROXさんの西日本特約店のトップパートナーミーティングに出席しましたが、そこでの講演もまた、働き方改革でした。

こちらではICTからの内容ですが、テレワーク、育児、介護などの在宅勤務や、先進事例の紹介などがあり、そこではカルビーさんや松本会長の話も紹介されていました。

私は、懇親会スタートの乾杯挨拶の指名を受けていたのですが、あまりのドンズバの話に、考えていた話を変えて、今年の京都流議定書について触れさせて頂きましたが、京都の方々以外にも、広島や岡山の方までバスで募って行く!と盛り上がって頂く事となりました。

特に、コピー機販売という、キャンペーン張ってプッシュ型セールス一辺倒の様な業界ですから、京都の同業者の方々にも、今まで、うちの展開などご理解頂けないので、あまり話した事は無かったのですが、松本会長の講演という事はありますが、ほんの5分程の話で、こういう反応になるというのも、大きな変化を感じます。

京都流議定書は10周年ですが、実は今年は、京都議定書から20周年目となります。

そんな中、今週米国がパリ協定離脱を発表しました。

その間隙をついて、勿論、したたかな思惑からでしょうが、中国は世界への役割を果たすと言っていて、立場が真逆な様な話でした。

日本には本来、果たすべき役割と共に大きなポテンシャルがあるのですが、、どうしたものでしょうね。

京都流議定書も、三日間のこの形で行うのは、多分今年最後にすると思います。

来年以降どの様にしていくか?

激変の時代の中で新たな役割を考えていきたいと思います。













2017年5月28日日曜日

小堀さんに学ぶ、カッコイイ大人、素晴らしい企業

今週月曜日は、小堀さんの社葬に行ってきました。

実は全く知らず、前日の日曜日の夜にFBでお悔やみなどが上がっているのを見て、慌てて調べて社葬に参列する事ができました。

最後にお目にかかったのは今年の二月でしたが、経済同友会のイノベーション委員会で会社訪問させて頂き、15分程だったかと思いますが小堀社長のショートプレゼンの素晴らしさに、改めて感心させられました。

抗がん剤治療で何度も入退院をされていましたが、"お元気そうで良かったです"と言うと、少し歯切れの悪いお返事であったり、ショートプレゼンの中にも、今から思えば、"命ある限り"この活動を続けていきたいという事を仰っていた様に思います。

小堀さんに初めてお目にかかったのは、7年前の京都流議定書に出て頂く際にご挨拶に行った時でしたが、これぞ京都企業と言うのか、こんな会社や経営者がおられるのが、京都の素晴らしさだと感じさせて頂きました。
http://okamura-kyotostyle.blogspot.jp/2010/06/blog-post_05.html

ビジネス上凄い人や、その能力の高さなどで尊敬する人は沢山おられますが、私が、"カッコイイ大人"と思えるのは、ビジネスもしっかりされながら、むしろそれ以上に使命感を持っておられ、強烈な想いを持ちながらそれでいて謙虚で、老若男女、その地位やメリットなどで、分け隔て無く対応をされる方なのですが、実はそんなに多くはおられません。

小堀さんはその内のお一人で、強烈な使命感がありながら、物腰の柔らい、私には絶対真似ができないお人柄でした。

そんな小堀さんも、幼少の頃は、人が亡くなって儲かるんだろうと、揶揄された仏具という家業が嫌でしょうがなかったとお聞かせ頂いた事があります。

それがある時、お嬢さんを亡くされたご両親から、しっかりお見送りする事ができて、私達も落ち着く事ができましたと、御礼を言われた事で、自社の役割と、それだけ尊い、人の役に立つ仕事なのだと気づかれ、そこから誇りに思って展開して来られたとの事でした。

そんな心に響くお話をして頂ける語り部を亡くしたのは寂しい限りですが、直接お話を聞いた者として、少しでも、京都にまだ残る素晴らしい精神、素晴らしい会社、カッコイイ大人を紹介し、継承していかなくてはいけないと思います。

そんな想いで開催し、小堀さんにもご出演頂いた京都流議定書も、今年で10周年を迎える事ができました。

まだまだ、会社の目的にまで落とし込めていないというと変な表現ですが、本来は会社目的に合致したもので、その使命を果たしていく為に行なっているものなのですが、皆の意識にまで落とし込めていません。

小堀さんのご冥福をお祈りし、教えて頂いた事を思い返し、改めて私自身とウエダ本社の尊い役割を、考えていきたいと思います。

合掌





2017年5月20日土曜日

社員満足と社員の幸せ

毎週書いているブログを読んで頂いて、お褒め頂いたり、中にはもっと集客のあるブログへの移転を薦めて頂く方もあるのですが、大衆向けに発信しているというよりは、外向けには、一部でも、価値観が合う人が見て頂ければいい、それが少しづつでも広がればいいといもので、主たる目的は、うちのメンバーや、ステークホルダーの方々に共有したい事と、実は自分自身の一週間の振り返りを、どうせなら配信しておこうというものですので、”もったいない”などと、それこそ”もったいない”事を言って頂く方はどうかご安心下さい。

という事から始めたのも、今週は改めて振り返りをしていて、この時間の重要性を感じているからです。

今週も、沢山の方の講演を聴きましたが、その中でも大久保寛司さんと、ネッツトヨタ南国の横田相談役のお話を一週間の内に聴くという凄い一週間で、これは整理しないと、とんでもなく”もったいない”と思って書いています。

大久保寛司さんのセミナーは、ご自身でも何年も封印?されていたという、仕事の進め方など、より仕事ができる為の基本というお話でした。

そんな貴重な内容だという事で社員も数名参加させて頂きましたが、まずは社員に向けては、どの様に感じてくれたか?興味ある所です。

まず仕事の効果を出すには、いつまでという仕事の期日を示す、優先順位をつける、無理なものは断るという事が必要だが日本人は断る事が苦手な人が多いとの事でした。
この点は社内でもよく「良い人がビジネス上では悪い人になる」と言って例も上げて話しています。

客観的事実で進める、という点については、どうしても希望的観測や修飾語ばかりの説明をする人が多いので、物事は「箇条書きで考えなさい」と言っています。

物事は確認して進める、という事においても、「自主的にやるのと勝手にやるのは違う」と言って、擦り合わせしないと、無駄な努力ばかりで馬鹿を見る事になると話しています。

物事は両面あるという事での物の見方や、相手の立場を考えて本音を考える営業についての話などは、どれだけ話して来た事か、と思います。

ここで、社員がどの様に聞いたか?
ですが、

いつも言われている事はそういう事か!

と思ってくれたらありがたいですが、

なるほど!とか、初めて聞いた!

という事であれば、それこそ、私が、分かってもらえる様に話できていないという事ですから、そこを見直さなければなりません。

でも私自身が明らかにできていないと感じたのは、人によって違う基準を、”揃える”という事であり、やるべき事をブレークダウンして、誰がいつまでにという計画を明示するという事であり、そこまで落とし込みをできていない自分に指を向けるしかありません。

大久保さんのお話にも、物事の本質は、何処に時間をかけているかに表れるとありましたし、横田相談役の問いかけにも、一番大切なものは何?そしてその答を考えたら、それに対して毎日何をしてますか?とありました。

以前、ここでも書きましたが、横田さんは満足と幸せの話をされます。

満足はwantsで幸せはneeds

そして満足を追いかけて手にいれると幸せはなくなる。

労働条件は満足項目ばかり。

だから、社員満足ではなくて、社員の幸せを追求するのだという事ですが、更に、社員を幸せにする為の顧客満足だという事でした。

顧客満足を目指して、社員満足を目指すという事も、経営品質などでは言われたりもしますが、そうではなくて、人間的成長に繋がる働きがいを持ってもらう環境、それを目指すのが社員の幸せを目指す事になり、その為に顧客満足を図るのだという事でした。

この違い、それこそ伝わりますかね?

その一番大事にしたい''社員の幸せ”にもっと時間を割いていきたいと思います。

2017年5月15日月曜日

1000年を紡ぐ企業と共に

今週も色々な方が紹介で来られましたが、何故かキャリア教育に関わっておられる方が続きました。

それだけ、まだまだ就職においてのミスマッチ感が強く、売手市場が続く中、一方では問題意識を持っていなかったり、安定志向?で、大手にしか目が向かない学生達を、何とか、意識の高い中小企業に向けられないか?という問題意識でした。

我々も同様には感じていますので、それぞれの方と、どう連携していけるかを考えていきたいと思っています。

別に来て頂いた所に、皆いい顔をしているのではなく、問題の根源は皆同じで、それぞれがその根を崩して行く事に向かわないと、又、力を向けていかないと、このままではどうしようもない既存価値を崩していけないので、同じ想いを持って、課題に 向かう人達は、それぞれが頑張っていかないといけないと思っているのです。

今週は京都市ソーシャルイノベーション研究所(SILK)さんが行われていて、審査員として関わらせて頂いている「これからの1000年を紡ぐ企業認定」の第2回の表彰式があり、参加していました。


第1回目の、和える、IKEUCHIORGANIC 、坂ノ途中、シサム工房、食一、Dari K、という"ソーシャル"という世界では華やかなメンバーと比べて、今回は、アラキ工務店、テラルネッサンス、フラットエージェンシー、ヘルプという、テラルネッサンス以外は"ソーシャル"という事で立ち上げたのではなく、元々の本業の中での課題に向かっておられる所でしたが、やはりここでも感じるのは、世の中の問題、色々な業界の課題の根源は結局は同じだという事です。

今回、この賞の名前からも、その向き合う課題が無くなれば、使命が無くなってしまう存在のNPOを、どの様に位置付けるのだ?という意見もあったのですが、そもそもは、儲ける目的のビジネスと世の中の課題に向き合う為に儲けを考えないNPOという、間違った考えを払拭し、世の中の役に立つ活動、そしてそれに真に向き合う素晴らしい団体を認定し、皆で応援し、そんな団体、活動を広げていって、世の中を変えていこうとするものですから、世界の紛争問題に向き合うテラルネッサンスなどは、一番根源に近い活動なので、選ぶべきでしょう!となったのでした。

そんな事で、一見全く違う世の中の問題も、突き詰めていけば同じだという事を改めて感じた一週間でしたが、私自身、色々な課題に向き合っておられる方々からご相談頂いたり、審査員なんて偉そうだと思いながらも、想いや使命感は負けていないとも密かに思っています。

あとは中小企業、オフィス環境、働き方というフィールドにおいて、同じ根源を崩していく事、それを成果として見せていく事において、受賞団体にも負けない様にしていきたいと思います。

そして今週には、そんな考えを発信し、ミスマッチを無くす為の会社説明会も行なっていました。

今後も隔週で開催していきますので、働く環境分野から、一緒に課題を崩していく事を目指してくれる人、是非集まって下さい!







2017年5月7日日曜日

80周年に向けて、「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」

今年は大型連休の所も多かったと思いますが、カレンダー通りの当社でも、今週は5月1日、2日のみの出勤でした。

その5月1日はウエダ本社の79回目の創業記念日であり、今週から80周年目に突入しています。

KYOCAのリノベーションからこの4年程は、休日には何らかのイベントがあったりしたので、ゴールデンウイークをゆっくり過ごすのは久しぶりでした。


という事で、改めて考えてみる時間も取れたのですが、振り返ってみると、ウエダ本社に常勤で関わってから17年、オフィスの事をワンストップで対応する会社という事で、現体制にしてから既に14年が経過してしまっています。

その間、倒産危機というところから実質の無借金には転換したというものの、縮小均衡させただけで、当初から、働く人にSPOTを当てた展開を目指し、働く環境を唱えて展開して来た事は、まだ成果として出せていません。

又、皆がやりたい事をやるのが働き方の理想と、個々の動きにほぼ制限をしていなかったり、リーダーの育成が課題と、オペレーションについては口出しをしない様にしていたのですが、結果的には甘く放任していただけではないのか?と感じていました。

そんな中、引き寄せられた様に手に取った本は、”日本電産流V字回復経営の教科書”というもので、M&Aの成功確率が50%以下という中、今まで50社以上の買収を行いながら一件の失敗もなく、しかも、どんな赤字会社でもほぼ1年で黒字転換をさせて来られたという、信じられない永守流の経営書で、それを読んでいくと、モヤが晴れた感じがしました。

メソッドに対する組織の需要マインドを上げておかないと効果が出ないという事や、優れた手法を身につけさせて、組織のカルチャーをスピード力、徹底力のあるものにする、とありましたが、まだまだ会社の土壌をしっかり作れていない中、メソッドを優先してきた事と、優れた手法を身に付けさせるという、型を作って徹底するという、個人や組織の土壌作りをできていなかった事に気づき、この間何をやっていたんだと、居ても立ってもいられない大きな焦りも感じました。

これまでの方向性は間違ってはいないと思いますし、考えた通りには進んできているとは思うのですが、いかんせん時間がかかり過ぎで、その原因はやはり私が仕組みを作れていない事にありました。

「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」このシンプルなメッセージに込められた強烈な想いとそこに向かう姿勢、私自身この感覚が足りてなかったと思いますし、これを意識して、来年のゴールデンウィークには成果を出して満80歳を振り返りたいと思います。







2017年4月29日土曜日

時代に合わせた経営能力

今週は長崎に行っておりました。

実は長崎は高校の修学旅行で行っただけで、30数年ぶりの二度目という事でしたので、軍艦島は初めて行きました。

その風景的なものには以前から興味はありましたが、日本最古の鉄筋アパート始め、かつては東京の9倍以上で世界一の人口密度であったものが、現在では廃墟となり、無人島となってしまったという、100年弱の間に栄枯盛衰を経験した世界でも例のない場所ですから、興味だらけの場所でした。


通称軍艦島と言われる端島炭坑は、正に現在の日本の豊かさを作ってきたと言っても過言ではないと思います。

日本に西洋の技術を持ち込んだグラバー商会が倒産し、隣の高島炭坑の経営を引き継いだ後藤象二郎も大赤字で苦しんだ中、福沢諭吉と大隈重信が岩崎彌太郎に提案し、弟の岩崎彌之助が彌太郎を説得してそれら炭坑を三菱が買取る事となったとの事で、フィクションドラマ?という様なキャスティングです。

その後、炭坑自体もそうですが、三菱、そして日本全体の発展に繋がっていくのですから、その礎とも言える場に立っていると思うと、ゾクゾクとしました。

決してそんな綺麗事ではなく、劣悪な環境の中、過酷な労働を強いられた多くの労働者の犠牲の上での繁栄なのだと思いますが、それでも紹介されていた写真などからは、登っていく、”生命力”の様なものを感じました。

それが、石炭から石油にエネルギーの主役が変わると、繁栄を極めた炭坑が閉山して、廃墟にまで至った光景も、スパンを変えて見れば、人類の栄枯盛衰とも感じられ、色々と考えさせられるのです。

火力から主役を奪った原子力発電は、未曾有の大惨事を起こし、エネルギーの勢力変化は、世界のパワーバランスを変え、その不安定さが一触即発の危機にも繋がっていますが、物資的な豊かさを求めて、一心不乱に働いて来た当時の人達からは、どの様に映るのでしょうか?

おりしも長崎に向かった4月25日は北朝鮮人民軍の創設記念日との事で、北朝鮮が何らかの行動を取るとの話も流れていましたが、北朝鮮やアメリカのリーダーにも、無人、廃墟となった軍艦島の姿から、欲望の先の愚かさを連想してもらいたいものです。

今回、ハウステンボスにも初めて行きました。

一転、テーマパークの話?って感じですが、こちらも経営面においては、長年赤字続きであった所をHISさんに代わってから、一挙に黒字転換されたのですが、ディズニーランドやUSJの様な華々しい事はできないながらの、ソフトでの仕掛けが見て取れました。

一触即発の世界情勢の中、経営者として自分事としてできる事として、もう資源を争いあって掘り尽くす経営ではなく、無い物から生み出し、アイデアを駆使して、与えられた状況でマネジメント能力を発揮した経営を目指していきたいと思います。

資金も資源も無いので、それしかできないのですが^^;




2017年4月23日日曜日

飛び石かどうか?

今週末は"海の京都" 丹後に行っておりました。

主はトップフォーラムで宮津と伊根町に行っていたのですが、翌日は京丹後市にも足を延ばして来ました。

トップフォーラムでは、飯尾醸造の5代目飯尾社長の講演がありましたが、3年前の京都流議定書以来に聴いたお話は、その話し方だけでなく、内容、展開も進化していて、やはり本物の展開、進化というものを感じました。

飯尾醸造さんについては、6年前に訪問した際のブログhttp://okamura-kyotostyle.blogspot.jp/2011/03/48-2.html  に書いてますので、そちらをご覧頂ければと思いますが、今回はそれらの話に加えて、飯尾さんがこの数年取り組んでこられた、宮津のサンセバスチャン構想についてお話されていました。

サンセバスチャンというのは、美食の町として世界中から観光客を呼び込むスペイン北部の町ですが、飯尾さんは宮津や丹後をそんな町にしていく事を目指して、旧花街の建物を買って、そこに鮨屋とイタリアンのお店をオープンされるそうです。


勉強会では、何故イタリアン?という突っ込みもありましたが、その後個別で聞いた話などからも、決して飛び石を打った展開ではなく、農家さんや地域、そして消費者に対してどうあるべきか?と、脈々と続く本物の理念からの発想である様に感じました。

そして驚いたのは、無農薬で作る農家さんを守る為に、通常より何倍もで買い取り、数百万もする機械は飯尾醸造さんが購入して無償で貸し出すなどして、農家さんの収入を上げる事まで行なって来られながら、法人化してから一度も赤字になった事がないと言われるどころか、最近では10%以上の利益まで残しておられるのですから、自分自身、自社の展開の中途半端さが恥ずかしくなりました。

夜の懇親会は、伊根町の舟屋群にオープンしたカフェを貸し切りで、地元の豊富な魚介、山菜類を堪能させて頂きました。

見事なロケーションとお洒落な建物ですが、伊根町の規模からすればかなり大きな投資だと思いますし、個人的には、ちょっと微妙な感じを受けました。

当たり前ですが、物事にはハードとソフトが必要で、そのバランス、それを生み出すマインドというのか、何を目指し、何を生み出すのか?、そしてそれは何から生まれて来たのか?というものが必要であると思いますし、それは中小企業、過疎地域など、弱い立場の側は、よりその視点が重要だと思います。

ソーシャルや地域という、今まで陽が当たらなかったり、弱い立場であった所に参入してくる所が増え、今まで集まらなかったお金や、できなかったハードが作られたりして、ハードから来たのか?背景などソフトから作られて来たのかが、一見、分かりにくくなって来ています。

それは、我々の展開するオフィス環境でも同じで、見栄えやハードは作れますが、何故その様に構成するのか?というソフトが分からないと、昔のハコモノと変わらないものになってしまいます。

まあ、企業、会社自体もそうかもしれませんが、そういう意味でも飯尾さんの展開は、私は決して飛び石ではないと思いますし、ハードとソフトの背景が分かりにくくなっていくからこそ、我々はそのソフト部分に拘り、その微妙な差が分かる人や所と一緒に行動していきたいと思います。


2017年4月15日土曜日

働き方変革とGDP

GDPの見直しが2017年に始まるとの事です。

戦後一貫して使用してきた統計手法では複雑な経済の流れを捉えきれなくなった、との説明も違和感というか、そりゃそうだろうと思いますが、今から14年間をかけて、欧米などの先進国に揃えていくという事に、これ又、日本って、何故そんな風になるのだろうかと思ってしまいます。

”統計もガラパゴスだった”との事で、手法を変えてGDPをUPさせていきたいのだと思いますが、2015年で4.2兆ドルと1990年代から横ばいの日本に対して、米国は約3倍の18兆ドル、中国は20倍の11兆ドルと大きく離されてしまった差は、抜本的に考え方、価値観を変えていかなければ、簡単には埋めていけないのではないでしょうか?

ここに来て急速に、我々の主戦場とするオフィスに対しての考え方も変わってきていますが、これらの事に無関係ではなく、生産性を高める事、その為にはオフィスを創造空間にしていかなくてはならないという思考が出てきています。

日本のオフィスの現状から、創造空間というとまだ理想という感じがしますが、せめて最も初期レベルの作業空間からは脱していかないとなりませんし、作業空間としての捉え方では、働き方変革など絵空事になると思います。

「ワークシフト」に続いて上梓された「ライフシフト」には、20世紀にオフィスで働く人が増えたのは、現代的な大企業が台頭したからと書かれていましたが、人口減少社会を迎えるから成り立たないのか、AI、IOTが発達する事も含めてライフスタイル全体が変わるから、働き方が自ずと変わっていくのか、いずれにしても、日本の大企業をベースにした働き方から頭を変えていかないと、統計の見直しでUPしたとしても、ガラパゴスから抜け出せない様に思います。

「ライフシフト」では同時に、今後の人口減少を迎える時代には、小回りの利く俊敏な小企業が重要で、中小の新興企業で、専門性の高い職や柔軟な働き方が生まれるとも書かれています。

だからこそ、国が唱える制度から入る大企業を中心した働き方変革では、大きく打開できないと思いますし、漸くオフィスに対する考えが変わり出した今、ウエダ本社では、いい会社を目指す中小企業から柔軟な働き方と、そんな働き方が成果を生んで行く風土や環境作りを推進していきたいと考えています。

そして、まだまだ悩み中ですが、10周年を迎える今年の京都流議定書は、そんなところを出していければと思っていますので、8月4日〜6日は是非お越し下さい!




2017年4月9日日曜日

改めて、不易と流行を考える

色々あった今週は入社式からスタートしました。

今年は内定者が最終卒業できず入社見送りという不測の事態もあり、結果的には台湾人女性一人の入社式となりました。

入社式では毎年、ご両親からの手紙や本人の写真などを送ってもらって映像を作るのですが、今年はこちらからの手紙と、送って頂いたお手紙の翻訳や、そのやり取りなどもあってヒヤヒヤしましたが、京都造形大の方々のご協力のお陰で無事間に合い、例年通りスタッフも、ご両親からのメッセージが入った映像に仕上げてくれていました。

働き方や、働く環境を変革させていくにおいても、又、新たな価値を生み出していくにおいても、組織内に、男性と女性という以外の様々な属性を入れていかなくてはならないと考えており、そういう意味でも留学生の採用も考えていたので、良いタイミングで、そして今回も又、私が信頼している先生からのご紹介というご縁で、素晴らしい新入社員が入ってくれたと思っています。

ビジネス面でも今週は、ある大手企業さんのショールームを、ウエダ本社でやる事を決定して頂いたという報が入ったり、今後の我々にとっては、大きなシンボルになる様な有難いお話もいくつか頂き、同行含めて動いておりました。

今までお金を掛けたくないどころか、掛けるべきではない、という位に位置付けられて来たオフィスに対して、漸く考えが変わって来て動き出している感じです。


先日は創業120年を経過した企業から先々のご相談を受け、まずは会社の事業、展開、そしてその源泉の理念、価値観などを会長さんからご案内とご説明を受けたのですが、正に不易流行をしっかり突き詰めると、素晴らしい継承と展開になっていくのを感じていました。

その翌日、毎年4月に開催される鬼澤さんの講演に、スタッフと参加して来ました。
"毎年言ってるよ!"と言われながら、できていない事だらけで冷や汗ものですが、今年はここでも、「貴方の会社は不易流行が明確ですか?」という言葉があり、自分の中には持ってはいるつもりが、自社にとっての不易と流行が、しっかり明示できていない事に気付きました。

「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」

これはその不易流行の基、松尾芭蕉が旅を重ねて持った概念だそうですが、”不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、変化を知らなければ新たな進展がない”という事であり、しかしその根本は同じであるという事です。

人財含めた多様化、そしてその対応などの流行、しかしそれを生み出している、人やその繋がりを考える根本理念の不易を、再度明示して共有していきたいと思います。






2017年4月2日日曜日

言葉にすることができない 「暗黙知」


年度末の週が終わりました。

色々とお話しを頂いたりして慌ただしいですが、新人も含めて役割分担しながら、皆頑張ってくれています。

そのお蔭で私の方は、今週もIOTに関するシンポジウムにも参加していた東京出張含めて、未来に向けての時間に充てていました。

私自身はITリテラシーは低いのですが、やはりこの流れは掴んでおかないと、と思って参加しましたが、インパクトとしてはインターネットが解放された時よりは小さく思えるかもしれませんが、第四次産業革命と言われる様に、実際の社会において起こる事は、その時以上の大きな変化になる様に思います。

中スキルの仕事が無くなると言われたり、人工知能が人間を上回るという話が先行しがちですが、今まで以上にディープラーニングで得られたデーターをどの様に使うかなど、それを活用する”人”が重要になっていくと思います。

暗黙知というと、野中郁次郎氏が有名ですが、これを最初に唱えたのはハンガリーのマイケルポラニーという科学哲学者で、"人"は常に言葉にできることよりも多くを知ることがで
き、この、言葉で表現できない部分を暗黙知と提唱していたそうですが、”人”にしかできない暗黙知が、今後益々重要になってくる様に思うのです。

しかも、今暗黙知となっているものは、ディープラーニングによって瞬時に形式化されてしまうので、そういう意味でもポラニーが提唱した「言葉にすることができない知識」という解釈の暗黙知が、第四次産業革命以降の”人”が生きていけるポイントになると思います。

今週は京都流議定書の調整や打ち合わせなども行なっていましたが、今年10年目を迎える京都流議定書でもずっと追いかけてきたテーマは、「数値化されない価値」ですが、そんな価値観も漸く注目されて来た様に感じます。

ウエダ本社では、オフィスや働く環境において、その様な価値観を唱えてきたのですが、数値化、形式化できない為に、そんな価値観でオフィスや企業を展開して、どれだけ効果があるのか?もっと言えば、やはりオフィスはお金をかけるべきではないという考えに対して、どの様に数値化したエヴィデンスを出せるか?という事に苦労してきました。

しかしここに来て、そんな価値観をご理解頂いてお声がけ頂く案件も増えて来ており、かえって我々などは、言葉にすることができない暗黙知に拘っていっても良いのかな?という気にもなってきています。

月曜からは、新入社員や人員体制も新たになりますが、今月からはこの働き方や職場環境における暗黙知の探求を、更に進めていきたいと思います。


2017年3月26日日曜日

イベント屋の様ですが

今週は月曜日が三連休の最終日でしたが、第2回目となるKYOTO UTAFESSに参加していました。


2月末でKYOCAの運営は降りましたが、ご自身もメジャーデビュー経験のある小倉ユウゴさんが、京都の音楽シーンを何とかしたいという熱い想いから、昨年に引き続き開催したいとの事でしたので、ビルオーナーにも認めて頂き、第2回も無事開催する事ができました。


今回は、準備や構成、皆さんの動きまで、昨年よりも大幅にレベルアップしており、やはり、熱い想いで継続していく事の大切さと、その事によって、積み重なっていく力を見せて頂きました。

若手の中には、この場を目指して1年頑張ったというアーティストもおられたそうで、音楽業界や、その中での京都の位置づけについては全く分かりませんが、折角生まれたそんな繋がりを今後も続けていってほしいと思います。


今週は、九州で総合スポーツを通して、子供の教育を行われている方々も紹介で来られていましたが、スポーツも音楽も同じ様な問題を感じます。

プレーヤーとして夢を追いかけていても、それが継続できなくなった際の受け皿が全くない事や、専門的なマネジメントという視点がかなり乏しいので、その辺りの底上げ、裾野を広げていく事ができれば、日本の教育や、人の多様性、能力についての考えも変わっていくので、その課題に向かう人達にも、頑張ってほしいと思います。

音楽やスポーツと、仕事と関係ない事ばかりの様に思われますが、いつもの話、課題というものは共通しており、我々の目指す世の中像に向けては、表面の問題よりも価値観や評価、皆の考え方から変わっていかないといけないので、その根を崩していく為には、様々なジャンルで、それを目指す人達とは連携していきたいと思っています。

私は、そんな事ばかりやっていますが、現場では新人も含めて皆よく頑張ってくれており、中核の二人が抜けて、どうなるかと思ったコピー機販売も、XEROXさんの支援のお蔭もあって、期間の昨対では、結果的には150%の成績を上げてくれています。

土曜日にはミラツクフォーラムで、そんなビジネスと京都流議定書などの繋がりを話させて頂きましたが、自分では発信しているつもりですが、やはり、このギャップ、振れ幅は分り難いので、今年はリクルート活動含めて、もっと話す場を作っていこうと思います。

”ビジネスと関係ない事ばかり何やってるの?”と思っておられる方、”ウエダ本社ってイベント屋。セミナー屋じゃないの?”と思っていながら、興味持って頂いている方は、又、そんな場にお越し下さい!

2017年3月19日日曜日

蓄積する'場'


今週は、六本木のHAB-YUで行なわれた、富士通✖️ミラツクさんの共創プロジェクトに呼んで頂きましたが、私にとっては、色々な意味で振り返りもできて、有り難い機会でした。







ロフトワークの林さん、ISSUE+designの筧さん、そしてこの場を作ってこられた富士通の高嶋さんという凄いメンバーとご一緒させて頂くのも嬉しかったのですが、林さんとは、色々とクロスしている事があり、それ自体が良い振り返りの機会にもなりました。



林さんと言えば、MITメディアラボの伊藤穣一所長の補佐という存在としても有名ですが、今から18年程前、ネットバブルがピークを迎えていた頃、私が関わっていたIT企業が早稲田大学アジア太平洋研究科のゼミに寄付講座を持っており、そのゼミでの自慢としていたのが、ネオテニーを創業された伊藤穣一さんでした。



その頃私は、倒産の危機に直面したウエダ本社に入りながら、その建て直しを模索する中で、このIT企業にも関わり、月に一度のこの寄付講座や、丁度このHAB-YUの向かいにあった東京事務所に来て、当時あったテレビ朝日横のカフェで朝食を取り、早くその倒産危機を抜けて、この様な成功者気分を自社で味わいたいと思ったものでした。

その後、伊藤穣一さんと言えば、米国でも最も有名な日本人の一人という存在になられ、その補佐役も務められる林千晶さんは、FAB CAFEなども作られたロフトワークを創業されて、そのロフトワークさんがJIMUKINO-UEDA BLDG.(ウエダ本社南ビル)の直ぐ近くにドロップイン型の、おしゃれなクリエイティブラウンジを作られたのがMTRL KYOTOなのです。

MTRLさんはクリエーター向けで全然オシャレですが、その開き方や場の持ち方は同じ様な感覚で常に注目してました。

そんな林さんや、デザインで地域課題の解決に取り組まれ、博報堂所属でもある筧さんが、岐阜県の飛騨や、高知県の佐川町で町づくりに奮闘しておられるお話を、六本木のど真ん中で、富士通さんが作られた'場'で話しているというのも面白かったですが、結論が出た訳ではないのに、色々と湧き出てきて、最終的には凄くワクワク感が充満した'場'となりました。

これが、ミラツクワールドなんだと思いますが、そこで出てきたことで、面白かったのは、'場'の繋がりについてで、記憶はその'場'に残るので、同じ'場'でも使う人、出入りする人によって、変わるということと、自分の精神的な許容量一杯のメモリーの減らし方についてでした。

先日もある方とお話をして、その後、”岡村さんの言っていた「蓄積する場所」という言葉が刺さりました”とメッセージを頂いて、逆に、なるほど、と思っていたのですが、私もこの、'場'に蓄積していくという感覚で行なっていたのだと腹落ちしました。

それをオフィス(企業)に向けるのか、空きビルに向けるのか、町に展開するのか、対象が違うだけで、全ては同じ事を行っているのです。

そして当時、倒産の危機で毎日難題だらけの日々で、多分、荒んだ”場”であった当時のウエダ本社から、六本木で夢見れたあの'場'や時間は、私にとって、メモリーを減らす役割をしていたんだなと、そんな振り返りもさせて頂いた、これ又、人と場の価値を感じる時間でした。

働く人のメモリーを減らすことと、繋がりという資産が蓄積する'場”を目指していきたいと思います。