2016年12月18日日曜日

アクティビティーとティンカリング


今年もあと半月となった今週は、恒例となった大久保寛司さんセミナー、知恵の場の他、ワコールスタディーホールで開かれたミラツクのシンポジウムなどのイベントに加えて、忘年会も重なり、バッティングしまくりの慌ただしい一週間でした。

クリエイティブな学習空間をテーマとしたミラツクのシンポジウムは、新しく京都駅前にオープンしたワコールさんのビル内をまずは回って、好きと感じた空間と、残念と思った空間を探すツアーからという構成でした。

ゲストスピーカーのお一人、日建設計の塩浦さんは、都市を構成する要素にはハードとソフト以外にアクティビティーがあり、それをどうデザインするか?を考えていく事が今後は重要であると仰っていました。


ハロウィンの時の渋谷の盛り上がり。

イベント屋やソフト屋が作ったわけではないあの盛り上り方が今の流れであり、あのアクティビティーの構成要素から、ワクワク感をどう作っていけるか?が今後重要とのお話でした。

同じくゲストスピーカーであった同志社女子大の上田先生は、ティンカリング(Tinkering)というキーワードを上げておられました。

ティンカリングとは、”様々な素材や機械をいじくりまわすこと”という意味だそうですが、もの作りにおいては、この失敗を気にせず、ドンドン行っていく様な感覚が重要だとの事です。

大量生産時代は、しっかり計画を立てる事が重要で、無駄を省き、効率良く作るという事が求められたが、今や、計画立てて皆が欲しい物が作れる時代ではないという事で、失敗してもどんどん挑戦していく姿勢や、やはりワクワク感が必要である様に感じました。

日本は欧米を追いかけ、PDCAを回す事を学んで、プランをしっかり作って行動し、評価して改善するという体制で成長して来たのですが、計画を立てている間に状況は変わってしまう昨今では、頭にあるものもを形にしていける力が必要で、プロトタイプを作ってドンドン修正していくやり方でないと、対応できないとの事でした。


我々のオフィス領域でも、イノベーションを生みだす事が求められたり、国の方では働き方変革を中心の課題に据えたりと、従来の管理型を見直す流れは出てきているのですが、取り組みというよりは、そもそものワクワク感が一番足らない所で、それが重要だと感じました。


働き方変革においても、働く事が悪い事の様に特にマスコミなどが煽り立てているのが気になります。

労働をレイバーと捉える様な感覚だから、管理型の作業となり、そうなると生産性を求められ、人間性を無視した話になってしまうのです。

そうではなく、ティンカリングでプレイフルな働き方をしていく事が、働く人にとっても人生を豊かなものにすると思いますし、そんな気持ちで働くから付加価値の高い仕事もでき、イノベーションも生み出されていくのだと思います。

オフィスツアーからスタートしたこのシンポジウムも、いつもと違う構成が考えられてましたが、働く環境においても、渋谷のハロウィンを創り出す構成要素を参考に、アクティビティーを考えていきたいと思います。





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