2016年9月25日日曜日

いいオフィスをつくりましょう

今週は、8月末に完成していたオフィスリニューアルのお披露目を行いました。

5階、6階の2フロアーだけのリニューアルで、工事としては仮設営業期間を含めて2か月程のものでしたので、大きなものではないのですが、ウエダ本社としての取り組みとしては、大きな意味あるものでした。

工事は2か月とは言え、京都工芸繊維大学の仲研究室と共同で行なったプロジェクトとしては1年がかりで、ワークショップ、動線調査、社員アンケートなどを重ねて出て来た課題、要望を形にしたもので、設計、コンセプト、オリジナル商品企画、サイン、コンセプトブックなど、全て社員のみで作り上げました。

そこにもいくつか意味があり、”事務機のウエダ”という卸で物売りの会社から、人にSPOTを当て、”働く環境の総合商社”と銘打って発信してきた事が、理念だけではなく、従来の本業と繋がって形として表す事ができた事、それを落とし込む為にも、コンセプトから全て社員だけで作り上げた事、又、同様に、従来であればイベントにお越し頂く方と、実際のお客様が別々で、単なるアドバルーンを上げただけの様なものであったのが、今回は、営業が自分のお客様を呼び込んできた事など、うちの会社においては「激変」でした。

その為通常はFBなどでイベント案内や、お誘いを行うのですが、このオフィスリニューアル、特に、京都流議定書に引き続きご登壇頂いた仲先生の講演は殆ど告知できず、営業だけの集客で、お断りしなくてはならないという嬉しい悲鳴でした。

これは勿論、営業が頑張ったという事はありますが、仲先生の講演を聴きたいという方も多いのと、そもそも、オフィスに対しての考えが漸く変わって来た事も大きいと思います。

いい会社を作る為には、まずは組織風土を変えていく事、その為のコミュニケーション、場づくり、ファシリテーションなどが必要となります。

と同時に、それに向き合う社員、スタッフのモチベーションや人間力を向上させる研修、教育も必要で、ウエダ本社で、イベントばかり行っている様に見えて来た(うちの社員自体もその様に感じていたと思います)のは、この点からでした。

ただ折角、研修や人間力を高める教育なども行い、良かったなあ~とか、こんな風に取り組もうという気持ちになって戻ったオフィスが、詰め込まれた、管理型のものであれば、そこでイノベーションは生まれるでしょうか?というのが我々の問題提起で、その最後の、オフィスに対する考え方の壁を取り壊して頂くのが仲先生のご講演で、今年の京都流議定書でも肝であった所です。

そしてその京都流議定書も含めた仕掛け?の後に、1年かけて皆で取り組んで来たオフィスリニューアルが完成し、それを発表するのが今回でした。

という事なので、私が決めたオフィスだと全く意味がなく、皆で考えてもらったという事ですが、それを見事に完成し、来場して頂いた方から、著名なデザイナーに入ってもらっているのか?どれだけのデザイナー、企画の人を抱えているのか?などの質問もあったそうで、その様に評価を頂くオフィスに仕上げてくれた事は、スタッフの総合力を我々自身が感じる事もできて、本当に大きなプロジェクトとなりました。

ここからは、この体感を持って、日本のオフィス、働く環境を変えていきたい、組織風土、人間教育と共に、働く人が活き活きとする環境を広めていきたいと思います。

何の為に会社は存在するのでしょう?

それは本来、社会に役立つものであるからだと思います。

では何の為のオフィス(職場)なのでしょう?

それはその会社が儲かる事も含めて、働く人も含めて良くなる為のものである筈です。

”いい会社をつくりましょう” 

そしてその為にも、”いいオフィスをつくりましょう”

2016年9月18日日曜日

”伝わる”技巧派投手へ

今週も一週間振り返ると、沢山の方とお話ししました。

沢山というのは数ではなく、色々な軸において反対語にもなる様な、本当に幅広い方々とお目にかかっているという感じです。

そんな中、自社での出来事も含めて、キーワードは”伝える”という事でしょうか。

月曜日に行われた、大久保寛司さんのセミナー

ゲストは、ローカルキャリアカフェの川人ゆかりさん。

この方も私が紹介した事から、大久保さんに紹介しているのは、若いチャーミングな女性ばかり?という疑いもありますが、たまたまです(笑)

川人さん自身、今ドキ無い背景の持ち主で、キューバ、コロンビアと、危険地域を渡り歩きながら、日本の方が深刻な状況にあるのでは?という気づきから、日本の過疎地域に入り込んで活動する事になったのですが、それだけに、浮ついて目立とうという気が一切なく、むしろ、淡々とプレゼンを行うのですが、プロジェクトや事業などの組み立てや、進め方などは、しっかりと構成を考え、地道に進めていけるので、目立つ必要もないという事なのだと思います。

そんな川人さんですから、ちょっと感動的な話も期待している?大久保さんのセミナー受講者には、ちょっと伝わっていないかな?という感じもありました。

そんな感じも受けられてでしょう、大久保さんが、彼女にいくつか質問をしていかれると、それに見事に、その背景やそれに対する考えとその取り組みを、一つ一つ完璧に答えていく彼女の話に、皆さん惹き込まれ、最後には、皆さんが口々に、”凄い”と大称賛されて終わる光景に、大久保さんの”伝える”力を改めて見せつけられた感じでした。

”伝わっていないのは伝えていないのと同じ”   

”伝えると伝わるは違う”

伝える側は、相手が受け取れる技術によって変える、という意識が必要であり、受け取る側になった場合は、どんな球でも受け止める技術を持つ事が必要との事でした。


水曜日にKYOCAで開催された京信さんの女性起業家サロンは、黒岩さんの講演でした。

フレンチレストランとしてのル・クロも有名ですが、もっと有名というのか、特異な存在であるのは、
独立が当たり前、競争が当たり前の世界で、”またあの人と働きたい”という黒岩さんを評しての本がある様に、その人づくりというのか、人に対する考えと仕組みが素晴らしいのですが、その展開などをたっぷり二時間話され、女性起業家の皆さんには、伝わるだけでなく魅了してました。

金曜日にはクオリア朝食会がありましたが、毎回楽しみにしている堀場社長のお話しでも、

”直球の話は伝わらない、分りやすい例え話をする”

というお話しや、目標をしっかり定める事、研修という基礎をしっかり行い、その上の応用としての判断をさせる為の仕掛けづくりなど、社員にどの様に伝えるか、その為の取り組みなどの一端をお聞かせ頂きました。

そんな、”伝える”、”伝わる”がキーワードなった一週間、私の方は、まだまだ社内では伝わっていないなあと思います。

以前に比べて、少ない滞在時間でも、それを見計らって、色々と相談、報告をしてくれる様になってきた事は、それぞれの役割や、意識を高めてくれている証拠だと思いますが、まだ、自分の領域以外は知りません的な感覚や、やれていない事への責任回避的な発言などもあって、ついつい、二、三球目には直球を投げてしまいます(笑)

投げる私も、臨機応変に球を投げ分けられる技術、皆の方が、直球でも受け取ってくれる気になる仕組や、私自身が人間力を身に着ける事、色々な事を並行して進めていかなくてはならないですね。

ただ救われるのは、堀場社長も仰る様に、そんな組織は一日ではできなく、10年、20年とかけて、そうなっていくのだという事です。

もう50代、そろそろ技巧派投手に転じなくては。。



2016年9月11日日曜日

イノベーションの芽

今日は9・11、あの事件から既に15年が経ってしまいました。

この間世界は、どんどん危うい状況に向かっていますが、そのベースにある、民族、宗教、イデオロギーというものだけでは理解できない、何か大きな力が絡んで、複雑化していっている様に思います。

そんな中で、我々は企業運営をしていかなくてはならないのですが、世界が混沌としているからと言って何もしないわけにはいかないし、だからと言って、ただただ現状の事をしっかりやるだけというのも、不確定要素が大き過ぎて、全く意味を成さない事にもなるか、何も起こらなければラッキーという様な当てモノ的なものになってしまいます。

複雑化し、不確実な時代だからこそ、イノベーションが必要であり、どんな状況になってもそれに順応していける様なイノベーティブな組織にしていかなくてはならないというのが、昨今の流れであり、各所でイノベーションが叫ばれている所以だと思います。

イノベーションを定義づけたシュンペーターは、経済発展は、人口増加などの外的要因よりも、イノベーションの様な内的要因が主たる役割を果たすとして、その必要を説いていますが、外的要因が複雑過ぎて想定もできないので、内的要因から、世界の概念や価値観までをも変えていく為にもイノベーションが必要であり、イノベーションを起こせる人材、組織を生み出していかなくてはならないのではないかと思います。


今週私は、所謂、”ソーシャル”という様な人達と、色々と話をしておりました。

と言うといつもの事の様ですが、以前から知っていて色々と付き合って来た人達と、ビジネス連携での話がいくつも持ち上がり、しかもそれが又、面白い様につながって来ました。

この話が無ければ、この話も受けていないだろうな、と思う話があったり、丁度話をしていた事が、他での話に使えるとか、タイミングなのか、色々な事が繋がり出しそうな気配です。

ウエダ本社もイノベーションを生みだす為にも、こんな広範囲な繋がりから、その芽と既存モデルなどとを掛け合わせていかなくてはなりませんが、今後は、この繋がり出しそうなものを深化させていかなくてはなりません。

そんな中、土曜日にKYOCAで行なわれていたミラツクフォーラムでは、オムロンの竹林氏と、日建設計の塩浦氏のお話が私にとってもドンズバで、これまたこのタイミングで!というお話でした。

日本最大の日建設計で活躍される塩浦氏が、「建築家は、空間を通じて社会問題を解決する人」という考えから、ワークプレイスにおいても、その”場”を変える事が経営を変える事になり、そこから大きな革命が生まれるというお話をされ、オムロンで数々の立ち上げ、立て直しを行ってこられた竹林氏は、「コミュニケーションの無い所で、モチベーションは生まれない、モチベーションが無い所でイノベーションは生まれない。 コミュニケーションとモチベーション、そしてイノベーションをどの様に設計するかがポイントだ」と仰っていました。

正に我々は、日本の企業がイノベーションを生んでいける様に、企業、職場環境の内的要因を整備していきたいと思います。

少しづつ繋がり出した新たな芽を既存ビジネスに埋め込み、それを日本の企業や、職場環境に増殖させていく事、そして、それぞれの企業や、組織でイノベーションの芽を生みだしていく事、そんな世界に転じさせていきたいものです。

今月23日には、ウエダ本社では、ワークプレイスにおいての一つの芽のお披露目会を行います。

混沌とした時代、イノベーションの芽を各社で育てていきませんか?

2016年9月3日土曜日

私自身とウエダ本社の理想の姿

今週は、当社の年度末であり、9月からの新年スタートでもありました。

まだまだ低~いレベルではありながら、昨年度からは、売上、利益ともUPし、決算賞与も大盤振る舞い!とはいきませんが、出す事ができました。

経営者としては一瞬ですが、ホッとできるひと時でした。

しかし、うちの会社でも、私などは何もできず、やるのは社員ですから、皆が良くやってくれたから結果が残せるのですが、その何もできないながら、皆に動いてもらって結果を出さないといけないという事に、ジレンマを抱えるのです。

しかも中小企業は、足らないリソースだらけで、そこから脱却していくには、一人の人が色々な事をやらなけばならないのですから、中小企業の方が自分事で動く社員を増やしていかなくてはなりません。

そんな中、今週も女性社員が産休に入り、その後、育休と長い休みに入ったり、折角、自分の役割を見つけ、イキイキと仕事してくれていた女性デザイナーも結婚で関東に行かなくてはならないと、年内で退職する事になり、又考えさせられる事になりました。

当たり前ですが、女性にとっては勿論、その家族にとっても大きなライフイベントですから、喜ばしい事です。
しかし、人数が少ない中小企業では、なかなか長期間勤続とならない女性の雇用というのは大変難しい問題で、働き方の変革を唱えて、一人一人が豊かな働き方をする社会を目指している我々でも、頭を痛める問題です。

その様な中、’女性活躍’という制度だけ導入しても、有効なのは一部の大企業だけで、殆どの中小企業では、却って変な軋轢を生む事になり、結果的にそのしわ寄せは女性に行ってしまうのです。

会社に行かないとできない働き方や、仕事、それで作られた仕組の中では、他地域に移るだけで勤められなくなるし、育児や、介護で長く働けないとなった途端、仕事を辞めなくてはならなくなってしまいます。

その働き方を変えていく事、中小企業に勤めていても、ライフイベントに合わせて、働き場所を変えていける様な社会全体での仕組を作っていかなくてはなりません。

今期から、そんな構築、仕掛けを目指して動いて行こうと思っていますが、まずは私自身が何処に居ても良い状態を作る事、それには、インフラ的な仕組だけでなく、同時に、私が居なくても、自主的に経営感覚を持って運営する社員の成長が必要です。

今期はそんな狙いも含めて、あちこちに出掛けていきたいと思います。

私自身が毎週、何処に居るかも分からない、でも何処に居ても仕事をしている。

そんな状態が、私自身の理想の姿と、ウエダ本社で目指すべき社会の重なったところです。