2016年6月25日土曜日

ウエダ本社も離脱します。

イギリスがEU離脱という衝撃的なニュースが入ってきました。

詳しい事は私などが論じれる話ではないですが、一方方向に進んで来た流れにSTOPがかかり、逆流するのか、ここから出た傍流に新たな流れが加わり、違う流れを形成していくのか、いずれにしても、大きな転換を迎える事は間違いないでしょう。

同時に問題は、撤退と言っても、来月から即というわけではなく、実際別々で稼働するには5年はかかるとの話もある様ですから、その間の停滞、混乱というものが、ヨーロッパ内外に向けて、どの様に効いてくるのか、全く想像ができない所です。


丁度このニュースが飛び込んでくる前日、スケールは全く違う話ですが、私自身、会社での展開を転換しようと思い、社内ネットに配信していました。

ずっと行ってきた月曜日の朝礼の在りかた、会議の持ち方についてですが、変える所は、それ自体のやり方というより、やはり流れの転換、我々として重要としていく事を鮮明にしていくつもりでした。

今週、クオリア朝食会で、堀場社長のお話しを伺い、改めて感心すると共に、痛切に反省していました。

前回時も、お父様の堀場雅夫氏から、あれだけ見事に継承そして、発展がなされている会社も珍しいという話を書いていましたが、厚氏からは、今までお父様から聞いていた話の否定でもないですが、実際は違ったというお話しも出てきます。
しかしその様子は、他で演じられる親子間の対立という感じではなく、あくまで”おもしろおかしく”の精神は同じで、その表し方が違って、そして、それそれがオリジナルで素晴らしいという感じで、違いを話されても”対立”とは感じず、絶妙なバランスを感じるのです。

お父様の時代には営業利益率が4~5%であったものが、現在では毎年10%開発費には投資しながら、営業利益率は10%を確保し、海外への展開も積極的に行っておられるのですが、相手が米国人、フランス人、インド人など関係なく、HORIBAのフィロソフィーで”統治”ではなく”信頼”で繋がっている関係を築いておられる様でした。
事業の拡大についても、”人を育てるつもりがなければ手を広げてはいけない”、”任せる人を信頼できなければ広げてはいけない”と仰る通り、そのポイントを”人”においておられるので、グローバル企業でありながら、中小企業の家族的な良さもあるのです。

組織風土、人事、業績、それらマネジメントは、やはりTOPが全てで、その器次第で決まるというお話でしたから、隣に座りながら、グサリと突き刺されていました(笑)

そして、ここ最近ずっと感じていた事や、モヤモヤしていた事が、すっきりとしたというか背中を押された感じでした。

”人の繋がりが価値”と言いつつ、その浸透も中途半端で、結果も中途半端なのも、私自身の構想力と現場への落とし込みが足りていなかったのだと感じました。

EU、イギリスは何処に向かうのか分りませんが、世界は混沌としていく事は間違いありませんし、日本にとっても、厳しい環境になっていくでしょう。

その中でウエダ本社は、以前からそのつもりであった、従来型の資本主義から離脱し、独自モデルで従来とは違う流れを作っていきたいと思います。

2016年6月19日日曜日

業界の常識と女性脳

漸く、舛添都知事が辞任という形になり、この話題も収束しそうです。

と、言うのは本来おかしい話で、問題はTOPとしての資質という事だけではなく、本質的には政治資金の使い道が、ほぼ、”何でも有り”に近い形であったという事で、そこにおいては国会議員もどこまで糾弾できるのか?と思います。
初め静観していたものが、途中から参院選への影響を考え、逆に一人を潰して収束を図ったという所で、今回問題となった”せこさ”は別として、どこまで他の国政、地方含めた議員さんが、この本質を糾弾できるのでしょうか?

それだけに、やはり金額の大小ではなく、駄目なものは駄目という線引きが必要なのだと思いますし、政治の特殊な世界だけの当たり前を抜本的に見直してもらいたいと思います。

その世界だけの常識というのは、政治の世界だけではなく、どの業界にもあると思います。

以前からずっとこの様にやってきた、

皆がこの様にやっている、

という話は、それが一般の概念や新たな潮流が出てきた際に、その業界内で凝り固まった人から出る話です。

ところが、ネット、SNS社会では、白日の下に晒されるので、所謂、業界の常識でも世間の非常識は通用しなくなっていきますし、増してやAI、ビックデーターという世界では、業界の素人でも、どんどん参入していく事になるので、今まででは有りえなかった、どんでん返しが、一瞬にして起きてしまう事もあると思います。

それぞれの所謂、勝ち組と言われる所ほど、新たな潮流に対して、否定的で、あんなものは・・という話になります。
そして、そういう話は、現状で裏打ちされたものであるので、論理的に説明され、反論の余地もない事が多いのですが、新たな潮流は、何となくそんな感じがするというもので、しっかりとしたロジックもないところから始まるものですから、我々の様な弱小の会社ほど、業界の常識を疑い、あくまで一般常識に照らして、そんな現状や、勝ち組論理への違和感を大事にしていきたいと思います。

今週もソーシャルビジネスを展開している人や、本業としての稼ぎをベースに、大きな問題意識で社会課題に向かっている方々と沢山、お会いしました。

それらはロジックで考えると、割に合わない話ばかりですし、それで流れが変えられるのか?と問われると、ロジックでは説明がつきません。

ただ、言えるのは、どの話もワクワク感があり、何となく光を感じます。

そして、面白いなあ~、真似できないなあ~と感じる展開をされているのは、殆ど女性である事に気づきます。

そういう面でも、女性の活躍支援というものも、単に、育休や早帰りできる制度を整えるとか、管理職の女性比率を高めるという話ではなく、これも本質的に、男性がロジックで作った社会フレームの中で考えるのはなく、女性が感性で突っ走り、それをサポートできる様なフレーム作りが必要なのではないかと思います。

そしてこの問題も、ウエダ本社で男性脳で考えるのではなく、女性脳で考えないと本質が変えられないという事で設立したのがMegami http://www.ueda-h.co.jp/megami/という会社です。

その代表の小島も出演しますが、京都流議定書二日目には、「女性が活き活きと活躍できる組織とイノベーションを生みだすダイバーシティ経営」というパネルディスカッションも行いますので、そのフレーム(土壌)作りから考えておられる企業関係者は是非、ご参加下さい。

舛添さんも、ここを研究してもらえば、女性を味方にできる対応ができて、結果が違ったかも知れないですね。


2016年6月11日土曜日

”使命”に向かう

今、東京からの帰りです。

今日は朝から増上寺で行われたリヴオンの理事会と、7周年記念イベントに出ていました。

グリーフケアという、深い悲しみを負った人に寄り添い、自立に向けてのプログラムや場を作っている団体ですが、参加者や支援者の話からでも、これまでどれだけ、厳しい状況の人達に役立ってきたのかがよく分かります。

彼女自身はお母さんの自殺やそれに関わる大変な状況を経験し、生命の尊さや重さを感じ、いくつもの生命を救う側に立っているのですから、自分の命を使っての”使命”としているとしか思えません。

昨日はこちらも理事を務めているミラツクのギャザリングがあり、ゲストスピーカーで来られたロート製薬の河崎さんから、みちのく未来基金のお話しを聞いていました。

震災で親を亡くした子供達が高校卒業後に夢を諦めない様に、大学や大学院、専門学校の費用をその卒業まで面倒をみるというもので、しかも震災時に0歳児であった人までが対象なのですから、震災から25年間は支援を覚悟してのもので、ロート製薬の会長が呼びかけられ、カルビー、カゴメの三社で基金を設立されたという事でした。

この基金で学んだ学生は100パーセント地元復興の為に尽力するという使命感を持つそうで、こちらも、どれだけの可能性と夢、そして命を繋いでいるのかと思うと、本当に血の通った本物の活動だと思います。

私は相変わらず、いろーんな事に関わったり、活動にも参加してますが、命を賭けた様な人を見るとワクワクするのと同時に最近は特に焦燥感を強く持つ様になりました。

50代もかなりオーバーして、もういい加減、自分の命を使うにふさわしい”使命”と呼べるものに、時間を割いていきたいと思います。

ちょっと今日はまとまってないですが、思ったまま吐露しました(^^)








2016年6月5日日曜日

危機が人や組織を強くする

今週は、新築ビルに備品を納めさせて頂いた会社さんに、ご挨拶に行っておりました。

と言っても堅苦しい表敬ではなく、盛和塾でご一緒させて頂いている社長さんで、むしろその展開に興味を持っての事でした。

お互い、元々のビジネスとその見え方が変わっているので、周りからは現状が分りづらいと思うのですが、今回の商売も、その社長さんからある時に”岡村さんの所からオフィス家具など買えるんでよね?”というお電話を頂き、”いや、それがまだ本業です!(笑)”と返答した所からでした。

お話しを聞いていくと、社歴や置かれてきた背景、そしてそこからの展開の考えが驚くほど似ているのですが、こちらの会社は、創業から70年、元は酒造メーカーの瓶を製造し、それを引き上げて洗って又納入するという、昔の日本酒販売に基づくビジネスモデルであったのが、今や紙パックや店頭での売り切りという形になり、ビジネスモデル自体が消滅するという中、現在では見事に、デザイン、マーケティング、そして小売店の売上アップにまで責任を負う、コンサルという所に大変身を遂げられていたのでした。

ゼロになってしまう程の危機から、全国の食品メーカーさんに瓶のデザインなどの飛び込みセールスを掛け、その後着実に新たな展開で転換し、今回、ビルを新築で建てられる所にまで業績も上げておられるのを目の当たりにし、良い意味で大きな刺激を頂きました。

今回のオフィスも、こちらから売りに行くプッシュ型から、お客さんに来てもらうプル型営業への転換を目指されてのもので、最近、ようやく広がり始めて来た、オフィスはブランドや会社の考え方(価値観)を表す最大の広告ツールと捉えてのものでした。

そしてそれは、我々にとっても、約10年かけて取り組んで来た事であり、最近ポツポツとお声掛け頂く様になって来た事で、ちょっとした成功例が出て来て、多少緩んでいた様に感じました。

やはり危機が人も組織も強くする貴重な壁であり、それが無くなった時の油断が、又、おかしくする原因にもなるのでしょうね。

今週、ロータリークラブの例会では、元阪神タイガースの桧山さんの講演を聴きました。

その中で印象的だったのは、現役時代、8人の監督に仕えて、それぞれに意味があったのだが、考え方を徹底的に変えられたのが、やはり野村監督時代で、新人の時からレギュラーで出ていた桧山さんは補欠となり、腐って辞める寸前までいっていたそうです。
ところがある時、今までは野球の事しか考えずに生きて来たのが、辞めた後の人生を考える様になり、初めて人生の中においての野球と捉えられる様になると、今の補欠は人生において貴重な経験ではないか?と思えて、そこからガラッと野球への向き合い方も変わったとの事でした。
そして、野村監督時代の最初の二年間は補欠だったのが、考え方が変わった三年目には、四番も打ち、初めての三割、そして当時は球団新記録となる28試合連続安打も達成したというお話しでした。

野球一筋でやって来られた桧山さんが、人生の中での野球と捉えて、最大の危機から脱し、その後の活躍をしていかれたケースは、決してプロスポーツ選手の特殊な話ではないと思います。

学生であれば受験や、どこの大学に入るか、又、名の有る企業に就職できるかが目的となっており、それで入社した人は、仕事や、働く事自体に、意味を見つけられなくなったり、ただただ毎日の作業を目的としてしまったりしています。

そしてその集合体が組織であり、企業であり、それで構成された集合体が、”人”に対して優しい、寄り添える”場”になる筈がありません。

その蔓延した考え方から崩していきたいと思って取り組んで来たのが、今のウエダ本社の展開であり、それを表す最大のイベントが、今年9回目を迎える京都流議定書です。

それぞれのセッションについては、FBでも発信して参りますが、オフィスの在り方、風土、働き方の、そもそもの考え方を変えたい!という企業関係者の方々は、7月22日~24日KYOCAにご参集下さい!(特に風土も含めたオフィス環境については二日目の7月23日です)

最後は、京都流議定書の告知になりましたが、私自身、ちょっと緩んでいたな~という反省から、改めて、俯瞰して見る位置と、目指していく位置の見直しをしていきたいと思った一週間でした。