2016年3月27日日曜日

人間関係資本を増やす生き方

今週もありがたい事に、人間関係資本を強く感じる事ばかりでした。

来月、福岡中小企業家同友会のソーシャルビジネス研究会にお呼び頂いているのですが、その講演内容などの打合せで、冷泉荘、山王マンションという、リノベーションでは有名な物件のオーナでもある吉原さんと委員会の方々にお越し頂いていました。

𠮷原さんのリノベーションは、単に、設計で形を作ったというものではなく、ビルの味を生かして、そのビルに意味を持たせ、それに合う人やテナントをじっくりと作っていったというもので、正に、人や繋がりを価値にしたリノベーションの代表だと思います。

その𠮷原さんが所属されるソーシャルビジネスの委員会での講演という光栄なお話なのですが、まずこの事自体が、繋がりや、そこに至る想いが価値を生んでくれたと思います。

同行して来られた方々も、お話を聞くとそれぞれの活動が、やはり人の繋がりを生かしたもので大変素晴らしく、その方々の前でお話をするのは、相当ハードルが高く感じました。

今週には、ガイアの夜明け放送直後のDariKhttp://www.dari-k.com/の吉野さんと、食事にも行きました。

以前から、何度か顔を合わせて、プレゼンなども聞いた事はありましたが、じっくり、しかも二人で話をするというのは初めてで、最近のイノベーターでもピカ一とは思っていましたが、これまでの経緯やそれに対する考えをお聞ききし、卓越した知力、胆力、行動力、加えて、そんな能力がありながら、人を惹きつける謙虚さまでを持つ彼に感服しきりでした。

又、チョコレート製造も、インドネシアで知ったカカオ農家がその価値に気づかず、ただただ食べる為だけに、人生を半ば諦めた感じで顔を曇らせて作業をする姿に憤りすら感じ、彼らの働き方や生き方を変えて欲しいと思ったからだとの事でした。

他にも沢山いるイノベーター達とも少し違う感じを受けていたのですが、まだまだ30代半ばなのに、生きるという事や、生命、人とは?という所から湧き出て来る感覚を持っている所に、ホンモノを感じるからだと思いました。


土曜日には、やはりその生き方から尊敬するアミタホールディングスの熊野会長の、サプライズの還暦お祝いパーティーに出席させて頂きました。

まだ環境などという概念が全く無かった時代から、リサイクル、循環型社会を作るという事を目指されたのですが、それは、お婆さんに育てられ苦労をして来られた会長が、自分には捨てられたという想いがあり、捨てられる物に対する、執着というのか、捨てられる様な不必要な物など無いという強烈な反発心からでした。

それだけに、人を信用したいが信用しきれないという葛藤を抜け、環境という分野で上場までさせ、様々な体感、確証から、特に3.11以降は自然資本と人間関係資本の増加に資する事業のみを行うと宣言されるに至っていました。

そんな会長の経緯も、何度も食事などを共にさせて頂きながら直接お聞かせ頂いていたので、還暦の祝いは要らないと仰っていたにも関わらず、社員さんが数か月前から用意もされ、サプライズパーティーまで用意されていたという事に、私も、本当に嬉しかったのと共に、会長の様に、生き方が恰好いい男になりたいと思いました。

これ以外にも今週も色々な素晴らしい方々と会い、話しもして、私も本当に恵まれていると思います。

そんな人間関係資本が蓄積してきているので、それを私自身が、企業会計で言えば、回転率を上げてパフォーマンスを高めていかなくてはならないですし、その為には、私自身も、格好いい生き方をしていきたいと思います。





2016年3月20日日曜日

扇動されない個人

ここ最近、保育園落ちた・・の話題や野球界のお金の問題などが、話題となってますが、それこそ、日本は、どうかしてないでしょうか?

短絡的、表面的な話で、違う問題を混ぜこぜに議論?し、一方方向に扇動する方も問題ですが、扇動される側も憂うべき問題だと思います。

反対であれ、議論というレベルであれば健全なのですが、問題は、一言の印象だけで一挙に悪者に仕立てられる、追いつめて行く風潮であり、それに多くの人が乗っているという状況で、マスコミが又、知ってか知らずか(知らずであれば、それはそれで、深刻なレベルですが)、こぞって助長させるというレベルが深刻であり、もっと冷静に、問題の本質は何かを考える様にしなくてはいけないと思います。

保育園の話は、個人のネット上の愚痴であり、それを何か意図を持った人が拾い上げ流れを作ると、後は、その方向に扇動されてしまう、ネット(SNS)社会の負の恐ろしさを感じます。

巨人選手の野球での賭けという問題から、チーム内で賞金や罰金を出して半ば盛り上げる為に行なっている事を同じ問題の様に取り上げ、阪神でも・・ソフトバンクでも・・という見出しで書くマスコミの短絡的な報道を見て情けなく思っていると、”お金を掛ける”というその言葉だけで混在し、その流れに乗ってしまうという問題、又、そうなっていくとそこに異を唱えられない様な風潮にまでなるという事を、もっと憂慮すべきです。

リーダーシップを勉強すると、リーダーは誰にでも分るシンプルな言葉で伝えなければならないとなりますが、米国の大統領選を見ていても、どこの国の人も、ちょっとした話法で扇動されるのだと感じます。

それだけに、扇動型リーダーを選ぶ際は、よりその人の器を見極め、理念、哲学をしっかり見極めないと、取り返しのつかない方向に進んでしまいます。

しかし、おしなべて、どの世界でも、度量を持った人が少なくなって来ている中で、扇動型、扇動する手法というものは危険も大きく、それだけに余計に受信側もレベルを高めないといけないと思います。

土曜日には、KYOCAで京都移住計画さんのイベントがありました。
そこには、移住を希望する人、移住した人が集っていましたが、今や全国に広がりを見せる移住計画は、各地にある魅力に目を向ける視点、機会を与えていっています。

同じ日に開催されていた京都市100人委員会のNEXTフォーラムは、5期に渡った100人委員会の市民メンバーが集まり、今後を話し合うものでしたが、自分事とする京都市民の広がり、活動が確実に根を張り、ジワジワと広がっているのを感じました。

扇動型リーダーに委ねられない時代、我々自身が受信者としても、表面上の短絡的な言葉に囚われるのではなく、深く捉えて自分事として考えていく事が重要ですし、マスコミなども、そんなジワジワとした気配も含めて、しっかりとした文脈を伝えて、育てる役割を担って欲しいと思います。

その為には、又、我々が、売りたいが為の下世話な週刊誌の様な記事や風潮に短絡的に乗らず、馬鹿にするくらいの姿勢になるだけでも、流れは変わり出すと思います。

国民、市民、消費者、従業員、という個人も、一人一人の考え、行動の重要性に気づいていきたいものです。

2016年3月12日土曜日

残りの命の使い方

今週はやはり東日本大震災が起きて5年という事で、やはりそれに触れないわけにはいきません。

よく言われる話で、何年というのは周り、特にマスコミなどが言う話で、当事者にとっては、使い方は間違いでないにしろ、イベント的なニュアンスをも感じる、5周年という感覚などは無いと思います。

マスコミの功罪はありますが、ともすれば、被災していない地域や人の中では風化してしまいがちな中、何年目で思い出すこと、少しでも問題意識を持ち心を寄せること、そしてできる行動を起こすことに繋げる為にも、やはり報道は必要だと思います。

阪神大震災で被災した際、翌日10時間程かけて京都の実家に戻り、自分が正に抜け出して来た地域が大変な状況になっている光景を、そこから逃げて来て炬燵に入ってテレビで見ている事に、内面がえぐられる様な罪悪感を感じましたが、震災の特集番組を見ると、同様の想いに駆られます。

全てを投げ出し、一人でそういう地に身を投じたいという想いも何処かに有りながら、自分の立場や、自分がそのポジションでできる使命を全うすべきという想いで抑え込んでいるものが、腹の底でボコボコ湧き出す感じなど、色々な想いが錯綜し、苦しくなります。

最近もこんな暗いというか、深い話をする機会が何度かありました。

私なり、ウエダ本社としての展開が、何をやってるんだかよく分からないと言われる事は多いですが、説明しなくとも、分かってもらえる事も結構あります。

それを分析すると、死生観がベースにあって、何の為に生きるのか?からの発想で展開をしておられる人とは、簡単に説明できるというより、むしろ説明は要らずに済むのです。


ソーシャルビジネスというものに、好感が持てる場合と、逆に、嫌ーな感じを受ける両面があるのもそんな所から来ているのかも知れませんが、そもそも、何の為に存在して、どういう使命を果たすのか?それをできるだけ大きな力に仕立てる為に、事業でそれに向かうというのがソーシャルビジネスだと思います。

ソーシャルビジネスが儲かるからと参入して行ったり、そうでないと評価されないからとCSRとして取り組んだり、今は、ちょっと格好いいからと流行りになっていて、又、それを持てはやす傾向もありますが、上辺が同じ様に見えても、この死生観でフィルターに掛けると、そもそもかツール(手段)として利用しているのかがよく分ります。

必要悪ならぬ必要善?として、ツールや手段でも広がっていく事は世の中にとっては良いのですが、そもそもの想いを持った人が、ツールとしてソーシャルビジネスに向かう人達に使い捨てにされない様に、しっかりした意識を持って欲しいと切に願います。

震災の特集などを見て、悶々とする想いを持ちながら、それを払しょくしてく為にも、死生観をベースに行動していく人と共に、残りの命の使い方を探していきたいと思います。

2016年3月6日日曜日

サーバントリーダーシップで

米国の大統領選において、当初トランプ氏が旋風を巻き起こしているという程度の認識から、一気に主役となり、今では、このままではマズイのでは?という動きが共和党からも出てきている状況です。

元々約1年にも渡って全米を転々として各党で予備選挙を行うというスタイルは、独裁者を生まない仕組みとも言われていますが、今回は、それが利いていないというより、それに乗る国民が多数を占めてきているという事に恐ろしさを感じます。

それも、発展途上国ではなく、一強とも言われてきた米国の大統領ですから、注目しなければならいですし、トランプ氏が大統領にはならなかったとしても、それだけの米国民が、あの暴言に、強いアメリカを期待したという事実は、選挙が終わっても、注視していかなくてはなりません。

貧困やそれをベースとした世界中の諸問題などへの不安や、不満が充満してきており、偏向した強いリーダーシップ、愛国心に向かっている様に感じます。

リーダーシップの形には正解がなく、その状況に応じて全て違うと思いますが、世界の警察とまで名乗って全世界にも多大な影響を与える国のリーダーは、まずもって、人類全てに想いを馳せられる様な人格を一番重視した選び方ができないものか?と思います。

日本では3.11から5年を迎え、今の様子も報道されますが、原発の対処などを見ていると、逆に強烈なリーダーシップと同時に、こちらも人類全てに想いを馳せられる様な人格を持ったリーダーが切望されます。

しかし一方で、政治の世界だけでなく全ての領域で、大人物と言われる様な強烈なリーダーシップで皆をリードする支配型のリーダー自体が居なくなってきた事と、価値観が多様化する中で、その様なリーダーシップは通用しなくなってきています、

サーバントリーダーシップというものが注目されていますが、サーバントという様にリーダーが召使の様に言う事を聞くという意味ではなく、支配型に対して支援型のリーダーシップとも言われる様に、部下たちを使命、目標にしっかりと向かわせる為に、支えて援助していくものです。

実は、なかなかその様に見えないでしょうが、ウエダ本社内でも私自身は、サーバントリーダーシップ型を目指しています(笑)

そして、その様なオペレーションで回る組織や、風土、を作っていく事が、前回のブログでも書いた様に、女性が働きやすい環境となっていくと思っています。

又、このサーバントリーダーシップというものは、本来、女性の方が向いていると思いますし、支配型で優秀なリーダーが少なくなってきた今や、本来サーバントリーダーに向いている女性が、そのリーダーシップを発揮できる社会のフレームを作っていく事が、世の中を大きく変えていく事に繋がると思います。

そんな事も、新たに株式会社Megami http://www.ueda-h.co.jp/megami/service.htmlの設立に繋がった理由です!、と、最後はMegamiの広報となりましたが、米国の大統領選でも、クリントンさんは、男性社会の中で戦う強い女性という打ち出しではなく、サーバントリーダーシップを発揮した新たなリーダー像を出した方がいいのではないでしょうか?