2015年2月22日日曜日

結果を追わずして結果を出す

今週は毎年この時期に開催される、富士ゼロックス販売店の年間表彰式で帝国ホテルに行っておりました。

年に一度で、年間の順位も分かる事もあり、自社の色々な意味での位置づけを俯瞰的に見ることもできて、私にとっては、落ち込みや反省、方向性の確認など、色々な考えが沸き起こってくる良い機会となっています。

順位については、今年は20位にも入れませんでしたが、ドンドン全国規模の販売店が参入し、今年度1位の会社も初参加であり、又1位、2位の会社は、従来、他メーカーでの販売を切り替えての参入であったりで、比較対象にはならないとは思います。

ただ、自社の獲得ポイント自体が昨年をも下回ている事は間違いないですし、その結果よりも、ウエダ本社としての新たな方向において、コピービジネスが絡んで来れていない所が、一番の問題であります。

現在とは全く規模が違うとは言え、3年連続日本1位となっていた事もあり、以前からこの表彰式に参加しておられる皆さんからは、”どうしてるんですか?””ウエダさんがあの大手と戦ってくれないと””他で何かやっているでしょ?”など、色々な声を掛けて頂きます。

全国から300社弱が集まる会で、そんな風に知って頂いていたり、期待もして頂けるのは大変有り難い事ですが、結構、グサリと刺さります(笑)

しかし、負け惜しみでもなく、1位になった際、その檀上でのスピーチで言っている様に、我々は、この物売りのインセンティブに乗らない販売店、つまり、本当にお客様スタンスに立ち、オフィス、企業全体を考えるディーラーを目指しているので、ここでの順位は気にしていません。

ただ問題なのは、ウエダ本社として目指している方向で、オリジナル的な価値が生まれかけている中、コピービジネスがその方向性で動けていない事であり、そういう意味においても、ウエダ本社としてのコピービジネスは今年が一番ボトムであると思います。

今回の出張でも、色々な方と会い、又面白い方々を紹介もして頂きました。

KYOCAの相談に寄ったある会社の社長さんの展開を聞いていて、うちの会社の課題がよく分りました。

その社長さんは、いくつもの事業、会社で、数字の立て直しをして来られたのですが、共通して行って来られているのは、その事業の”幹”は何なのか?を徹底的に考え、それをできれば一言、全体の誰もが分かる言葉で表す事なのです。

そこには、徹底的に時間を掛けておられる様ですが、それさえ作れれば、後は皆がやってくれて自分はする事がないとも仰っていました。

ウエダ本社の課題は、理念、価値観と実業が繋がっていない事だと皆が認識していますが、結局それは全て私の責任で、この”幹”は作っているにしても、一言で誰もが分かる様に言い表せていないところが、原因なのだと痛感しました。

昨年の表彰式の後のブログを見ると、5年後には、違う方向性に行きながら、表彰式に参加できている様にしたいという事を書いていましたが、後4年の内には、目指す方向、ウエダ本社としての価値観を築きながら、この表彰式でもしっかり表彰して頂ける状態にしたいと思います。

その気持ちをまず一言で表すと、”結果を追わずして結果を出す”です。

その為に、コピービジネスのメンバーも腹落ちする一言を生み出したいと思います。

2015年2月15日日曜日

ショコラボから見る甘くとろける世界

今週はバレンタインデーでしたが、多分生まれて初めて、ピークとなる11日の祭日に、関西では多分一番凄いであろう梅田阪急のチョコレート販売の特設会場に行っておりました。

この歳で、何か血迷った? わけではありません。

今後一緒にやっていくであろうショコラボ代表の伊藤さんが、その特設会場の真ん中で講演される事になっていたので、それを見に行ったのでした。

ショコラボhttp://chocolabo.or.jp/というのは、知的障がいを持った方の工賃UPを図ること、職を広げていくことを目指した、就労支援施設です。

その活動に、パリにも店を持つ有名フレンチ、ル・クロhttp://www.le-clos.jp/のオーナーシェフ黒岩さんがレシピ開発、システム構築など全面支援され、障がい者支援で買うのではなく、おいしいから、スタイリッシュだから買うというチョコに仕立て、オペレーションも素人が運営できる様にし、全国で知的障がいを持った方に職の”場”を広めていこうとしておられる、素晴らしいそれこそソーシャルビジネスなのです。

梅田阪急でしかもピークの日に講演など、どの様にしたらできるの?という話ですが、JRのWEDGEという雑誌に掲載されていたショコラボの記事を、阪急阪神の役員の方がご覧になり、こういう所と取引をしなさいという事で始まったそうです。

横浜のショコラボさんではランドマークタワーのチョコも製造しておられるそうですが、これも取組に賛同された三菱地所さんが、商標使用を無償で提供されているとの事でした。

ここ最近、荒んだ状況が進んでいる様にも見える中、一方ではこの様な、素晴らしい活動をしておられる人や企業を支援しようという動きも確実に広がっています。

私自身も大変恵まれているのは、こんな素晴らしい想いを持っている人達に囲まれている事であり、次から次に、ちょっと訳分からないくらい多様な人が、紹介や相談で、寄って来て頂ける事です。

中には、ソーシャルを利用して自分の利益の為に行っている人や、素晴らしい活動なのに、違う価値の人を批判ばかりする人もいます。

経済界では、相変わらず、規模の大小や業績だけで、対応をガラリと変える人、成功していて立派そうでも、業績が自分よりも劣っている人には偉そうな態度を取る人など、まだまだそちらの感覚の方が多いのもまだ現実です。

大混雑で大行列の阪急では、凄く不思議な感じを受けました。

それだけ大混雑しているのに、全く殺気立った感じが無く、むしろ、温かい雰囲気さえあったことです。

勝手なメルヘンチックな纏めと思われるかもしれませんが、本チョコか義理チョコかの想いの差はあれど、誰かの為に行なう事、想いが集まると、あの様な雰囲気になるのを感じました。

チョコレートの原料であるカカオの木の学名は、ギリシャ語でテオブロマ(神の食べ物)と呼ばれているそうですが、人々にとってチョコはそんな存在なのかもしれません。

ショコラボが、多くの人達の殺気だった感じを無くし、他人を想い、多様性を認める社会を広げていくこと、効率や規模の拡大にしか目を向けないギスギスした社会を甘く溶けさせていくことを期待し、私も協力していきたいと思います。


2015年2月8日日曜日

新たな定義の若者会議で

相変わらず今週も月曜日から、KYOCAでの食イベント、おもてなしを学ぶ知恵の場に始まり、盛和塾京都の泊りがけでの総会、勉強会、京都わかもん会議のゲストで終了という一週間でした。

最近はKYOCAの事にほぼ専念し、発信もその関連ばかりなので、それを見てもらっている方からは、最近、より色々な事をやって、凄いね!と言って頂くのですが、ハッキリ言えば訳わからんと言われているのだと思います(笑)

私自身では、今まで色々な事をやって来た事、それも考えて行なってきた事を一つの所に集約して行っているのですが、現象は広がっているので、ドンドン広げている様に見えるのでしょう。

盛和塾京都の総会で、二年間の代表世話人が終了しましたが、色々な経営者の集まりで、自分の事業以外に時間を割く人、役を担う人が不足しており、リーダーになるの人材不足が言われています。

そもそも盛和塾発祥の京都で、私が代表を務めなければならない事がそれを象徴していますが、経営者も小粒化?しているというのか、直接的に事業に繋がる事しか関わらなかったり、自分の楽しみばかりに時間を費やしている人が多くなっている様に思います。

最近、理念経営の重要性などもよく話題になりますが、経営者の中でも、何故そんな話題になるのか?不思議に思います。

本来は、会社というものも、世の中に必要であるから存続していくのであって、その為には、自社がどうあるべきなのか?何を大切にしているのか?から始まる筈で、理念からスタートするのが当然だと思います。

ただ実際は、創業した当初は理念どころではなく必死で展開し、ある程度落ち着いてから理念が作られる事が多いのも事実ですが、業績も安定した後も、立派な企業、立派な社長が、使命や立命も無く、自社や自己の利益、楽しみだけを追いかけているのには、寂しい思いがします。

企業への評価も、量的なものから質的なものに変えていかないと、世の中変わらないと思いますし、企業も、量的な売上や規模の評価より、地域なども含めたステークホルダーから尊敬される様な、質的な評価を目指していくべきだと思います。

社会的課題に向かう企業に投資する市場を形成する動きもある様ですが、素晴らしい事に挑戦していく土壌、自社の事ばかりではなく、地域や他者の為に動いていく風土を形成していく為にも期待するところです。


昨日は、京都わかもん会議というものに参加しましたが、30歳以下限定で、一泊二日、24時間体制で未来について語り合う有料イベントに、沖縄、北海道からも含めて40名の定員が一杯となっていました。
しかも、参加目的も皆がびっしり書いていた様に、何かを行動している人、行動を起こしたい、想いのある人ばかりで驚きました。

小布施モデルとも言われる、小布施の町づくりの基礎ともなっている小布施若者会議に触発されて行われた様ですが、こういう会議が全国に広がっている事からしても、今の若者達には大きな期待が持てると思います。

若者の定義も、年齢で考えるのではなく、世の中に向かう、夢や想いや行動力を持つ人として、業種、職種、役職、世代などを越えて、横串を刺していく様な会議が広がっていけば、もっと面白くなると思います。

その時は私もゲストではなく、若者として参加したいものです(笑)



2015年2月1日日曜日

京都駅西部エリアのワクワク感

今週は私にとってはビックニュースが入って来ました。

KYOCAの真横に新駅ができるという事が、日経新聞、京都新聞に発表され、明日、月曜日にJR西日本と、京都市の間で調印されるとの事です。

以前から話は出ていましたし、できるとすればKYOCAビルの真横しかないという事も分かっていたのですが、それでも本当にできるとなると、門川市長始め、ご関係各位の努力も多少は分かっているだけに、感慨深いものがあります。

JRの新駅ができるという過程を、当該関係者の一員として、つぶさに見ていけるという経験など、なかなかできることではないので、ワクワクします。

来年春に鉄道博物館が目の前にでき、その三年後に新駅が決まった事で、このエリアは、一気に京都市内では一番の開発エリアになっていくでしょう。

その場所、それは地域であれ、組織であれが、或はお店であれ、盛り上がっていく為には、ワクワクした人が集まって来るかどうか?にかかっていると思います。

ブランドを形成できているメーカーやお店は、それを手にする事、身に着ける事で満足感を得る人がワクワクして集まるのであって、芸能人や、スポーツ観戦に集まるファンの様子は、その最たるものでしょう。

セミナー、ワークショップなどを見ていても、問題はワクワクの種類であって、お金や名誉にワクワクして集まる場と、自分の欲ではなく、地域や世の中の為に費やそうとしている人達が集まったワクワクの場とは、全く違う雰囲気になります。

ここでもよく取り上げさせて頂く伊那食品工業さんでは、3万坪にも及ぶ広大な敷地を社員さん達が自主的に毎日掃除をしておられるのですが、先日参加した百年塾の際、塚越専務は、自分達が楽しんでいると、イイ人が集まって来て、そんな事も自然にできる様になってくると仰っていました。

自社とそこで働く自分が、そこで行なう事が世の中と繋がっている事が分かり、それにワクワクすれば、その様な凄い循環が起こるのでしょうね。

京都駅西部エリアは、今後、大資本や、デベロッパーのプロ達が入ってくる中で、ワクワク感は広がっていくのですが、世界の中の京都、日本の本当の強みを世界に向けていく源ともなる京都のワクワク感のあり方は、よく考えていかなくてはなりません。

お金や、資本投下型の開発でのワクワク感、そしてそれに群がる人が集まる開発は、京都で行なうべきではないと思います。

そういう意味でもKYOCA、そしてそこで行なわれるイベント、ワークショップなどは、どんなワクワク感が集まり、発信していけるのか?あの地域や京都に取っても、大きなポイントになると思っています。

明日は、3・11後に、大量消費型の現代に危機感を感じ、食べ物、エネルギー、仕事を自給する、持続可能な暮らしを目指し、”狩猟女子”と呼ばれる畠山千春さんをお迎えしてのワークショップ、明後日は、おもてなし経営の5回シリーズ「知恵の場」の3回目で、ヨリタ歯科クリニックの寄田先生の講演があり、それぞれ満員です。

それぞれ集まる人のタイプや活動領域も違いますが、共通する事は、他を思いやる未来へ向けてワクワクする人という事でしょうか?

梅小路公園、水族館、京都鉄道博物館、そして、和食の源とも言える京都市中央卸売市場、そんな施設が集積するエリアで、位置的にもその真ん中となるKYOCAには、そんなワクワクを集めていきたいと思います。