2015年11月21日土曜日

ノイズがあるかどうか?

今週は柄にもなく、Itzhak Perlman(イツァーク・バールマン)氏のヴァイオリンコンサートに行っておりました。

ヴァイオリン界の巨匠、クラシック音楽界のスーパースターと言われる存在の方の演奏など、なかなか得られない機会ですから、食事も終わった後のクラシックで、気持ちよくなって寝てしまうのでは?と危惧しておりましたが、しっかりと二時間堪能させて頂きました。

ヴァイオリンの事も全く分かりませんが、どんな世界でも、最高峰の技術というものは、滑らかで、しかし、色々な卓越した技術の上に成り立っているので、単にスムーズだけではなく、メリハリが利いた感じがするのですが、氏の演奏もそんな感じがしました。

ITバブル直前の15、6年前、注目されたIT企業に関わっていた事があります。
天才肌のその創業者は元々ヴァイオリンの勉強でNYに渡り、その後、コンピューターの世界に転身して起業したのですが、ある時、何故、音楽の世界からコンピューターだったんですか?と聞いた時の答えが凄く印象的でした。
それは、素晴らしい音楽は、綺麗な旋律でかかれているが、そうでないものはノイズが乗っている、
それが、ある時コンピューターのプログラムも同じで、綺麗なプログラムとノイズが乗っているプログラムがある事に気づいて、コンピューターに興味を持ち、そちらを仕事に選んだという話だったのです。

どちらも門外漢の私には分からない話ですが、一流の仕事は、そんなノイズが入っていない共通項があるのだという事に、興味を持ったのでした。

会計不祥事を起こした東芝に対する追徴金が過去最高額となり、その額は70億とも80億とも言われています。
凄い額ですが、損失先送りによる利益修正額は2248億との事で、それとの比較で言うと少なくも感じます。

こういう会計不祥事が起こるといつも、銀行や監査はどうして分からなかったのだろうと思います。

我々などとは桁がいくつ違うの?というレベルの会社ですから、複雑ではあると思うのですが、基本は同じであり、貸借対照表はバランスシートと言われる様に、全ての取引(やり取り)が借方と貸方をバランスさせているので、不正があると、必ずどこかに歪が出る筈だと思うのです。
我々レベルの小さな額で、単純な会計ではないにしろ、見る側も、レベルの高いプロ達が見ているわけですから、そんな歪、音楽で言えばノイズを何となく感じると思うのですが。

倒産危機の際、貸し渋り貸しはがしと言われた頃の銀行と、怒鳴り合い?の交渉もしていた際、ある一言で、形勢が変わった瞬間がありました。

それは、不良債権で身動きが取れなくなっていた銀行に対して、”現状、うちは赤字でボロボロかもしれないが、既にマイナスの処理はして変な不良債権は無いので、バランスシートの綺麗さだけはあなた方に言われる筋合いは無い!”、という言葉でした。

我ながら、よくも偉そうに言ったものだと思いますが、必死にやっていれば、そんなものだと思います。

綺麗な旋律、ノイズの無い旋律を奏でていく事を追求していけば、目や耳の肥えた方には分かると思いますし、規模の大小や、表面の豪華さなどで評価するのではなく、ノイズがあるかどうか?で見ていけないものでしょうか?



0 件のコメント:

コメントを投稿