2015年11月29日日曜日

一人一人に向き合う社会に

今年4月に育休明けで復職した女性スタッフが退職する事になりました。

保育所に送ってからの出社、お迎えに行く為の夕方までの勤務だったのですが、それこそ、女性の活躍を広げていく為の企画、そのモデルともなりながら道を切り拓いていこうとしておりましたので、
きっちり区切れる仕事でもなく、どうしても家族にしわ寄せがいく事もあった様で、一旦、家庭に戻りたいとの事でした。

新卒で入社して来た際は既にシングルマザーだと驚かされたのですが、働く環境の総合商社としては、女性の活躍という問題は最優先事項でしたので、一緒に経験していこうと、その後の再婚、出産、育休、そして復職して子育てしながらの仕事を作っていこうとしていただけに残念です。

女性の問題と言っても、各家庭での背景、状況、会社の規模を含めた環境などで全く違うので、
制度や法律だけでは決して解決していける問題ではなく、当たり前ですが、一人一人の事情に合わせて考えていかないといけないですし、それだけ向き合えるか?又、周りも、そんな個別事情を理解、協力できるか?そんな風土を作れたとしても、カバーできる人や仕組や特に中小企業などは、余裕があるか?など、会社の根本的な問題にも直結した話にもなります。

これは女性の働き方という話だけではなく、障がい者雇用についても同様ですが、もっと言えば、働く人全般に向けても、抜本的に変えないと、これまでの働き方、仕事や会社と個人の関係では、課題先進国から脱却できないでしょう。

そんな状況にも関わらず、就職活動の解禁時期が二転三転していますが、この就職活動の問題も、産学ともども、”人”の事をもっと考えていかなくてはならないと思います。

今月、来年の新卒者を決めました。
私がウエダ本社に関わって初めて高卒採用をしたのですが、通常?の採用には大きな疑問を感じました。

それは、高卒は基本的に一度の面接で決めなければならないという事なのですが、いくら終身雇用が崩れたとは言え、その人や、その後に生まれるかも知れない家族の人生までもが掛かる就職を、たった一度の面接で決めるなんて、人を何だと思ってるのだと憤りさえ感じました。
まして、昨今は、大学生も含めて、面接であまり個人的な環境、状況の質問をしてはいけないという風潮ですが、何の為に面接をするのか?そもそもが間違っていると思います。

企業は人を、自分達の目的を達成する為の道具?とまでは言わないまでも、ソフトか機械と同様にツールとして考え、その企業の基準に合せて選ぶ事になり、学生側も企業の考え方などは関係なく、条件や規模などで選ぶのですが、お互いがそんな考えで選んで、その後、色々な事が起こってくる人生において、うまくいくとは思えません。

個人的な環境や背景などを聞いてはいけないなどと言っている事自体が、”人”を見ずに、表面上の事で判断したり、差別的な事も含んでいる様に思えますが、我々はそんな事で合否を決める事はありません。

そんな事より、その”人”に責任を持とうとしたり、会社と本当に合うのか?を考えると、家庭環境なども含めてトコトン話込まないと責任など持てる筈がありません。

休学の経歴もあった一人の学生にも何度も足を運んでもらい、トコトン状況も聞きました。

履歴書だけではマイナス情報が、トコトン聞くと、それを克服して来たプラス情報にもなり、結果内定を出しましたが、大卒も含めて三名の内定を出した中、この学生だけは手書きでお礼の手紙を出して来ました。

我々の様な、モノも技術も持たない会社の社員には、どんな事が必要なのでしょう?

2015年11月21日土曜日

ノイズがあるかどうか?

今週は柄にもなく、Itzhak Perlman(イツァーク・バールマン)氏のヴァイオリンコンサートに行っておりました。

ヴァイオリン界の巨匠、クラシック音楽界のスーパースターと言われる存在の方の演奏など、なかなか得られない機会ですから、食事も終わった後のクラシックで、気持ちよくなって寝てしまうのでは?と危惧しておりましたが、しっかりと二時間堪能させて頂きました。

ヴァイオリンの事も全く分かりませんが、どんな世界でも、最高峰の技術というものは、滑らかで、しかし、色々な卓越した技術の上に成り立っているので、単にスムーズだけではなく、メリハリが利いた感じがするのですが、氏の演奏もそんな感じがしました。

ITバブル直前の15、6年前、注目されたIT企業に関わっていた事があります。
天才肌のその創業者は元々ヴァイオリンの勉強でNYに渡り、その後、コンピューターの世界に転身して起業したのですが、ある時、何故、音楽の世界からコンピューターだったんですか?と聞いた時の答えが凄く印象的でした。
それは、素晴らしい音楽は、綺麗な旋律でかかれているが、そうでないものはノイズが乗っている、
それが、ある時コンピューターのプログラムも同じで、綺麗なプログラムとノイズが乗っているプログラムがある事に気づいて、コンピューターに興味を持ち、そちらを仕事に選んだという話だったのです。

どちらも門外漢の私には分からない話ですが、一流の仕事は、そんなノイズが入っていない共通項があるのだという事に、興味を持ったのでした。

会計不祥事を起こした東芝に対する追徴金が過去最高額となり、その額は70億とも80億とも言われています。
凄い額ですが、損失先送りによる利益修正額は2248億との事で、それとの比較で言うと少なくも感じます。

こういう会計不祥事が起こるといつも、銀行や監査はどうして分からなかったのだろうと思います。

我々などとは桁がいくつ違うの?というレベルの会社ですから、複雑ではあると思うのですが、基本は同じであり、貸借対照表はバランスシートと言われる様に、全ての取引(やり取り)が借方と貸方をバランスさせているので、不正があると、必ずどこかに歪が出る筈だと思うのです。
我々レベルの小さな額で、単純な会計ではないにしろ、見る側も、レベルの高いプロ達が見ているわけですから、そんな歪、音楽で言えばノイズを何となく感じると思うのですが。

倒産危機の際、貸し渋り貸しはがしと言われた頃の銀行と、怒鳴り合い?の交渉もしていた際、ある一言で、形勢が変わった瞬間がありました。

それは、不良債権で身動きが取れなくなっていた銀行に対して、”現状、うちは赤字でボロボロかもしれないが、既にマイナスの処理はして変な不良債権は無いので、バランスシートの綺麗さだけはあなた方に言われる筋合いは無い!”、という言葉でした。

我ながら、よくも偉そうに言ったものだと思いますが、必死にやっていれば、そんなものだと思います。

綺麗な旋律、ノイズの無い旋律を奏でていく事を追求していけば、目や耳の肥えた方には分かると思いますし、規模の大小や、表面の豪華さなどで評価するのではなく、ノイズがあるかどうか?で見ていけないものでしょうか?



2015年11月15日日曜日

時間が無い!のではない

今日、6月から勉強に行っているプロパティーマネジメントの第一弾の試験が終わりました。
昨夜は、いつ以来でしょうか、勉強でほぼ徹夜状態でした。

平日は従来の動きに加えて、今期から営業本部長としての営業同行、土日はKYOCAのイベントや他の会合などで埋まっており、勉強についていけないながら、リカバリーできる時間がなく、又、試験とその講座である昨日、今日と、KYOCAでは自分が出演する筈であったものも含めて大きなイベントが重なっており、これは継続するのは無理か、と正直、脱落しかけていました。

サポートに入っておられる有資格者の方に、半分泣き言の様な相談をした所、逆に、ここで止める方が勿体ないとご説明頂き、イベントについては主催の方や、KYIOCA担当者にも話して、勉強の方を優先させてもらう事にしました。

KYOCAの方も、スタート時には鍵の開け閉めから、会場準備なども行っていたものが、今では、私の知らない間でも、全て担当者と、コラボしているオープンガーデン社で回してくれており、当初から見れば本当に有り難い状況です。

その間、色々な方に、わざわざKYOCAにイベントを持ち込んで来て頂き、本当に多くの方に助けて頂いていると思います。

昨日は尊敬するアミタホールディングスの熊野会長が、想いを込めて展開しておられる信頼資本財団の年に一度のイベント”信頼デイ”もKYOAで開催されていましたが、正にKYOCAも信頼で人が集まり、価値を生み出していると思います。

そんな事が大きな価値になるのだ!と、感覚だけで言うのではなく、私自身、皆の協力も得ながらしっかり勉強して、理論でも語れる様にしていきたいと思います。

先日、CoCo壱番屋創業者の宗次徳二氏の講演を聞きました。
ご夫婦で喫茶店から始められたCoCo壱は今や世界で1400店舗以上あるそうですが、驚くのは、それだけでなく、今まで全店で一度も、値引きやセット販売などは行った事がないそうです。

お客さんからも、フランチャイズ先からもどれだけ要望が来たか分からないとの事ですが、社長時代も店の洗い場に立ち、お客さんが食べられた後のお皿を見ていると、値下げしないと駄目なのかどうかも手に取る様に分るとの事でした。

そんな宗次さんは、1日15時間、年間4500時間仕事と仕事漬け、経営者など努力さえすれば誰でも成功できると仰っていました。

時間が無いなどと言っていて、やりかけた事も脱落しかかっている様では、そりゃうまくいかないと思います。

今期は、私自身も、任していく所、率先垂範していく所、それに合せた時間の使い方を考えていきたいと思います。

でも実年齢を考えて、徹夜状態は避けたいと思います。

2015年11月8日日曜日

ウエダ本社もイノベーターとして

今週は社会イノベーター公志園の結晶大会への参加、aeru gojo 店のオープニングレセプション、ウエダ本社で、こどもみらい探求社さんとのコラボイベントと、”ソーシャルイノベーター”達と、どっぷりと過ごした一週間でした。

公志園については、何度も書いていますので、説明は省きますが、今年は実行委員として、最初と中間段階も見ていましたので、素晴らしい想いと人間性を持ったイノベーターが、巨大企業の経営者、行政、シンクタンクなどの錚々たる方々に、愛ある叱咤激励を受けながら、半年間で、全くステージが変わるほどの成長をして行く姿を間近で見て、自分自身、奮い立つものがありました。

”何でそんなに言われないといけないんだ”

”自分が一番この事に詳しくて想いも持って考えているのに、何もやっていないあなた方に言われる筋合いなんて無い”

そんな事を思ったイノベーターもおられた筈ですし、私があの立場でもきっとそう思ったに違いないと思います。

しかし、ふと冷静に見れば、本当に忙しい、世間的には凄い立場の方々が、少ない休みをこの伴走に割いてまでの意見であり、それだけの言わば同志に対しても、伝わらない表現であれば、単なる傍観者や、ましてや抵抗勢力を動かすパワー、巻き込みなどできるわけがなく、それであれば、幾ら正論を言い、想いだけ持っていても、世の中の課題を動かし、解決に向かわせる事などできないのです。

そういう意味で、イノベーター公志園は本気で、大きな壁に向かい、その壁を動かしていけるリーダーを養成しようとしているのだと思いますし、そこがまた、協力している側も、刺激も得ながら、楽しんでるのだと思います。

金曜日は、二店舗目となるaeru gojoのオープニングレセプションに出席、とても店舗とは思えない畳の間で、門川市長、京信の榊田専務をゲストに迎えて、車座になってのディスカッションという、矢島さんの巻き込み力を見せつけるレセプションでしたが、それこそ、公志園にも出場していた矢島さんの伴走者を務めておられた日本GEキャピタルの安渕社長もわざわざ駆けつけて来られていました。


土曜日は、ウエダ本社で、”かぞく保育園”というイベントを開催しました。
これも、小笠原舞さん、小竹めぐみさんというそれぞれでも活動しながら、二人では、こども未来探求社という会社も設立して活動しているイノベーターですが、ウエダとしても、女性の働き方、特に、子供を持ちながら働ける企業の風土作りを一緒に研究していこうとしてのものです。
既に京都でも大注目されている矢島さんは、レセプション時でも、全ての京都での切欠は京都流議定書が作ってくれた、と言って頂いていたり、関東では既に活躍している小笠原さん、小竹さんも、関西にウエイトをかけようとして、その足掛かりをウエダ本社と組んで進めようとしてくれていたり、
本当に有り難い事ですし、そんな有望な人達、そして有益な活動の少しでも支援になっているのは、役に立っていて嬉しいのですが、そろそろウエダ本社としても、自らが大きな壁に向かって、その壁を打ち破って行くイノベーターとなっていきたいと思います。

2015年11月1日日曜日

宮古島で改めて

今週は、宮古島に勉強会で行っておりました。

ゲストスピーカーはカルビ―の松本会長。

松本会長には、昨年度、例会担当をしていた京都経済同友会でもお話頂いたのですが、今回は少人数で、しかもホテルに半日こもっての講演でしたので、お腹にズシリと来るお話でした。

初っ端から、「私はゴルフも40数年やっていっこうにうまくならないし何の取柄もないが、唯一才能があったのが経営で、儲ける事だ」という、強烈なパンチからスタートしました。
整理して来いと送り込まれた伊藤忠子会社を黒字会社に転換、45歳で退職した際には、23社からオファーがあり、その内のジョンソン&ジョンソンの日本支社長として、経常利益率を15%から52%!!にまで上げて定年退職、その後、カルビーの会長に就任されて創業家念願の上場を達成、その後も上場時の株価の10倍前後まで押し上げたというイントロの紹介で、出席していた経営者の皆さんも、気のせいか背筋が伸びて聞いておられました(笑)

会社の経営は易しく考えろ! 
世の為人の為にやる事と、儲けろ、という事だ。
経営とは、シンプルに全てのステークホルダーを喜ばせる事である。

うまくいく経営の要素は、ビジョン、プラン、リーダーシップの三つである。

リーダーとは、組織を率いて、継続して、成果を出し、結果に対して責任を取れる人であり、必要なものは、①圧倒的な実績②なるほどと思わせる理論③この人について行きたいと思わせる人徳である。

こんな調子で、経営とは?から、経営者の在り方、組織での展開、仕組化、仕事とは?や、我々の最大テーマでもある働き方、そしてダイバーシティ―についてなどなど、具体的施策まで全体構成を分かり易くご説明頂き、自分自身と自社にとって、足らない所もよく分りましたが、出るのはため息ばかりでした。

そんな話が繰り広げられているホテルの外は、東洋一とも言われる与那覇前ビーチが広がり、海水の透明度も、今まで見た中でも随一のものでした。


宮古島には山が一つも無く、川も無いので、海に陸から汚れた物が流れ込む事が無いから、海の綺麗さが守られているとの事でした。

経営においても、色々な事を考えているつもりが、わざわざ異物を混入して、かえって清流を汚してしまっているのかもしれません。

我々もミッションステートメントは、検証してみても、結構いい線いっている様に思うのですが、その後をシンプルに決めた事に忠実に、私自身が改めて”儲ける”という事に拘ってリーダーシップを磨いていきたいと思います。

そして儲かった時にはゆっくりと、皆で休暇で、この海を楽しみたいものです。