2015年4月26日日曜日

牛にひかれて善光寺に来たら、

今週は、東京、長野と出張して来ました。

金曜日に長野県の高山村で行なわれたトップフォーラムに合わせて、その前日には東京でアポを取り、翌日の土曜日は、善光寺界隈の町おこし、リノベの動きを案内して頂くという三日間でした。

東京では、以前からやりたかった展開を、ある有力な所が進めている事を知り、自分の狙い所が間違っていなかったと確信する反面、一気にできない資金、能力不足を感じると同時に、京都にばかり居て、発想が小さくなっている自分にハッとしました。

トップフォーラムでは、山里の原風景を次代に継承すると熱い想いで取り組まれる高山村の久保田村長と、日本初の搾乳機を製造し、世界トップシェアを4製品も持つオリオン機械の太田社長の講演でしたが、差別のない信頼の経営、一級の社会人と一級の製品作り、全員経営と衆知の結集を経営理念に掲げておられる太田社長の人格の素晴らしさ、社員を大事にされる企業姿勢に、こちらでは、まだまだ想いの足りなさを感じました。

翌日は、以前、スタディーツアーのご一行でKYOCAに来られていた、アドイシグロの石黒社長に、善光寺界隈でのリノべ、町おこしの見学ツアーをビッシリと組んで頂き、根を張った取り組みの数々を見学させて頂きました。

折角長野に行くので、善光寺界隈のリノベ物件を教えて頂いて、見て回ろうと思っただけなのですが、折しも、善光寺さんは七年に一度の御開帳でしかも大法要という日に当たり、大混雑の中、皆さんのスケジュールも確認頂いて、色々な方ともお引き合わせ頂くという、至れり尽くせりのコーディネートをして頂きました。

石黒さんとは、一度しかお会いしていないというか、KYOCAをご案内しただけで、お話もしていないくらいなのですが、ご縁を頂いたのは、リノベについて、私がアドバイスも頂いている大島さんや吉原さんという事もあり、やはりリノベについての価値観が合うのか、石黒さんからご紹介を受ける方々の展開も大変しっくりと来ました。

やはり、町でもビルでも空き家でも、それを生かしていこうとする際、デザインやお金も大事なのですが、それよりも、それをどの様にしたいかの想いが合っている事が最も重要だと改めて感じました。

善光寺さんの御開帳時期に、こんな方々に会えて、活動も見せて頂く事ができるなんて、正に、”自分の意思からではなく他人に誘われて良い方向に導かれる”という意味の故事、「牛にひかれて善光寺参り」そのものでした。

トップフォーラムでは、メンバーの凄い方々から聞くお話が又、大変勉強になるのですが、今回も沖縄教育出版の川畑会長から言って頂いた言葉が響きました。

人事を尽くして天命を待つというが、そうではなくて、天命に従って人事を尽くすのだと。

最近、”岡村さんもそんな感じになってきたのじゃない?”と心強い言葉を頂きました。

牛にひかれて?善光寺さんに来たらご開帳だった、

それは自分の天命を知り、頂いたご縁を大事にして、人事を尽くしなさいという事なのかもしれません。

2015年4月19日日曜日

aeru gojo と女性の働き方研究所

今週月曜日の朝礼には、和えるhttp://a-eru.co.jp/の飯田さんも参加されました。

実は aeru meguro に続いての二店目が京都に aeru gojo として今秋オープンする予定ですが、その準備室が四月からウエダ本社内に置かれています。

ウエダ本社としては、イベントスペースなどに使っていた北ビル3階 http://www.ueda-h.co.jp/rentalspace.html を 女性の働き方研究所として、働く女性を集めていこうとしており、aeruの人材募集や広報などに向けて、コラボして一緒にイベントを開催していきます。

北ビル3階は北山杉を使ったミーティングスペースや、北山ヒノキを敷き詰めたフロアもあり、そこで、お子さんを遊ばせながら、お母さんが横で仕事するという姿を想像しています。

”そんな小さい子は連れて行かない”、”そんなのお母さん自体が仕事できない”というのが正論だと思うのですが、それでも、子供を連れて行って働ける環境というものを広げていく事が必要だと思いますし、子供が平気で出入りするオフィスビルというものも普通にしていきたいのです。

丁度この日から、産休、育休を取得していた女子社員が、1年7か月ぶりに復帰し、働く環境の総合商社と銘打っているウエダ本社としても、働く女性の支援、どの様に関わっていくべきか?を研究していきます。

今年6年目となるこの社員は、私がウエダ本社に来てから、リクルート活動をして、初めて新卒採用した総合職の社員で、当初は一人しか採用するつもりがなかったのが、結果三人の採用、しかも二人が女性という内の一人でした。

その場をパッと明るくでき、気に入られる独特のキャラクターなので、それだけのブランクもなかったかの様に、お客さんからは復帰を大歓迎して頂いている様です。

うちの会社には、他にも保育園に預けながら時短で勤務している社員もいますが、この新卒から入社し、結婚、出産、育休、育児しながらのキャリア形成という一連の流れを、我々としても一緒に経験し、どんな事が起こるのか、制度だけではなくどんな組織、風土、関係性が必要なのかを体感していきたいと思っています。

我々の様な中小企業は、一人一人の人生と直結しているので、社員達はそこまで思ってないかもしれませんが、こちらが勝手に、感慨深かったり、責任感じたりしてます。

普段から社員や学生などにも、何の為に生きるのか?そして何の為に働くのか?という事や、今、生きている事や、皆が凄い確率で生まれ、同じ時代に一緒に活動する会社で行なう仕事であるからこその使命、という様な、くさーい話をよくします(笑)

そういう意味でも、多大な時間をかけて、沢山あった応募の中から初めて新入社員として採用した3人が、5年という歳月で、それぞれの人生で大きな転換期を迎えていくのですから、うまく成長してくれて良かったという思いや、家族が増えての責任も感じ、これからも一緒に経験していきたいと思うのです。

この年の新卒でウエダ本社を受けて、不採用になりながら、その後、再びウエダ本社を受け、中途入社してくれている社員も新婚で頑張ってくれています。

そんな縁が集まり、それぞれ、そして、その家族の人生の大きなウエイトを占めるのが仕事であり、そこで活動するのが会社であり、職場なのです。

それが、単に収益を上げる為の企業(組織)であり、報酬だけの関係で繋がり、競争に勝っていく為に、弱い立場の人や、ある一面において効率が悪い人が冷遇され、働く側も、生活の為だけに働き、働く事が悪い事の様な風潮、それら全てを変えていきたいというのが、ウエダ本社として、目指しているところです。

と、偉そうな事を言ってますが、その為には、自社がその姿を実現しないといけないので、綺麗ごとではなく、自分達が体験して、進めていこうとしている段階です。

そんな企業、職場、働き方を目指そうという企業や人は、是非、何らかの形で一緒にやりませんか?

ウエダ本社自身が大企業になりたいとは思いませんが、沢山の人と沢山の企業が集まる会社(存在)にはなりたいなあと、最近、改めて考えています。



2015年4月12日日曜日

変わらない為に変わる

日経平均株価が15年ぶりに2万円を超えました。

マスコミなどの取り上げ方や、その中でインタビューを受ける人達の様子を見ていると、バブルに向かっていった時と同じ様な感じがするのが気がかりです。

景気は良い方がいいのですが、地方創生という大盤振る舞いの使い方にも、当初から危惧していた従来型のバラマキ的な感じも受けます。

人間というものは、本当に喉元過ぎれば、で、又、同じ様な事を繰り返すのでしょうか?

景気というのは、正に、実体経済に世間一般の”気分”を加えたものという様なものですから、皆の”気”を良くしないといけません。

その意味において、アベノミクスでの点火はいいのですが、折角、若者を中心に、お金ではない価値を生み出しかけている中、射幸心を煽る様なものになっていないか?気になります。

田坂広志さんは、世の中は螺旋階段の様に発展すると仰っていますが、一見、元の位置に戻っている様に見えるが、それは上の段に昇っていて発展しているという事なので、その様である事を祈りたいものです。

2000年と言えば丁度、私がウエダ本社に関わる事になった時期です。

当時は、貸し渋り、貸はがしと言われていましたが、現在は、金余りで銀行は貸し出す先がなく困っています。

ネットバブルと言われたIT業界では15年の間に、栄枯盛衰というものをまざまざと見せらつけれ、3世代くらいの入れ替わりがあったのではないかと思うほどです。

15年という歳月は、全く違う世の中になっていると思いますが、政治手法は、それだけの変化に対応しているのでしょうか?

”変わらない為に変わる”というのが生命の本質なのだそうです。

反対に変えようとしていて変わらないというのが最悪ですが、日本の政治の事を言っている場合ではなく、自社の事も心配になりました。

今日は統一地方選の投票日です。

変わらない為に変わる選挙にしたいものです。

2015年4月5日日曜日

ハワイの不動産王と日本の稀代の経営者

今週も芸能界の方も含めて、本当に幅広い、色々な人と会いました。

その中でも印象的だったのは、ハワイの不動産王と言われ、サンフランシスコジャイアンツの共同オーナーでもあるDUANE氏のスケジュールをコーディネートをさせて頂いた事でしょうか。

HAPAというハワイのVIPの方々が日本に来られる際のアテンド役を務めておられる、Very 50代表の菅谷さんから、DUANE氏が観光で回られる一団と別に、京都で面白い活動をしている人と会いたがっておられるとの事で、KYOCAの案内を頼まれたのです。

その上で、沢山の方にも会いたいとの事でしたので、丁度その日に私も出席する事になっていたクオリア朝食会に参加して頂く事にしました。

その日は、我らが御大、堀場最高顧問も久しぶりに出席との事で、メンバーの参加率も高く、様々な経営者と一挙にお会い頂けるという事と、何よりも日本の稀代の経営者である堀場最高顧問に直接会って頂くというのは、なかなか貴重な機会だと思ったからです。

DUANE氏は、一代で20社程の企業集団に仕立て上げながら、自分が成功したなどとは思った事がなく、まだまだと好奇心を持ち続けておられる一方で、日系人三世という背景から、日本の為に、ハワイとの間でご自分がブリッジをかける事ができたら、との強い思いを持っておられるのですが、それなどは正に、堀場最高顧問から、経営者たるものは、恵まれた存在なのだから、自分の事業だけ考えるなどという事では駄目で、社会の為、世の中の為にその役割を果たさないといけないと教えられている事と、全く符合した話でした。

KYOCAもじっくり不動産王の目でご覧頂いた後、京都の伝統産業を海外発信する、GO ON プロジェクトの仕掛け人である各務さんと会われ、その後、KYOCAのテナントで、日本の耕作放棄地を無くす事に取り組むマイファームの西辻さんに会って頂くというスケジュールで、またまた、幅広く好奇心と事業意欲をこの一日で発揮されたことと思います。


ここ最近、入院されたり、体調を崩しておられた90歳の堀場最高顧問は、話始めは、話づらそうな感じでしたが、段々熱を帯び、最後の方は全く従来の声量で、

・難しい事を言うのが哲学の様に言われるが、日々の中に哲学はあるのであって、シンプルなものが哲学である。

・先生も同じく、難しい事を簡単に誰にでも分る様に説明できるのが優秀であるという話から、湯川秀樹教授の授業が分り難いとボイコットした話まで披露されていました。

又、東大以外の帝国大学の成り立ちは、地域の産業と共に、各地に合わせた発展に向けての研究を行う事であるので、産学連携などと唱える事自体がそもそもおかしく、京大と京都企業が地域の為に共同研究を行うのは当たり前の事である。

などなど、堀場節炸裂でした(笑)

このお二方を見て、これだけ成功されても、まだまだ好奇心が人一倍強く、想い、信念が強いからか、生命力の強さを感じます。

自分の欲、特に、物欲や名誉欲では、高齢になり、病気になった段階で目的を失い、あの強烈さを継続する事はできないと思います。

そう考えると、やはり、何の為に生きるのか?何の為に企業経営を行うのか?という目的が見えてくると思います。

経営者たる者は、その与えられた役割から、社会の為、世の中の為に身を投じる、と発想していくと、ゴールの見え方が変わり、生命力も違ってくるのだと思います。

90歳としても、私にもまだ40年もあります。 

まだ、勝負時はこれからですね。