2014年5月24日土曜日

貴方(貴女)の資産は何ですか?

今、鳥取からの帰りです。

窓からは緑豊かな山々と、綺麗な川、田んぼが見えます。

昨日の勉強会は、鳥取県智頭町。

と言っても殆どの方は知らないと思います。

勿論私も知りませんでしたし、参加されている鳥取県の社長さん達も初めて来たと仰っているのですから、当然だと思います。

しかしその智頭町、森林が93%を占め、林業で栄えた町は典型的に疲弊していたのですが、今の寺谷町長が、その森林や原風景を資産と捉え、今では年間五万人もの観光客が訪れる町に変貌させたという、凄い町でした。

又、寺谷町長は観光庁から、「日本の原風景に磨きをかけ、過疎地を観光地に変えたカリスマ」と、観光カリスマとして認定されているのです。

人口9000人程の町だからできたというレベルではない、発想力、行動力、そして住民を巻き込んでいく力を、約一時間程のお話の中でも強く感じる事ができました。
そして驚くのは、それだけ強烈なリーダーシップをお持ちでありながら、傾聴力なのか、好奇心なのか?皆さんの話を聞きたがられるのです。

このバランス感覚は大変勉強になったと共に、今、KYOCAとその地域開発の課題に関わる私は、大変勇気付けられました。

京都の様な、恵まれすぎた中で、なんだかんだとマイナスな事ばかり聞いたり、考えたりする事が馬鹿馬鹿しく思えました。

KYOCAの場合、自分のお金で自分の責任でやっているのではなく、信用して京果さんがお金を出して頂いているので、その責任と、お金儲けという観点だけで考える人から色々な話が入るであろう中、長期的な価値創造をどの様に理解して頂ける様にできるのか?で悩むのですが、智頭町長の展開を目の当たりにし、大変スッキリしたのです。

しかし、いつもタイミングというか、色々やっていると、全く関係なく行なっている事が見事に繋がるもので、何か、計算できない力を感じます。

今日は、観光には参加せず、ホテルで内省の時間持ち、何も無い?鳥取駅周辺をうろついていました。

最近は、何も無かったり、寂しかったりする町並みを、見たり、感じたり、そんな光景と感覚をインプットしておくのも、大事な仕事です。

何も無いという事は、ある尺度から見ただけであって、反対から見たり、何かを付け加えると、大変な価値を持ったりするものです。

会社でも自分の仕事でも、個人の能力でも、それぞれ、違う角度から棚卸しをすべきですね。

うちの会社でも、皆に改めて問いたいですね。

ウエダ本社の強み、どこにも負けないものは無いのでしょうか?

皆は、他の人と同じですか?

皆の資産は何でしょう?







2014年5月17日土曜日

繋いでいく"縁"

今週も怒涛の様な一週間でしたが、KYOCAの営業、大学での授業、遠方からの来客などバラエティーに富んだ出会いがありました。

そんな中、以前から話は聞いていた日新堂印刷の阿部社長を、鎌倉投信の新井さんがお連れ頂くのですから、なんと贅沢な事でしょう!というご縁を頂きました。

日新堂印刷 http://www.nissindou.co.jp/さんは、アフリカザンビアを中心にバナナの茎から作る名刺を中心に展開されているのですが、想い、必要性を追いかけていって、しっかりビジネスで発展していっておられる、これぞソーシャルビジネスという会社さんです。

又、いい会社を増やしましょうを社是とする鎌倉投信の新井さんは、良い会社を増やす為に、投機ではない、良い想いのお金を集めて投資をされている、言わば良い想いという資産のファンドマネージャーです。

そう考えると、人を繋ぐという事も、良い想いのファンドマネージャーの仕事なのかも知れません。

今週もマガジンハウスのWEBマガジンcoLocal http://colocal.jp/topics/think-japan/tsukuru/20140513_32759.html で記事を載せて頂いていますが、正に人が繋がる場と、それを繋げる人、そして素晴らしい想いのプレーヤーが集まるとインパクト持つようになるのです。

新井さんとも実は二度程しかお会いしてませんし、じっくり仕事の話などお話した事はありません。
でも色々な繋がりから信頼をしていて、そしてその方から紹介される阿部さんの事も、別の信頼している方々から聞いているという事であれば、最初から素で会える関係となり、これってお金では作れない、実は大変な資産(価値)なのだと思います。

普段、社内であれ、プロジェクトであれ、この価値や感覚をすり合わせる為にどれだけの時間と労力をかけているか?そしてそれが、効果を生んでいるのか?を考えるとよく分かります。

そして、これら繋がりのどこかで違う選択をしていたり、違う人と出逢っていたら、全く違う人生、状況になっているという事を考えると、人との関わりが如何に大事かが分かります。

私自身、群れを成して特定の人と深い付き合いをするのが少ない割に、幅広い付き合いがあって、人付き合いが好きなのか、嫌いなのか分からないと不思議がられるのですが、"人"そのものに興味があるのと、出会いや縁での"ゆらぎ"を楽しんでいるのだと思います。

今週、大変縁のある人が亡くなりました。

経済同友会で一緒の同級生の奥様ですが、サラリーマン時代からの同期で、継ぐ前提でなく京都には繋がりがなかった私にとって、先に京都の家業を引き継いでいた彼は、当時は唯一と言ってもよい京都での友人経営者であり、その奥様も前職から一緒の、よく知った人でした。

縁があるという事は、今の自分の何か、何処かを形成していると思います。
そんな縁のある方が亡くなるのは、自分を形成している細胞の一部が亡くなる様な気がします。
ご冥福をお祈りすると共に、縁が繋がって来た私自身が、また良い想いで、良い繋がりを作っていく事が、今までに繋がって来て頂いた人に報いる事にもなると思いますので、良いご縁を広げていきたいと思います。



2014年5月10日土曜日

嬉しかったことは何ですか?

今日一日で嬉しかった事は何ですか?

この問いかけに、今日は何も無かったという人も多いとの事です。

では、本当に嬉しかった事は無かった一日だったのでしょうか?

嬉しく思えなかった一日だったのではないでしょうか?

先日の鬼澤さんの講演では、こういう投げかけからスタートしました。

幸福感というのは人それぞれ違って、そう思うかどうか。

欲と煩悩に生きると、とめどないですが、無くなりはしないので、どの様に付き合っていくかがポイントで、これがどちらの世界(物質的に利己で生きるか?精神的に役割や、使命で生きるか?)に行くかの岐路なんでしょうね。

リーダーがやるべき事は、①どこへ行くか?何の為にするか?を明確にすること。
そして、②現状把握し、③そのギャップを埋める為の手段や方法を考え、選択していく、シンプルにはこれだけだというお話ですが、その通りだと思います。

先々週、このブログで「三方良しは全てに繋がる」と書いていましたが、全く同じ発想で、いつも社員に向けては、②の現状からではなく、自分の人生であれば、①で理想の姿から考えること、そして、ウエダ本社に居ると決めてそこで働いていくなら、①会社の理念、価値観を一早く、深く吸収することが重要で、常に上(①)から考えること、と話しています。

しかし、これがなかなかできなくて、②からの発想から抜けきれないのです。

やりたい事は何なのか、組織に居てやると決めたのならその組織の目的は何なのか?から考えて、
現状はどうか?又、組織の目的を①とした場合は、②に自分のやりたいことが来て、③そのギャップを埋めていくことを考えていけば、どんな組織に居ても、必ず結果は出て評価されると思うのですが、①を考えずに、①とは関係なく、組織に居ながら②の自分のやりたい事や、②自分のスタイルを変えず、ただただ真面目にやるだけだから、成果に繋がっていかないのです。
短期的には売れたり、うまくいくことはあっても、長期的にうまくいく筈がないということは当然ですよね。
目的地を考えずにドライブして、快適にスイスイ飛ばして運転できたところで、或いはいくら一所懸命コツコツと走って行っても、ゴールの反対側に進んでいては、結果はビリになったりするのです。

うちの会社では、この問いかけ、投げかけを年中行っていると言っても過言ではありません。

そして、鬼澤さんも、講演(研修)では教えないというスタイルで、モヤモヤして帰ってもらうと仰っていましたが、うちの会社でも多大な時間をかけて、手を替え品を替え皆に考えてもらっています。
こちらが一番、モヤモヤするというよりモンモンとしますが、それでも、自らが分からないと、結局は意味を成さないので、延々、馬鹿見たいに行なっています。

と言いながら自分自身も、会社のこと、プロジェクト、自分の人生などなど、この①〜③で照らし合わせると、それぞれ、どこが疎かになっているかが見えてきますね。

今日は、基本のことしか話しません。
だから何度も聞いた人も居るでしょう。
でも、何度聞いても忘れてしまっているし、分かっていたとしてもできていなければ意味がない。
冒頭にそう話しておられたのですが、正に基本の徹底で、分かる→できる、にしないといけないのですよね。

社員に言っていることが、自分にも戻って来ている感じですね。

あ、やっぱり最後は指を自分に向ける、ですか。。



2014年5月4日日曜日

喜寿を迎えて、ハイアットリージェンシーさんに学ぶ

5月1日はウエダ本社の76回目の創業記念日でした。

と言っても、何もなく過ごしていました。

以前は決算期が4月末で5月から新年度であったので、5月1日の意識も強かったのですが、現在は期の途中でもある事や、76回目ともなると、やり過ごしていたという感じでした。

ところが毎年、凄いケーキを頂くハイアットリージェンシーさんから、今年もしっかり覚えて頂いていて、お届け頂いていました。

今でこそ、ある筋では認知される様になった京都流議定書も、元はと言えば70周年の際、ハイアットさんに企画を持ち込んだ事から始まったのですが、最初の年は、創業記念日の5月1日〜3日まで行なっていた為に、うちの会社の創業記念日をずっと覚えていて頂いているのです。

しかし、その京都流議定書も今年はこちらの都合でKYOCA Food laboratory で開催する事にしたので、それを機にサービスを止めても、当然であったかと思うのですが、それをそのまま継続して頂いた事で逆にインパクトがあり、改めて流石だなあと感じました。

うまくいっている時、或いは買ってもらった時はちゃんとするが、うまくいかなくなったり、他で買われたりすると手を抜いてしまうのが普通だと思いますが、それって考えてみれば、お金やメリットを考えただけの付き合いだと言っている様なもので、パートナーという姿勢ではありません。

普段、個人的には、立場の上下の違いで態度が違う人とは付き合いたくもないと思っていますが、ウエダ本社として、全くできていないなあと、ハイアットさんの企業姿勢から学ばせて頂きました。

勿論、ビジネスですから、全てに同じ様にはできないですし、人の付き合いも、上下関係無しにフラットが良いとは思いません。

ただ結果や、自分の目的の為だけに行動するっていうのは虚しいですし、何に対しても起源や文脈というものをもっと大切にしていかなければならないと思います。

今週から77周年目という喜寿を迎えた年に入りましたが、70周年から生まれた京都流議定書の起源を大事にし、そこから生まれた人の繋がりや価値を今度はKYOCAに持ち込み、末広がりの80周年には、盛大にお祝いできる様、企業姿勢を高めていきたいと思います。