2013年11月23日土曜日

勤労、仕事、働くを考える

今週もあっという間に一週間が過ぎました。

11月23日は勤労感謝の日ですが、勤労感謝の日とは、国民が勤労を尊び、生産を祝い、互いに感謝し合う日なのだそうです。

勤労を尊び・・・互いに感謝する。。

改めて元々の意味を見てみると、"勤労"についての意識が、尊ぶどころか、嫌なもの、できればやりたくないもの、何か悪いことかの様に、対極になっている様にすら感じます。

日本の働くの語源は、傍(はた)を楽にするということが言われ、この信憑性は分かりませんが、しっくりとくる話です。

それに対して英語のbusiness(仕事) の語源は busy(忙しい) であり、フランス語の travail (働く) はラテン語の トリパーリアーレ( 拷問する) が語源なのだそうですが、これらを見ると、いつしか日本もbusinessばかりをする様になり、そこで勤める人は、拷問までいかないまでも、働く事が辛いものになってきたのかも知れません。

今週はうちのプロジェクトオフィスにも入っておられるシンクアンドアクトさんから頼まれていた、働き方をテーマにして、就活前の学生にプレゼンを行ないました。

就活がスタートすると、じっくりと"働く"という事を考える機会もないであろうから、このタイミングで、就活対策ではなく、何の為に働くのか?を考えてもらえる様にしたいと設定されたものでした。

その様に考える機会を持てるなんて大変貴重な経験ですし、参加された学生さん達に、そんな気づきがあれば、これからの就活や就職、今後の人生にとっても意味ある事だと思います。

そんな話をしている私ですが、ずっと忙しくしており、これもよく言われる様に、忙しいというのは、心を亡くすと書くので、言葉に出すのは良くないですね。
これなどは正に、心を亡くして、忙しく=busyとなっており、私自身の"働く"もbusinessになっているのかもしれません。

時間が無くとも、心を亡くさず、傍を楽にする事をしっかり見据えて、勤労を尊んでいきたいと思います。

2013年11月17日日曜日

素晴らしい"変人"

今週は又、素晴らしい"変人"にお目にかかる事ができました。

私よりも先輩で、経歴も能力も図抜けて素晴らしい初対面だった方に、こういう表現をするなんて、と思われるかもしれませんが、"変人"と言われる者からすると、これは立派な褒め言葉なのです。

MITでMBA、ハーバードで経営学博士を取得、ハーバードビジネススクール研究員、ロンドン大学ビジネススクール助教授を歴任など、華々しいご経歴で、日本の大企業のリーダー養成研修を行なってこられながら、日本にとって一番欠けているアントレプレナー精神、イノベーターを養成していかないとと、イノベーター公志園http://koshien-online.jp/というイベントを作ってこられたISLの野田さんが、ある方の紹介でお越しになったのです。

勿論、このイベントの存在も知っていましたが、海外の経営学にも精通され、大企業に向けた独自プログラムで研修、コンサルを行なっておられる野田さんが、何故社会起業家と言われる様な人達の支援を行なわれているのかは知らず、正直、ちょっとイベント的に行なっておられるだけだろうと思っていました。

それが今回、京都でイノベーター公志園を開催されるとの事でお越しになったのですが、来られるや否や、"大変でしょう?" から始まり、どうしてそんな事を展開しているのか?幼少の頃から、何がそこに向かわせる切欠だったのか?事業との繋がりは?など、私に対する質問攻めで、その後は、流石に超一流のリーダーシップ研修を構築されておられる方ですから、数十年に渡る私の稚拙な経験や考えなど、簡単に把握して頂き、又アドバイスも頂き、まるで課題のヒアリングにお越し頂いた感じでした。

何故そんな事を行なっているのか?
何にそんなに忙しいのか?、
そんなに忙しいなら、どれかの付き合いを止めればいいじゃないか?

多くの"普通"の方から受けるこれらの質問に対して、いくら説明しても、なるほど!と理解してもらえる人は本当にごく少数なのですが、私などより、幅もレベルも数段上で展開しておられる野田さんから、"この世界へようこそ!でもこの世界は、どんどん広がって行って自分の時間が取れなくなり、自分のやりたい事業とのバランスをどう保つかがポイントですよ"と、正に、ここ最近の悩みであり、なかなか相談しても分かってもらえないところをズバリ理解して頂き、それだけでも少しモヤモヤ感が晴れた気分でした。

そんなバリバリの経験とスキルをお持ちの野田さんが、支援、指導もされるこのイベントは、起業家達にとってはこれ以上ない貴重な資産であり、プレゼントであると思います。

そして、大きな夢を持って、或いは使命感から大きな課題に向かっている人達の姿を見る事は、普段、生きる事、働く事に意味を感じず過ごしている"普通の人"に、様々な気づきを与えてくれると思います。

野田さんにも光栄にも"変人"と言ってお褒め頂きましたが、その私のブログを読んで頂いている皆さんもやっぱり"変人"だと思いますので、"普通"の方々に少しでも"変人"の世界を知って頂く為に、イノベーター公志園にも参加を呼びかけていって頂きたいと思います。

"変人"というのは、変な人ではなく、変える人、変わる人です。
"普通"という意味は、広く行き渡った事であり、一般に通じる事ですから、我々の感覚が"普通"になっていけば、世の中変わっているという事ですし、その頃には違う種類の"変人"が生まれているのでしょうね。

そんな時代になっても、又、変な爺さんと言われているのでしょうか?










2013年11月9日土曜日

一流って何なのでしょう?

産地偽装から、最近は食品偽装へと移り変わっていますね。

しかも、一流ホテル、デパートという、その信用、ブランドで高く売っていた所が、信じられない嘘をついていたのですから、これは不正競争防止法違反というレベルではなく、詐欺と言ってもいいようにさえ思います。

しかし、阪急・阪神から始まり、今週辺りは、ここぞとばかりに発表をしているのは、一体なんなのでしょう?
これだけ一気に出てくる事を見ても、確信犯であり、どこで出すのが一番傷が浅いかと見計らっているとしか考えられませんが、よくある、業界では常識、という類の話であったのではないか?とも疑いたくなります。

何故、こんな事になってしまうのでしょう?

日本人の真面目すぎる、細かすぎる面が、本来、日本人には向いていない、間違った方向に向かって来て、悪いスパイラルに陥っている様に思えてなりません。

勤勉で器用な手先で、様々なものを効率化して来た日本人は、スキルやマニュアルに翻弄され、目先の効率や利益に走らされ、本来向いていない、自分さえ良ければ、という価値観に向かっていってしまった様に思います。

お天道様に恥ずかしい、或いは、意味も無くダメなものはダメ(八重さん的には、ならぬものはならぬ、ですね)という道徳的な教えの方が、本来の日本人には合っていた様に思うのですが。

一方、この問題を批判しておきながら、賞味期限の期限内でも新しい方を選んだりする自分も居ます。

消費期限を過ぎて、何か問題が起きたりすると、蜂の巣を突ついた様に、過剰に問題視して、皆で騒ぎ立てたりもしますが、ルールにはめ込み、違うと責め立てる、そんな所から又、追い込まれた人達が、数字上のみの結果求めるようになるという構図になってはいないでしょうか?

別に、偽装していた人や企業を擁護しているのではありません。

ただ、どんな問題でも、これだけ現象として出てくるのは、皆にも同じ根が有る様に思うのです。

それを批判するなら、自分自身の根本も変えていかなければならないと思います。

今週はある勉強会で、ゴム、合成樹脂材料卸の小菅さんの、素晴らしい経営哲学を学びました。

厳しい環境の中、あえて売り上げを落として、社員を輝かせる事を一番に考えられる様に転換されたお話しは、同じ勉強会でご一緒させて頂いている伊那食品さんや沖縄教育出版さんの考え方と通づるものでした。

伊那食品の塚越会長は、年輪経営、48期連続増収増益というと、成績だけの話で誤解を受けるが、周りの人からあの会社は良くなったと思ってもらえるのも成長であり、売上、利益も成長の一つに過ぎないと仰っていました。

又、沖縄教育出版の川畑会長は、我々は、最大の企業を目指すのではなく最良の企業を目指すべきだと常々仰っています。

企業を見る評価が、売上や利益、そして効率経営に繋がる指標ばかりであり、その中で企業は競争していますが、そうさせているのは何なのか?を考えるべきだと思います。

確かにTOPは悪いですが、数字だけで評価されなければ、こんな風には進まないと思います。

そして、そんな方向に進んで行く中で、こういう偽装をやる事になる、真面目に間違った方向に進む社員さんのことを考えると、虚しいですね。

一流企業、一流ホテルの一流って何なのでしょう?

何の為に一流を目指し、それに向けて一流の大学目指し、何の為に勉強してきたのでしょうか?

偽装問題のニュース見て、怒っているあなたにとっての一流って何でしょうか?

最大を追いかけて、最良どころか、最悪に向かっていってないでしょうか?

何処に向かうのか?世の中全体で、何を評価するのか?

批判している要素の中に、自分自身が変えられる事はないのか?

一人一人が、根本的なところから考えていくべきだと思います。

2013年11月3日日曜日

色々な心境が交差した歓送迎会

今週は歓送迎会がありました。

9月末の退職者を含めて送別が4人、既に入社している人を含めて歓迎が4人+来年の新卒内定者1人という、うちの会社においては、かなりの入れ替わりであり、大きなターニングポイントだと思います。

ここ最近、涙腺も弱くなっていて、送別会の度に涙している気もしますが、今回は色々な意味で最も複雑な感情が入り混じり、最後の挨拶はボロボロでした。

最初はウエダ本社に非常勤で関わり、ある事があって身を引こうと思ったのですが、その時に、自分が身を引けば確実に倒産するだろうと思った所から、ある意味、自分のやりたい事というより、どうすれば会社を守れるか、又、自ら辞めるという人は別としても、ウエダに残る、ウエダと取引をすると思ってくれる社員や、関係先をどうすれば最低限守れるか?を優先して考えてきました。

その為には、悪者になったり、嫌われたりもたくさんあると思いますが、ウエダ本社に関わってくれた人が、最終的には良かったと思ってもらえる為に展開してきました。

ここ数年で退職していった理由は次の三つに分けられます。

一つは、ウエダ本社に来て、気づきが有り、自分の方向性を見つけて、それを追いかけたいと転職をした人で、これは、折角ウエダ本社での価値観を気にいってくれながら、違う道に行かれるのは複雑な心境ですが、私の目的からすれば、嬉しい事でもありました。

二つ目は、私などよりずっと以前から、ウエダを支え、ウエダ一筋に勤めて頂いた方の定年や、それに近い方の退職で、このケースでは、最低限の責任は果たせた感はあるものの、一番支えて頂いた方に大きく報いれる所まで挽回できなかった悔しさが残ります。

そして三つ目が、条件も含めて、ウエダの価値観に合わない、ついていけないという事での退職ですが、これには色々な想いがあります。

価値観に合わないと言っても、退職した人でも、大きく合わなかったという人は殆どいません。
又、その事自体で効果を発揮していなくとも、それに関連した事があるので、その人が抜ける事によってのマイナスもあります。

それを抱えておけないというのは、ひとえに余力の無さ、収益力の低さであり、私の責任です。

その想いと、しかし、その余力を生み出して行くためにも、ウエダ本社の価値観、目標に一つになって向かっていかなくてはならず、堂々巡りになるのですが、この二年程は、そのすり合わせを強めていく中での退職で、今回は、まだ定年まで数年あるベテランも辞める事になった事が、最終的にベテランに報いる為にも行なっている事でしたので、より複雑な想いになったのです。

そういう展開でしたので、欠員補充で、頭数を埋めるという中途採用ではなく、理念、価値観に合う人しか採用しないという事で何度も見送り、ギリギリ入れ替わるタイミングで間に合いましたが、残る人には、引継ぎがしっかりできる時間が無く、負担もかけてしまっています。

しかし、11月1日付入社で、先に歓迎会を受ける形になった者、来年の内定者などは、社員と会うのも初めての場で、イキナリ、涙、涙の濃い会で驚いたと思いますが、10月から入社している者も含め全員が、こういう会社に入れて良かった、と言ってくれるのは、採用も粘った甲斐もあり、
これからの展開に期待が持てるところです。

京果会館のプロデュースなど、ウエダ本社もドンドン違う形になっていきますし、新しい働き方も自ら実践していきたいと思っていますので、卒業していったり、違う道へ行ったりする人とも、又何かで、連携できれば良いと思いますし、それこそ、そんな余力を着けていきたいと思います。