2013年9月29日日曜日

グローカルより、ユニバーカル?

消費税UPは予定通り、来年4月には8%になる様です。

景気腰折れの懸念もありますが、オリンピックの東京開催もあり、2020年に向けてはインフレに転換していく事は間違いないでしょう。

ここ最近、私はどんな問題に関しても、どちらでもなく、両方必要だという考えなのですが、この問題もインフレへ転換して良い展開と困る点があり、やはり両方の視点が必要だと思います。

景気低迷から抜ける、所謂デフレからの脱却は、カンフル剤的には必要だと思いますが、失われた20年で低迷し、漸く、今までの価値観から変わりかけていただけに、上昇気流に乗って、又忘れ去られてしまう危険も感じます。

インフレで景気を良くするという事は、あくまで物中心の考えであり、人口減少が変わらない日本では、物中心の考えでは回る筈がありません。

そこで、海外、特に人口が増えていく、アジア、南米、アフリカに出ていかなければならない、となり、グローバルで活躍できる企業、人材が求められるのは、シンプルで当たり前の話です。

しかし、折角変わりかけていた、物を追いかけて来た反省からの価値観、そこにはパラダイムが変わる要素があり、日本の強みがそこにある筈なのです。

昨日、前期報告会が行われていたグローカル人材育成事業というのは、正にどちらでもなく両方必要という素晴らしい方向性だと思います。

アメリカを追いかけ、真似して、それ自分のものにして来た日本は、欧米が作ったモノ、まず他人が作ったスタンダードに合わせる事が正しいという感覚から、脱却しなくてはなりません。

お・も・て・な・し  は、目の前の人を考えて行ないますが、決して、相手に合わせて盲目的に従属して喜んでもらうのではありません。

相手の事を思い、自分の強みを最大限に生かして、その重なる所に最高のパフォーマンスを持っていく事だと思います。

インフレをカンフル剤にしながら、一時的に潤う従来の資産で、今までと違う価値観創出にその資産を投じて、モノではない資産を築く方向に転じなければならないと思います。

その為には、グローバルというよりも、もっと大きく、地球規模、宇宙規模で考え、地域の強み、日本の強みを使って動ける人材が必要ですので、グローカルではなく、ユニバーカルの方がイイかもです。

でも、あまり良い名前ではないですね。。

2013年9月21日土曜日

Cool Kyoto な ウエダ本社です。

来月25日〜赤坂サカスで開かれるCool Kyoto http://cool-kyoto.jp/に出展します。

これは卸業として創業して来たウエダ本社としては多分初めて、自社オリジナル商品として開発した独自ブランド、"Wa office"(和オフィス) http://www.ueda-h.co.jp/waoffice/index.htmlを出すのですが、既に大変嬉しい事が起こっています。

このイベントをプロデュースされているTBSさんが、うちが唱えている事に共鳴して頂いて、TBSさんのブースで今年の顔として出て欲しいとお誘い頂いたのです。

その様に取り上げられるのは勿論嬉しいのですが、何が一番嬉しいか?と言えば、東京の中心も中心と言えるマスコミの方が、"モノ"だけで見れば、木材で作った空間や机であり、どこかの森林組合か、木製のメーカーなどと変わらないのですが、うちが唱えている、それを展開するオフィスの在り方や、オフィスに対するこれからの考え方、ひいては働き方の変革という、その見えない価値や、考え方に共鳴して下さり、正にそれが京都らしい考えで、Coolですよね?とまで言っていただき、ご理解頂いている点なのです。

ある意味、東京一極集中では持たない事、その象徴的な効率追求、売上の最大化、規模での優劣という事へのアンチテーゼで唱えている事を、東京のど真ん中の方が響いて頂いた事に、嬉しいのと共に、この方向でも理解してくれる層はあると、自信を持つ事ができました。

京都でも、いや、社内ですら、手を替え品を替え、理解してもらおうとしてもなかなか伝わらないのですが、考えてみれば、これイイ!とか、これ好き!っていう感覚は、説明するものでないですから、それを説明して分かってもらおうとするのが間違っているのでしょうね。

もう今や、モノは有り余る程、何でもある時代、それ故又、判断、選別ができなくなり、格付けや評価や、一つの物差しで優劣を付けて来たのですが、そこにも限界がきている様に思います。

今だから、そしてこれからは、感覚、感性を研ぎ澄ませていって、これイイ!これ好き!という者同士が結びつく様にしていく事が重要なんじゃないかと思います。

企業であれ、学校であれ、偏差値や規模などで選ぶのではなく、又、企業側も学生を出身校などで選ぶのではなく、ここイイ!とか、この人イイ!という感覚で結びついていくべきだと思います。

という事で、10月25日から27日には赤坂サカスに出ておりますので、ウエダ本社の感覚がイイ!とか、好き!と思えるかどうか、試しに来て下さい!

そう感じれる人や企業だけで集まって、面白く、やって行きましょう!

2013年9月15日日曜日

Peace Day

今週は、プロジェクトオフィスに入って頂いている、信頼資本財団  http://www.shinrai.or.jp/さんが主催されるソーシャルシネマダイアローグがありました。

これは社会的課題を取り上げた映画を観て語ろうという企画で、五回シリーズの二回目の今月は、ザ・デイ・アフター・ピースという、一年に一日でも、戦争や紛争を止める日を作ろうと立ち上がった男性のドキュメンタリー映画でした。

こんな素晴らしい映画が日本未公開であった事、ピースデーというものを国連で定めていた事、それを一人の思いから実現していた事、又ミーハー的にはジュード・ロウやアンジェリーナ・ジョリーという有名俳優が協力していて、ジュード・ロウに至っては、一緒にアフガニスタンにも行ってドキュメンタリー(活動)の主人公にまでなっていた事など、驚きばかりでした。

たった一日でも止められないか?という事は、逆に言えば常に世界の何処かで争いがあるという事であり、話し合いにも着かない組織、入り組んだ思惑と感情が渦巻く中、そんな事が成立できる筈がない、又一日だけやって何の意味があるのだという反応の中、有名人を動かし、国連を動かし。タリバンまでも動かしてしまっている事実がそこにありました。

この映画を観ていて、こちらも当社の南ビルに入居して頂いているテラルネッサンスhttp://www.terra-r.jp/の鬼丸さんから聞かされていた話を思い出しました。

彼も大学時代に、何故世界は平和ではないのだろうという疑問から活動を始め、我々は微力だが決して無力ではないといつも言っていますし、彼に教えられたのは、世の中の全ての問題は繋がっていて、それを解決に向かわせる第一歩は無関心を無くすという事でした。

無関心からは何も始まりません。
たった一日、一見全く意味がない様にも感じますが、0と1は全く違いますし、ふと手を止めて、少し引いて見てみると、何故戦っているのだろう?とか、相手にばかり向けていた矛先が、他に目を向ける時間を作るという事において、大変有効だと思います。

これは自分自身でも応用したい話かもしれません。。(笑)

オリンピックの東京開催が決まったこのタイミングで、この映画というのも凄い話ですが、紀元前の古代ギリシャでのオリンピックでも期間中は争いを休んでいたそうですし、近代オリンピックはそもそも世界平和を目指したものです。

それが東京開催になったという事においては、色々思うところはあるにしろ、日本人としては喜ばしい事だと思いますし、少なくとも、その事と安倍首相の発言を一緒に論議すべきではないと思います。

この話をし出すと、長くなってしまうので、ここでは止めておきますが、"完全にコントロールしている"発言も、もう言っちゃったのですから、その様にやってもらうしかないのと、批判もたくさんあるでしょうが、オリンピックですから、皆が、自分ごととして成功させ、あの発言も結果オーライで嘘にはならなかった、としなくてはいけないと思います。

しかし、うちの会社には、信頼資本財団さん、テラルネッサンスが入って頂いていて、この催しには、アミタホーディングスの熊野会長、放送作家の谷崎テトラさんがホスト役で来られ、スワンべーカリーの海津社長も観客で来られるのですから、ソーシャルビジネスのオリンピックでも目指そうかと思います。

World  Shiftの主催者でもある谷崎テトラさんは、このPEACE DAYを広めていかれるとの事でしたが、それこそ来年9月21日の京都開催を目指していきたいですね。

2013年9月7日土曜日

企業の長編プロデューサー

第三創業と位置づけ、決算期も変更して臨んだ第一期が終わり、今週から新年度がスタートしました。

社員に向けての今年度事業説明も行いましたが、自分の中では、向かう先、自分がやるべき事、皆に望む事、そして課題が、この十年強、ウエダ本社に来てから一番明確になっています。
いや、初めて、漸く色々行なってきた事が揃って来たと言えるでしょう。

後ろ向きな変化としては、最終形になると思いますが、これから人の入れ替わりもあり、現場はまだまだ大変で、一番明確になったと言っても、現場からすれば俄かに信じられないかも知れません。

しかし、係数管理だけではなく、切った張ったという中で経営をしていると、作品が完成形に向かっているのを皮膚感覚で感じます。

以前から私は、経営というものは、最高のアートだという感じがしています。

様々な要素が組み合わさり、その総合値の最大化を図るのですが、その為には、世の中の変化、先行きの予測、取り巻く人々の感情や行動などがそれぞれ変化して絡み合っていく中で、それらを感じ、対応しながら、作品を描いていかなければならないのです。

つまり、自分のインスピレーションだけで描いて行く静的なアートではなく、周りの状況が相互作用しながら激変していく中で、動的で、最も複雑なアートだと思うのです。

昨夜オムロンの方から、オムロン創業者の立石一真氏も、経営は最高芸術だと仰っていたという事をお聞きし、ずっと思っていた事が正解だと言われた気がして嬉しかったのですが、この感覚は、経営コンサルタントやアナリスト、数字や効率だけの成果を求めている経営者でも分からないと思います。

生き物である企業、そしてその価値を最大化していく経営、しかもその価値というものは、目に見えない、数字では表す事ができない価値を含んだものが重要となっていく時代では、経営は最高の芸術だと思うのです。

立石一真氏が、40数年前にこれだけの未来を体系化して予測されておられたのか、と驚くべきSINIC理論によれば、工業社会の最終段階に情報社会があり、その後、最適化社会、自律社会、自然社会と向かっていく事になります。

その理論に当てはめていけば、日本人の働き方の変革を目指していくウエダ本社では、自律した働き方、自律した企業を広めていく事、それを目指しながら、事業である以上、実際の数字成果も上げていくという最高芸術を創っていかなくてはならないのですが、そこに向っていける段階に漸く入っていくのです。

そして、"企業は舞台だ"と堀場最高顧問も仰る様に、社員という役者達が、それぞれが自律した最高のパフォーマンスを発揮してくれる様、これから舞台を整えていきたいと思います。

宮崎駿さんも長編から引退される事だし、長編プロデューサーでも目指していこうかな。。