2013年3月31日日曜日

ドリプラ京都に参加して

昨日は、京都で初めてドリームプランプレゼンテーションが開催されました。

ドリプラというのは、誰もがワクワクする感動と共感の体験型プレゼンテーションで、夢は説明、説得できるものではなく、体験しないと分からないので、それを疑似体験をさせるもの、そして、夢を実現する為には、理屈や数字で動かない本当のパートナーを作っていく事が必要で、その力を身につけていく事を目指したものです。

という私も、初めての参加であり、しかもプレゼンに対してのコメンテーターという役割でしたので、これ又、貴重な経験をさせて頂きました。

というのも、ビジネスプランコンテストではなく夢を語るという話なので、足らない所の指摘ではなく、応援していくコメントをしないといけないのですが、フワッとしたものに、フワッと答えていても、それこそ夢物語となってもいけないので、言わば右脳で感じて、左脳で答えていく様な感覚が必要で、なかなか難しい役割でした。

私も”日本人の働き方を変革する”、と言っていますが、それは単に、どこでも仕事ができる環境を作っていくとか、ましてやオフィス内でのレイアウトという狭い範囲の話ではありません。
食べていく為にただ単にやり過ごす様な日本のサラリーマンの仕事観、人生観というのか死生観から考え、仕事への対し方を何とか変えていきたいと思っていますので、その意味では、皆が夢を持ち、足らない所を他の人が応援していく社会を作っていく事を目指す、ドリプラの思想には、共鳴できるところも多々ありました。

しかし、それを社内に向けてできているか?と自分に指を向けると、まず、その働き方の変革を唱えている私自身が、社員を巻き込めていない、私の夢を、社員に応援してもらうという状態になっておらず、耳の痛い話でもありました。

自分の足りない所を指摘されるのはプレゼンとしては失敗で、足りない所を助けたいと思われると成功だと、ドリプラを作られた福島正伸さんが仰ったいましたが、自社において、画いた状況にできていっていないのは、私自身が、現段階においてはプレゼンターとして失敗のモデルなのだと思います。

しかし同時に、失敗などはなく、失敗は成長の糧となるので、成功か成長しかないという事も言われており、私自身、この方向をずっとウエダ本社に来た時から追い続けて来て、この先も追い続けるつもりでありますので、失敗ではなく、成長していっているのです。

一昨日は盛和塾の関係で一日空けていました。
盛和塾も京都の代表となり、今後も益々会社に居る時間がなくなってしまいます。

決して遊びのものではなく、全ては、会社の存在意義や成長など、大きな意味での会社の為に色々な役回りをやっているのですが、会社に関わる時間がどんどん少なくなり、ましてやじっくりと考えたり、内省したりする時間など全くない状況となってきています。

本末転倒ではないか?と考える事もありますが、組織的には、この状況を逆利用して、この際に、皆が自主的に運営する様にしていきたいと思いますし、社内ドリプラではないですが、ウエダ本社の中で、自分の夢の実現を目指す様なリーダーを作っていきたいと思います。

そして、私は、もっと皆を結集させていける様、説得ではなく、右脳に訴えられていける様に、ドリプラでも練習していきますか(笑)


2013年3月24日日曜日

京都幸福会議の締めの挨拶

FBでも少し書いていましたが、先日、京都幸福会議というシンポジウムが行われ、定員200名の所400名という大盛況ぶりでした。

王立ブータン研究所長、山田知事、門川市長などもご出演されたパネルディスカッションの後、主催の京都経済同友会と大学の関係者のみという場ではありましたが、コミュニケーションデザイナーの山崎亮さん、京都大学こころの未来研究センターの内田先生、電通の袖川さんというそうそうたるメンバーと共に、私もパネルディスカッションに出させて頂きました。

この立場はなかなか難しく、過疎地の活性化で今や大注目の山崎さんや、内田先生、袖川さんは内閣府で仕事もされるデータ、事例をたくさんお持ちの専門家ですから、この方々の間で埋没していまわない様にするだけでも大変ですが、たくさん重鎮もおられる前で、何であいつが出ているの?とも思われかねない中、偉そうにもなり過ぎず、しかし主催する経済同友会メンバーとしての役割も果たさなくてはならないという、色々な方面を意識しながら、即座に考えなくてはならないという刺激的な経験をさせて頂きました。

結果的には、元京都大学副学長で現在は国立社会保障人口問題研究所長の西村先生の懐の深いコーディネーションや、袖川さんの、全体を考えた発言などで議論が交差するディスカッションとなり、後日、数名の方から、全セッションの中でも一番面白かったとも言っ
て頂けて、本当に良かったと思います。

1時〜6時迄3部構成で、凄い方々がそれぞれの立場から話された幸福会議は、かなり面白いものでありましたが、そんな中やっぱり最後は堀場最高顧問が、たった5分程の締めの挨拶で、見事に持っていかれました。

幸福なんていうものは人それぞれ色々あるもの。
ジェネレーションギャップの話も出ていたが、私は今、88歳で出席者では最高齢であるが、戦前から生きてきた身からすれば、皆が言うジェネレーションギャップなんて、取るに足らない誤差の範囲である。
戦争を経験しているか、していないかの差は、圧倒的に違うし、その経験から言える事は、人間がパニックに陥るのは、基本的に次の二つしかない。
一つは、死にたくないのに殺されると思う場面と、今日から本当に食べる物が何も無いという状況である。
そんな本当にパニックになる状況を戦後に生まれた人は経験していないので、取るに足らないわけだが、この中で日本に生まれたいと思って生まれて来た人は居るか?
誰も居ない筈であり、ひょっとしたら、紛争地域や、今食べる物が無い国に生まれていた可能性だってあるのだ。
それを考えると、日本に生まれただけで、全世界で考えると、それだけでまず幸せなのであり、日本の中で、もがいているのは、90点から何点上がるか程度の話なのだ。
もっと、そういう所に目を向けて、今ある幸福を考えて欲しいというお話でした。

今までの5時間は何だったんだ〜と思う位、深いお話を5分で話してサッと帰られるのですから、88歳、まだまだ現役ですね。

こんな方から身近にご指導頂けるのですから、我々京都の経営者は幸福です。


2013年3月17日日曜日

企業の成長って何でしょう?

来月から、急遽新卒社員が入る事になりました。

厳密に言えば、産休に入る社員の代わりの契約なのですが、うちの方向性に合っていそうでもあるので、あえて正社員と同じ様に受け入れていく事にしたのです。

ここ最近ウエダ本社では、結婚や出産というオメデタ続きであり、社員の家族というファミリーが増える事は大変嬉しい事です。
しかし同時に、我々の様な規模の会社で、しかも底が見えたとは言え、まだまだ業績的に、もがいている状況で、家族が増えていく事は、私にとっては反面で本当に恐ろしく、身の引き締まる思いです。
 ”子供ができた”と聞くと、今からこの家族が最低20年は生活していける様に、会社をしっかりさないといけないんだな、そんな事が頭をよぎるのです。

そんな中、産休はしっかり取ってもらい、その間に契約と言いながらも、実際は社員登用するつもりで。しかも、一人休むのに対して二人の女性を新卒で採っていくのは、人件費を経費と考えたり、効率で考えていけば、全くナンセンスな話だと思うのですが、日本人の働き方や働く環境を変革していく、という事を掲げ、効率追求、単なる売上数字の拡大を成長とする価値観の変革を目指している我々とすれば、その実現を一緒に目指していってくれる人であれば、やってもらうべきだと決断したのです。

企業の成長、或いは価値は、売上や利益額だけでしょうか?

人間を考えれば分かりますが、身長、体重を成長と見るのは、子供の間、少なくとも成人を迎えるまでの間です。

東南アジアの様な成人に向かっていっている国とは違って、日本は老年期に入っていっているのに、まだ、企業においての価値観、成長は、たくさん食べて大きくなる事で測られています。

その価値観が変わらないままたくさん食べようとして、内臓疾患をたくさん抱え、表面化もしているのが昨今の日本だと思います。

身長、体重以外に、内面的な、精神的な成長ってたくさんあると思いますが、もういい加減、日本の企業も、それを評価する日本人自体も、それを気づき、見る目を変えていかなくてはならないと思います。

しかし私も、ただ確信も何も無い、想いだけを唱えているのではありません。

今回、当社の方向性、価値観を良いと思って頂いている先生から、”良い学生”との事でご紹介頂き、会ってみるとその通り素晴らしく、急遽の展開となったのですが、これを、採用活動にかける時間や、ブランディング含めた広報費などを考えると、本来は大変なコストがかかると思います。

それがいとも簡単に、見つかるのですから、これって、アミタホールディングスの熊野会長が仰る、まさに”信頼資本”が増加している証拠であり、それは紛れもない”成長”だと思うのです。

身体ばかり大きくて、自分の事しか考えずコミュニケーションの取れない大人、人を平気で傷つけたり自分は何もせず批判ばかりする様な大人が増えていないでしょうか?

企業に置き換えてみると、そんな企業をまだまだ単に身体が大きいというだけで評価していないでしょうか?
それを目指す事だけを成長と考えていないでしょうか?

そんな想いと、実際、その価値観、そしてこれからの日本の”成長”のあり方を企業に問うていく為にも、ウエダ本社では、自社の理念に沿って、あえて新卒で女性社員を迎える事にしました。

今後は、新たな展開もいくつか動き出していきますので、迎える側の社員も、今回の採用を通して、再度、自分達の価値観、方向性を見直してほしいと思いますし、私自身も、ブレさせず、これからの企業の成長を目指していきたいと思います。




2013年3月9日土曜日

50歳でのベンチャースピリット

あまりこの件は自分でも認めたくないのですが、今年で何と50歳になってしまいます。

いつまでも若いつもりでいますが、"若い"のはいいですが、ただ、しっかりしていない、自覚が足りないだけという様にも感じます。

と同時に、色々な事があったとは言え、この10年間を俯瞰して見れば、自分自身の停滞感も否めません。

ウエダ本社としてのあるべき姿、存在価値を、この時点ではもっとしっかり確立できている筈が、描いていた通りにはまだ進んでいません。

置かれてきた背景、資金的な状況、自分の性格や器などから、お金をかけて一挙に形を作ってしまうという事ができず、一つ一つ、手作りで作って来たという感じです。

家に例えれば、自分達で柱から、レンガやブロックなどのパーツまで全部手作りで行うという感じで、本人は家を建てているのですが、他人から見れば、レンガを作っていたり、木を切っていたりで、"何をやっているの?"と理解してもらえなかったり、一緒に働いているスタッフにも、これで家ができるのか?と思われていたりするのだと思います。

最近それらの形が漸く見えるものが出来てきて、説明しても全体像を理解してもらえる状況にはなってきました。

そんなところを先日のクオリア朝食会では、堀場最高顧問を前にプレゼンさせて頂き、大変嬉しい事に、日本初の学生ベンチャーとして創業され、私が色々な意味で、最も尊敬する堀場最高顧問から、”何となく僕の直感的やけど、あんたの唱えている事は成功する気がする”と仰って頂きました。

そして、”前から、何をやっているのか分からん不思議な奴やが、まさしくベンチャーやね”とも言って頂いたのです。

考えてみれば、できれば一生、体と頭が許す限り、それこそ、おもしろおかしく自分の仕事を好き勝手にしていきたいと、30歳で独立したにもかかわらず、私の目指す方向に集まったわけではないウエダ本社に入る事となり、本業が落ち込む中、変革に迫られながら、ウエダ本社としての新たな存在価値を作る事に時間を要して来たのですが、元々は、生涯現役、生涯ベンチャー精神を持ちながらビジネスを生み出していきたいと思っていたのです。

そんな事で言えば、時間的には遠回りした感もありながら、自分が好き勝手にできるベンチャーでは決して経験できなかった経験は、ある意味できた様に思います。

パーツが目に見える形となって来た今年から、私自身、再度ベンチャースピリッツを持ちながら、皆さんから、”家を建てていたんだ”と分かってもらえる様にしていきたいと思います。

そして、稀代の名経営者である堀場最高顧問からは、いつまでも、”分からん、変わった奴や”と、”褒めて”頂ける様な、ベンチャー経営者であり続けたいと思います。

2013年3月3日日曜日

信頼資本と良い会社

今週は本来、鎌倉投信http://www.kamakuraim.jp の鎌田社長をお迎えしてダイアログバーを行なう予定でしたが、ホスト役の西村勇也君が退院早々という事もあって、延期させて頂きました。

折角、鎌田社長が京都に来てもらえる機会でもあったので、アミタホールディングスhttp://www.amita-net.co.jp/の熊野会長が拾って頂き、京町家を改装とは言えないレベルで改築されたご自宅で、鎌田社長を囲む勉強会に仕立てて頂きました。

アミタさんはリサイクル技術、環境分野では有名な会社ですが、熊野j会長は、そんな分野や言葉も確立されていない30年以上前から取り組んで来られ、言葉では言い表せる事ができない様な抵抗や壁と戦いながら、事業として確立して来られたという、仮にも事業を立ち上げた経験のある者からすれば、想像を絶する、理想と実業を両立して来られた”有り得ない”事業家です。

そんな熊野会長が私財を投じて創設された信頼資本財団http://www.shinrai.or.jp/さん。

そこが融資された起業家達を数名と、これ又、信頼という資本を集めて、素晴らしい会社に投資を行なわれている鎌田社長の話から侃侃諤諤やるのですから、志ある起業家達にはこんな贅沢な時間はないと思いましたし、元々鎌田社長をお呼びした私自身が、本当に濃密な時間を堪能させて頂いておりました。

そして、そんなアミタさんの会社自体と熊野会長のご自宅までもを、京都に移されたのですから、京都にとって、誠に心強い存在でありますが、私とウエダ本社にとっては実はもっと有り難い話で、その信頼資本財団さんが、うちの北ビルに開設したプロジェクトオフィスに入って頂く事になるのです。

これにより今後はウエダ本社としても、従来以上に、志ある若者、起業家達が集い、そこに我々や、我々が信頼できる素晴らしい事業家や資本家が交差できる場を形成し、信頼を交換していける世の中に、少なくともそのベースを有する日本は、変えていきたいと思います。

最後に、いつも私のブログを読んで頂いている奇特な方には、是非、信頼資本財団の熊野理事長の挨拶文http://www.shinrai.or.jp/aboutus/greeting.htmlをお読み頂きたいと思います。

私の足りない表現力とボキャブラリーを補填して頂いているかの様ですので(笑)