2013年1月26日土曜日

デフレ脱却は難しいでしょうか?

日銀が2%の物価目標を決めましたが、なかなか難しい数字の様です。

しかし、デフレ脱却が大きなテーマですが、抜本的に企業の考え方、価値観を変えていく事ができれば、まだまだ幾らでもやれる事はあると思いますし、それを援護する、少なくとも邪魔をしない施策であって欲しいと思います。

殆どの企業が、お客様スタンスを掲げ、安さ追求を行っていますが、お客様側は、その安さを実現する為に行なわれている事や、原材料の実態などを知った上でも、値段だけを求めているとは思えません。

という事は、安さ追求は、そういう事を知らしめずに、値段で勝負し、市場を席巻し、シェアを拡大するという、企業の為である様に思います。

私も経営者の端くれですから、そういう事が全くないのか?と言えば、0とは言えませんし、企業も生きていかないと、雇用を含めた役割を実現できないのですから、全てが悪だと言っているのではありません。

ただ、必要以上に、望まれている以上の安さ競争、それを実現する為に値段だけでの調達などを行なっていれば、当たり前でデフレスパイラルが起こり、しかもその自分達の争いの理由を、消費者の為、お客様の為と言っている様な人は、幾ら凄い業績をあげていよう
と、凄く優秀であろうと、影響を考えても、賞賛すべきではないと思います。

安さを志向していけば、当たり前ですが、量を売らなければ成り立ちません。

一社がそれを実現していれば、他は負けていくわけで、そこで働く人々の生活は脅かさ
、その厳しい状況になった人々が消費者に回れば又、安い方が良いという循環になるのです。

しかも、勝者となる一社が勝つために行なっている安さの背景には、途上国の人々を酷
使した様な事や、紛争に繋がる原因となっていたり、効率的に大量生産する為に、危険な
薬や化学物質を使っていたりする事もあるのです。

その様な状況、スパイラルは一体誰の為になっているのでしょう?

そんな事をトータルで考えても、多くの人が、値段だけの安さを求めているでしょうか?

私は少なくとも今の日本ではそうではないと思います。

フェアトレードとまでいかないまでも、皆がその値段の背景についての情報も得られ、ト
ータルで選ぶ状況になれば、少なくともそういう選択肢を持てるだけで、賢い消費者は違
う行動をすると思いますし、それで選ばれた企業は、調達するにおいても、仕入先を泣か
しまくって調達する事も無くなり、何よりも、その様な付加価値を認められる世界では、
間違いなく日本の企業は得意で、それこそ勝負していけるところだと思うのです。

しかも、そこの勝負というのは、規模の大小、同じ方向性での優劣ではなく、それぞれが
自分の特長を生かす、個性を発揮する勝負なのです。

その様に日本の企業が向かっていく事が、目先のデフレ脱却だけでなく、今後の日本を夢
のある方向に転じられる唯一の方法だと思うのです。
至ってシンプルな話だと思うのですが、何故、賢い政治家、官僚、学者の先生などが気づ
いてくれないのでしょうか?











2013年1月20日日曜日

経営実践塾 ドリプラ京都とレイブル

今日は鬼澤さんの経営品質実践塾がうちの会社で行われていました。

場所貸しの特権で、鬼澤さんの今までの経緯、考えを改めて聞く事ができ、私自身にとっては、自分の足らないところとやっているところの検証もでき、大変有難い勉強会でした。

今までに、何度もお話しは聞いていますが、何故あれだけ、全国を飛び回って自ら火を点け、色々なプロジェクトや、自治体、中小企業などの改革に取り組まれているのかの繋がりがよく理解でき、鬼澤さんの想い、構想力、展開力、そして行動力を体系的に捉える事ができたのと共に、改めて感服しました。

内容は、以下のご本人のブログ http://ameblo.jp/onikko-nikki/entry-11452690991.html をご覧下さい。

私も、何故、会社を営むのか?の前に、何故、どの様に生きて行くのか?が有り、その中で、意図せず入る事となったウエダ本社をどの様に、存在価値や使命を持って展開するのか?その為には、何をどの様に進めて行くのか?それも、厳しい状況からスタートしたので、お金やリスクをかけず、一つ一つ作って来ました。

京都流議定書や、そこに至るまでの環境、伝統、教育などへの取り組み、セミナー、研修の展開、南ビルリノベーションや、ダイアログバーを始めとするソーシャルビジネやNPOなどを展開する若者達との関わりなど、今まで、社内外に向けて、何の為に行っているのか?をどれだけ説明したか分かりませんが、鬼澤さんの考え、やって来られた事を聞くと、大変納得しましたし、心強くも感じました。

何故、若者を支援するのか?という点も同じ感覚でしたが、そんな鬼澤さんが以前から取り組まれ、今度京都でも立ち上がる、ドリプラ京都 http://drepla-kyoto.com/   は、変革に向けては起業家を育てていかなくてはならず、人を共感させていけるリーダーを育てなければならない、そんな想いが込められている様ですので、世の中変革まで考えられなくとも、自分から変えたいという方も、3月30日は、是非ドリプラ京都に参加してみて下さい。

そしてもう一つ、2月月10日は、ニートの日でもないのですが、この問題に取り組んでいる素晴らしい若者、NPOが主催するイベントも http://jisedaiwork.jp/ あります。
こちらは京都流議定書としても協力しておりますので、是非、ご参加お待ちしております!

そんな若者に刺激を受けながら、鬼澤さんの一つ下で今年同じ世代に突入してしまう私も、同じく、やって来た事を纏めてみようと思いました。



2013年1月13日日曜日

社員をサーフィンに行かせよう

これはパタゴニア創業者のイヴォン・シュナードさんの本ですが、パタゴニアさんでは、良い波が来れば、サーフィンに行く事が最優先事項だそうです。

というと、如何にも楽な会社、もしくは、甘っちょろい会社と思われるかもしれません。

しかし実際は逆で、ある意味厳しく、仕事への対し方についての本質ではないか?と思います。

サーフィンを最優先にして、業績が悪く、給料も出ないというのであれば、それは会社ではなく、サークルで行なうべきであり、そんな会社であれば、幾らサーフィンを最優先する人でも、文句を言うのではないでしょうか?

サーフィンを最優先にするという事は、良い波はいつ来るか分かないのですから、常に行ける体制で仕事をしておかなければならなず、やるべき事、自分の役割をしっかりと果たしていないと成り立たないのです。

実はこれ、私自身の仕事観とズバリの考え方であり、このベースからウエダ本社の理念や展開も出てきているのですが、あくまでどういう人生を目指すのか?どんなライフスタイルが理想か?の中で、それを骨格となる仕事を考え、対していくものだと思うのです。
だからこそ、日本で言われているワークライフバランスは違うと言うのであり、そんな発
想で制度ばかりを考えるから、どんどん、働くのか、家庭や趣味を生かすのか?どちらか的な話になってしまうのです。

仕事は言われてイヤイヤ行なう、食べる為に仕方なく我慢して行なうものでもなく、時間で計られるものではありません。
それぞれの立場、状況において、自分の責任において行なうものであり、そんな働き方、仕事観が生まれて来ないと、我々が目指す"イキイキと働く"という社会は実現しないのです。

ウエダ本社の理念はそんなところから、出てきているのであり、まだまだそれが社員の方でも理解されていないところが課題である為、年明け第一週目の面談では、この話に終始していました。

もう6、7年前になるでしょうか?うちの会社では、有給休暇を1時間単位で取れる様にし、子育て支援に理解があるとして評価も頂きましたが、実際に使われていたのは子育て支援よりも介護の方でしたし、実は、これの根幹は正に、"社員をサーフィンに行かせよう"の
通り、平日の昼間から堂々と自分の趣味に時間を使うライフスタイル、その中でしっかりと働く会社と、そんな会社がスタンダードを占める社会を創るという事でした。

今年は改めてそれを目指していきたいと思いますが、海の無い、しかも京都の会社ですから、"社員をお寺に行かせよう"とでも掲げていきますか?

2013年1月6日日曜日

京都企業、我々の役割

今年の大企業TOPの年頭所感は、政権交代による経済好転への期待感と、グローバル化しか選択肢がないと、ここでの変革を訴えたものばかりであった様に思います。

京都経済四団体での立石商工会議所会頭も、今年への期待とグローバル化の進展について話されました。

しかし、その後が京都らしいところで、私も全く同感であり、京都流議定書の精神にも繋がる話なのです。

それは、これから最も変化するのは、規模のメリットの低下であり、大量消費の工業社会から持続可能社会への変化であり、それ故、京都の持つ、知恵と多様性が活かせる時代を本格的に迎えるという事でした。

又それ故に、次代に向けた変化対応力を最優先にした企業経営が求められるとの事でした。

物を生み出していかなくてはならないメーカーは、その市場を求めて海外に展開して行かざるを得ないでしょう。

しかし、8割を占める非製造業こそが、今年以降、大転換を図る日本の命運を握っていると言っても過言ではないでしょうし、それを最も実現しやすい環境が揃っているのが京都であり、ナレッジ、ノウハウ、伝統など、数値化できない価値を持つ京都企業がその実例を示していく事が、大きな役割だと思います。

そして東京以外の全ての地域が、それぞれの強みを再認識して、それぞれの地域に根ざした持続可能社会を作っていく事が、日本を再びTOPリーダーにしていくのだと思います。

同じ尺度での優劣を争う競争は繰り返すべきではありませんが、競争の無い社会などは又、成り立ちません。

自然の摂理に従っても、価値のあるものは存在し、価値の無くなったものは淘汰されるのですから、今後の企業や、個人においても、他には無い、存在価値を作る競争をしていく
べきなのです。

そう考えてみても、今年から、より京都企業、そして我々自身の役割は重大だと思います。

大きな役割を担える事を楽しんでいきたいと思います。


2013年1月1日火曜日

対話の土壌形成元年

新年明けましておめでとうございます。

昨年は選挙の年と言われ世界中で首長選挙が行われましたが、最後に日本でも行われ、政権交代がおこりました。

良い、悪いはそれぞれの立場によって違うでしょうが、この二、三年停滞していた閉塞感から、色々動き出していくであろう事は、歓迎したいと思います。

しかし、米国との関係は修復されていくのに対して、中国やアジア諸国との関係はかなり神経質なものとなっていくでしょう。

TPPや原発も推進となり、金融緩和も図られ、目先の経済は良くなっていくでしょうが、日本国内における格差は拡がり、それらの問題への対処は、国から"援助する"という中央集権型のスタイルから抜け出せず、拡大、大量生産型に戻ってしまう可能性も危惧されます。

グローバル化が絶対条件の様に叫ばれていますが、言われているグローバル化というのは、一体誰から見たグローバルなのでしょう?

世界は米国を中心とした西欧諸国のモノなのでしょうか?
そのモノサシでのグローバル化に、今後の日本も乗せられていって良いのでしょうか?

どんな話でも0か1の話ではありませんので、今叫ばれているグローバル化に背を向けろというのではありません。

ただ、地理的にも背景的にもアジアにありながら、敗戦から米国流の発展を遂げて来た日本、東日本大震災から原発問題を抱えながら、少子高齢化に向かっている日本だからこ
そ、世界にアピールしていくべき事があると思うのです。

ここ数年の決められない政治から決別し、決して以前の価値観に戻らず、各自治体、各業界、団体、そして各国民が、自分ができる事、その現状でできる事を考え、行動する事、そんな転換の年にしなくてはならないと思います。

まずは、意見、立場の違う"人" 自体を批判するのではなく、感情と対策をしっかり分けて対話していける土壌形成を行なっていきたいですね。