2012年8月26日日曜日

裏K宮殿

北海道へはある勉強会で行っておりました。

この会では、出席者が凄く、その方々のコメントがまず聞けない様なお話で、大変勉強になります。

某スナック菓子大手の相談役が、企業がまず考えるべきは、生き続けられるかどうか?であり、生き残っていく事が一番の苦労である。
その為に長く売れる商品を作るのであり、その上で初めて、世間に対してキチンと務めを果たせる会社にするのであって、初めから優しい事を言っていては生きていけないとの事でした。
そして、同じ出席者である、K宮殿で特集された会長にも、80%のシェアになるまでには、相当厳しくないと、そんな事は実現できる筈がないとも分析されておられました。

その菓子メーカーさんもこの相談役が入られた際には、売上の60%もあった飴が、これもこの会のメンバーの会社との戦いに敗れ、やむを得ず、そして生き残る為に必死に開発をされたスナック菓子が、今なお売れるロングセラー商品となり、現在の確固たる地位を築かれたというお話は、本当にどんな素晴らしいセミナー、研修を聞くより有益なものでした。

そして、その駆逐した側の会社で、来年100周年を迎えられる飴メーカーの会長は、そこまで残って来れた秘訣について聞かれると、’本業に特化してきたから’と一言でした。

80%のシェアを築かれたK宮殿にご出演の会長は、グローバル化も数十年前から取り組んで来たが、それも販路拡大を目指したわけではなく、自社商品の原材料産地の国で、それぞれ協力会社を作り、そこと一緒に育って来たら、それが必然的にグローバル化となり、シェアも抑える事となったのだ、と又、さらりと仰っていました。

今週と来週のK宮殿出演者が本音で、しかも目の前で話される、裏K宮殿?とも言うべきタイミングで、あり得ない、"有難い"時間を過ごさせて頂きました。

しかし、目先だけでなく、表面の数字だけでなく成功して来られた方の一言一言は深いですね。。  感謝。



2012年8月18日土曜日

特別な地の沖縄

沖縄で四泊、ゆっくりして来ました。

私にとっての沖縄は、不思議な縁が凝縮された土地であり、そこでゆっくりしたり、話させて頂く事で、色々な事を考え直させてくれる特別な所です。

米軍問題を抱える沖縄に居ると、原発処理を抱える福島と同じ様な構図もあり、それらを通すと、政治の問題や、日本の行く末も、又違った角度で見えてくる事があります。

今後の投資が見込まれ、経済的には明るい話もありながら、開発が進むにつれて沖縄らしさが無くなっていく姿をどう考えるのか、それに反して、本土からの、生き方を見直して沖縄に移り住む人達の姿や、農業を中心とした自然資産の豊かさを目の当たりにすると、本当に色々な事を考えさせられます。

沖縄に限らず、農業が盛んな所へ行くと、お金などなくても、ある意味精神的には豊かに生きていけるという事に気づかされますが、そんな所に行くと、改めて何の為に生きているのだろう?自分は何を求めて生きているのだろう?と考えさせらてしまいます。

新鮮な物を食べる事の贅沢さやそれを生み出す自然の大切さを考えると、人は何の為に、お金や単なる規模の拡大を求めるのか?とか、新鮮な食べ物や、自然の力を前にした時、我々の仕事って、
それ程価値のある事なのだろうか?どれだけ人々にこれ程の満足感や価値を提供できているのか?と思うのです。

そして同時に、やはり、こんな自然の中から生命をもらって生きているという事、そして、経済活動を行っていくには、何処かに必ず負荷をかけてしまっているという事をよく考えて、精一杯、人に満足してもらえる様な仕事をしなくてはいけない、又そんな仕事にしなくてはいけないと改めて思いました。

全然、リフレッシュになっていないかもしれません(笑)

最後に、珍しいので、久しぶりにブログに写真UPしておきます。

これは何か分かりますか?


あまりに近すぎて分からないと思います。

そして私も初めてですが、こんな緑色をしている物を見た事がないと思います。


実はこれ、”タツノオトシゴ”なんです。 

沖縄の東部はまだまだ未開発な所が多く、素晴らしい自然が残っているのですが、二年前と比べて、水は汚くなっている様に感じました。

辺野古も東部です。

国を動かす人達も、沖縄の地で、自分達の仕事(活動)が、先々の人達にとって価値や満足を与えられるのか?を考えて欲しいですし、政治家さんこそ、何の為に生まれてきて、何の為にその仕事をしているのか?を真剣に考え直して欲しいものです。










2012年8月12日日曜日

仕事の報酬とは何か?

どんなこともそうですが、レベルの上から下は見えるけれど、下から上は見えません。

私も上の方からすれば、何を偉そうに・・と言われると思いますが、先輩や上司の人は、下の人を見て、自己評価が高い様に感じられた事は無いでしょうか?

こと仕事という事に関しては、この傾向が強まっている様に思えてなりません。

自己評価が高いと何が困るか?と言えば、素直さが無いので、吸収力が低くなる事、自分はできていると思っているので、他人にはキツくなる事、そして最も困るのが、自分はできている、やっていると思っているので、それが認められない事への不満を持つ事です。

そうなれば、負のスパイラルで、何も吸収しなくなり、そこに又注意を受けるので余計に悪循環に陥っていくのです。

世の中は理不尽な事や納得できない事だらけであり、その中で、自分はどんな状況であれ、やっていかなくてはならないのです。

グローバル化が叫ばれていますが、英語力もさる事ながら、私はこのポイントが日本にとっては最も弱まっていて、大きな問題だと思っています。

世界では、わけの分からない、物事が通じない人もたくさんいる中で、生き抜いていかなくてはならないですが、日本国内だけの世の中では、分かる様に説明をする、上司が分かってあげる、という、優しい方向ばかりが持て囃されています。

これが全面的に悪いと言うのではないのですが、少なくとも受ける側は、それが当たり前ではないく、下手をすれば自分を弱めていく事にもなるという事も分かっておく必要があると思います。

SNSのコミュニケーションは素晴らしいツールですが、これも、同質の人で集まり、同じ方向性の人がお互い認め合う中、認めてくれる中だけで生きていく事にもなります。


居心地は良いのですが、批判なり、不公平な事や、全然違う質の人との関わりに免疫が無

く、知識は豊富で賢いが弱い、という人が増えていっている様に思えてなりません。

先日、ソフトブレイン創業者の宋さんが、日本で生まれ育ったお子さんを中国に移住させて学校に通わせていると仰っていました。

日本に居れば安全だし、清潔だし、皆ちゃんと列にも並ぶし、生活に不便は無いのに、何故中国に住まわせるのか?と不思議がられるが、お子さんの先行きを本当に考えると、世の中には並ばない人がたくさん居て、その理不尽な中で強く生きていく事を経験させる必要があり、それは日本では無理だからとの事でした。

日本では、あまりにも教えられすぎて、お膳立てされ過ぎて育ってきたので、意見が通らない事や、認めてもらえない事への免疫がなく、意味を求め、正論を求め、そういう状態でないと不満になるという傾向になっていっていると思います。

再度改めて、仕事とは何か?会社とは何か?を問い直していかなくてはならないのではないでしょうか?

田坂広志さんの”仕事の報酬とは何か?”を読み直さなきゃ。

2012年8月4日土曜日

世界に通用する社是、理念

昨日から経済同友会のサマーセミナーで滋賀県朽木にある堀場製作所さんの研修所に1泊2日で行っておりました。

50人程の経営者がテーマ毎に分かれて二日間議論し、最後に発表をするというもので、私は人材育成というグループに参加させて頂きました。

規模、業種もバラバラの経営者と、同じテーマでしかも二日間に渡って議論するというのは、なかなかできない経験で大変面白いものでした。

その上、何度かある討論の間に、堀場社長の1時間の講演を挟み、そのお話を参考に又、議論するという贅沢なものでした。

よく最高顧問の事は書かせて頂いたりしていますが、堀場社長は又違った個性で大変素晴らしく、
大尊敬できる経営者です。

私は恵まれた事に、立場上や仕事上で、たくさんの素晴らしい会社にも出入りさせて頂きますが、
そんな中でも堀場製作所という会社が、トータルでいうと一番凄いのではないかと思っています。

その理由は、何と言っても堀場最高顧問の素晴らしさがありますが、それは、物理という証明できない物は無いという世界と、人間(医学)という、分からない事だらけの両極を極められたバランスから来る独特の発想と共に、日本で初めての学生ベンチャーとして堀場製作所を築いて来られた事、そしてもう一つは、日本でもこれ以上うまく行っている事業継承はないと思う程、違った個性で素晴らしい厚社長が、特に海外展開を中心に発展させて来られたからです。


そして、”おもしろおかしく”の社是で知られる様に、おもしろく、楽しく仕事をしないといけないという考えの下に、今尚、中小企業の精神を残して、常に新しい事へ挑戦していく風土があるのです。

何かを迷った時、”それは堀場らしいか?”という言葉が社員さんの中から自然に出てきて、そこが判断基準になると社員さん自らが仰る会社ですから、その浸透度合いが分かりますが、堀場社長のお話を聞いて更に驚いたのは、買収も含めた海外展開を行われている中、中国の会社では、中国人スタッフが忙しい年は旧正月でも自主的に出勤してくれる、その感覚は、労働問題に厳しいフランスでも同じであり、まだ作られて5年程のインドの子会社でも、先日行かれた際、インド人社員が
全員がホリバの社章付きのスーツで迎えてくれたと仰っていました。

自分の目の前で起こる事は、ニュースや世の中の常識で言われている事と違う事が多い、だから、実際に見なければいけない。

中国人はお金で動く、フランス人は働かない、という常識も、ホリバでは違って、どこの国の人であろうと、人は、文化に付いて来るのだ、と。

そして、継続は力であり、会社の力は”人”しかなく、その人を結集し、その会社の文化を創っていくにも、錦の御旗が必要であり、それが社是、理念であるという事でした。

”おもしろおかしく”思っているのは、作った最高顧問だけで、社員は皆、”おもしろおかしく”はないかもしれないが、それでも、それが錦の御旗で、そこに群がっていく事、その文化が、最も重要であるというお話で、やはり思った通り、総合一位!という感じでした。

買収した海外の企業の方が規模も大きく歴史もあるので、敬意を表して、名前は先方の意を尊重しようとしても、先方から社名に”HORIBA"を入れたいと言われると仰っていましたが、国籍関係なく、
皆が”HORIBA"の文化に惚れてしまうのだと思います。


これこそが、日本の強みを生かした、日本が目指すべきグローバル企業の姿ではないでしょうか?




2012年8月2日木曜日

針のむしろ

今年も京都流議定書二日目に行って頂いた京都フォーラムも大盛況でした。


知る人ぞ知る、そして、ひょっとすると今年しか講演されない望月院長のお話が聞けるという事はあると思いますが、会場は約400人の満杯状態でした。

望月院長のお話を社員全員と聞く事になる私は、針のむしろ状態、殆どM的嗜好?でもなければ、居れない様な、結局はTOPの差という話になるのは想定しており、そこについては覚悟を決めておりました。

しかしその前の、四国管財の中澤社長のお話にも、かなりダメージを負いました。

売り上げ、利益を追うのではなく、徹底的にお客様スタンスに立つという経営を、B to Bで成功されておられるお話は、私にとっては言い訳のできないキツイお話でした。

そしてその後、望月院長の、”私は、スタッフの事を愛している事においては誰にも負けません”と言い切られるお話で、息が止まるかと思いました。

私も社員満足を追求し、それは長期的スパンに立って考えて、今居るメンバーにとって良い会社にしたいとの想いは持っているのですが、そこにまだまだ理解が得らておらず、頭だけが動いて、体が付いて行っていないという組織になっているのが現状です。

ただ、お二人のお話を聞いて間違っていなかったと確信できた事は、徹底的な価値観のすり合わせを行われている事と、それ故に採用に力を入れておられる事でした。

そして、その価値観すり合わせを徹底して来られた事がやはり今の姿の源泉であり、そこに至るまでには、相当な年月がかかっているのだという事が分かり、継続に向けての勇気は頂く事ができました。

お二人のご講演の後は、例年通り、大久寛治さん進行でのパネルディスカッションでしたが、話し方、声のトーン、響き、スピード、全てに心地よく、お話が染み入るという感じでした。

社員の事を思っている!と幾らシャカリキに力んでみても、やはり伝わらないと意味が無いし、この伝える力、聞いていて安心できる人間力の問題だと、又、最後にも思い知らされるのでした。

それでも、自分を盾にしながらも、普段話している同じ方向の成功例を社員全員で聞く事で、その方向性に納得してもらえれば、それだけでもかなり大きな進歩だと思いますし、うちの会社に取っても大変有意義な京都フォーラムでした。
京都フォーラムとの共催も今回で三年目でしたが、どんどん相乗効果が生まれて来て、これも来年、これ以上にどうしていくのでしょうか?

2012年8月1日水曜日

12'8月 ウエダ本社社報

《イベントと実業の差を埋める》

昨年の8月の社報を見て愕然としました。

イベントの総括を書いているのですが、今年と全く同じで、そういう意味においては、第五回を迎えた今回のイベントも、皆の中での位置づけが全く変わっていないという事を感じたからです。

皆には今年も大変良くやってもらったと思いますし、来られた方々からは、単に良かった、というレベルではなく“賞賛”という言葉がピッタリの素晴らしい評価を頂いております。

イベント自体については、私の方で立てた企画を、実行では皆がそれぞれ分担して、一つの目標に向けて自主的に動いてもらい、あれだけの事を大きなミスもなく完結できるのですから、組織として、理想的な動きができていると思います。

問題は、何故それが、実業に生かされないのか?というところであり、第五回を終えても、まだ皆の方で、何故このイベントを行うのか?という事について理解されていない点であります。

何故イベントはうまくいって、実業のところはうまくいかないのか?
何処に違いがあるのか?を考え、実業においても、同じ様な動きにしていく為には、何をどの様にしていけば良いのか?を考えてもらいたいと思います。

イベントをイベントとして成功して終わりでは、うちにとっての意味はありません。

イベントという組織(チーム)での展開で、組織としての成功体験を作り、それを本業での組織内で実行していく、それが組織としての狙いなのです。

今目指している理念や価値観において、それが成績に繋がって、皆がその方向の正当性を感じられる様になるのには、相当な時間が掛かります。

それだけに目指している方向になかなか進めず、目先の事ばかり追いかけるという事に陥ってしまうと思うのですが、だからこそ、このイベントの価値をしっかり見据える、意味を考える必要があるのです。

あれだけの事をどこができるのでしょう?
お金をかけて立派なものはできるでしょうが、あれだけ想いのこもったものはお金では作り出せません。

それを実業に振り向けていく事。
逆に言えば、それを考えていく事が、理念や価値観に向けて実業を向けていく事になるのです。

再度、ここで、イベントと実業の違いを埋めていく事を考えて欲しいと思います。