2011年9月30日金曜日

原子力の問題

昨日、京大のエネルギー研究所で、ある先生とお話させて頂いておりました。

その先生は福島にも国などの調査で入られておられた方です。

原発問題は、時間軸も考え合わせ現実的、マクロ的に考えるべきだというご意見ですが、あまり論じられていない事で大きな問題であるのが、原子力全体を悪者にする事により、それを目指して勉強する人がいなくなる事だと仰っていました。

原発の問題、自然エネルギーを増やしていく事、消費量を抑えていく事と、原子力自体の技術の問題を別で捉えるべきで、原子力技術の研究がここで衰退していく事になると、この先数十年かかるかもしれない、福島の放射能問題や、今現存する原子力発電所の問題なども解決できなくなるという事にも繋がるのです。

私自身、この視点は持てていなかったのですが、特に大きな問題を解決していきたければ、本当にある意味冷静に、感情論と事実分析を分け、大きな視野で考えていかなくてはならないと思いました。

日本人は特にこの点は苦手な事だと思います。

どうしても耳障りの悪い言葉などを聞くと、その下に隠れている意味を読み取れないというところがあるので、本当は必要な耳障りの悪い、厳しい話を皆口にせず、先送りや、皆から睨まれない様な結論に流されてしまうのです。

これでは、危機は乗り切れません。

我々の会社でも同じ構図はあると思います。

耳障りのの悪い言葉、厳しい話を受け入れ、広い視野で本質を考える努力をしていきましょう!

2011年9月28日水曜日

沖縄と京都、なかなかいい感じです。

最近、フェイスブックの方で松下幸之助さんの話を書いているのは、先日松下資料館でお話を伺ったからですが、これ実は、沖縄教育出版の世話人の方々が、研修旅行として来られていた所に参加させて頂いたものでした。

松下幸之助さんの話は、また、フェイスブックの方に上げていきますが、その夜も食事会、二次会に参加させて頂き、松下幸之助さんの話以外でも川畑社長のお話、社員さん達の対応や言動など、勉強になる事ばかりで、私が一番堪能させて頂いておりました。

しかも勉強とは別に、食事会は私にとって大変嬉しい光景でした。

まず京都流議定書に毎年協力してくれている嘉村氏も来ていたのですが、彼は一週間沖縄教育出版さんに行っていたのです。

有能な彼を紹介した事を、社員の方も大変感謝してくれたのですが、実は、この縁は元々、沖縄教育出版さんから始まったのです。

私が以前、沖縄教育出版さんを訪問した際、幹部ミーティング中だったのですが、川畑社長のご好意で、ミーティングが行われている横で待たせて頂きました。

するとその会議の内容を一人の女性がホワイトボードに見事に見える化していかれていたのです。

それがファシリテーショングラフィックというものだと教えて頂いた私は、京都に帰ってから嘉村氏に
うちの会社向けに行ってもらったのです。

海外の研修手法を研究している嘉村氏に、先日見せて頂いたファシグラを行ってもらったという報告を川畑社長にさせて頂くと、又、川畑社長は直ぐ、そんな人なら是非紹介してくれとなり、嘉村氏が1週間も沖縄教育出版さんに行く事となったので
す。

面白い繋がりでしょ?全ては沖縄教育出版さんで、ファシグラを見せて頂いた事からなのです。

そして又、この嘉村氏は、この食事会に来る前は、彼がファシリテーターを務めている京都市の100
人委員会で門川市長と一緒だったそうなのですが、その際、川畑社長が来られている事を言うと、是非会いに行くということで、遅がけにわざわざ市長がお越し頂いたのでした。

これも先日の京都流議定書の鼎談で、コーディネイトさせて頂いたご縁で、京都市長が沖縄の会社の社員旅行に顔を出してもらうという事に繋がったのです。
京都市長と沖縄教育出版の社員さんとが話されている光景を見て、私達の関係から沖縄と京都がどんどん絡み合っていっている事に大変嬉しくなりました。

喜んでいたと言えば、この日のコーディネートを行ってくれた人見社長は二次会で、川畑社長の言われている事が分からないという事が分かったと言って喜んでいました(笑)

何でも理論的、体系的に物事を考える能力が卓越している彼には、全く分からないという事が新鮮であった様ですが、こんな滅多にない激論?もできる縁に、本当に感謝の一日でした。

2011年9月25日日曜日

不況また良し

最近、ブログをかなりサボっておりました。

サボっていたというよりも正確には、書けなかったのです。

珍しくというか、この何ヶ月か、悩んでおります。

経営者ですから年中悩みはありますし、私も独立した時から数えると、社長ももう18年やっている事になり、ゼロからの創業期、倒産の危機に直面して必死に動いていた時期、今より大変な事も一杯ありました。

しかし最近感じていた様な悩みは、初めてというか、禅問答の様な深みにはまっておりました。

それを書いて行こうとすると、又、はまっていくので止めておきますが、昨日、昨年の京都流議定書にもお越し頂いた、松下資料館の川越前館長のお話を聞く機会を頂き、少し気が楽になりました。

”不況また良し”不況や厳しい状況こそ、人であれ、組織であれ、成長する事ができる。

そういう事を改めて聞くと、ゼロから創業した事の事を思えば、倒産の危機に直面して七転八倒しながら行なってきた事を考えれば、全然大した事はなく、今後の展開に向けた壁なのだと感じる事ができました。

厳しい状況が続く中、思っている方向に向けての展開がなかなか進まず、焦っている面もあったのですが、今出ている状況は過去に問題があったからであり、先々をしっかり見据えて、今後成長していく為の試練を与えてもらっているのだと捉えると、不況また良しという事を心底思えると思います。

という事でブログはまたボチボチと。

2011年9月19日月曜日

社会に出て活躍できる人材育成を

最近、何年かぶりに、大学に営業で出入りする様になりました。

実は、私は以前から独特な繋がりがいくつもあり、教育業界?には、少し精通したところがあって説明しきれない意外な関わりを持っております。

大学だけではありませんが、学校に出入りする度に、今の学生は本当に恵まれていると思います。

授業やクラブ活動以外にもプロジェクト的な活動、ボランティア、社会貢献的な活動を学校もサポートしている面もあり、詰め込み教育だけではない、人間性を豊かにする様な取組もされている様に思います。

しかしそれだけ恵まれているにも関わらず、今尚、企業に入って、活躍できる人材とのギャップは埋まるどころか広がっている様に感じます。

こうなった原因は、イデオロギー的なものも絡んで、何の為の教育なのか?という事が永年抜け落ちてきた、もしくは歪んでしまった事だと思います。

一部の研究者は別として、社会に出て働いていく為、もっと言えば生きていく為に勉強し、教育を受けていく筈であるのに、道徳や宗教、産業や経済というものを排除していった為に、実社会や生きていく上での教育ではなく、大学へ行く為、良い(一般的には有名であって大きい)会社に入る事が目的の知識だけの勉強となってしまったのです。

知識だけの教育が実践で無意味な事は、日本の英語教育を見れば、証明されていると思います。

一方、学生側はデジタル化により、表面的に判断を下し、言葉の真意や深いところを読めない傾向が進み、地域との関係が薄れ、核家族化していく中で、”個”が強まって、他者への配慮や心情を読むという様な事ができなくなっている様に思います。

簡単に言えば、わがままで我慢できない(打たれ弱い)という特長であるのに、知識は豊富で自分は賢いと思っているので、素直に従う、兎に角まずやってみるという事ができない中、自分探し、夢探しをしている人が多いのです。

グローバル化は何も英語だけを覚えれば良いのはありません。
世界で戦っていく為に、もっと重要なのは、生きていく力だと思います。

教育だけではありませんが、社会の環境全てが、今後活躍できる人材とのギャップを広げていっている様に思います。

そう考えると、大学(教育)改革は、思い切りやれる事があり、従来の偏差値だけでのランキングでは下位であった様な学校が、大逆転していける要素が大いにあると思います。

折角、又、大学へ出入りしていく事になるので、社会に出てから活躍できる人材育成、それを進めていく一助となる様、動いていきたいと思います。

2011年9月14日水曜日

JAL提携の裏でのイイ話

先日の盛和塾で聞いた深イイ話(番組は無くなりますかね?)です。

JALは米国では15年以上も2社とアライアンスを組んでいたが、再建計画の中、社内では新たに提携オファーをして来た、デルタ航空と組む方がメリットがあるとの事で、2社とのアライアンスから切り換えようとしていたそうです。

稲盛さんは、長年のパートナーとトコトン話し合いもせず、そんな事で良いのかもう一度全役員で考える様指示され、一週間の再検討の末、従来のアライアンスを維持するという結論を役員で決めたとのでした。

このニュースは新聞で見ていましたが、裏ではこんな話があった様で興味深く聞かせて頂きました。

又、この事に気をよくされたアメリカン航空のアーピー会長が、是非稲盛さんに挨拶したいと来られたそうなのですが、素晴らしい話はなお続き、日本への機中で、稲盛さんの事を知る為に、”生き方”の英語版を読まれた会長はその考え方に大変感激され、その後の提携交渉はお互いを尊重するものとなり、以前よりも強固なパートナー関係を築く事ができたとの事でした。

それだけTOPの考えというものが重要なのだと再認識すると共に、アメリカ人に対しても、その様な”価値観”が効果的であった事に驚きました。

しかもこの本に感激されたアーピー会長は、帰国後、全役員にこの本をプレゼントされたそうです。

稲盛さんは経営者たる者、自分の心に規範を持たなくてはならなず、それは人間として何が正しいのか?で考えていかなくてはいけないと言われるのですが、原理原則に基づいた事は、人種や国籍なども関係なく、全世界で通用する事だと言われます。

崇高な思い、強い信念があると、確かにそうなのかも知れません。

日本人同士、少人数でも伝えきれていないのは、やはりTOPの思いの高さと強さの差という事なんでしょうね。

JAL提携の裏で繰り広げられた、ちょっとではなく、かなりイイ話でした。

が、私も含めた経営者には、大変厳しい話ですね?

今ここに生きている

チーム福島のメンバーがある所に集まっているからと、ホテルに荷物だけ置いてすぐ向かいました。

チーム福島というのは、福島をよくしていこうと若手経営者を中心に集まっていたグループですが、大震災が起こって考えてみると、この復興の為に結成していたのではないか?と言われていました。

本当に皆さん、志の高い方ばかりで、初対面なのに、初めから打ち解けて突っ込んだ話もさせて頂きました。

話していて、何故皆さんから力強さを感じるのかを考えていたのですが、それは大変な事だらけ、やってられない事だらけの中、使命観に燃え、"今ここに生きている"という感覚をお持ちだったからではないかと思いました。

団塊の世代以降か、少なくとも私の少し上の年代の方では、この様な"今ここに生きる"的な感覚を持った方などおられないと思いますし、私はそんな雰囲気を感じさせられる方にお目にかかったのは初めてでした。

不謹慎と思われるかも知れませんし、ご批判は大いにあると思いますが、今の日本では、人間として生きているという事を無駄に、浪費している様な人が多い事を考えると、トンでもなく大変だと思いますが、毎日を戦っていて、"生きている"感覚を持たれているこの方々の方が凄く濃い人生を歩まれている様にさえ感じました。


また、必ず復興していくと思いますし、そうしないといけないのですが、復興を遂げていく中で、この今の日本において、その様に毎日を張った状態で生きて来られた方々は、凄い人物になっていかれると思いますし、今後の日本の救世主になっていかれるのではないかと思います。


その為にも、被災していない地域の人々は、絶対的に思いを寄せ続けていかないといけないと思います。

その為にも、もう本当に下らない論議は止めましょう!

そして、本当に私利私欲なく、国の為、被災地の為に自分が批判を浴びようとも、考え、行動できる人を、皆で応援していく様に変えていきませんか?

2011年9月11日日曜日

福島の光

福島にも希望があります。

今回会った人々は、ひょっとすると極端に凄い人ばかりだったのかも知れませんが、それでもこれだけ素晴らしい志を持った人々がおられるのには、ある意味衝撃を受けました。

まず初めに郡山に入り、ある方と会食する事になっていたのですが、その場所となっていた、しゃぶしゃぶ温野菜という店に、いきなり驚かされました。

ここも福島ひまわり里親プロジェクトの半田氏が採用と教育に関わる店ですが、半田氏が次々と私の元に高校生、大学生のアルバイト、新入社員、二年目の社員などを呼び、何故ここで働いているのか?働いてからの気持ちの変化などを話させるのです。
いきなり呼ばれて難しいフリをするなあと思っていると、彼らは臆することなく、それぞれが、しっかりと自分の考えを持っていて、ここで働く意味、生き方を見つけたという様な事を熱く語ってくれるのです。

しかし、初めから雄弁な人を採っているのではなく、むしろどちらかと言えば、コミュニケーションは問題もあったという人で
あったらしく、今でも、話し方がうまいという事ではないのですが、自分の考えを腹から話をしていて、ずっしりとこちらに伝わってくるのです。

この高校生達は何?と驚くのですが、そう思っていると瞬間的に又、この光景は社長の差?と、自分が落とされてしまいます。

いくつか彼らに質問をしていくと、たかだかと言うと失礼ですが、この店を率いる29歳の社長に、自分を変えてもらった、生き方を教えてもらったなど、皆が異口同音に社長への感謝や思いを語るのです。

しかも、ほんの3年程でここまでの状況、"イマドキ"の学生や、卒業したての若者達をここまで意識改革させている姿を目の当
たりにすると、TOPの差をつくづく思い知らされました。

食事がほぼ終わった頃、店内の電気が消され、カーテンが開けられると窓の外の駐車場には扮装した店員さんが数人居て、音楽にノリながら、花火を持って踊っていました。

こんなショーをやっているのか?と思っていると、何やら誰かの誕生日で行っている様子でした。
すると、私のテーブルにケーキが運ばれ、お客さんもこちらを見ていたので漸く気づいたのですが、このお店から私への、1週間遅れの誕生日お祝いだったのです。

1週間前にもサプライズで祝ってくれた半田氏が、店に情報を入れてくれていて、このホスピタリティー豊かに育った店のスタッフ達がやらされ感なくホントに楽しそうに行ってくれるのです。

一度福島の現状を見に来てくださいと言われて、街全体が暗く、意気消沈しているイメージを持ちながら、初めて降り立って入った店がこんな状態だったのですから、この状況をどう捉えたらいいのか、全く頭の整理がつかなくなりました。

という状況でしたので、当日のフェイスブックには、福島は熱い!と入れる事になったのですが、これだけでは終わらず、この後、チーム福島のメンバーが夜な夜な集まる所に合流し、福島の熱い人達の思いや、課題を聞かせてもらいました。

これはまた次回に書きます。

2011年9月9日金曜日

福島に向けて誰もができる事

一昨日夜と昨日だけでしたが、初めて福島に行ってきました。

震災後という意味ではなく、生まれて初めての福島だったのですが、まず下り立った郡山駅周辺は、あまりにも普通の光景である事に驚きました。

福島にいる間、大人でマスクをしている人を一人も見ませんでしたし、ショッピングや外食などもこちらでの様子と全く変わらない光景でした。

しかも初日に会った面々は、何とか福島を再興しようとする素晴らしい志を持った人達ばかりで、想像していた被災地の光景とのギャップに面くらいました。

しかし実際深く話しをしてみると、やはり各家庭、各個人に凄まじいドラマがあるのです。

9歳のお子さんと人生や、生死についてトコトン話合い、そのお子さん自身の結論で、避難せず残る事を決断したが、5年後、10年後に、もしその子が癌にでもなれば、自分は一生悔やんでも悔やみきれないだろうと仰る方や、どこの家庭でも、夫婦
や、親子や、親戚で、震災、いや原発問題が無ければ、揉める必要もなかった身内が喧嘩ばかりしたり、いがみ合ってしまったりしたとの事でした。

一人もマスク姿を見なかったという大人たちの異常?な姿とは反対に、通学時には自治体から支給された放射能測定器を首から掛け、マスクをした子供達の姿に出会います。

ただ、これはとても子供達を守るという主旨とは思えるものではないのです。

自分達では数値が見れず、3ヶ月後に役所に届けると、基準値以下か以上かの結果だけが知らされるという、データー取りが目的?としか思えない様内容なのです。


そう、親達も疑いながらも、3ヶ月後で、数値自体を教えてもらえなくとも、子供達の為に何も分からないよりもマシだと、すがる思いで着けさせているのです。

一見どころか、どう見ても震災前と全く変わりのない光景でありながら、こんな状況が、いつまで続き、その先にどの様な事が待っているのか?分からない中で生活をされている姿は、岩手で見た、全て無くなったしまったという光景とは又違って、胸が締め付けられる思いがしました。

昨日は半田さんが車で、ガイガーカウンターを乗せ、福島市から飯館村まで案内してくれました。

ダッシュボードにカウンターを載せて走っているだけでも、数値が高まる所も多く、しかも原発への距離や、周りが小高く囲まれているか、開けているかなどが数値に影響するという規則性はなく、測っていないと、何処が高いのかは分かりません。

飯館村は原発から40キロ辺りに位置し、避難命令が出て立ち入り禁止となっている20キロ地区とは違って、住むべきではないという地区で、それは、危ないけれど保証はしませんという意味なのです。

そこは立ち入り禁止ではないだけに車は往来しているのですが、両側の店、会社、家はほぼ全部閉鎖されているという、異様な状況でした。

こんな状況に対して我々が何ができるのか?頭の整理がつきません。

又、岩手の時もそうでしたが、たかが一日か二日、しかも見に行くだけという様な事で良いのか?そんな思いもずっと持っていました。

しかし、やはり現地へ行ってみないと分からない事だらけでもあり、多くの人が、その現状を知ってくれているだけでも、現地の方にとっては大きな力添えになると思いますので、行ける人は少しでも現地へ行き、一人でも多くの人に伝えていく事、それだけでも大きな力になると思います。

"この時期によく福島に来てくれた " そう言って喜んで頂いた様子を見て、モヤモヤが取れた様な気がしました。

誰でもができる大きな貢献は、その人や、その場所に思いを寄せる事、寄り添う事なのだと思います。

2011年9月7日水曜日

いい会社( オフィス)を作りましょう!

今東京です。

最近ブログはサボり気味で、今日も寝ようとしたのですが、色々考え事をしていたら、寝れなくなったので、想いの一つを書くことにします。

今日は、ある大企業のオフィスを特別に見せて頂きました。
考え方が素晴らしいという事で、ある方から紹介して頂いたのです。

確かに今まで見たオフィスの中で、最も素晴らしいと思いました。

一言で言えば、オフィスに明確な意図があるのです。
しかもそれは人間をベースに考えてあり、しかし単に楽しいでだけではない、仕事は成果を出すものだという、そんなメッセージを感じました。

殆どがフリーアドレスで、あちらこちらにミーティングスペースがあり、それも画一的ではなく、それぞれに違う意味を持っており、休憩スペースや集中スペースなどもしっかりあり、全てにメリハリが効いています。

社員の方は事務も含めて全員が、いつ、どれだけ休憩していようと構わないし、どこの場所で仕事をするのも、自分で決めているのです。

私の理想とするのは、正にこういう事で、日本が最大に遅れている部分は、このポイントだと思うのです。

工場は、カンバン方式を代表する様に、日本式は最高だと思いますが、一つのパーツを右で取るのか、左で取るのかまで、追求して工程を組んでいる様な会社でも、オフィスは、みすぼらしかったり、そこまでいかなくても、従来の日本式の事務所的な所が殆どです。

事務所はバックヤードであり、出来るだけお金をかけないというのが、日本では超優良企業でもスタンダードな姿です。

これ自体がまだ日本はプロダクトアウト型のモデルで動いているのです。
要は商品を安く良い物を作れば、勝手に売れて行くという時代のままなのです。

マーケットインどころか、コンシューマイン、要はお客さんに聞け!と言われる時代、お客さんには誰が聞くのでしょうか?
自社で働く社員さん達です。
そこが生産性が悪ければ、マーケットで残っていけない時代に、日本の大多数の会社は、そこで働く人のモチベーションを考えていないのです。

そこが分からないのに、色々制度だけ導入したところで、効果が上がらないのは当然の話だと思うのです。

私は何とか日本人の仕事観を変えたい、それができないと、日本はどうしようもない国に成り下がってしまうという危機感を持っているのですが、その為には、今日お邪魔した様なオフィスにメッセージを込める、しかも人をベースに考える様な会社を増やしていかなくてはなりません。

そんな会社が増えれば、ウエダ本社も儲かって、素晴らしい会社になれると思います。

よく出来た話でしょ?


でもこれがうちの会社の、存在価値であり、事業を通しての社会貢献であり、理念とミッションが一致したところなのです。

いい会社(オフィス)を作りましょう!

2011年9月5日月曜日

厳しいながらの・・予感

実は、今月末に四人もの退職者が出ます。

今年に入って既に辞めた人もあり、良くない傾向にも見えると思います。

しかし、退職者が出るという事自体については、うちの会社の今の段階において、私は決して悪い事ではないと思っています。

今までが、誤解を恐れず言うと、離職率が低すぎたというのか、違う山、違う方向を目指しているにも関わらず、同じパーティーで山に登っているという感じもあり、それではお互いにとって、良い関係は築けないと思いますし、毎年、入社したいと思ってくれる人に入ってもらう事ができないという問題もありました。

別にウエダ本社のスタンスが正しいと言っているわけでもなく、その価値観に合わない人が悪いと言っているわけでもありません。
価値観が違うだけの話ですから、二度と戻って来ない人生、やはり自分の価値観に合う所、或いは、合わせていける所で、働くべきだと思うのです。

私が思う、一番つまらない人生は、社会人になってからの殆どの時間を費やす仕事を、イヤイヤ行なっている事ですから、自分に合うところで、イキイキと輝いて欲しいと思います。

しかし、そんな中で残念な事は、価値観が問題ではなく、仕事もやる気があるというのに、家庭の事情や、個人的な事情で辞めていかなくてはならない人で、特に介護などの家庭の事情という人などに対しては、今後益々増加する問題ですから、何とか良い策がないものか?を考えていきたいと思っています。

一時期であっても人数が減る事は、厳しい面はありますが、少しづつ連携の芽が出てきたり、今までになかった良い感触も出てきており、漸くウエダ本社も雰囲気だけはほんの少しですが、反転の兆しを見せていける様に思います。

今出ている成績は厳しい、そして社内的な課題も山積する中、人数も減り、なかなか大変な筈ですが、残ったメンバーの多くは、むしろ、今まで無かった、”やるしかない"的な感覚、そしてそれぞれの行なっている事、役割が見え出しているという事で、何となく良い感じがしてきています。

ブログをご覧頂いている、お得意先様や仕入先様、そして色々なステークホルダーの皆様、この芽を大事に育てていける様、是非ともご協力お願い致します!

2011年9月2日金曜日

素晴らしい研修後の悩み

研修を行なうとよく落ち込みます。

昨日も全員研修を行なっていて、来て頂いている素晴らしい先生のお話は、すーっと皆に入っていくのです。

落ち込むというか、モヤモヤする理由は二点あります。

まずは、自分の問題で、何を言うのかではなく、誰が言うのかである。とよく言われる通りで、私がずっと言い続けている事でも、ある人が言うと、初めて聞いたかの様に、皆に入っていくと、それを浸透させられない自分自身の人間力の無さを痛感させられるところです。

よく、営業については、"商品を売り込むのではない、相手のスタンス、ニーズを引き出し、それに最大に対応できる事を考えるのだ"と、偉そうに言っている私ですが、社員に向けては、"考え"を売り込んでいる形になっているのだと気づかされます。

それでは相手の心に入っていかないですよね。

結局は、こちらから言っている間、そして相手が聞く気にならないと、売込みになるわけですから、それじゃ、もう言わない様にしようか?とも思ったりする事もあります。

しかしもう一方で、お客様と違って、社員には、やはり駄目と思う事は、何と思われようと本人の為にも言うべきだと思います。

又、研修だから、先生の話し方がソフトでうまいから、入ってくるという、相手依存の事ではなく、日々の中でも、自分から吸収していく様にならないと、本質的な生きる力が備わらないと思うのです。

自分自身も経験があるのですが、これが分からなければ成長できない、うまく進まない、というポイントがあるのですが、それが理解できない間は、言われる事に対して、何でそんな事を言われるの?と反発こそあっても、腹に落ちる事はありません。

しかしそれは又、見えなければ一生見えないかもしれず、逆にそこさえ分かれば全く違う世界が見え、私自身、その体感があるので、社員には、何とかそこを分かって欲しいと思うのです。


素晴らしいお話や、研修を聞いて、単に良かったーと言うだけではなく、その研修が行われている背景や現状を考え、お話で納得したポイントを、どの様に自分や自社に生かし、改善していけるのか?を考えていく事ができれば、そこから漸く本物に向かっていけると思います。

2011年9月1日木曜日

11’9月ウエダ本社社報

《 変化しない事が悪 》

野田新首相が誕生しました。

失われた二十年、サブプライム問題後、ようやく明かりが見えかけてきた段階での大震災、原発問題という大変な状況下であるにも関わらず、その危機感が全く感じられない選挙でした。

首相を決めるに当たり、ほんの三日間の政策論争、国民の意向は全く通らない、民主党国会議員のみで、数の論理、自分達だけの思惑、私利私欲で決めるという、情けない限りの攻防が、繰り広げられました。

しかし、今までがあまりにも酷かったので、少しは動くのではないか?という期待は持ちたいと思います。


一昨年は総選挙、昨年は民主党の代表選と、振り返ってみると毎年9月には、首相が代わるという異常な状態が続いており、世界から見て、まともに相手される状況ではないだけに、一刻も早く狭い了見ではなく、先々を考えた国家運営を行ってほしいと思います。

しかし、国会議員が狭い了見ではなく・・というのも変な話ですが、どうしてこの様に、大局からモノを見る人、考え、行動できる人が居なくなってしまったのでしょう?

政治家の世界だけではなくどの世界でも、所謂リーダータイプが減少していると思いますが、それには教育の問題が大きく影響している事と、社会的な環境も大きい様に思います。

少しでも失敗したり、行き届いてない事があれば、鬼の首を取った様に責め立てる風潮が世の中を歪めている様に思えてなりません。

そんな中では失敗しない様に安全な道を選ぶ様になり、そんな事では危機を乗り切る変革などできるわけがありません。

ここ数年の日本の政治を見ていても、現在の日本では、批判を恐れて従来通りに継続していく事や、何もしない事の方が状況を悪化させていくと思います。


 ウエダ本社でも以前から積極的な失敗は奨励すると言ってきましたが、何もしない、変わらない事は悪だ!くらいの感覚で、是非、再度、思い切った意識変革を図っていきましょう!

半田さんから学ぶ

福島ひまわり里親プロジェクトの半田氏から、6枚の手の込んだお祝いメッセージを頂きました。

まだほんの二ヶ月程の付き合いですが、不思議と何年も前から思いを同じくして来た同志の様な気がします。

意外と深く付き合っている人というのは、年数とは関係なく、如何に表面的ではなく深いところで繋がっているのか?で決っていると思います。

半田氏は支援者をどんどんひきつけていく魅力を持っていますが、そのベースは常に与える事を先に考えているところにあると思います。

原発問題発生後、会社放ったらかしで奔走されていますが、その姿勢も大変な状況だから、”下さい”ではなく、支援を必要としている彼の方が、会った人達に、感謝や、笑顔、そしてパワーまでもを与えているのです。

この姿勢は、なかなかできるものではないし、私よりもかなり年下ではありますが、凄い!と心底尊敬します。

よく寄付などを集めに来られて困るケースは、良い事やっているんだから、こんなくらいは協力してくれて当然でしょう?という姿勢で来られる事です。

又そこまでいかないまでも、御礼も何もないというケースは結構あります。

世の中に良い事をしているかもしれませんが、それに協力を求める姿勢としてはおかしく、そういう基本的な事ができない人では、やはり、最終的にはうまくいかず、結局は世の中の為になる活動にはできないのではないかと思います。

会社での寄付であれば、額が小さいものであっても、それはそこで働いた人々の努力の結集であり、そこに関わる仕入先さんなどの協力があったからできたことかもしれません。

そう考えると、どれだけ多くの人が関わって上げた利益なのだという事を思うべきだと思いますし、紹介などにしても、その紹介ができる背景には、どれだけの信用の積み重ねがあったのか、そんな事が分かれば、必然的に態度には表れるし、そんな重みを分かる人にはどんどん支援が集まるのではないかと思います。

私も少なくとも、もらって当然、”下さい”から始まるのではなく、先に役に立てないか?と考えられる人でありたいと思います。