2011年5月31日火曜日

ブータンと伊那食品さん

ブータンに降り立った時の、何とも言えない幸せそうな雰囲気、それと同じ雰囲気を、伊那食品さんに入って感じました。

元世界銀行副総裁の西水美恵子さんが、昨日、今日と仰っていた言葉です。

世の中の貧困を無くす事を目指して設立された世界銀行に、長らく勤められた西水さんは、各国の首脳と親交が深く、そして同時に貧困を知る為には、その生活をしないとと、現地でホームステイも行なって来られたという、言わば、両極の世界に通じた稀有な方なのです。


国民の97%が幸福と感じているブータンの国王とも親しく、その展開を間近に見て来られ、日本を憂いておられた西水さんが、"日本で一番大切にしたい会社"を読まれ、日本にもこんな会社があるのだと、感動され、その後の出会いから、鬼澤さんのブログを読まれ、是非、伊那食品さんに行きたいとリクエストされたそうなのです。

我々はそれに便乗させて頂き、勉強会に参加させて頂いたというわけなのですが、大変、上品でお淑やかな語り口であるにもかかわらず、腹の座り具合がただ者ではないという、恐ろしささえ感じてしまう本物でした。

"末期ガンと宣告されたら"、それが本気で悩むという事。
その位、悩みましたか?
その位悩んでないなら、まだ、本気じゃないって事です。


恐いでしょ? 経営者にはとんでもなく恐いです。

でも、図星で、やはり本気さが足りなかったと痛切に感じました。
社員の事を考えている・・と思っていtのは、まだまだ"つもり"のレベルでした。

経済成長が国家の目標になってはいけない、国民の幸せが国家の目標。

人間関係を無視した成長は、人間が住む国の経済成長ではない。

ブータンの目指す、幸せ観が並べられます。

今からの日本がズバリ真似できるか?
そんな声はあるでしょう。

ただしかし、少なくとも我々の様な中小企業は、その位本気な、国民(社員)が肌で感じる様な思いやり、が必要なのだと思いました。

そして、それを具現化した様な会社が目の前にある。

逃げられませんねえ。 恐ろしい勉強会でした。


現実、目の前にある、伊那食品さんの恐ろしさについては、又にさせて頂きます。

2011年5月29日日曜日

心を整える

先日、松栄堂の畑社長のお話を聞く機会がありました。

京都流議定書イベントにも参加してくれる、自死遺児などのケアなどの活動を行なう尾角光美さんが、震災後、東北を回り、グリーフケアの為に、本を出版する事になり、それに添えて、お祈りできる様にお香を付けたいとの事で、紹介を頼まれての事でした。

その企画については、素晴らしい事であり、東北の方に、お香を直接届ける事を模索されておられたとの事で、二つ返事で、というよりも、積極的にご協力して頂く事になりました。

その際に、お香への思いや、使命、先祖に思いをはせる事が無くなっている現代への危機感などをご教授頂き、目から鱗のお話や、淡々と話しされているだけなのに、話しの中身や思いが素晴らしいので、深く胸に染入りました。

中でも、心を整えるという事はどういう事か?についてのお話は、じわーっと感じ入り、気持ちも楽になりました。

人には頂いた透明な水があるが、それが生きていく間に色々な色が着いてしまう。
心を整えるという事は、色が着いてしまった水の汚れを時々沈殿させる事、そして、汚れが沈殿した後の、上部の透明になった水、その透明さを思い出す、元はどうだったかを振り返るという事だというでした。

汚れた水を綺麗にする事、と言われると、なかなか、厳しいものを感じますが、そうではなく、時々は沈殿させて、元はどんな透明なものだったのか?を知る事、と言って頂けると、凄く心が楽になり、現実的で、そうありたいと思えました。

元々、尾角さんから、松栄堂の社長さんって、どんな方なんですか?と聞かれて、即座に、”それはピカ一に素晴らしい社長さん”と答えていた私も、お陰で鼻が高かったです。

松栄堂さんも300年続く、老舗中の老舗ですが、この様に素晴らしい重鎮の方々と、日本を変えようとする若い世代を、同時に持つ京都のコンテンツ、人材の豊富さは、恵まれた話しだと思いますし、
そこを生かして、やはり、日本の価値観を動かしていかなくてはいけないと思います。

2011年5月27日金曜日

クローズアップ現代

今日はNHKのクローズアップ現代の方が当社に取材に来られました。

来週の木曜日の放送分らしいのですが、世界の幸福観がテーマの様で、昨日経済同友会のハピネス特別委員会の様子を取材され、そこでもインタビューを受けたのですが、是非、会社に来たいとの事で、今日お越し頂く事になりました。

世界の幸福感がテーマで、経済同友会での取材や、他の取材もある中ですから、放送されるのは、ほんの一瞬なのでしょうが、
私以外にも社員のインタビューや、各フロアや、社内での取り組みなど、かなり興味深く取材して頂きました。

一番の関心事は、経済成長が期待できない中で、幸福はあるのか?といった感覚でしたが、何をもって、成長と言えるのか?
そこの感覚を変革する事だ、と思っているところを色々述べさせて頂きました。

伊那食品さん、沖縄教育出版さん、ネッツトヨタ南国さん、などなど、それらの会社を知っておられれば、説明しやすいのですが、それらのポイントを説明して、社員や、社会の幸福を追求していけば、しっかり業績も上がるというポイントをご理解頂くのには、なかなか苦労します。


京都流議定書イベントも当然案内し、幸福論も行いますが、三日目の社会企業家が集まる所には是非お越し頂き、彼らの生き方、活動、取り組んでいる課題からも、幸福論については、色々な事が見えてくるので、クローズアップ現代という看板番組で、この問題も追いかけて下さいとお願いしておきました。

テラルネッサンスからでも、クローズアップ現代で取り上げてもらいたいものです。

2011年5月26日木曜日

幸福論

昨日からもバタバタでブログ更新できてませんでした。

リノベーションの打ち合わせ、2012年新入社員の面接、盛和塾、経済同友会の委員会、自社での主催セミナー、仕入先対応、それらの合間を縫って、新年度で各チームでの役割、目標を徹底的にすり合わせの中間での相談や、ミーティングへの参加などバラエティーに富んでます。

お陰で両日とも、本来は会合後のおいしい食事を中座して、会社に戻っておりました。
今日などは特に、滅多に行けるわけではない柊家さんでの食事だったのですが。。

その中座したのは、経済同友会で今年、代表幹事直轄で設置されたハピネス特別委員会だったのですが、某大手広告代理店部長の”幸福学”についてのお話でした。

そこに何と、NHKのクローズアップ現代が取材に来られていました。

やはり、価値観の変革という事においては、皆が考えているところだと思いますし、経済同友会で幸福論という事にNHKさんも注目された様です。

ところが!!京都流議定書イベント初日も、そんなことで幸福論からスタートします。

又、その大関心事と、柊家さんのお料理に後ろ髪を引かれながらも、帰ったのは、会社の方で、ファシリテーショングラフィックセミナーを開催しており、私も呼び込んだお客さんもおられたという事と、このセミナーを行ってくれている嘉村君にも、イベント三日目に関わってもらう為、その打ち合わせもあったからでした。


イベントが近づいてくると、なかなか何度も時間取って、それぞれの方と打ち合わせもできないので、会える時を逃さない様にしないと、企画が成り立たなくなってしまうのです。

そんな日々を送っておりますので、バタバタするのは仕方ない話ですが、内容も少しづつ固まってきましたので、又、ブログか、フェイスブックで書いて行きます。

と言っても、抜けたりもしますので、イベントに興味ある方は、是非、京都流議定書のフェイスブックページと、同じく京都流議定書公式サイトにご登録下さい!

2011年5月23日月曜日

学生は絶対来るべし!

今朝は教育懇話会事務局に、京都流議定書イベントの説明に行きました。

教育懇話会とは元々、日経新聞社と、京都経済同友会、京都市教育委員会、立命館大学と、当時社長が経済同友会代表幹事であった堀場製作所さんがメインとなり、教育を色々な立場から考えていこうとしたプロジェクトであり、現在では大学コンソーシアムも参加しているので、学生へのイベント広報のお願いに上がりました。

三日とも、どの枠も素晴らしいものばかりですが、特に学生さんには、7月24日の三日目に、NPO代表など所謂、社会企業家達が集まる所に是非、来てもらいたいのです。

彼らの活動、思い、生き方などに触れ、話を聞いてもらうと、何か感じてくれる学生さんも多いと思いますし、学生さんには、その上で就職活動に臨んでほしいのです。


毎年、この時期は大学生は試験中なので、ちょっと顰蹙なのですが、でも長ーい人生を考えると、大学の試験よりも、有意義な発見、気づきもたくさんあると思いますから。


イベント公式ページもUPしましたので、ご興味ある方は、メール登録頂くか、フェイスブックでの京都流議定書公式ページに、いいね!でご登録下さい。

かなり遅れ気味ですので、ここから急ピッチで決めていきます!

2011年5月21日土曜日

堅いオヤジと思われようとも

Facebookの友達申請について、私にはルール化している事があります。

それは基本的には、お会いした事がある方と、お会いしていなくても、信頼のおける共通の知人があり、メッセージを添えて申請を頂いた場合とさせて頂いています。

文章にすると、そんな"堅苦しい"と思われるかも知れませんが、何と言われようとやはり、知らない人に、何のメッセージも無しに申請だけ送るという事はおかしいと思いますし、そんな事が平気でまかり通っていく世の中にしてはいけないと思います。

私は有り難い事に学生やNPOの連中との付き合いも多いのですが、残念な事がよくあります。

素晴らしい活動をしていて、素晴らしい人物なのに、基本的な事、もっといえば、連絡や、返事、という事がしっかりできない人が大変多いのです。

学生の頃から、凄い活動をしているので、早くから行政の人や、企業TOPなどとも付き合いなどもあり、企業などでしっかり教
育を受けた事がなく、世の中に出て行っている為、市長などにも、友達感覚で話していたりするという事も目にします。

又、ビジネス上では考えられない、目上(年齢だけではなく、売り買いの関係、普段の世話になっているレベルなど)の人から連絡もらって放っておく、返事をするとか、約束をした事も、なしのつぶて、という事も残念ながら頻繁にあります。

自分で独立創業もして来た私からすると、たった一回の返事を怠って、信用を無くす事の怖さや、逆に何の信用も無い中で、返事、連絡をしっかりし、どんなに小さい約束でも言った以上は必ず守るという事で信用を積み上げるものだと思っているので、
嫌なオジサン役で注意する事もよくあります(笑)

以前にも書いた事があるのですが、そんな風潮になっていくだけに、Twitter、Facebookで、基本的な挨拶や、礼儀ができな
い人達が気軽に、繋がり、拡げていく事には、非常に危惧しています。

今、日本の企業は、グローバル化に向けて、英語強化を図っていますが、私はグローバル企業ほど、しっかりとした人間教育、英語も必要ですが、その前にグローバルで通用する人格形成に力を注いでもらいたいと思います。


日本のTopの政治家達も確かに英語ができない事で、格下イメージになってしまう事もありますが、あのリーダーシップの無さや、国家観の無さで英語を話されたら、これがTOP?と、かえって情けない話になってしまうと思います。

英語も、ITも、ネットも必要です。そしてそれらは時代の流れです。

しかし、基本的な、挨拶、礼儀、気遣い、人間関係、こんな軽い時代になっていくからこそ、しっかり教育し直さないといけないと思います。


そんな事で、申し訳ないですが、面識がない方で、紹介でもなく、メッセージもない友達申請はお受けしませんので、悪しからずご了承下さい。

2011年5月20日金曜日

テラルネッサンスと京都流議定書

今日はテラルネッサンスの鬼丸さんが寄ってくれました。

京都流議定書イベント三日目の7月24日に出てもらう事になっているのですが、その打ち合わせもあり、久しぶりに色々話させてもらいました。

イベントのファンページにも上げないといけませんが、この三日目も、中身は超お薦めなんです。

鬼丸さんを始め、人間力大賞で受賞した面々が勢揃いというか、京都のメンバーのオールスターと言っても過言ではないメンバーが集います。

その兄貴分とでもいうべき、京都地域創造基金理事長の深尾さん、尾角光美さん、近藤麻友美さん、廣岡睦さん、尾形浩一郎さん、西田将也さん、深田雄志さん、嘉村賢州さん、などなど、それぞれ素晴らしい活動をしており、それぞれの話や、課題に向かって闘っている姿は、生き方、働き方を考えさせてくれるので、社会人や学生にも是非聞いて欲しいと思います。


経営者にも勿論聞いて頂き、社員研修として使って頂きたいと思いますし、CSRとして色々な取り組みをされている会社も多いですが、彼らの取り組みが事業と関連性のある会社は、是非、何か連携して頂きたいと思います。

ついででもないのですが、レアメタルなどを使用されていたりして、コンゴやウガンダの支援などに興味のある会社さんはおられませんか?

もしあれば是非、テラルネッサンスにご協力下さい!


カンボジアの地雷撤去と、コンゴ、ウガンダの子供兵を社会復帰させる支援を行っている彼らも、震災後は東北に入り、東北支援に力を注いでいます。


当然ではあるのですが、日本人の意識が、海外の支援より、東北の支援に向いている為、本業?の活動の資金がかなり厳しくなって来ているとの事でした。


東北に目が向かうのは当然としても、その事で十年強、海外支援を地道に続けて来た活動が、途絶えてしまうとなれば、非常に勿体無い話ですので、これはこれで防いでいかなくてはなりません。


鬼丸さん達が、安心して東北支援に向かってもらえる様、これら国々への関心も薄れない様にお願いします!

2011年5月19日木曜日

ニコニコ脱出の面談

今日で社員面談が終わりました。

半期に一度、評価にコメントを添え、それに基づいて、目標を擦り合わせるという事ですが、今回は皆、ファシリテーショングラフィックを用いて、各チームで毎日の様に話合っているので、その流れで話する事ができ、なかなか有意義でした。

四日間朝から晩まで話しているので、大変疲れる仕事ではあるのですが、以前と比べると、精神的な疲れがないので、かなり楽
になりました。

数年前では、この評価がどう?だとか、あの人と比べてどう?だとか、そんな質問に答えないといけないケースもあったのですが、今回などは、業績が悪かったので、皆、厳しい状況である筈なのに、今までで一番、積極的で建設的な話をしてくれました。


考えてみると、その数年前までは、ブツブツの会社であったのが、この二年程はニコニコの会社になり、漸くそのニコニコでは駄目で、そこから抜け出そうとしているという段階に来たのかもしれません。


今期は組織的にも、制度的にも、初めての事だらけですし、数ヶ月後にはかなり変化が見られる様になると思いますし、今期には、皆厳しさを供えて、イライラの集団を目指したいと思います。

イライラの組織って??と思われた方は以前のブログ(ニコニコとイキイキの組織の違い)をお読み下さい。

2011年5月18日水曜日

事務機のウエダリノベーションビル

ウエダ本社の南側のビルは、今工事を行っております。

築43年の古いビルですが、リノベーションで生まれ変わることになります。

一階には社員食堂という目的もあり、それを地域にも開放する地域食堂を入れ、吹き抜けでつないだ地下には、クラウドオフィスという事で、外部の人もそこで仕事ができるスペースと、セミナー、イベントを行うスペースを設けます。

そして二階~六階はSOHO事業者向けオフィスとなります。

リノベーションで良い点は、この古さがカッコイイ!という感性の人が集まって来られる所です。

自転車で街を突き抜けるというライフスタイルという事ですので、駐車場も設けないのです。

京都市では歩く町プロジェクトを行っていますが、このビルもライフスタイルの変換をシンボリックに表すものとしていきたいと思います。

そして何よりも、京都市の景観にとっても大変有意義な存在だと思います。

これからどんどん京都市内でも古いビルが問題となってきますが、今のままでいくと、マンションにするのか、コインパークか?という選択で、市内がマンションと駐車場ばかりの町になってしまうと思います。

しつこく言いますが、北側ビルで協力した、派手でもなく景観上、全く問題ない様なビルの表示を指摘している間に、ビル自体が無くなるという、馬鹿げた話になってしまうと思います。

その為にも、古いビルの改修、耐震補強工事を行政としても補助していくべきだと思いますし、そのショーケースとなるビルにしていきたいと思います。

秋には、生まれ変わった”事務機のウエダビル”をお見せできると思いますので、京都の方はどうぞお楽しみに、そして古いビルをお持ちのオーナー様は、是非参考にして下さい!

2011年5月16日月曜日

ファシリテーショングラフィック

今週は社員面談を行っております。

今期のそれぞれの目標と役割をすり合わせる為です。
又、新年度で組織変えを行った各チームは毎日の様にミーティングを行ってくれています。

そのミーティングの共通言語として使っているのが、ファシリテーショングラフィックです。

以前、沖縄教育出版さんのミーティングの光景を見せて頂いた際、前で繰り広げられるミーティングを、それには参加されない女性が見事にボードに纏められる姿を見て、会議やアイデア出しに課題を持つ、うちの会社にも直ぐ導入しようと思いました。


毎年京都流議定書にも参加してもらっている、色々な研修手法を研究している嘉村氏に、うちの営業員全員に向けてレクチャーしてもらい、たった一回だけで不完全ながらも、無理やりでもそれをベースに会話をしてもらう様にして、なかなか良い感じになってきました。

何が良いか・・ まず、説明が簡潔になります。
そして、課題、対策、目標などが、見える化し、そうなる事で、共有化される事になります。

この一、二週間で、一気に考え方が変わり、長年言い続けて来ても理解してくれなかった事が、自ら理解できたという様な変化を見せてくれている者もいます。

うちと同じ様に、会議が活性化しない、考えが出ない、組織に壁がある・・などなどお悩みの方がおられましたら、今月25日17時~20時 ウエダ本社北ビルでこの講座を開催致しますので、是非ご参加下さい!

いつも、絶対お勧めというものしか、うちで開催しませんが、これは特に体感済みですので、自信を持ってお勧めします!

2011年5月14日土曜日

算数の問題

この言葉を社内で、よく使います。

特に日本の人口問題については、人口が減少し、高齢者の割合が高まるという明白な事実、誰でもが分かる”算数の問題”なので、それをもってどう考えるか?という話をします。

先日、食料についての、”算数の問題”を聞きました。
しかし、私もこの”算数の問題”には気づいてませんでした。

日本だけが人口減と言っていますが、世界全体では、急激に人口が増えていきます。
それは知っていた”算数の問題”であり、その算数問題を使って、だから中小企業でも世界に出るしかないでしょう?と言う人も多いです。

それについても話したい事はあるのですが、今日はその話ではなく、気づいていなかったのは、人口減のかなりのウエイトを占める、中国やインドなどで、皆が豊かになっていき食べ物の中身が変わると、大きく構造が変わるという事なのです。

穀物類を食べている間は、まだ、その物だけの食物でよいが、皆がお金を持ち、肉食系に変わっていくと(宗教的に食べないという話は別にして)、たくさんの鳥、豚、牛が必要になり、、それぞれに餌が要るわけで、これが食料問題を加速させるという話です。

今のままの農業政策でTPPに参加すると、日本の殆どの農家は立ち行かなくなり、農作放棄地ばかりになるという話もあります。

色々な”算数の問題”を考えていくと、出てくる答えは暗いことばかりで、その中で自分や自国が生きていくには、拡大していくしかないという事になり、だからまだまだ伸びる他国へ行くしかないという話しになるのです。

しかし、これも国レベルで考えるからそうなるので、地球レベルで考えれば、同じ地球内で食い合いをするだけで、大きな長い目で見れば意味の無い話だし、この考えでいくと結局は奪い合いの戦争しかないという事にも繋がっていまいます。

そうではなく、やはり価値観を変えるしかないと思います。

日本の食糧廃棄についても多くは食べ残しであり、それ自体も問題ですが、その中でも非常に馬鹿げているのが、コンビニやファーストフードでの時間切れによる廃棄、或いは規格サイズなどの問題で流通に乗らない為や価格維持の為の廃棄など、見直せばたくさんの無駄があります。

それらを解決していくには、消費者、要は国民全体が、価値観を変えなくてはなりません。

何故、作られて何十分して売れなければ、廃棄しないといけないのでしょう?

それは、それこそ、菌の問題や、品質保証の問題があるからですが、消費者が便利さ、手軽さを求めなければ、ちょっと時間を待てば良いわけです。

しかし、それは売り手側も効率が悪く、発展を考える中では成り立たなくなるわけですが、それだけの技術やノウハウを持っている企業は、それを違う方向に振り向けていけば、新技術が生み出され、新たなサービスが生まれ、食料やエネルギーなど様々な問題がある中で、それに対応したものが生み出されると思うのです。

そう考えると、それぞれに”算数の問題”を解決していくには、”道徳の問題”や”哲学の問題”に力を入れていかなくてはならないと思います。

今年で四回目を迎える京都流議定書も、実はこんな思いを、毎年ベースの所では持って継続しています。

2011年5月12日木曜日

東京だから分かる事、東京だから分からない事

実は昨日から、震災後初めて東京へ行っておりました。

エスカレーターが止まっていたり、電灯が間引かれている事を除けば、昼間は思っていたより、正常に戻っている感じがしました。

ウエダ本社に来てからは、東京も本来は縁がなく、なかなか出て行けないのですが、いつも行くと、用事が無くても月一くらいは行かなくてはならないと痛感します。

やはり京都に篭っていては、感じられない事が色々あり、日本に閉じこもっていても、どうしようも無いという時代に、京都に閉じこもっていてどうするんだと焦ったりもします。

京都に閉じこもりながら、3・11以降、日本は価値観を大転換しないと・・と言っていますが、正直東京に行くと、価値観の転換は無理だと感じてしまいます。

何だかんだと言っても、やはり東京は拡大モデルしか選択できない様に思うからです。

東京に居ると、日本ではもう市場が縮小していくから、海外に出るしかない、世界に目を向ければ、これから金持ちになっていく人口がたくさんいて、そこをマーケットにすべきだという選択しかない様に思います。

それは拡大をしていかないと維持できない、或いは認められない構図になっているからで、特にICT関連では、まだまだ一攫千金で大成功を修めようというノリがあります。

東京は、ある意味特区の様なもので、別格で考えないと、これを日本全体と考えると、よく霞ヶ関だけで考えるから庶民感覚が分からないという話もある様に、日本の行く末を間違うのではないかと思います。


東京に行かないと、あの刺激感は有りませんし、東京に行かないと、萎縮した中だけで物事を考え、ドンドン発想が貧困になっていく様に思います。

ただ同時に、東京に居ると、東京が日本の全てと錯覚し、日本の本当の姿が見えなくなると思います。

以前は海外に憧れ、篭りがちで、経済的に負けているのにプライドが高い京都が嫌いだった私も、自分が京都に篭る様になってしまって、東京はおかしいという様になっているのは、私が京都人になってしまったのか?やはり東京(日本)が変わるべきになっているのか?どちらなのでしょうか?

2011年5月10日火曜日

行政マンから頂いたメール

ある京都の行政マンからメールを頂きました。

私のブログもいつもご覧頂いている様で、少しでも発信していかなくては、と思われてのメールではないのか?と思い、仮にそうでなかったとしても、やはり伝えていくべきと思い、内容抜粋の上、引用させて頂く事にしました。

役人的、公務員的、あまり積極的な仕事をしない時に、こういう表現を使ったりしますが、私は民間の半端な社長などより、とてつもなく熱い思いで素晴らしい仕事を行われている素晴らしい行政マンをたくさん知っています。

そんな熱い思いのこもったメール以下、抜粋いさせて頂き引用させて頂きます。y

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

先日ようやく実施したボラバス派遣で陸前高田に行ってきたのですが、それ以後、現地に入るボランティアの数の減少や自衛隊の派遣規模縮小など被災をされておられる方々にとって、マイナスとしか思えない動きが実際に起こり、それがまたメディアを通じて流されています。

私たちが入った地域はやや内陸部の矢作という地域でした。

広い田んぼにがれきが多数流れ込んでいるのを、60名という人数スケールを生かして、一気に手作業でそれらを2日間にわたって撤去するというものでした。

その地域の自治会長さんが最後におっしゃってくださったのが「ここしばらく笑いというものを忘れていました。ですが、皆さんには笑いを届けていただいた。本当にありがとう。」そんな意味合いのことでした。

現地に入った時、あまりの惨状にそれまで和やかだったバスの中は静まり返り、「これをどうしらいいんだろう???」という思いに変わりました。

しかし、わずか2日間とはいえ、目に見えてきれいになっていく田んぼを見て、持ち主の方が「田んぼを耕す気になりました。とおっしゃったことが私自身、力の源となりました。

地域を再生・復興させるのは結局地域の方々です。

私たちはその手助けをさせていただくだけ。

その意味から、今回のボラバスの役割は十分果たせたと感じています。

ひとつひとつの力がうまく作用してセンターは立ち上がりました。

そのおかげで今回のボラバスが出せました。

これからまだまだ続くであろう支援活動ですが、今回と同じように、さまざまな人たちの思いをうまくつなぎながら活動していこうと思います。

こうやってメールを打っていても、涙が出そうになります。

私たちは、あなたたちのことを決して忘れない。また行くから。

帰るときに、私からはこう伝えました。
「毎月、京都からは東北のどこかにボラバスを出します。みなさんのところにまた来るかもしれないし、他のところかもしれません。でも必ずまたここにもきます。」

自治会長さんは、「立ち直ったら、うまいもんとうまい酒を用意しておきます。かならずここに来てください」とおっしゃい
ました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
引用終わり〜


明日、二ヶ月を迎えます。

被災された方にとっては長い二ヶ月であったでしょうが、先が見えず、これからまだまだ長い戦いが続きます。

我々、被災していない人達が、もう何ヶ月か、と思う様になったら、或いはマスコミがそんなフレーズを使ったら、それは、風化し始めたという事だと思いますから、そんな感覚がでだした時から、より声高に注意を呼びかけ、本当の支援をしていかないといけないと思います。

2011年5月7日土曜日

創業300年は、やっぱり本物です

今日は、得意先でもあり、社長が経済同友会での後輩でもある、堀金箔粉さんの300周年パーティーに参加して来ました。

300年ですから当たり前なのですが、1711年創業とのことで、京都企業の恐ろしさを感じます。

出席していて、周りに居た同年代の社長達に、おたくは100年じゃなかった?などとちょっと話しを振っても、去年でした。とか、今年です。とか、そんな会社がゴロゴロなのですから。

うちの会社はこの5月から、74年目を迎えていますが、ホントに京都ではまだ新参者という感じです。

創業者のご出身が滋賀県の今津であり、三方良しの精神をベースに持たれている事、”身の丈に合った商売、人の和を尊ぶ”という事を守り続けられ、事業を拡大する事や、利益を増やす事よりも、社員さんの幸せの方が大切であるという考えを歴代、脈々と受け継がれて来たとの事ですが、その様子は、今、会社に出入りさせて頂いてもよく分かり、アットホームな雰囲気が充満しています。

去年の京都流議定書イベントにもお越し頂いた、経営品質の方面で最も有名な伊那食品の塚越会長が言われている事と全く一緒ですが、”老舗の家訓”と言われる様に、京都には、CSRだとか、経営品質だとか、そんな事に関係なくとも、それが当たり前だと言わんばかりに受け継がれておられる老舗がたくさんある事を、再認識させて頂いた気がしました。

京都が、日本が忘れている価値を、やはり見直していくべきですね。
そしてそれが京都流議定書の目的なのです・・と、ちょっと宣伝にもなりますが、そう思います。

”一番じゃないと駄目ですか?”と話題になったフレーズがありましたが、あそこで使われていた、日本が誇る科学技術においては、”一番じゃないと駄目だ”し、そこは磨くべきだと思います。

ただ、全て同じ様に、単に売上や利益が大きい方が良いという感覚は少なくとも、もう右肩上がりにならない社会においては、間違いだと思います。

現在の社長だけの問題ではないでしょうが、あの対応を見る限り、東電の社長さんは、そこまで偉いでしょうか?
私には、堀金さんの代々の社長さんの方が素晴らしい様に思います。

大企業で社長にまでなっていく人と、倒産すれば命も無くなるという覚悟の中、経営している中小企業の社長とは、全く質が違います。

それを何故か同じ様な尺度で、伝統を守る老舗と、インフラ産業の様な会社とでも、売上、利益で比べて、大きい方が凄い、という感覚が、まだまだおおいにあると思います。

”日本で一番大切にしたい会社”というまでもなく、300年も、利益を増やす事より、社員の幸せの方が大切と続けて来られた会社、そんな会社をもっと日本は賞賛すべきだし、本来は、そこに日本の良さがあったという事を、せめて京都から再興していきたいですね。

帰りがけに、堀社長から、”このパーティーの成功はウエダ本社さんのお陰です”と言われました。

確かに、限られた時間の中で、色々関わらせて頂いたのは事実ですが、堀社長は、関わった仕入先さん、協力業者さん皆にそんな気持ちを持たれているのだと思いますし、その精神が、正に300年続けて来られた源であるのを改めて感じました。

私のブログも多くの仕入先さん、関係者さんがご覧頂いておりますが、堀社長の精神を私も真似させて頂きますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します!

2011年5月5日木曜日

ワークライフマネジメント

実は地震が起こるまで、今年のイベントのテーマは、ワークライフマネジメントでいこうと思っていました。

これは、ずっと唱えている事ですが、私は今の日本の仕事に対する捉え方で、しかも日本人にありがちな、表面的に捉えてワークライフバランスというものを進めていくと、とんでもないマイナスになると思っています。
日本で解釈されている様な、ワークとライフのどちらに比重を置くか?的な話ではなく、ワークとライフをマネジメントしていかなくてはいけないと思うのです。

日本人はまだまだ労働について、何か肉体労働的な考え方であり、思考的な問題だと思うのですが、結果とは関係なく頑張っています!という事が言い訳になったり、それが通ったりする事も多いです。

仕事である以上、成果が伴わなければ駄目なのですが、逆に言えば求められた事に対して、結果を出せば時間は関係ないのです。

以前、検討された労働裁量性を導入すれば、育児休暇の問題や、それこそ余暇と仕事のバランスの問題も簡単に解決するのです。

ただ、その前提としては、それだけ皆が成果に対して厳しくないと成り立つわけがなく、逆に言うとその厳しさが無い人、という事は作業として働いている人が、仕事と余暇のバランスを取って休みを多く取ると、結果が悪くなるしかないのです。

これは恐ろしい事であり、その根本原理を考えないまま、制度だけ導入していけば、日本はどうなるでしょうか?


被災された方の話を聞いても、ワークというのは生きがいに繋がり、ワークとライフはバランスさせるものではなく、個人個人が、生き方を考える中から働き方を考えるという、マネジメントしていくべきものだと思います。

日本は一刻も早く、ワークライフバランスという権利の様な考え方ではなく、ワークライフマネジメントという、あくまでも個人が考えるべきもの、という自立した感覚で捉えていかなくてはいけないと思います。

2011年5月2日月曜日

"社長 "を止めます!

と、言うと、業績が悪いと言っていたので、シャレになっていないかも知れませんが、あくまで呼び方だけの話です(笑)

今日からウエダ本社では新年度がスタートしました。

一昨日の土曜日には社員に向けて、決算見通しの説明と、現状の課題、その対策を考えての新組織の意味合いを説明しました。

各チームで話合いを進めてくれていますが、今迄には無かった雰囲気で、あちこちで話し合いを行なってくれており、なかなか出なかった連携の雰囲気が感じられる様になってきました。

という雰囲気に追い討ちをかけて、今迄、役職で呼んでいたものを止めて、名前で呼ぼうという事にし、かなり抵抗もある様ですが、私も "社長"ではなく、"岡村さん"と呼んでもらう事にしました。

私は会社のHPでも載せている通り、立て直しの為に入って来た初めの頃から、三期連続の経常赤字を出したり、従業員の過半数が私を社長として不適格とした場合、社長を辞めると公言して来ました。

呼び方だけで、"社長"というのを止めて、組織としてもっと纏まる事ができれば、本当に社長を辞めなくて済むと思いますから。

皆、頑張って慣れましょう!

2011年5月1日日曜日

11'5 月 ウエダ本社社報

《ウエダ本社の存在意義》

昨年は新年度を迎えるに当たり、底でありターニングポイントの年という事を掲げていました。

ウエダ本社としての展開、収益構造、組織の体質変換などの進捗などから予測して、実は昨年度が底になるという事は数年前
から考えておりました。
実際その通りになってしまったのですが、それ以上に落ち込み、ウエダ本社に来てリストラクチャリング着手後、初の経常赤字となってしまいました。

その数字もさる事ながら、より大きな課題点は反転のターニングポイントと出来きれなかった事です。

底は予測していましたし、予測以上に悪かったという事も大きな問題ではありますが、それは結果であって、それよりも、それに対応して、動ける体制になっていなかった事の方が大きな問題なのです。

そういう意味においては、漸く前期末から、少し変化の兆しが見え初めていますが、その意識を広げて、今期から明確化された
それぞれの役割において、徹底遂行し、改善を重ねていけば、今期は本当に反転できると思います。


3月11日の大震災を経験して、まだ尚、日本を元の価値観に舞い戻らせてはいけないと思います。
平和ボケして贅沢病に陥った日本人が、ここで生き方、ある意味、死に方を真剣に考え、その中で、働き方を考えていかないといけないと思います。

そして、いつも言う様に、我々はその長い人生において多くの時間を費やす、職場や働き方に関する仕事をしているのです。

その自分達の仕事が、3.11後の日本においては、大変重要な役割を持つのです。

当たり前ですが、単に安いだけで機器類を販売するなど、全くお役立ちはありませんが、いずれにしても機器類の販売をしてい
るだけでは存在価値はありません。

働く人々をいかにイキイキさせるのか?輝かすことができるのか?
それが今後、その会社の価値になると思いますし、我々はその価値を最大化させること、それを追求していかなくてはならないのです。

今期我々は、まず自らが、ワクワク働く事をそれぞれで考え、その姿を発信していく事で、日本人の働き方を変革させていく事を目指していきたいと思いますし、その効果を出せる時、ウエダ本社の存在意義も明確になると思います。