2011年2月14日月曜日

京都の庭師

先日の同行営業で、ある造園業さんを訪れました。

創業からおよそ170年というこの会社は、南禅寺や東本願寺などのお庭も手がけられ、メンテナンスを行われている、
トップランクと言ってもいい造園業さんです。

売り上げを追いかけると手が荒れると言われる様に、技術が全てとされておられますが、今新たに仕事をお願いすると、受けられるのは2シーズン先、との事で、売り上げが尺度ではない、京都企業、老舗企業の典型の様なお話でした。

順風満帆にお見受けする会社ですが、それでもと課題を聞くと、やはり技術継承との事でした。

庭師というものは、自然の説明できない力や、状況などを感じて、それとの絡みで庭を造っていくものが、その自然を感じる力が弱まっているので、良い庭ができなくなっていくとの事でした。

深い話だと思いませんか?

伝統産業の共通した大問題だと思います。

効率追求の売り上げ、利益のみを追いかける社会では、日本のこの様な伝統技術が一気に途絶えてしまう危険があるのです。

伝統とは、伝灯である。清水寺の森貫主が仰っていました。

灯火を一つ一つ伝えていく様にするのが伝統であるとの事ですが、早くこの効率一辺倒の世の中から脱却して、自然の力を感じる様な日本人を復活させていかなければ、日本は何処へ行ってしまうのでしょうか?

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