2009年3月1日日曜日

平成21年3月社報~ おくりびとと日本の死生観

【 社      報 】
平成21年 3月 1日
株式会社ウエダ本社
《 “おくりびと”と日本の死生観 》

先日、米国アカデミーショーで、「おくりびと」が外国語映画賞に選ばれました。
又、短編アニメ賞にも「つみきのいえ」が選ばれ、オスカーダブル受賞という、日本にとって、久しぶりの明るい話題でした。
おくりびとはある評によると、映像の美しさと、日本人の持つ死生観にも興味を持たれたとの事でしたが、日本人が、本来持っていた日本人の死生観を知る、再考するという良い機会になるのではないかと思います。

今の日本と日本人には、宗教観や死生観が無くなり過ぎたと思います。
その事によって、政治や、経済でも、数字だけ、自分の利益だけを追いかける形となり、それが見事にサブプライム問題で吹き飛んでしまったのが、今の状況ではないかと思います。
政治でも経済界でも、リーダーには、哲学が必要だと思います。
又、それを構成していく為には、死生観は絶対に必要なものであると思います。
ウエダの指針にも私自身の死生観から書いていたり、皆にもよく話しをしますが、それがないと、何故、自分は生きているのか?何故会社を経営するのか?だから会社をどうしたいのか?を説明する事はできないと思います。
今、多くの日本のリーダーを含め、日本人が、その死生観を持たない為に、どこに向かって良いのか?という指針を無くしている様に思います。
米国一極集中してきた資本主義が崩壊し、新しい価値観が求められていくのだと思いますが、その中で、制作費においては、ハリウッド映画とは、一桁も二桁も違う“おくりびと”が賞賛を浴びたというのは、それを暗示している様にも思えます。

我々日本人は再度、日本人が持っていた死生観を再考し、米国資本主義が崩壊した後の新たな価値観を見出していくべきだと思いますし、日本こそが、新たな価値観の担い手になるポテンシャルを持っていると思います。

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