2009年3月28日土曜日

今週の動きと素晴らしい存在

100年に一度の不況と言われるこの時期、ウエダ本社にとっては大変なチャンスだと言っているのですが、実際にそうする為にも、組織変えをして私も一つのチームを兼務することにしています。

それに向けて最近は、少しはお取引頂いている先、知ってはもらっているがお取引して頂いていない先に訪問し、ご意見を伺っております。

本来は”営業”一筋であった私が、ウエダ本社に来てから、不本意?ながら社長業に専念せざるを得ない面もあり、殆ど”営業”らしきことから遠ざかっていましたので、ちょっと楽しんでおります。

そんな動きと並行して、勿論、社長業なのか、CSR的な動きなのか、一見本業でない様な用事も多く、今週もバラエティーに富んだ一週間でした。

月曜日は、京都市の方が、弊社の屋上緑化を見学に来られました。
これはどういうお考えなのかは分かりませんが、門川市長から、取り組みの進んでいるウエダ本社を見に行く様にとの事で来られたものです。

火曜日は、二年間務めた、盛和塾京都の世話人の任期切れで、おつかれさん会を行なって頂きました。
盛和塾は稲盛さんに学びたい経営者の会で、今や5000人を超え、海外にも広がっているものですが、26年前に京都の数人の経営者の方々が、稲盛さんの所へ日参され、何とか経営を教えて欲しいと懇願され始まったものです。
京都にはその始められた方々がおられるのですが、二次会ではその方々から、深イイ話を聞かせて頂きました。

水曜日は、山田知事夫妻を囲む会がありました。
これも、もう5年程になると思いますが、ワコールの塚本社長、堀場製作所の堀場社長が中心に作られた会で、皆さんが、山田知事に京都に骨を埋めたら?と迫られておられましたが、それなどは山田知事のお人柄、実績を皆さんが評価されている証拠だと思います。

木曜日は、佐竹雅昭さんが会社に寄られました。
これは格闘という世界を極めてこられた佐竹さんが、日本の世直しの為には武士道精神を見直さなくてはならないとの思いから、平成武師道(士ではなく師です)の会というものを立ち上げられ、京都を中心に、九州などでも
その和を広げられているのですが、時間が空いたからと、その近況報告に来て頂きました。
これも、私は何も動けていないのに、こんな形で寄って頂いて恐縮するばかりです。

金曜日は終日、二回目の三次面接でしたが、良い学生ばかりで、またまた悩みが増えております。

この月曜から木曜のバラエティーに富んだトピッククスの中にも、門川市長、稲盛名誉会長、山田知事、佐竹雅昭氏に共通するキーワードがあります。

それは謙虚さ、思いの熱さと崇高さという事ですが、自分の欲に絡んだ話ではなく、まずは世の為人の為という崇高な思いなので、その思いを熱く継続する事ができ、そういう思いなので、決して威張らず、謙虚な姿勢を通せるのだと思いますし、逆にそれだからこそ、多くの人を引き付けていかれるのだと思います。

私もそういう方々の素晴らしいところを学びながら、今面接に来てくれている素晴らしい学生は、全て取りましょう!と言える様な会社になりたいですし、又そんな素晴らしい人達が集まって来てくれる存在を目指したいと思った一週間でした。

2009年3月25日水曜日

イチロー選手と人間のあり方

WBCのイチロー選手を見て、殆どの方がいつもと違うと感じられたのではないでしょうか?

不調だった時、いつもストイックで強気なイチロー選手の初めて聞く様な弱気のコメント、そして昨日の、いつものクールさからは想像もできないハシャギぶり。

イチローも人間だったんだぁと思った人も多かったのではないでしょうか?


何が皆に感動を与えたか?ですが、あのいつも完璧で強気のイチロー選手が日本を背負って、そのプレッシャーと戦い、結果が出ないことで弱音を吐き、その姿を、同じプロだからこそ分かる他の選手達が、その負担を減らすべく、自分達それぞれの役割を果たそうとして一つになって勝ち取ったという光景が、清清しい感動を与えてくれたのだと思います。

そんな姿を見て、国を背負うというナショナリズムは、やはり素晴らしいことなんだと思いました。

私は決して国粋主義者ではないと思います。
しかし、国家を思うという感覚に対して、アレルギー反応を起こす人も居ますが、こういうスポーツを通しての盛り上がりを見ても、私は国を思うことは、まず人間としての根本ではないのかと思います。


国家というものを意識すると、自分の存在というものを感じることができのだと思います。

日本は軍国主義の反省から、国家という考えを排除しすぎた為に、帰属意識が薄くなり、自分自身の存在意義も見失ってしまい、そのことからも目標や夢、やる気というものが薄れてしまったのではないかと思います。

あのクールなイチロー選手が、あれだけ日本という国を背負って悩み、あれだけハシャグ姿を見て、今の若い人達が格好いいと思ってくれたら良いと思います。


勿論、格好だけ国を思う様なものになってもらうと、却って恐ろしい事になりますし、自分勝手な感覚で、自分を好きになってもらうのは困りますが、イチロー選手の様に自分に厳しい姿勢を持ちながら、自分に興味を持ち、好きになり、その存在や、背景を知り、そして誇りに思うという事が、本来あるべき人間のあり方なのではないかと思いました。

2009年3月22日日曜日

京都市民アンケート

最近、名前は連ねているが、あまり出席できないという会がいくつかあります。

その内の一つが京都市100人委員会なのですが、先日久しぶりに参加して来ました。

そこではいくつかのテーマに分かれて話合い、意見をまとめてから具体的に行動していこうとするものですが、
私は”市民のおもてなし力を向上させる”というチームに参加しています。

そこで先日、話していたのが、観光客に対するアンケートはたくさんあるが、京都市民に対して、観光客について
のアンケートを取ったことがあるのだろうか?という事でした。

大体、観光に関係していない一般的な京都市民は、京都にたくさんの観光客が来られる事をどう思っているのか?ということです。
行政は5000万人の観光客を目指すと言っていますが、これなどは市民には全く関係のない話で、京都市民のおもてなし力を向上すると言っても、まず京都市民が観光客を歓迎していなければ、おもてなしも何もあったもんじゃないのでは?という話です。

そうすると、そこから分析しないと、対策は違うものになり、意味のない事になってしまうという話で、ひょっとすると、今まで誰もがそこから考えていなかったのではないかと思います。

まずは、京都市民が京都にたくさんの観光客が訪れてくれる事で、自分達と自分達の住む町がどの様に恩恵を受け、だからどうあるべきなのかを考えるところから、スタートしないといけないと思います。

そんな意味で、この京都市民アンケートはひょっとすると、目から鱗の話になるかもしれないですね。

2009年3月17日火曜日

若い人の能力

先週の土曜日は、ウエダ本社でバイトをしてくれていて今年卒業となる学生の送別会がありました。

うちの会社では映像コンテンツ制作を学生を使って行なっています。

毎年私は、卒業していく学生達と最後に食事に行っていたのですが、今年は、日程が合わず、事務局ののぶが設定した送別会に合流させてもらいました。

今年で数えてみると5期目の卒業生になりますが、今年の卒業生も日立製作所だとか、ソニーの子会社だとか、ウエダ本社に来ている学生は大変優秀だと思います。
あと一人、一昨年卒業した筈の京都流では御馴染みで、大学院に行っていたkatwoも二回目の卒業を迎えていました。

先輩卒業生も何名か駆けつけてくれましたが、皆、立派に社会人になっており、会社は思っている程”面白くない”とアドバイス?していました。

以前からこのバイトに来てくれた学生達は、皆本当に良い子ばかりで、一般的にやる気のない様な”今の若い子”評とは明らかに違うなと思っていました。


今日は又、新卒採用の三次面接でしたが、これが皆、良い子ばかりで、選ぶのに本当に困っています。
うちの場合、やはり、運命を共にするとの思いから、本当に時間を掛けており、かなり素の部分も出してもらってますが、それでも皆良いのです。

今の若い人達は覇気がないというのも、やはりその振り向け方、目的の持ち方次第なのではないか?と思いますし、むしろ能力は大変高いと思います。

こういう、たくさんのやる気ある学生達、有能な若い人達を、受け入れられる様な会社になりたいものだと痛感した今日この頃です。

2009年3月14日土曜日

プロセスを楽しむ

今週は、永らく行けていなかった旧来からの販売店さんに同行しておりました。

というのも、ここしばらく私は、新規のネタ探しや、それこそCSR的活動ばかりで、従来の本業から離れておりましたが、来期は、一つのチームを兼務する事にしたからです。

来期はもっと大変な状況になると思いますが、同時に、これは強がりでも何でもなく、ウエダ本社にとっては、次のステップに飛躍する大きなチャンスだと思っています。
旧来からの販売店さんや、新しいユーザーさんに対しても、不況期であるからこそ、独立系ディーラーであるウエダ本社が、供給できるノウハウがあるのです。

また、従来のビジネスモデルの数字は極端に落ち込むでしょうから、逆に体質改善や、社員教育、システムの見直しなど、良い時にはできない事がしっかりできる期間だと思います。
それを分かっていても、財政面の問題などからできない所も多い中、そこを思い切れる弊社は、かなり面白いと思っています。

昨年のイベントや、今回の新卒採用もそうですが、私なりにこれらを社員教育としても行なって来ましたが、
ここに来て急激に変化をしてくれている社員が出てきています。

そんな社員が対応してくれる事もあり、学生さんにも大変評価を受ける様になり、百数十名が希望してくれる様にもなりましたし、自社に対してそれだけ真剣に希望してくれる学生さん達を見て、又うちの社員達が自社を再認識できた様にも思います。

こういう経験を通して、ここ最近ようやく、言い続けて来たことを、一部社員が本当に理解してくれ出した感覚があるので、来期の状況見通しは大変な割りに、意外と良い気分でいれています。

結果は、今までの経緯で出てくる事であるので、プロセスを考えるべきであり、プロセスを楽しむべきだと思います。
社員達が、ウエダ本社の価値観、優位性、やるべき事を腹に落としてくれて、しっかりとしたプロセスを踏んでいけば、いずれ良い結果が生まれることになると思っていますし、そういう意味でこの不況期は、ウエダ本社にとって飛躍期にしなくてはいけないと思います。

今週、二回目の二次面接を行ない、この時点で応募してくれた学生達は、十分の一程に絞られてしまいます。
しかし、それは、算数の点数の様に駄目だというものではなく、ウエダ本社の現状や今後と、学生さんの考えや、持っているものが合わなかったという事ですので、不採用になった人達も、決して落ち込まず、この厳しい中、逆に世間を良く見る目を養えるチャンスだと捉え、そのプロセスを楽しむくらいになって欲しいと思います。

そういう意味では、京都流の皆さんは、プロセスを楽しまれているので、正に理想の形なのではないでしょうか?

2009年3月8日日曜日

日本でいちばん大切にしたい会社

この題名の本もよく売れている様です。

私はこの本は読んでないのですが、経営品質という考え方で素晴らしいとされる会社と同じパターンの会社だと思いますので、中身は大体想像がつきます。

経営品質で素晴らしいとされる会社や、老舗として続いている会社は、全て、理念がしっかりしています。
しかもそれは、哲学や宗教観、死生観などがそのベースにあります。

この本にも取り上げられている伊那食品へは昨年訪問させて頂きましたが、そこでは100年カレンダーというものが至るところに貼られています。
それは、”今いる全ての人の命日は必ずここに載っていますよ”という会長のメッセージであり、多くの人が、
何となく人生を長く捉え、ダラーっと無駄に過ごす事を戒め、死ぬ事は皆決まっているのだから、一日一日を大切に生きなさいという意味が込められいます。

今月の社報にも書いていましたが、日本の場合、こういう宗教観、死生観、哲学というものを、古臭いとか、
そんな話をするとダサいとかという様な感覚で排除し過ぎて来た事が、今の日本の退廃の根源であると私は思います。


先日来、ブログでよく取り上げている様に、ウエダ本社に対して多くの学生が受けに来てくれています。
ほんの数名しか採れない所に100数十名もが希望してくれており、何か、それに対して応える事ができないかとも思い、会社説明会で学生へのメッセージとして私の死生観も少し話しましたが、それが意外な事に多くの学生の琴線に触れた様でした。

あまりにも、そんな話を聞く事がなくなったので、逆に新鮮だったのかも知れませんし、意外と今の若い人達は、そういう話を欲しているのだと思いました。

こういう題名の本が売れたりする事も、学生達が、環境などにも取り組んでいるからウエダ本社に関心を持ってくれたり、ボランティア活動にも積極的に参加していたりする事なども、皆、新しい価値観、新しいというよりも、むしろ本来日本人や、日本が持っていた価値観を欲しているのだと思います。

そんな価値観を追い求めていきながら、ウエダ本社もいつかは、”京都でいちばん大切にしたい会社”というものに選ばれたいと思います。

2009年3月5日木曜日

映画 半次郎~桐野利秋 風伝~を成功させる会

今週月曜日に、ハイアットリージェンシー京都で開かれれたパーティーに出席してきました。

これは、以前このブログでも紹介しましたが、俳優の榎木孝明さんが、正統な時代劇が無くなっていく事、
そしてその事によって、本来日本が継承していくべき精神性や礼作法が無くなっていく事に危惧を持たれ、
それなら映画を作って残すしかないとの熱い思いで映画製作を決意されたのですが、それを応援する会でした。


映画は、幕末の薩摩藩で、人切り半次郎と呼ばれた桐野利秋(中村半次郎)を主役にしたもので、薩摩と京都を舞台に繰り広げられるようです。
(詳しくはこちら


その為、京都側の協力も不可欠なので、今回、こういう会を行なう事にもなったのだと思いますが、榎木さんの熱い思いの賜物で、予想以上に大盛況でした。

まず発起人がトンでもなく凄く、京都府の山田知事、京都市の門川市長、京都商工会議所の立石会頭の他、
京セラの稲盛名誉会長、哲学者の梅原猛氏と瀬戸内寂聴さんという豪華さで、尚且つ、
梅原氏と立石会頭以外は全員出席で、しかも殆ど最後までおられました。

又出席者も200人と聞いていたのですが、実際は300人程になり、内容も何があるのかな?と思っていましたが、
瀬戸内寂聴さんの楽しいスピーチもあったり、篤姫の主題歌を作曲された吉俣良さんのピアノ演奏もありました。

吉俣さんの事を私は知らなかったのですが、素人の私が聴いても大変素晴らしい演奏で、生で篤姫主題歌のピアノ演奏を見ることができました。

これだけ方々に応援されるという事は、榎木さんの考え、実績、そして人となりがあっての事とは思いますが、
逆に期待も凄いので、これからが大変だと思います。


私も何か協力はさせて頂きたいと考えておりますので、ひょっとすると、日程さえあえば、今年の京都流議定書イベントでも、何がしかの発信をして頂くかもしれません。


当日、その話をする為に最後まで残っていましたので、ある方から、”榎木さんの弟さんかと思っていた”と言われ、ちょっと正直喜んでおりました。



あくまで著作権的に問題ない様に撮りましたので、分からないと思いますが、会はこんな風景でした。

2009年3月1日日曜日

平成21年3月社報~ おくりびとと日本の死生観

【 社      報 】
平成21年 3月 1日
株式会社ウエダ本社
《 “おくりびと”と日本の死生観 》

先日、米国アカデミーショーで、「おくりびと」が外国語映画賞に選ばれました。
又、短編アニメ賞にも「つみきのいえ」が選ばれ、オスカーダブル受賞という、日本にとって、久しぶりの明るい話題でした。
おくりびとはある評によると、映像の美しさと、日本人の持つ死生観にも興味を持たれたとの事でしたが、日本人が、本来持っていた日本人の死生観を知る、再考するという良い機会になるのではないかと思います。

今の日本と日本人には、宗教観や死生観が無くなり過ぎたと思います。
その事によって、政治や、経済でも、数字だけ、自分の利益だけを追いかける形となり、それが見事にサブプライム問題で吹き飛んでしまったのが、今の状況ではないかと思います。
政治でも経済界でも、リーダーには、哲学が必要だと思います。
又、それを構成していく為には、死生観は絶対に必要なものであると思います。
ウエダの指針にも私自身の死生観から書いていたり、皆にもよく話しをしますが、それがないと、何故、自分は生きているのか?何故会社を経営するのか?だから会社をどうしたいのか?を説明する事はできないと思います。
今、多くの日本のリーダーを含め、日本人が、その死生観を持たない為に、どこに向かって良いのか?という指針を無くしている様に思います。
米国一極集中してきた資本主義が崩壊し、新しい価値観が求められていくのだと思いますが、その中で、制作費においては、ハリウッド映画とは、一桁も二桁も違う“おくりびと”が賞賛を浴びたというのは、それを暗示している様にも思えます。

我々日本人は再度、日本人が持っていた死生観を再考し、米国資本主義が崩壊した後の新たな価値観を見出していくべきだと思いますし、日本こそが、新たな価値観の担い手になるポテンシャルを持っていると思います。