2008年4月28日月曜日

Do you Kyoto? Do you kyotostyle?イベント 門川大作氏

市長にイベントの基調講演なんて良いの?と思ってしまいますが、この話をお願いした際は、まだ教育長でした。
実は、今だから言いますが、私は門川氏が市長選に出られるのをいち早く感じ取っていました。

それはこのイベントの基調講演の話を詰めに行こうとしてアポイントを取ろうとした際、秘書の方の対応がいつもとは違い、少し歯切れが悪い感じがしたからです。

その後、お話できたのは、市長選にご出馬されるとなってからでした。
その際も”無役で行かなくて良いように頑張るわ”と仰って頂きました。

とは言え、正直大変心配をしていました。
準備としては、来て頂けるという事ですから、印刷などを進めて行ってますし、しかし、そうは言っても市長になられたら、全く立場は違うので、どうなるか分からないな・・と思っていました。

秘書も市長担当の方に代わりますし、前市長からの予定もあるでしょうし、市長の秘書の方にまで予定を衆知してもらえないと安心はできませんでした。

しかし、その点においても、門川市長はしっかりと、この以前からの約束は遂行できる様にと予定を取って頂き、現職の市長が基調講演でお越し頂くという、我々からしますと、ビックプレゼントになったのです。

私が今までお話させて頂く限り、門川さんの場合、その場だけ取り繕って良い様に
言うという事は一度もありませんでした。
お話して、なるほどと理解して頂いた事には、その場から電話をかけて手配をして頂いたり、その実行力にはいつも頭が下る思いです。
そんな方ですから、約束が履行されないという心配はないのでしょうが、それでも
立場が変わって、ましてや大変なポジションになられたのですから、”ゴメン、無理になった”という事があっても当たり前だと思います。

そんな対応を一つ一つ目の当たりにしていますので、私としても、門川市長になって、少なくとも京都が悪くなる事はなく、必ず良くなるという事は自信を持って言えます。

教育については、実は市長となられて、勿論新たに教育長もおられますので、お話しされにくいので、教育についてズバリというお話にはならないと思いますが、市政全体のベースには教育が重要とのお考えが根幹にあると思いますので、そういうつもりで聞いて頂ければ、興味深いお話が聞けると思います。

2008年4月26日土曜日

Do you Kyoto? Do you kyotostyle?イベント 堀木エリ子氏

堀木さんには今回大変失礼な事をしています。

元々はある方の対談のお相手としてお引き受け頂いたのですが、その後、その方のご都合が悪くなり、堀木さんに見合う対談相手をコーディネートするのに時間がかかりずっと待って頂いていました。
すると又その間、岩上さんからこの時間しか無理と言われていた時間に堀木さんの予定を組んでいた事が分かり、対談で受けて頂いていた話を、講演に変えて頂き、しかも人の流れ的には、良くない時間に変更して頂いたという、大変失礼な話でした。

最近では東京ミッドタウンの作品が有名ですが、今や世界で活躍されるアーティストに何て扱いをするのだと、流石に厚かましい私も嫌悪感を抱いたくらいです。

それでも堀木さんは嫌な顔一つされず、講演を受けて頂く事になりました。

いつも言いますが、京都流で凄いという人は、権威、実力があるのに、決して権威ぶらず、ホントに気さくに対応される方々です。

それが京都流の一番発信したいポイントで、文化=権威というのは、京都流では賞賛しません。
堀木さんの理想形は、自分の作った和紙作品が一般庶民の暮らしの中に入り込む事ですが、これは京都流的に賞賛する方の共通する考えで、暮らしの中に溶け込んでこそ文化だという事です。

是非皆さんには、作品もさる事ながら、堀木さんの人間性に触れて頂きたいと思います。
あの、宝塚顔負けの容姿からは想像できない、”男前”な性格で、堀木さん作品を全くご存じない、ビジネスマンや経営者が話しを聞かれても、”経営者としても凄い”と関心されると思います。

”できる”か、”できないか”の選択肢から”できない”を消すと、後はどうやれば”できる”かしか考える事がない、これが堀木さんの名言です。
これはことある毎に私の説教ネタになっています。

そんな事で、建築、インテリア関係の方は勿論、何かをやりたい女性から経営者まで
幅広い方にお薦めの講演です。


毎週日曜日に書いているウエダ再興記はイベント終了まで休ませて頂きます。
楽しみにして頂いている方、申し訳ございませんが、イベントが終れば再開致しますので、又よろしくお願い致します。

2008年4月20日日曜日

ウエダ再興記(34)~ IT系の手法とリアルビジネス

しかしその後、何度か会議に出席していると、そんな賢い話より、もっとやるべき事があるのではないの?そう思う様になりました。

その頃、Kという会社は知られていましたので、こちらの業界でも色々な人に会う事ができました。
ところが色々な会社に出入りしてみると、Kという会社だけではなく、多くの会社で、夢と資本政策だけで上場を目指すという様な話ばかりで、実体がない状況でした。

実際あった話で、A4用紙一枚だけの企画書で4億円の出資を引き出したという人も居ました。
多くの会社が、凄く賢く、夢があるのに対して、”商売”という観点からすると、かなり幼稚な感じでした。
その後ライブドアの問題で話題になった様に、殆どのところが、上場自体が目的であり、上場して一攫千金を狙っているだけで、事業を展開する為に資金が必要だから上場するという事ではありませんでしたし、会社を使命感で運営するとか、会社は
世の中の為に・・などという感覚は全く持っていない感じでした。

皆、夢とアイデアを脚色し、それをビジネス感覚なしに賢い資本政策だけで上場まで持っていくというスタイルで、上場してお金を集めて、そのお金でリアル(実体のある)のビジネスを買っていくというスタイルでした。
後に堀江氏が近鉄球団買収に乗り出したり、衆議院選挙に出たりという際にも世間では時代の寵児と持て囃していましたが、私は、その頃のIT系の考え、手法を分かっていましたので、”近鉄買収”と出た瞬間から、狙いは直ぐに分かりました。
要は、実体がなくても、上場して時価総額を上げ、その作ったお金で、実際のビジネス(往々にしてこちらの方が市場での価値が低いケースが多い)を買っていき、実際の売上を作っていくという手法であり、皆が持て囃している頃からずっと私はこの手のやり方は納得いきませんでした。
それが法に触れるか、触れないかは別として、それをやりたいのなら、投資家としてやればいいのであって、株式会社という本来は自分のビジネスを行う為に資本を集めるというスタイルを利用して、行なっている事に腹立たしい思いを持っていました。

しかしこれらの世界を見れた事は私にとって、大変大きな事でした。
ウエダの置かれている状況と、このIT系の対比を見ていると、逆にリアルのビジネスを持っているという事の価値観を改めて感じる事ができ、一つ一つをしっかり売るという事の大切さ、難しさを見る事ができ、それ故、倒産寸前の局面があったウエダも、実感として再生はできる、どんなに縮小しても採算さえ合わせば、それは実体のある数字であり、そこに新たな夢のあるネタ、商品を乗せていけば、これは強みになる、そう確信を持てたのでした。

これが言わばウエダ再興におけるホントの意味のリストラ(再構築)の意味合いでした。

2008年4月14日月曜日

Do you Kyoto? Do you kyotostyle?イベント 畑 正高氏

ご存知お香の老舗、松栄堂さんの社長さんです。

畑さんも正に伝統と革新をうまく展開されておられる典型の方だと思います。
畑さんに”香道”という言い方をすると、それは”香道”ではないと仰る事があります。
香道にはお家元がおられるし、自分はそういう立場ではないとの事で、”香道”に対して、畏敬の念をしっかり持たれながら、その普及に役立つ事なら、協力は惜しまないというスタンスをお持ちで、今回のイベントについても、”一つの話に限定せずに、一日でいくつものテーマについて、お香を話しても良いよ?”とまで仰って頂きました。
大変ありがたいお話でしたが、セミナーがお香だけに偏ってしまう面もあり、今回は一コマだけをお願いする事にしました。

それだけに伝統の守るべき所、それを広めていくべき所と、リスンを展開されている様に、全く斬新な違う切り口も見事に展開されており、京都流で考える、伝統産業のあるべき姿を体現されている会社だと思います。

セミナーは一コマだけですが、課外ワークショップとして、松栄堂さんの香房見学と
桜橘庵での聞香体験をセットにした、メニューもご用意しております。
これはイベント一日券にプラス2000円はご負担頂かなくてはいけないのですが、
この桜橘庵という場所も、私が以前、ブログにも書いていた様に聞香体験や、老松さんのお菓子作りをしていた所で、一般の方にはなかなか入って頂ける機会は少ないと思います。
この場所は、儒学者・皆川淇園が日本で最初の大学と言われる、弘道館を建てたという由緒ある場所で、吉田松陰も門下生であったことから、彼も通っていたかもしれないという場所です。

尚、松栄堂さんの香房体験だけご希望の方は無料でご覧になれます。
2日も、ホントに休む時間がない程、びっしりのメニューですが、お香だけを勉強されたい方は、この香房見学、聞香体験をされた後、ハイアットで畑社長のお話を聞いて頂くのも、有意義な一日になると思います。

悩ませてすいません!

2008年4月13日日曜日

ウエダ再興記(33)~ IT企業での役員

同時にいくつもの後ろ向きの処理ばかりを行なっていましたが、本来のリストラ(再構築)という意味からすると、それだけではなく、新しい展開もしていかなくてはいけません。
文具卸の連携先の模索、子会社株の売却、物流事業からの撤退交渉、残る事業の立て直し、銀行交渉、という難題を抱えながら、望みをかけてIT系企業の非常勤役員を引き受けていました。

この頃はネットバブルの真っ只中で、この会社も上場する準備を進めていました。
このオーナーは日本のみならず、世界的にみて、インターネットの黎明期から開発に関わっていた人で、後にネットスケープというウェブブラウザ-の前進であるモザイクにも関わっていました。
このモザイクというのは、後に出て、今や殆どの人が使っているインターネットエクスプローラーと同じ役割をするもので、これがなければインターネットにつなげないのですから、本当にインターネットの世界に革命をもたらしたと言っても過言ではないものです。
そんな実績が認められ、これもWindows95が出る以前には、世界で圧倒的シェアと取っていたユードラというメールソフトの日本での権利を、たくさんの大手会社と争そって権利取得していました。

このオーナーD氏と、彼が米国シリコンバレー時代に知り合ったN氏とで運営していた会社Kというのが、私が関わった会社でした。
このN氏という人も大変な経歴を持っている人で、家族全員日本人ですが家はパリにあり、この当時パリに住んでいたlunaparkさん(京都流ユーザー)から紹介してもらったという経緯で、丁度、一つ一つを売っていくというノウハウを持っていなかった
Kという会社で、繊維ではありながら一応、流通を川上から見てきた点と、独立して色々な業種に向けて出入りし営業をかけていた点を期待され、非常勤役員に迎えられたのでした。

ウエダ内での暗い事だらけの話とは対照的に、ネットバブル真っ盛りのこちらの業界では、正に夢の様な話がゴロゴロしており、これらネタをウエダが販売するという様な事ができれば、”苦境から脱却できる”これに望みをかけて、ウエダ内の事だけでもとても時間が取れる状態ではない中、優先してこちらの会社にいく時間を作りました。
今から考えると、ホントに唯一、夢を見れる時間であったので、これがあったから、モチベーションも続いたのかもしれません。

しかし経営会議では、ベンチャーキャピタルや、証券会社、信託銀行など上場に向けて関わっている会社も入って、MBAでも取得していないと分からない様な、賢い話が喧々諤々行なわれ、海外企業との交渉などにも何度か同席しましたが、
参加者は、それぞれが二ヶ国語以上話すので、通訳なしで当たり前の様に英語で行なわれ、こんな所で役員になっていて良いのか?
と初めは戸惑いました。

2008年4月7日月曜日

京都流議定書イベント 広報活動

”Do you Kyoto? Do you Kyotostyle?”イベントの広報活動が活発になって来ました。

4月5日土曜日の京都新聞朝刊で”京都観光や文化を考えるイベント”という事で紹介してもらいました。
主催は国際日本ホスピタリティー学会となっておりましたが、あれは今回、行政なども協力頂くに当たり、うちからお願いして主催に座ってもらった所です。

今日7日からFM京都でスポットCMを流していただいてます。
私は早速今日、2回も聞きました。
こちらはいきなり、”ウエダ本社70周年併設イベントでは・・”と始まりますので、お聞きの逃しなくお願いします。

又、本日京都リビングFMという局の”ワカバン”という番組で12時~12時半まで、生出演でイベントの案内をさせて頂きました。

これからもちょこちょこお耳にして頂ける事もあるかと思いますが、一番強いのは
”口コミ”です。
京都流の皆様方は是非、こういうイベントに興味ある方には、勧めて下さいます様
お願い致します!

2008年4月6日日曜日

ウエダ再興記(32)~ 色々な経験があればこそ

私も、株式の価格は勿論ですが、それ以外にもいくつかの具体的な条件を出しました。
株式の価格も今であればデューデリジェンス(資産の評価)を行ってという事になるのですが、この頃はそんな知識もなかったので、全て自分で考え、算出しました。

この頃の全ての交渉に言える事ですが、難しい事は分からなくても、原理原則に従い、ホントに死ぬ気になって取り組めば、凄く難しい事を勉強した専門家が出す結論と、かけ離れたものにならず、逆に実際身になる結論を出せると思います。

ディスカウントキャッシュフロー、当時でも言葉は知ってましたが、そんな算出方法よりも、単純に、唯一利益を出していて、しかも毎年コンスタントに見込める収益がある子会社が、グループから外れるわけですので、毎年見込まれる収益がなくなる、という事から考えれば、それを手放す場合は、どの位の見返りが必要か?という話になります。
三年~五年の間には、ウエダ本社を子会社からの収入などに頼らない、自社の本業だけで独り立ちさせないといけない、そう考えると自ずとディスカウントキャッシュフローなど知らなくても、常識的な線は計算できると思います。

株価以外にも、こういう視点でいくつかの条件を出しました。
中でも一番神経を使ったのは、子会社が離れる事により、数字を連結で出す事はできなくなるので、その事により銀行が一気に回収を図って来るであろう事でした。

その為、まず初めに、もし銀行がそういう態度になった場合、U社から借り入れをできる様に話しをつけていました。
(銀行対策の話も以前書きましたが、最悪の事態も想定して、その前にこの話を取り付けていました。)
その後、数ヶ月に渡り、何度も東京へ行き、交渉を重ねました。

この頃同時に進めていた他の問題への取り組みもそうですが、どの問題も半年以上かかっていた事ばかりですので、一つ一つの問題でも本当は十話以上の話は書けると思いますが、話が重くなるのと、公には言えない事もありますので、この交渉についても軽く結論だけにさせて頂きます。

色々な攻防がありましたが、株式の価格、売却後のウエダ本社の懸念される事に対するいくつかの補填の条件等については、私がほぼ考えていた通り、飲んでもらいました。

しかし、今回の売却の目的に一つには、グループ内にあっても無法状態であった子会社とルールの通じる上場会社に入ってもらう事によって、ウエダ本社との連携を図る事がありましたので、売却後の元子会社にも、役員で入れてもらうか、会議への参加を求めていましたが、それは却下されました。

又U社からすると、支配権が取得できれば総額は低い方が良いので、70%の取得にしたいという事で、こちらとしては30%を持っていても、議決権など何の効力もない事は分かっていましたが、あくまで連携が取れるならという事でそれ以上主張しませんでした。

ただ、一番納得はいかなかったのは、様々なルールを無視した子会社代表には、けじめの意味でも、完全に降りてもらうという事を入れておりましたが、U社も色々切れない事情があり、子会社がウエダ本社に内緒で作っていたその子会社の、株主として加わらせ、実際は経営にも関与させるという事でした。

上場会社であるU社がこういうグレーな決着をする事には大変憤りを覚えましたが、私は、その元代表個人を潰す事を目的としているわけではありませんので、これも目をつぶりました。

瀧定時代から含め、梯子を外されたり、裏切られたりという経験を何度もし、ウエダに入ってからはそれこそ命がけで色々な交渉を経てきましたので、この頃には自分がいくら正しくても、大きな視野に立ち、感情を押し殺す事ができる様になっていたのかも知れません。

瀧定に入社二年目位の血気盛んな私に上司が言ってくれた言葉があります。
”お前な、理屈で勝っても商売に負けたら、ビジネスマンとしては0点や”
逃げずに苦労して来た経験は、必ず役に立つと思います。

2008年4月3日木曜日

Do you Kyoto? Do you kyotostyle?イベント 岩上力氏

京都流の皆様には御馴染みの、今や京都検定では唯一の講師である岩上力さんの
セミナーは5月2日の14時10分頃から15時10分頃の予定で行ないます。

岩上さんのお話は本来、試験という側面の京都検定ではなく、京都の心を知るという、京都検定の元々の理念に沿ったものです。
しかし、それが検定向け講座では、本来の伝えるべき話ではなくなってしまう面がありますので、今回は、検定とは離れた、京都の心についてお話頂く予定です。
検定向け講座では聞けない、背景的な事についてのセミナーを、是非、お見逃し無くお願い致します。


又、ウエダ本社では岩上さんと、京都のくらしの12ヶ月として、京都で残すべき、伝えていくべき、1月~12月の京都の暮らし、行事を、分かりやすく解説して頂いたDVDを制作、販売していく予定です。
こちらも合わせて楽しみにして下さい。

決して、専門ではないので、画像などでも素人っぽい部分もあるかと思いますが、
だからこそ、伝えたい話をしっかり押さえた、映像のプロではできない物に仕立てていきましょうと、岩上さんとは話しています。