2007年3月9日金曜日

ドバイレポート③~ 京都流の都市計画

これだけの投資を一気に行なっているわけですから、幾ら手持ちの金で・・と言ってもどこかで限界が来るとは思いますが、ただ、凄いと思うのと共に、羨ましいのは、
首長(国王)自らがグランドデザインを描き、所謂国家の生き残りの為に自らが戦略を練って実行していっているということです。

そりゃ極端過ぎて、破滅するかも知れないですし、国王という立場だからできるという事は大いにありますが、国を考える、都市を考える場合、とても小手先の事では駄目で、このくらいグランドデザインから描いていかないと、うまく行かないのではないかと思います。

そういう意味で、観光立国を目指しているドバイを、観光都市を標榜している京都として、見に行ったという事ですが、国のTOPから国の仕組み、国民までもが全て意識を変えないと、こんな事はできないと思いました。

ただ、京都で勝てる事があるという事も再認識しました。
それはやはり京都には歴史があり、文化があるという事です。
これは何にも変えられない資産であるという事を再認識しました。

ドバイへ行って不思議な感覚を持ったのは、これだけの超高層ビルが乱立し、たくさんのプロジェクトが進行中なのに、何故か街からのエネルギーを感じませんでした。
上海に行っても、最初に香港に行った時も、何とも言えない街から感じるエネルギーがあったのですが、それが、それ以上の開発をしているのに、全く感じなかったのです。

これは何故なのか考えていたのですが、多分、国民や町衆が興して作った街ではなく、あくまで、何も無い所に上の立場の人が上物だけを作っていった街だからではないかと思います。

又エネルギーが無いのと同時に、深みも感じないのですが、これは歴史が無い、文化がないからではないかと思います。

京都ではとても、こんなTOPダウンでできる筈もないですし、グランドデザインから描いてという事もできないと思いますが、やはり京都には歴史、文化があり、街にはその重みと深みがあると思います。

その切り口をしっかり研ぎ澄まし、守る事が今からでもできる、京都流の都市計画ではないかと改めて思いました。

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